幸せを謳歌する三剣士と少女のお話   作:超鱈

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キリトの剣技にドン引きする話です。
4話目にしてネタ切れが近いです。

忙しい間にお気に入り登録やしおり登録が増えており大変有難いです。
読者の皆様方毎度本当にありがとうございます。


キリトの秘奥義の手数が多過ぎてドン引きする剣士達

雲ひとつ無い快晴の青空から降り注ぐソルスの光が煌々とテラリアの大地を照らす、爽やかな夏の日。

ルーリッド村の外れの一角にある場所にて、その青空に照らされ透き通る様な輝きを放つ剣が一本閃いていた。

 

「──セアァっ!!!!」

 

亜麻色の髪をした少年が振るう剣の輝きを増すような青いライトエフェクトを纏う斬撃が空気を切り裂く。

流麗に走る剣の軌道は縦切りを始動としてステップを踏む事に繰り出される斬撃ごとに弧を描いていき、そのまま格子状に重なりあい解け…消える。

片手直剣垂直四連撃ソードスキル、《バーチカル・スクエア》。

剣を振り抜き余韻を感じる様な間を少し置き、残心の構えを崩したユージオは青薔薇の剣を腰の鞘に戻す。

そうするとこちらに振り向き右手を挙げて寄ってくるので、俺も応じるように右手を掲げてハイタッチをした。

 

「キリト、見てたか?」

「ああ、完璧だユージオ。見てたが俺より綺麗な型だぞ?」

「良かった…。型は綺麗でもキリトよりかはまだ速く鋭く振れないから、まだまだ修練を積まないとな」

 

そうユージオが己を律していても素直に口角が上がりっぱなしなのはやはり、初の四連撃ソードスキルを習得したからだろうか。

やはり四連撃技には一種の壁の様な物があるようで、《バーチカル・アーク》を使えるユージオでも、その上位スキルである《バーチカル・スクエア》の習得には2週間近くかかってしまった。

ユージオの熟練度的には間違いなく余裕でさっさと習得出来たスキルではあるが、やはりアンダーワールドの一撃重視な風潮を修剣学院で学んでいる分難しかったのだろうか。

 

「キリトみたいになるには何年かかるかな…」

「ユージオの腕ならすぐ追いつくとは思うぞ?」

 

実際にユージオはただの木こりから2年近くの修練で基礎レベルは5,6年近く修練をして来た俺とアリスレベルまで向上している。

剣の才能は誰よりもあるユージオだが、それを本人が自覚していないのでタチが悪い。手加減アリとはいえ2年で整合騎士の首席倒すなよ。

アリスも『お前は私達より剣才があるのだからもう少ししゃんとしなさい』と言っているが、『キリトとアリスには負けるよ。僕はまだ…』としか言わないので2人して肩を組んでユージオの髪をぐしゃぐしゃにしてやった事もある。

 

「お前なら多分来月くらいにバーチカル・スクエアは仕上がるな」

「またまた…アリスじゃあるまいし」

 

そう言ってユージオは謙遜を忘れずに目線を移す。移した先にあるのは、陽光に照らされて煌めく髪によって金色にも見紛う修練服を纏ったアリスの姿。

彼女もまた、ユージオと同じ様にアインクラッド流剣術の習得に励んでいた。

 

「──デヤァっ!!!」

 

地を揺らすような重い踏み込みの後に繰り出されるのは、空気を水平に薙ぐ黄金の斬撃。

右足の踏み込みと同時に繰り出された左薙ぎから、左足を軸にして身体を捻り後退しつつ回転を加えた右薙ぎ。そこから身体を制動させたと同時に地面を蹴り、目にも止まらぬ2連撃で切り抜ける。

片手直剣水平四連撃ソードスキル、《ホリゾンタル・スクエア》。

豪胆にかつ、美麗に舞う金木犀の剣と揺れるアリスの長髪。ソルスの元で輝くその剣技とアリスの姿に、いつの間にか俺達は見蕩れてしまっていた。

 

「ふーッ…。………!」

 

