皆様のご愛顧まことにありがとうございます。
イタチが自来也から逃れた後。
「イタチさん。お身体は大丈夫ですか?」
「…あまり良くはないな…月読をカカシさんとサスケに使い…天照まで使わされてはな…」
「まずは移動しましょう身体を休めるにしても野宿では、お辛いでしょう」
鬼鮫は見た目に似合わず気づかいの出来る奴だ。…オレよりも年上だから経験値の差かもしれないが。
「確か近くに使われていないボロ小屋があったハズ…野宿よりはましでしょう」
オレは鬼鮫に肩をかしてもらいながら移動する。
人気のない小屋に到着した。中に入る。意外にも綺麗な状態だな。
「イタチさんは休んでいてください。薪でも拾って来ますので」
鬼鮫が小屋の外に出ようとした時、ガラッ 戸が開く。そこに立っていたのは、侍風の仮面の男…
「フム、先客か。ご一緒してもよろしいか?」
鬼鮫が鮫肌の柄に手をかける。
「白々しいですねェ。先程から後をつけていたでしょうに…何処ぞの賞金稼ぎですかねェ」
「フム、お気づきであったか…すると薪拾いは口実か…お二人の事は知っているが賞金目的ではない。金には困っていない。目的はそちらのうちはだな。アァついでに、あなたにも用はある」
ガタッ!鬼鮫が鮫肌を構える。ここは少し狭いな。鬼鮫には戦いづらいだろう。しかしオレが目的か…鬼鮫はついで?
「イタチさんが目的?ワタシがついでとは…何者ですかアナタは」
「フム……だいぶ弱ってるねイタチ。ちょっと写輪眼使いすぎじゃないの?」
口調が変わる。オレにこんな砕けた話し方をする奴は…まさか!
「オマエは…いやそんなハズは…」
「合ってるよイタチ。それについても話したくてね」
奴は戸を閉めズカズカ小屋に入り込む。合っている?しかしアイツは鬼鮫にボロボロにされたハズ。こんなに早く復帰出来るわけが…鬼鮫は口調が…とか言っている。
「戦いに来た訳じゃないからさ武器は預けてもいいけど。どうします?」
「そのままで良い」
鬼鮫がイタチさん!と声を出すが恐らく平気だろう。
奴は無理くり小屋の囲炉裏近くに座る。刀は帯から鞘ごと抜き自分の右側に置く。敵意がないことを示す作法だ。
鬼鮫は納得はしてないようだが渋々奴に攻撃しやすい位置に腰をおろした。
これで何とか話が出来るな。
「イタチ。だいぶ身体が病んでるね?写輪眼の使いすぎだよ。もう少し身体を厭えよ」
何故分かったと言うように眉間に皺が寄る。
「顔色を見れば分かるよ。そうとう無理してるだろ?昔から変わらんなー。ああ、このままじゃあれだね」
奴は仮面を外す。あの時見たままの顔がそこにあった。
「やはり…」
「アナタはワタシがボロボロにしたハズ…死んでないのは分かっていましたが…そんな早く復帰出来るわけが!」
「あぁ、木ノ葉かどっかで戦いました?そっか~ボロボロかあ~頑張ったんだろうなあ。霧隠れの怪人相手に」
戦った事を覚えていない?まるで他人事のような…
「影分身か…」
半分正解!と言った。半分?影分身ではあるようだが。
「…たしかヒカゲさんでしたか?アナタは何者ですか、イタチさんと分かって接触したようですが…イタチさんの体調も、そうですが…」
鬼鮫が冷静にヒカゲを見定めている。
「色々話す前に、」
そう言いながら立ち上がりオレに近づく。動こうとする鬼鮫を手で制しながら、ヒカゲの接近を許すと、ヒカゲの両手がチャクラを帯びる。これは医療忍術!
「これで多少はマシだろうけどさ。ふむふむ、写輪眼の酷使もそうだけど、肺がやられてるな…目と肺を重点的に…」
肺か…たまに血を吐くのはその為か…オレはまだ死ぬ訳にはいかない。ああ、楽になっていく。すまないヒカゲ。
「オレは治るのか?」
「…本来なら直ぐにでも病院のベッド行きだけど…その気はないんだろ?…うーん俺と定期的に会って処方するニガーイ薬を飲み続けるならば…なんとか…」
むっ苦い薬か…苦手だな。甘くは…出来ないか…そうか…ヒカゲと話していると任務のための仮面が剥がされるようだ。笑みが零れそうになる。
「じゃ本題ね!お二人さん。今のところから抜けて俺のところに来る気ないかい?」
ヒカゲお前はいつだって突拍子がないな…オレは嬉しいが…暁を抜ける訳にはいかない。オレの犯した罪も消えない。鬼鮫も抜ける気はないと思うしな。何だかんだと義理堅い男だからな。