ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者~   作:あっくん

22 / 27
第20話~黒き霧を持つケルベロス~

正面から入り込んだ俺達は、目の前の異様な光景に絶句した。

校庭には四本のエクスカリバーが宙に浮きながら、神々しい光を放っていた。それを中心に巨大な魔方陣が展開されていた。

「な、なんだよこれ…」

「四本のエクスカリバーを一つにするのだよ!」

狂喜に染まった笑みを浮かべるバルパー・ガリレイ。

「マジかよ……」

あの恐ろしい能力を持った聖剣が一つになるとしたら…。悪魔な俺達にとってはヤバイ事じゃないか!

「バルパー。あとどれくらいでエクスカリバーは統合する?」

『ッッ!!??』

上空から男性の声が聞こえた。声のした方へ向くと、そこには堕天使の象徴といも言える黒い翼を持つ男性が宙に浮いている椅子に座っていた。

一誠や部長の緊張した顔を見る限りでは、こいつがコカビエルか…!

「五分あれば充分だよ、コカビエル」

「そうか、では頼むぞ。――さて」

コカビエルが部長へと視線を向ける。

「サーゼクスは来るのか? それともセラフォルーか?」

「魔王様たちの代わりに私達が――」

部長が言おうとしていることがわかったのか、左手の中指と人差し指を挙げた。

 

ドオオオオオオォォォォオォォオッッッ!!!!

それが合図だったかのように、光が体育館を包み込み、轟音が響く!

光が消え去るとそこには、まるで最初から体育館が無かったように更地になっていた!

「つまらん…が、暇つぶしにはなるだろ。――それに」

今度は部長から俺へ視線を向ける。

「懐かしいなぁ。戦争のとき以来だな、エリス。神器の中に魂を封じられたか」

コカビエルに話しかけられたとき勝手にベレッタが呼び出され、銃口からエリスが声を発した。

[久しぶりだね、コカビエル。生身でキミと殺しあうことができないのは寂しいけどね]

「馬鹿にした態度もあのときと変わらんな」

[キミこそ。あの戦いにしか興味がない戦争狂なのはまったく変わらない。あれから結構時間は経っているけど……まぁ、生き物はそう簡単には変わらないってことかな]

皮肉を交えた言葉を発するエリス。

「減らず口が……!」

光のオーラを纏い始めるコカビエル。

あのオーラはヤバイ…! さっき体育館を消し去った光と同じ類のものだ!

「来い! 漆黒の力を持ちし、地獄の番犬達よッ!!」

エクスカリバーの魔方陣とは別に黒い魔方陣が展開され、その中から現れたのは首が三つもある犬だった。

「あれはケルベロス…?」

「ですが、何だか様子がおかしいですわね」

部長と朱乃さんが疑問符を浮かべる。

その首が三つもある犬は吐く息が黒く、白目を剥いていて、明らかに正気ではないことがわかる。

「こいつは、秘密裏に俺が調教したケルベロスだ。ある奴からもらった薬を使ってな。そのおかげか、そこらへんにいるケルベロスより数倍に強くなった」

グオオオオオオオオオオオォォォオオッッッ!!!!!

ケルベロスが威嚇の色を含んだ咆哮をあげた。空気中がビリビリと震え、俺達は耳を塞いだ。

くそっ! 鼓膜が破れるかと思ったぞ!

「さぁ行け! 奴らと遊んできな!」

コカビエルの声が合図になっていたのか、ケルベロスは俺達に向かって駆け出した。

 

「いくわよ、皆!」

『はい!!』

「ブーステッド・ギアッ!」

『Boost!』

一誠も『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を起動させ、自身の強化を図る。

俺もベレッタとガバメントの二挺を呼び出し、ケルベロスの真ん中の頭目掛けて発砲する。

だが、ケルベロスの周りにある黒い霧のようなものに弾かれた!

朱乃さんが雷の魔力でケルベロスを攻撃するが、黒い霧のようなもので弾かれる。

障壁ってところか、あれは。

[…厄介だよ、あの障壁は。あれがあるかぎり、こちらの攻撃は効果がなさそうだね]

―そうらしい、な!

今度は跳弾させ、下から当てる方法とる。しかし、それも霧に阻まれる。

「はぁっ!」

部長の滅びの魔力がケルベロスの障壁に激突する…が、それも塞がれる。

「ッ!? 滅びの力も阻むというの!?」

驚愕の声をあげる部長。すべてを消し飛ばす滅びの力を防ぐとは…ヤバイぞ!

だが、少しだけ障壁が薄くなっている気がする。

ゴゥゥゥンッ!!

真ん中の方の首が、部長目掛けて黒い火球を放つ! 