そんな俺達の様子に気付いてか、一息ついてパチンと鞘に剣を仕舞ったアリスは両手を挙げてこっちに近付く。修練の手を止め、人の剣技をぼーっと眺めていた俺達の頭を叩くため…ではない。俺とユージオはそれぞれ片手を挙げてアリスの手を叩く。

 

「追い付きましたよ。ユージオ、キリト」

「凄いよアリス!僕のよりよっぽど強そうだ」

「凄いのはユージオもです、すぐ私を煽てるのはやめなさい」

「いやユージオどころか俺のヤツより強そうなんだが…」

 

秘奥義もといソードスキルは技に合わせた踏み込みや体捌きを組み合わせると威力が上がる仕様はあるが、ここまでの底上げは見た事がない。一撃一撃が重単発技のような連撃技だ。

だが重みを意識している為かユージオよりかは連撃の繋げ方が荒い。技のユージオ、力のアリスと言ったところか。

 

「にしても、サーちゃんの剣技見てると私の身体知らない内に強くなり過ぎてビックリするのよね…」

 

もう1人の我ながら恐ろしいわ…。と手をグーパー繰り返し握りつつ呆れた様な声で話すのは、ツーベルクのアリス。

 

「アリスがルーリッドに帰ってきて久々に料理する!って言った時に包丁でさっくりまな板ごと斬ってビビってたのは面白かったな」

「軽く抑えたつもりが材料爆散したのには我ながら驚いたわよ」

「アリスが扉の押し引き間違えて、開かない扉に力込めたらそのまま外れた事もあったね…」

「ほ、本当に軽く開けようとしたつもりだったのに…」

 

力のアリスとは言うが、実際その力を制御するのにツーベルクはしばらく時間が掛かった。

久々に身体に戻ると肉体の強さはサーティの絶え間無い修練によりカセドラルにいたツーベルク時代より遥かに強くなっており、昔の意識で力を込めると色々爆発するバーサーカーと化していた。

記憶が戻ってユージオと抱き合ってた際には当人はアドレナリンが出てたから気付かなかったのか、カセドラルの医者曰くユージオの肋骨が数本ヒビ割れていたらしい。

 

「そういや、アリスは剣術に興味は無いのかい?」

「剣の方はサーちゃんに一任するわ。私は剣じゃなくて包丁を振るうから」

「包丁で四連撃するなよ?」

「四どころか十連撃してやるわよ、輪切りにね」

「おっ、《ノヴァ・アセンション》か…楽しみだな」

 

片手剣最上位ソードスキル、《ノヴァ・アセンション》。

その連撃数は脅威の10連撃。火力も手数も破格ではあるが、破格すぎる。

天命を削り切ることのない対人重視のこの世界では使われる事のない技にはなるだろう。

 

「き、キリト。聞きたいことが…」

「な、なぁキリト…」

「どうした?アリス、ユージオ」

「ノヴァ…何とかって名前、秘奥義の名だろ?もしかしてだけど、あるのか?アインクラッド流には四連撃を超える秘奥義が…」

 

戦々恐々とした様子でユージオは俺に更なる秘奥義の存在について問う。アリスも丁度同じことを聞きたかった様で、俺の顔を見て答えを待つ。

コイツらは何を今更聞いているのだろうか。

 

「あるに決まってるだろ…?なんならお互いの四連撃をマスターしたら次は《ヴォーパル・ストライク》と七連撃の《デッドリー・シンズ》を習得目標に…」

「「えっ?」」

「えっ?」

 

俺のフローチャートを話すと聞こえたアリスとユージオの腑抜けた声。まさかそんな反応が帰ってくるとは思わず、俺もつい間抜けな顔をして変な声を出すのだった。

 

 

 

───困った。

話を聞くとアリスとユージオは、常識的に考えて四連撃が秘奥義で繰り出せる最大の連撃数であり、後は最終決戦で放った重刺突技のヴォーパル・ストライクさえ習得したらアインクラッド流はマスターだと考えていたらしい。

