テストやバイトとか色々な用事がたくさんあり、
更新がとても遅くなりました!
何しろ予定が山積みで…、もしかしたらもっと遅くなるかもしれませんが
今後共よろしくお願いします!
パンッ! と乾いた音が部室中に響いた。叩かれたのは――祐斗だ。
「どう? これで少しは目を覚ましたかしら?」
部長に頬を叩かれてもなお、祐斗は無表情だった。
いつものニコニコ顔がどこにも見当たらない。不気味に思える程だった。
「祐斗。何があった?」
「……クリスには関係ないことだよ」
「関係なくはない。俺たちは友人で仲間だろう」
「クリスの言う通りだ」
俺の言葉に一誠はうんうんと頷いていた。
「キミたちは熱いね。……イッセーくんにクリス。僕はね、ここのところ、基本的で自分の目的を思い出したんだよ」
祐斗はがいきなりしゃべりだした。
「……部長の為じゃないのか?」
俺の問いに祐斗は頭を横に振った。
「違うよ。―――僕は復讐のために生きている。聖剣エクスカリバーをこの手で破壊するために。それが僕が戦う理由さ」
祐斗の決意に満ちた表情。
このとき、俺たちは祐斗の本当の顔を見た気がした。
◇◆◇
「聖剣計画?」
一誠が部長に訊くと、部長が説明を始めた。
「数年前まで、キリスト教内で聖剣エクスカリバーが扱える者を育てる計画が存在していたの」
「知りませんでした。……そんな計画があったなんて」
数年前に聖女として祀り上げられていたアーシアには、こういう『裏』の事は耳にしないだろう。
「聖剣は対悪魔にとって最大の武器。触れればその身を焦がし、斬られれば跡形もなく消滅する。神を信仰する使徒とっては究極とも言える武器よ」
確かに…仁が持っていた刀を見た瞬間、本能が拒絶反応を起こしたしな。
「けど、祐斗は聖剣に適応できなかった。それどころか、祐斗と同期の人たちも全員適応できなかったようで、処分という名目で殺されたわ」
――処分。
その言葉だけでどうなったか容易に想像できる。
俺は手から血が出るぐらい強く握りしめていた。
適応していなかっただけで殺すだと? なんて組織だ!
「とにかく、暫くは様子を見守るわ。聖剣への思いがぶり返しているようだし、ただ、普段の祐斗に戻ってくれるといいけど」
部長の言う通りだ。一刻も早く、普段の祐斗に戻って欲しいものだ。
◇◆◇
次の日の放課後。
俺達グレモリー眷属は部室に集められていた。
ソファには部長と朱乃さんと二人の目の前にいる教会から使者である女性二人と俺の幼馴染である荒神仁が座っている。
さっきから本能が逃げろといっているように、俺は今にも逃げたい気分だ。
だがそうもいかない。祐斗が彼女に怨恨や憎悪が混じった視線を向けているからだ。
やめろよ…祐斗。ここでお前が斬りかかったら、教会と悪魔との戦争が始まる…!
「先日、カトリック教会本部ヴァチカン及び、プロテスタント側、正教会側で管理、保管していた聖剣エクスカリバーが奪われました」
――っ。
聖剣が奪われた…? エクスカリバーは一振りだけじゃないのか?
俺の考えを読めたかのように、仁が説明する。
「聖剣エクスカリバーってのは、大昔に破壊され七本に分けられたのさ。でだ。七本の内、三本盗られたってわけだ」
「成程。丁寧な説明ありがとう」
分かりやすかった。これで少しだけつかめたってわけだな。
「今はこういう姿になっているわけさ」
青い髪に緑のメッシュを入れている女性が傍らに置いている布がに巻かれている長い物体を解き放つ。現れたのは一本の長剣―――
ゾワッ!
