ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~   作:あっくん

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戦闘校舎のフェニックス
第10話~焼き鳥の襲来~


「はぁ…はぁ…、しっかり、しろ。一誠」

「ぜーはーぜーはー」

俺と一誠は今、朝練をしている。俺は自主練だが、一誠は部長とのトレーニングだ。

日頃から鍛えておけばいいのに。

「日々の基礎鍛練から。少しずつ強くなっていけばいいのよ。私の下僕が弱いなんてことは許されないわ」

「頑張れ、一誠。お前なら、いける」

「おうよ」

一誠は公園に到着すると、走るのを止めた。

「お疲れ様。次はダッシュいくわよ」

一誠は休む暇もなく、ダッシュをやりはじめた。

どうやら、部長は鍛練のことになると、鬼へと変化するらしい。

公園にある時計を見ると、午前6時を回っていた。

「では、部長。俺はこれで」

「また、学校でね」

 俺はさっきよりペースをあげて、自分の家へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

「父さん、母さん、行ってきます」

 部屋に飾っている父さんと母さんの写真に言って、玄関で待っていた小猫と一緒に家を出る。

「……先輩は自分の部屋で、なにをしているのですか?」

「……亡くなった父さんと母さんに、あいさつをしているんだ」

「……すみません、踏み込みすぎました」

小猫の表情が暗くなった……気がした。同情しているのだろう。

「いや、慣れているから別にいいけど」

とは言っても、同情というものはあまりいい気がしない。

「最近神矢と塔城さんが同じ方向から登校しているぞ…!」

周りが何やら騒がしいな。

「…噂じゃあ同棲しているらしい」

「…あいつ、ロリコンなのか…?」

おい、誰だロリコンと言った奴。言っておくが、俺はロリコンではないからな!

「……?」

小猫が首をかしげる。

可愛い…と思ってしまったのは、何かの間違い…だと思う。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

一誠たちと旧校舎へ向かう途中、一誠が祐斗に相談をしていた。

部長のことらしいが、祐斗もわからないらしい。

部室の扉前に到着したと同時に、気づいた。

部室に誰かいる。

オカ研の皆の気配ではない。もっと強大なナニカ。

冷や汗がでる。HSSではない今の俺では、勝てない。

いや、教会を強襲したときの俺でも勝てないだろう。それほどの重圧感があった。

祐斗も感じているらしい。目を細め、顔を強張らせている。

何も感じていないらしい一誠は、扉を開く。

室内には俺達以外の部員と、銀髪のメイドがいた。

会話のない張り詰めた空気が室内を支配していた。

「全員揃ったわね。では、部活をする前に少し話が―――」

部長の話を遮るように、グレモリーの魔方陣ではない魔方陣が、現れた。

 

「―――フェニックス」

近くにいた祐斗がそう口を漏らした。

フェニックスの魔方陣からホストっぽい男性が現れた。

祐斗が爽やか系のイケメンならば、ワル系のイケメン。

「愛しのリアス。会いに来たぜ」

ホストのほうは嬉しそうだが、部長はあまり歓迎していないようだった

「この方はライザー・フェニックスさま。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます」

フェニックスということは、不死鳥。死なないのか

「リアスお嬢様とご婚約されておられるのです」

………は? 婚約?

「ええええええええええええええええッッ!!」

一誠が絶叫した。このホストは部長の婚約者だった。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

ソファに座っている部長に触るライザー。

一誠が憎々しげに眺めている。今にも飛び出しそうだ。

「ライザー! 以前にも言ったはずよ! 私はあなたと結婚なんてしないわ! 私は私が良いと思った者と結婚する。古い家柄の悪魔にだって、それぐらいの権利はあるわ」

「……だったら、俺はキミの下僕を全て燃やし尽くしてでもキミを冥界に連れ帰るぞ」

ザワッ。

殺意と敵意が室内全体に広がる。

「お嬢様、ライザーさま。落ち着いてください。これ以上やるのでしたら、私も黙っているわけにもいかなくなります。私はサーゼクスさまの名誉の為にも遠慮などしないつもりです」

静かで迫力のある言葉をメイドさんが口にすると、部長もライザーも表情を強張らせた。

「こうなることは、旦那様もサーゼクスさまもフェニックス家の方々も重々承知でした。正直申し上げますと、これが最後の話し合いだったのです。これで決着がつかない場合は『レーティングゲーム』にて決着をつけろ、とのことです」

「やるわ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!」

「いいだろう。そちらが勝てば好きにすればいい。だが、俺が勝てばリアスじゃ俺と即結婚してもらう」

「承知いたしました。お二人のご意見は私、グレイフィアが確認させていただきました。ご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮を執らせてもらいます。よろしいですね?」

 二人は無言で頷く。

「わかりました。ご両家の皆様には私からお伝えします」

確認したメイドさん――グレイフィアさんが頭を下げた。

レーティングゲーム、か。興味がわいてきた!