むしろヴォーパル・ストライクは前倒しで教えはするが、片手直剣熟練度950/1000で習得する技なので、次教える予定の七連撃技デッドリー・シンズより習得が後になる技なのだ。

だがそんな事知ったこっちゃないアリス達からは秘奥義に七連撃以上の技があるなど聞いた事がなく、本当にお前の剣技は常識外れ過ぎると何故か俺が怒られた。

おのれ茅場。マジで許さないからな。

 

「言われてみたら周りに比べて1つの流派に技が多すぎるか…」

「それでは見せてもらいましょうか、アインクラッド流の連撃全てを」

「全てを!?」

「ほら、修剣学院の試験で演武とかやっただろ?アレをアインクラッド流の技全部で見せてくれよ、僕達そもそもアインクラッド流の技一部しか知らないんだから」

「お前朗らかな顔でとんでもない無茶ぶりするな?」

「夜はキリトの好きなご飯作ってあげるから、頑張りなさい」

「っし、やるか…」

 

そうして始まったのはアリスの美味い飯に釣られた俺によるアインクラッド流もとい、片手直剣ソードスキルの演武。

アリスとユージオは木陰の下で体育座りと胡座で腰を下ろし、俺はソルスの光の元で夜空の剣を振るう。

 

「昼前にしてはあちぃな…。じゃ、やるぞ」

 

額に浮かぶ汗を手首で拭ってから目を閉じ、剣を肩に担ぐようにして構える。

何気にこの世界で7連撃以上のソードスキルをするのは初だが、果たして出来るのだろうか…

 

「──ッ!」

 

踏み込みから繰り出される袈裟斬りの勢いを殺さずに反転させ、下からすくい上げる様な切り上げ。その切り上げの勢いに乗せて地を蹴り飛ばしサマーソルトのようなバック宙を交えながら勢いのままに剣を振るう。

片手直剣七連撃ソードスキル、《デッドリー・シンズ》。

魔法破壊(スペルブラスト)にALOで披露した以来に使う技であり、当時の再現の様に剣を振るうと無事に成功した。

 

「すごーい!お客さん取れるわよコレ」

「そうか?じゃあ次はお前らも習得を目指し『出来るわけ無いだろうが!』………て欲しいなって」

「だから無理だよ!」

 

珍しくユージオからの怒りの声が飛んできた。

うーむ、ユージオとアリスなら多分2週間もかからずに出来ると思うのだが。

 

「キリト、お前は私たちを曲芸師か何かと勘違いしていませんか?」

「いや真面目な剣術なんだけど」

「普通の四連撃の後に学ぶ事じゃないだろ!何だあの秘奥義中の()()()は!斬りながら…、蹴るのか!?」

「宙返り…?……あ、やべ」

 

勝手に俺流のアレンジ加えてたの忘れてた。

 

 

 

「──という事で、今のが基本の型です」

「変な事をせずに最初からそれをやりなさい」

「はい…」

 

怒られた。そりゃ剣技を磨くって言ってるのにいきなり剣を置いてサマーソルトの練習しろってなったらキレるか。

特にサマーソルトって概念すら無さそうだしな…体術交えた七連撃スキルの《メテオ・ブレイク》の説明はやめとこう。

 

「で、その次は何連撃なんだ?」

「八連撃だよ、《ハウリング・オクターブ》って言って多分やる事自体はさっきより分かりやすいぞ?」

 

技自体は正直単純である。瞬間的に5回の突きを繰り出した後に袈裟斬り、そのまま剣を逆手に持ち替え地面を蹴りつつ垂直に飛び上がり相手の頭上を取るような切り上げを行った後に全体重を掛けた一撃を叩き込む。

 

「ッと………。こんな感じだな」

 

実際にやって見せると、さっきよりかは2人からの評判は良さそうであった。最初に見せたスキルが酷すぎたせいもあるか…

 

「やはり使い所は難しそうですが、こちらの秘奥義はまだ分かりやすいですね」

「正直こっちの方がやりやすそうだな…」

「見た目は七連撃のほうが好みかも」

 

