階段を下りると、奥へと続く一本の道が存在していた。奥へと進むと、大きな扉が現れた。
「あれか」
「おそらく、奥には堕天使とエクソシストの大群が存在すると思う。覚悟はいい?」
祐斗の言葉に俺たちは頷く。
「さぁ行くぜ」
俺と一誠が扉を開け放とうとしたとき、扉の方が勝手に開きだした。
「いらっしゃい。悪魔のみなさん」
部屋の奥にいた堕天使が言葉をかけてきた。その堕天使が俺の視界に入ったとき
ドクンッ!!!
あの激しくドス黒い血流が流れ出し、一気に全身へ巡った。
俺の思考はもう、そのドス黒い血流で埋め尽くされていった。
「アーシアァァ!」
「……イッセーさん?」
「ああ、助けに来たぞ!」
一誠が微笑むと、アーシアは涙を流した。
片方は感動の再開中だが、俺はあいつを殴り飛ばさないとこの怒りが収まらない。
「いくぞ小猫、祐斗」
「……わかりました」
「そうだね、いこうか」
俺と祐斗と小猫は、光の剣を手にしている神父の大群へと向かっていった。
◆
祐斗side
光の剣を手にしている神父達へと向かっていく僕達。
バン!
小猫ちゃんが、神父の一人を殴り飛ばしていた。相変わらず、恐ろしい怪力だね。
|光喰剣≪ホーリー・イレイザー≫を抜く。
過去の事があって、どうしても神父が嫌いでね。全力でいかせてもらう。
「はぁ!」
襲い掛かってきた神父の光を喰らい、そのまま斬りつける。
まず、一人。
部室にいるときとは全然雰囲気が違うクリスは、|蛇腹剣≪じゃばらけん≫という剣でもあり、鞭でもある武器で、一誠くんの周りにいる神父を薙ぎ払っていた。
しかも、とても楽しそうに…。
友人として、クリスの新たな一面を知った。嬉しいような悲しいような…。
一人の神父が、後ろからクリスに光の剣をふりおろす。
しかし、それをわかっていたように蛇腹剣を日本刀に代え、それで受け止め、片方の手に銃を生み出し神父を射殺した。
ーー圧倒的だった。
クリスは、自分の神器の能力を悟っている。そして、それの扱い方を熟知している。
悪魔になって1ヶ月も経っていないのに…。
Γ祐斗、小猫。一誠の退路を作るから、手伝え」
Γあ、うん。わかった」
Γ……了解です」
Γ木場! クリス! 小猫ちゃん! 」
Γ先にいくんだ! ここは僕達でくい止める!」
Γ早くいけ、一誠」
Γ………早く逃げて」
Γでも!」
僕達が心配なのか、アーシアさんを抱っこしながらも立ち止まる。
兵藤くんは、根はとてもいい人とというかお人好しなのだろう。普段はエロエロだけど。
その態度にイラっときたらしいクリスは、兵藤くんに
Γアーシアを連れて早く逃げろっていっているだろ! お前がここにいても邪魔なだけだ! 俺たちが何とかしてやる。お前は上に逃げろ」
兵藤くんは悔しそうな表情しながら、地下の廊下を駆けていった。
◇□◇
Γねぇ、クリス。何で兵藤くんにあんな事言ったんだい?」
エクソシストたちを全滅させたあと、未だに荒々しい雰囲気のクリスに訊いてみた。
Γ祐斗もさっき知ったと思うが、あいつは友達や仲間を見捨てる事のできない甘いヤツなんだよ。あのとき叱らなかったら、ずっとここにいただろうな」
Γクリスも同じぐらいのお人好しだよ」
僕の言葉に、クリスは顔をしかめたけど……。
否定はしていないという事は、自覚しているらしい。
Γ兵藤くんと同じ考えだったんだよね?」
Γ………」
黙るという事は、肯定と思っておくよ。
Γあと聞きたい事があるけど…、いいかな?」
Γなんだよ」
僕は、ここに来てからずっと疑問に思っていたことを口にした。
Γキミに何があったの?」
Γ………」
Γあんな短期間で
Γ……私も知りたいです。先輩の性格が変化した理由が」
小猫ちゃんも気になっていたらしく、クリスに訊いていた。
Γ……わかった、少しだけ教えてやる。俺は視たものを一瞬で覚える体質なんだ。本で調べてみたが、絶対記憶能力というらしい。1つの国に一人はいるらしい。性格が変わったのは……、これは教えることはできない。済まないな」
Γ……教えることができないのならいいです」
小猫ちゃんは少しだけ残念そうだ。無表情だけどね
僕は改めて、友人の凄さを知った。
◆
クリスside
祐斗と小猫に自分の秘密を話して、すぐに部長と朱乃さんが魔方陣でジャンプしてきた 皆で一誠の方へ向かう。
地上へ出ると、ちょうど闘いが終わったらしい。
だが、力を全て出しきったのかその場で崩れ落ちそうなところを、俺は一誠の肩を抱く。
Γ頑張ったな、親友。堕天使を倒すなんてな」
Γよー、遅ぇよ。ダチ公。HSSになっているってことは、神父たちは全滅だな」
おい、一体どういうことなんだ。と思ったが、俺の特異体質を知っている一誠のことだ。半分くらいは俺が倒したと思っているな。ほぼ全て俺が
Γ無事……ではないけれど、勝ったようね」
Γぶ、部長…。なんとか勝ちましたよ」
Γフフフ、えらいわ。さすが私の下僕くん」
鼻先をつんと小突かれる一誠。
Γ部長、持ってきました」
小猫が堕天使を引きずってきた。
堕天使を見た瞬間
ドックン………!!