 

「なぁ、リアス。まさか、ここにいる面子がキミの下僕なのかい?」

ライザーの一言に部長は片眉を吊り上げる。

「だとしたらどうなの?」

「はっはっは! これじゃ、話にならないんじゃないか? キミの『女王』である『(いかずち)巫女(みこ)』ぐらいしか俺の可愛い下僕に対抗できそうにないな」

 フェニックスの魔方陣から人影が現れる。

 1、2、…多いな。

ライザーの周りに総勢十五名の眷属悪魔が集結した。

しかも全員女性。一誠なら泣いて喜ぶが、俺は今にも逃げ出したい気分だ。

「お、おい、リアス…。この下僕くん、俺を見て大号泣しているんだが」

ライザーが一誠を見て、ドン引きしていた。

「すみません、ライザーさま。こいつの夢はハーレムでして。あなた方を見て感動しているのです」

俺はライザーに説明する。

「きもーい」

「ライザーさま、このひと、気持ち悪い」

「そう言うな。上流階級の者を羨望の眼差しで見てくるのは下賤な輩の常さ。あいつらに俺とおまえたちが熱々なところをみせつけてやろう」

 そう言うと、ライザーは女の子の一人と濃厚なディープキスをしだした。

「んっ……あふっ……くちゅ…ふあ……」

 ドクンッ!

………こんな所で、そんなことやるなよ。

悔しい事に、俺はあの光景を見てHSSになっていた。

「やはり。お前と部長は不釣合いだ」

俺の言葉に、ディープキスしていたライザーがこっちを向いた。

「もう一度言ってみろ、リアスの下僕くん」

「ああ、もう一度言ってやるよ。――お前と部長は不釣合いだ。種まきがお得意の焼き鳥さん?」

 俺の皮肉にライザーは憤怒の表情となった。

「焼き鳥!? こ、この下級悪魔ぁぁぁぁぁ! 調子こきやがって! 上級悪魔に対して態度がなってねぇぜ。リアス、下僕の教育はどうなってんだ!?」

「焼き鳥って……」

オカ研の皆は、俺の焼き鳥発言で笑いを堪えているようすだった。皆も少なからず思っていたらしい。

 

「くっそ…、俺を馬鹿にしやがって…!! ミラ! やれ!」

「はい、ライザーさま」

ミラと呼ばれた子が棍を器用に回したあと、俺へ構えた。

対する俺は日本刀を顕現させる。

「っ!! 神器持ち…!」

ミラは一瞬怯んだが、すぐに持ち直して鋭い突きを放ってくる。

俺はそれを受け流し、ミラの首に刃の方を当てる。

「ッ!!」

「動くなよ。――助けようたって無駄だ。今の俺にはドコにいても攻撃は当てれるのだからな」

ミラを助けようとしていた、ライザーの眷属がピクッと動いた。

空いていた左手にはベレッタM92Fがある。安全装置(セーフティー)も抜いてある。

ここにいる皆は、今の俺の絶対半径(キリングレンジ)内だ。

「お止めください」

ゾクッ…。

グレイフィアさんがとてつもない重圧感(プレッシャー)を放ちながら言う。

「これ以上続けるのなら、私も干渉させてもらいますよ?」

恐ろしいことを口にするグレイフィアさん。

「……わかりました」

日本刀とベレッタを消す。

「ゲームは十日後でどうでしょうか?」

「いいだろう、十日もあれば下僕をなんとかできるだろう」

 グレイフィアさんの提案にライザーは乗った。

「わかったわ」

部長も乗ったようだ。

「リアス。次はゲームで会おう。――そこの下僕悪魔。名前はなんていう?」

 ライザーは俺に指差しながら言う。

「リアス・グレモリーの『兵士』神矢クリス」

「神矢クリスというのか。お前はこの俺が直々に叩きのめす」

 そう言い残し、ライザーと愉快な仲間達は魔方陣の光の中へ消えていった。

 

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