ただやっぱり使うかは怪しい。やっぱバーチカル・スクエアとかで十分だしな。

一度木陰で腰を下ろしシラル水をぐっと喉に流し込んで一息ついた所で、もう一度夜空の剣を手に取り立ち上がる。

 

「よし、じゃあ次で連撃は最後!あとヴォーパル・ストライクを見せて…」

「最後?何言ってるの?」

 

首を傾げてアリスは不思議そうにしているが、俺は最後だと思っていたので同じく不思議そうな顔をしてアリスの顔をまじまじと見つめ返す。

どうやらこれで最後だと思ってないようだが、一応片手直剣連撃技としてはこれが最後のはずだ。

流石に疑心暗鬼すぎる。幾らなんでも俺への信頼度が…低いのは当然か、俺だし。

 

「《ノヴァ・アセンション》で最後だと思うんだが…?」

「いえキリト、お前確か()()()が出来たでしょう」

 

アリスからの言葉におお、確かに。なんて言ってる余裕は無い。

そうだ。公にはしてないが、コイツらは俺が二刀流の剣士である事を知っている…

恐らくコイツらは片手直剣ソードスキルの演武が終わった後に二刀流ソードスキルの演武を要求してくるだろう。

だからって二刀流の剣技の披露は流石にめんど…疲労が溜まってキツイ。

この世界ではアインクラッドとは違い身体を動かした分だけしっかり疲労も溜まる。十六連撃や二十七連撃などした日には流石にそこそこ疲れてしまうだろう。

そのため俺は必死に頭をフル回転させて、二刀流の披露だけは避ける方針で行くのだ。

 

「…なあ、二刀流にも専用の秘奥義があるのか?」

「あるけど、ほらお前らの剣技には何ら関係な『見せなさい』」

「出来るなら、十連撃の演武を終えた後に見せなさい」

「いやでもほら、剣もう一本持ってないから『キリトになら青薔薇の剣貸すぞ?』『金木犀の剣も貸しますよ』神器の2本持ちは流石に限界超えてないと出来ないし」

「持ってみろよ、一回ホラ」

「いや流石にこんなの持てるわけ」

「………持てるじゃないか」

「おのれアドミニストレータァ…!」

「何を今更最高司祭に怒りの矛先向けているんだよ…」

 

押し付けられた青薔薇の剣を苦しそうに持てば許して貰えると思いきや、軽く持ててしまい内心で頭を抱え悶える。

チュデルキンとアドミニストレータを倒した事によって、俺とユージオとアリスはもれなく全員オブジェクト・コントロール権限とシステム・コントロール権限がとんでもなくぶち上がっていた事を忘れていた。

おかげさまで当時は限界を超えて実現していた神器二刀流が、今や普通に出来てしまう。

残念ながら逃げ場は無いらしい。

 

「分かったよ、やってやろうじゃねえか!!じゃあ二刀流の前にまず十連撃を」

「それは今度で、早く二刀流見せてよキリト」

「おい」

 

アリスに急かされたので、急遽始まる二刀流ソードスキルの披露。

折角貸してくれると言うので、今回は愛剣の夜空の剣を木に立て掛け、心意の腕で金木犀の剣と青薔薇の剣を借りて心意によりSAO時代のコートに身を包み背中に装備する。

 

「背中に2本背負うその姿が、本来のお前という訳ですか…」

「ああ。てか鞘いつも背負ってたから腰に帯刀する癖付けるまで大変だったんだぞ」

「カッコいいじゃないか、様になってるぞキリト」

「でもキリトが金色の剣使うの違和感凄いわね…」

妖精郷(ALO)では結構使ってたんだぜ?これでも…なっ」

 

鞘から2本の剣を引き抜くと感じる、手に馴染む程よい重み。

剣を抜いたはいいが、俺は一度システムについて少し考える。この世界に二刀流ソードスキルはあるのかについてだ。

ユニークスキルだから消されてる可能性はあるが、消されていてもこの世界なら心意の力で無理やり顕現する事も出来るのか…?