ドス黒い血流が、また真芯へと集まっていった。
攻撃一辺倒の思考に、女が相手でも手加減しない、できない。
通常のHSSは、女相手に全力を出すことは出来ない。
それは元々、HSSが子孫繁栄の為の能力であり、女性を守る為にあるのだから。
Γ………」
朱乃さんが、気絶していた堕天使を水の魔力で強制的に起こした。
俺はこいつを許さない…!
Γごきげんよう、堕天使レイナーレ」
Γ……グレモリー一族の者か……」
Γはじめまして、私はリアス・グレモリー。グレモリー家の次期当主よ。短い間でしょうけど、お見知りおきを」
Γ部長、こいつは俺にやらせてもらってもいいですか?」
普段の俺とは違うのを感じとったのか、無言で頷いた。
Γおい、レイナーレ。俺のことは覚えているか?」
Γッ!! お前は……!」
覚えていたか。
Γ俺はお前に殺された者だ」
俺の殺意と憎悪を感じとったのか、一瞬怯えた表情をしたがすぐに勝ち誇った顔をした。
Γいっておくが、仲間はこないぞ。部長が全滅させたらしいからな」
部長は懐から三枚の黒い羽を取り出した。
Γこれは彼らの羽。同族のあなたなら見ただけでわかるわね?」
レイナーレの表情が一気に曇る。
Γイッセーくん! 助けて!」
レイナーレが一誠に媚びを売る。
ふざけるなよ…! お前はいつまで一誠を苦しめるつもりだッ!
Γ喋るんじゃねぇよ…! 俺のダチをこれ以上苦しめるなッ!!」
レイナーレの肩を掴み、直接凍らせた。
それを緋弾のアリアに出てくる『
◇◇◇◇
聖堂の宙に淡い緑色の光が浮かぶ。
Γさて、これをアーシア・アルジェントさんに返しましょうか」
Γで、でも、アーシアはもう……」
俺たちはアーシアを救う為にここへ来たが、結局俺たちは彼女を救えなかった。
Γイッセー、これ、なんだと思う?」
部長が出したのは、紅い『
それを見て部長が何をしようとしているか、わかってしまった。
Γ部長。アーシアを悪魔へ転生させるのですか?」
Γええ。前代未聞だけれど、このシスターを悪魔へ転生させてみる」
多いな、前代未聞。
だが、アーシアが生き返るのならいいかな。
Γ我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。いま再び我の下僕となるため、この地へ魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、新たな生に歓喜せよ!」
駒と神器が完全にアーシアのなかに入ったのを確認すると、部長は魔力の波動を止めた。
少しして、アーシアの瞼が開きはじめた。
一誠はそれを見て、涙を流した。
Γ悪魔をも回復させるその子の力が欲しかったからこそ、私は転生させたわ。イッセー、あとはあなたが守ってあげなさい。先輩悪魔なのだから」
一誠はアーシアを抱きしめながら言った。
Γ帰ろう、アーシア」
俺は感動的な再会を果たした二人を見ながら、呟いた。
Γこれにて一件落着、だな」
◇◇◇
後日談。
一誠がレイナーレに勝った最大の理由は、『
まぁ一誠はそれ以外、ほぼ普通の学生と変わらないからな。
アーシアは一誠の家でホームステイするそうだ。性欲の権化である一誠の家に住むとは…アーシアには、驚かされてばかりだ。
そのアーシアは、駒王学園に編入するそうだ。しかも俺たちのクラスに。部長が手を回したのだろう。
俺はというと……
Γ……お世話になります。クリス先輩」
自宅に小猫が住みはじめた。
理由を述べてもらったところ…
先輩のもう1つの体質を、教えてもらうまでここにいるらしい。
これだけは、女子には絶対教えきれないんだ!
Γ……はぁ」
でもなんとかなるか。
Γこちらこそよろしくな、小猫」