その剣からとてつもなくヤバイ気配を感じ、俺はベレッタM92Fを呼び出し、斬撃耐性を加えた駒王学園の制服になっていた。
それを見た仁がニッと笑んだ。
「いい反応だ、クリス。――これは七本あるエクスカリバーの一つ。『
…破壊の意味を持つエクスカリバーか。名前から考えると、これが七本の中で最も破壊力があると見ていいかもかな。
視界の隅で茶髪の女性が紐のようなものを取り出した。
その紐は、突然意思を持ったかのように動き出し、一本の日本刀に変わった。
「私のほうは『
擬態の意味を持つエクスカリバー。…こちらは武器を持っていないと見せかけて、油断したところで殺るという方法ができる。
ここにエクスカリバーが二本あるのはすごいことだが、悪魔な俺達にとってはとても喜んではいられない。むしろ危機感を持たなければいけないんだ。
能力を話しているということは、それを知られてもなお、俺達に遅れは取らないということだろう。
「やれやれ。二人が言ったら俺も言わないといけないな」
仁が嘆息しながら言うと、傍らに置いている杖を取った。
…俺が家で見たのと違う。
「これは『
「――ッ!?」
協会のからの使者を含む全員が驚愕していた。
「じゃ、じゃああなたが今代の所有者ってこと?」
部長が口元を震えさせながら言う。
「まぁ、そういうことになるかな」
部長の問いに頷く仁。
「部長。『十拳剣』って何ですか?」
「『十拳剣』はさっき説明されたとおり、日本の荒ぶる神スサノオが使っていたとされる刀なの。ただ、謎が多くてその刀がどこでどうやって造られたか、能力はなんなのかはあまりしられていないわ。知られているのは、ある一族にしか扱うことができないことと名前の通りに十個の能力を持つことだけ」
部長の言葉に一誠絶句しているようだった。
俺も驚いている。分裂前のエクスカリバーは七つの能力を使えただろうが、十拳剣はそれを超える十個の能力を扱うことができるんだ。
「…でもな、
今の俺―――。
ということは、俺と同じように特異体質があるとみた。
それにひとつだけの能力もわかった。だが、それはここでは言わないほうがいいだろう。
「さ、話を戻そうか。ゼノヴィアとイリナ、要件をいうんだ」
「わかった」
ゼノヴィアとイリナと呼ばれる女性の要件というのは堕天使に奪われたエクスカリバーが極東に持ち込まれたこと。
奪った堕天使が『
教会からの依頼は、コカビエルからエクスカリバー争奪の戦いを邪魔するなということだった。教会からすると、悪魔が堕天使と組み教会を潰されたりしたらたまったもんじゃないらしい。
悪魔が堕天使と手を組むなんてありえない! と部長はキレていたが…。
まぁ血をみないで済むような感じで終わりそうだったとき―――
「『魔女』アーシア・アルジェントか? まさか、このような地で会おうとは」
魔女という言葉にアーシアがビクッと身を震わせる。アーシアは過去辛い目にあっているのだ。
「しかし、悪魔。『聖女』と呼ばれていた者が墜ちるとこまで堕ちたな。まだ我らの神を信じているのか?」
「ゼノヴィア。悪魔になった彼女が主を信仰しているわけないじゃない」
ゼノヴィアに呆れた様子のイリナ。
ドクンッ!
ドス黒い血流が流れ始める。――まだ我慢しろ。こんなところでベルセになったら戦争が起こる…!
「いや、彼女から信仰の匂いがする。私はそういうのに敏感でね、背信行為をしている輩にも信仰心を忘れない者がいる。彼女からはそれと同じ匂いがするのでね」
複雑な表情でアーシアは言う。
「……………捨てきれないのです。今までずっと、信じてきたものですから」
アーシアの言葉にゼノヴィアは布に包まれたエクスカリバーを向ける。
「そうか。それならば、今すぐに私たちに斬られるといい。罪深くても、我らの神ならば救いの手を差し伸べてくださるはずだ」
ドクンッ!!
ゼノヴィアの言葉が引き金となり、俺はヒステリア・ベルセになっていた。
「「触れるな」」
俺と一誠は重なるように言う。
一誠はアーシアの前に立っていて、俺はベレッタの銃口をゼノヴィアに向けていた。
「そこから動くな。動いたらお前達の頭を撃ち抜く」
「お前に私を殺せるのか? 一介の悪魔が私を」
ゼノヴィアが挑発する。通常の俺ならばその挑発には乗らないだろう。
だが、今の俺はベルセ。挑発に乗りやすいのだ。
「じゃあ、今から試してやるよ。俺を怒られたこと、後から後悔すんじゃねぇよ!」
パァンッ!
ベレッタの銃弾がゼノヴィアの額に向かっていく。
だが、その銃弾は途中で真っ二つに斬られた!
「…クリス、ゼノヴィア。やりすぎだ」
緋色に染まった十拳剣を鞘から抜き放ち、さっきとは雰囲気が違う仁がいた。
杖だった十拳剣は日本刀に変わっていた。
ていうか、さっきの剣速。ベルセの俺にでもかろうじて見えたぐらいの速さだった!
「そんなに戦いたいのなら、さっきから殺気を俺達に向けているあの少年を加えての三対三で戦おうじゃないか」
「いい考えだね。やろうじゃないか」
今まで黙っていたのが怖いぐらいの祐斗が部室内で魔剣を出現させながらそのケンカを買った。
「……俺もなのか」
と、一誠が呟いていたのは誰も気づかなかった。
仁はあまり争いごとは好まない性格をしていますが、特異体質が発動すると…?
それは次の話で明らかになります。
誤字脱字があった場合は教えてください。直しますから!!