 

「…ま、1番使い慣れた技で試すのがいいか」

 

息をゆっくり吐いて…剣を構える。

青と金の剣はソルスの光を吸収するかのようにゆっくりとライトエフェクトを纏い、瞬間。爆発するかの様な勢いで2本の剣は鮮やかな剣閃を残す。

 

──速く。もっと速く。

 

過去の自分の言葉を思い返し、実践するかのように徐々にスピードを上げていく。

 

「──っラアァぁ!!!!」

 

剣を振るう度に聞こえてくる爆発音のような空気の弾ける音が、振るわれる剣の鋭さを強く物語っていた。

俺がアイツらに見せる為に選んだのは、かの世界で最も修練し、最も頼った二刀剣技。

二刀流上位ソードスキル、《スターバースト・ストリーム》。

乱舞の果てに見舞うは左手に握る青薔薇の剣での強烈な突き。

十六連撃目によってスキルの発動は終わり、両剣のライトエフェクトが消えていく。

俺は久し振りに放つ専用の必殺技とも呼べるスキルの余韻に、身体を委ねていた。

 

「凄ーい!カッコいいじゃんキリト!」

「ハーッ…………そうか?」

 

剣技の善し悪しがよく分からないアリスはパチパチと手を叩いてくれるが、流石に分かる方のアリスとユージオには刺激が強かったか。

スターバースト・ストリーム(頭のおかしい連撃秘奥義)に完全にドン引きしていた。

 

「じゅ、16回切ったのか?」

「見えてたのか、流石だなユージオ」

「キリトお前…死体を細かく刻むつもりですか?惨い…」

「そんなつもり無いからな!?なんならコレより上あるから!」

「「これより!?」」

「う、うん…。あ、いやでもアレ足止めるし、長いし嫌な記憶あるし…」

 

剣にも負けない鋭い目線の2人に詰め寄られて、壁を作るように手で押し返しつつ俺は焦りながら何とか言い訳をする。

脳内で思い浮かべるのは二刀流最上位ソードスキル、《ジ・イクリプス》。

刻む事を知らない茅場は十六連撃の次に脅威の二十七連撃を用意していた。

そしてその茅場に開発者特権で27連撃全部受け止められて…うん、思い出すのはもうやめよう。

スキルを使わないって言ってたのに頭に血が上って3秒後にスキルを使って負けるとかいう黒歴史は忘れよう。

 

「おい、包み隠さず全部見せろよキリト!」

「全部見せるまではご飯ありませんからね!」

「それはおかしいだろ」

 

遂にはご飯まで人質…?に取られる。ちなみに俺にはそれが1番困る。

 

「そもそも秘奥義で十六連撃なんて神話ですら聞いた事ないけどな…。最高司祭でも知らないんじゃないか?」

「あ、最高司祭で思い出したけどこんなんも出来るぞ」

「「?」」

 

もう一度剣を構えると、今度は右手の金木犀の剣のみにライトエフェクトがかかる。

そのまま俺は金木犀の剣で基本に忠実な《ホリゾンタル・スクエア》を放つ………が。まだ終わらせない。

四連撃目で意識と共にライトエフェクトが金木犀の剣から青薔薇の剣へ移る。

 

「シぃッ!」

「「なっ!」」

 

そのまま間髪入れずに放つは青薔薇の剣での《バーチカル・スクエア》。

次は左手の青いライトエフェクトが消えていくと同時に、右手の赤いライトエフェクトが激しく噴き出す。

隙を掻き消すように、すかさずもう一発。

片手直剣重単発ソードスキル、《ヴォーパル・ストライク》。

突き終わった頃には、左手の剣に新たな赤いライトエフェクトが収束しているので力を込めて繰り出す。

最後に使うは最終局面で放ったヴォーパル・ストライクの二度打ち。

 

「──という事で、これが片手剣の秘奥義を左右切り替えて使って後隙を消しながら連撃が出来る剣技連携(スキルコネクト)だな」

「お前は何を言ってるんだキリト」

「何を言っているんですかキリト」

「よく分からないけど凄そうね」

「いやだからこれ二刀流のテクニックで…、秘奥義って後隙デカいだろ?だから…、いい感じに切り替えて不意打ちにも火力伸ばすのにも…」

「それは他の人にも出来るのか?」

「やってる奴は俺だけだったぞ、二刀流もな」

「本当にキリトってやつは………。まあもう良いか、キリトだもんな」

 

眉間に指を添えてやれやれと言った様子のユージオ。

アリスもユージオの言葉に頷いている様子だ。

遂にはもう俺の異端さに頭を痛めて諦めたらしい。

 

「ちなみに将来的にはユージオに是非とも二刀流を…」

「無理だよ」

「あとアリスにも素質が『嫌です』嫌です!?」

 

無理ですでは無く嫌ですと言われてしまえばどうしようもない。

残念ながらアンダーワールドに存在する二刀流は俺で途絶えるらしい。

まあ素質を感じるユージオには将来的に無理やり教えるが。

断られた所悪いが既にユージオ君二刀流化計画は水面下で進んでいるのでな。

 

「じゃあお前らから借りてた剣返すよ…。そんじゃ、真面目に片手剣の練習するか」

「何勝手に終わらせようとしてるんですか、早くその十六連撃の上の技を見せなさい」

「ここで剣を返したらキリトの夜飯無いからな」

「そうね、昼ご飯に持ってきてるサンドイッチとパイも皆で食べちゃおっか!」

「なんでだよ!分かった、お前らが全部片手剣の秘奥義覚えきったら教えてやるから!」

「それはそうか…。ごめんよキリト、無茶言って。それじゃアリス、そろそろやろうか」

「そうですね…、休みすぎたみたいですし…。……どうしたのツーベルク?」

 

アリスは下ろしていた腰をあげようとするが、何やらツーベルクが拒否をしているらしく立つ事が出来ない。

 

「私剣術とか無理だから、そのぶん私には見せなさいよ」

「いやでもそしたらアリスにバレちゃうだろ」

「ご飯無いわよ」

「さっきからそれズルいって!」

「ユージオ、ほら腰下ろして!キリトの剣術見るわよ」

「仕方ないなアリスは…」

「ユージオは何仕方なさそうにしてるんだよ!お前はいいだろ別に、夜空の剣貸すから剣振れ剣!」

「ユージオ、少し早いけど昼ご飯にしよ?それ全部食べていいわよ」

「ごめんなさい!やるから!食べるなユージオ!」

「アリス…、なんか罪悪感凄いよこれ」

「いいのよ、キリトなんだから」

「お前らは俺の事なんだと思ってるんだ…?」

「「親友」」

「………ダメだ、許せる」

 

完全にアリスの料理に胃袋を掴まれている俺は残念ながらアリスの脅しに屈する事しか出来ない。

しかも俺の事なんだと思ってると聞いたら速攻で帰ってきた《親友》との一言。流石にやる気は出た。

 

 

 

………そうしてその日、ルーリッド村の一角で太陽コロナが爆発する様なスキルエフェクトの光が一部の人物達に観測された。

観測者に直接感想を聞いたところ、「本当に何がなんなのか訳が分からないんだけど」「お前に弟子は今後出来そうに無さそうですね」「よく分からないけど多分綺麗だと思う」との事。

二刀流を披露した当の本人はしばらく筋肉痛に悩まされたらしい。

 




投資:7875発(375発)
回収:10800発
勝率:(3/4)

夜空埋まってたから閃光座ったら3万飲まれて、夜空空いたの座ったら2500円で全部取り返しました。
ここまで読んでくださる読者の皆様方には感謝が止まりません。いつもありがとうございます。
次回はツーベルクの料理教室か、ティーゼに会いにいく約束を今更思い出して頭を抱えるユージオか、天命を弄るコマンドで失った子供時代を謳歌しようとする話です。



1回負けてるのは友人に夜空の演出だけ見てほしいから並び打ちしようと5000円貸して誘ったら友人は5000円で55000円勝ちして自分は隣で15000円溶かした時のやつです。
夜空の勝率が高いのは相性がいいのかSAO愛のおかげか小説のおかげか分かりません。
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