「部長!」

「させませんわ!」

朱乃さんが火球を凍らせる…が、火球のほうが勝っているようで解け始める。

「やらせるか!」

自分の魔力で作った氷結弾を火球に撃つ。

朱乃さんの氷の魔力と俺の氷結弾で火球は完全に凍りつき、砕け散った。

 

火球一つで、なんて威力だよ…! 朱乃さんの氷の魔力が効かないとか。

「助かりましたわ、クリスくん」

「いえ、これくらいは。それより皆、訊いてくれ」

全員に聞こえるように、思いついたことを話す。

「…なるほどね。他に方法がないのなら、やってみるしかないわね! いくわよ! イッセー!」

「はい、部長! いくぜ! ブーステッド・ギア・ギフトッ!」

Transfer(トランスファー)!!』

一誠が部長に譲渡する。部長の気配がさっきの数倍はっきり感じるようになった。

「はあぁぁ…」

部長が両手を掲げ、滅びの魔力を作る。

その間に、俺達がケルベロスの障壁を消し飛ばすッ!!

「……ぶっとべ」

小猫が障壁にラッシュを繰り出す。

「いきますわよ!」

朱乃さんの小規模の雷の魔力をぶつける。

「くらいなッ!」

早撃ち(クイック・ショット)で障壁に向けて撃つ。

ゴゥゥゥゥンッッ!!

三つの頭が三方向に分かれていた俺達目掛けて黒い火球を放つ。

小猫はギリギリで避け、朱乃さんはさっきよりも強力な氷の魔力で凍らせ、俺は蛇腹剣に変え、魔力を纏わせて切り裂いた。

「熱っ!」

斬るという選択肢は間違っていたようで、火の粉が俺に降りかかった。

防具に"火属性"耐性をつけていてよかった。

火球の切り裂くと同時に、蛇腹剣もバラバラになったしなぁ。

 

まぁでも、目の前の障壁が自身の火球で消えてくれたのは嬉しい誤算って奴だな。

どうやら、あの障壁は自分の攻撃も防ぐらしいな。俺達の攻撃、それに自分の火球で自分を守っている障壁を壊されるとは思っても見なかっただろう。

 

「皆! ケルベロスから離れて!」

部長の声が聞え、俺達はケルベロスから距離をとる。

「はあぁぁぁッ!」

部長が滅びの魔力を放つ!

ケルベロスも黒い火球を放つ!

滅びの魔力と火球が激しく衝突するが、火球は滅びの魔力によって消滅し、ケルベロスに滅びの魔力が直撃した。

叫ぶ暇も与えないまま、ケルベロスは消滅した。

「はぁ…はぁ…。なんて、強さなの」

部長も肩で息をしていた。

「ほう。あのケルベロスを倒したか」

「後は、お前とバルパーだけだ!」

俺の言葉に、嘲笑を浮かべるコカビエル。

「誰がケルベロスは一匹だけと言った?」

「ッ!?」

背後にある気配。この気配はさっき感じたものと同じ…!

ギャオオオオオオッ!!!!

 

三重に響く遠吠え。後ろを向くと、そこには3匹のケルベロスがいた。しかも、さっきと同じ黒い霧の障壁を持つ奴…!

くそっ! まだいたのかよ!

だが、さっきの方法でいけばなんとかなるかもしれないが、部員の皆のほとんどはもう、コカビエル戦の為に余力をつくらないといけない。特に一誠の神器は切り札になる。

ならここは俺一人で向かっていったほうがいい。……非常事態にしか使わない妄想でHSSになるしかない…!

やるのは一時の恥、やらぬは一生の恥!!

顔が火照るのを感じながら、目を瞑りエロい妄想をふくらませそうとしたときだった――

「加勢にきたぞ!」

という声が聞こえたと同時に、目の前の黒い霧の障壁を持つケルベロスの首が飛んだ。

目を開けると、そこには青い髪に緑のメッシュをした少女――ゼノヴィアがケルベロスを切り伏せていた。

「ギリギリセーフってとこだよなぁ? クリス」

ゼノヴィアの後ろには、緋色の髪をした仁が黒い障壁を持つケルベロスを二頭同時に斬っていた。

「助かった、二人とも」

色んな意味で。

 

「………」

「どうかしたのか、仁」

「…まだ成っていなかったのか」

その言葉で察した。仁は俺がHSSになっていないのがわかったらしい。

仁は部長、朱乃さん、アーシア、小猫、ゼノヴィアの順で視線を向け、最後に俺に視線を向けると、ニヤリと笑みを浮かべた。

わかる。あれは何かたくらんでいる笑みだ。

「赤龍帝が言うには、クリスの好みは…この子だな」

そんなことを言ったと同時に動き、姿が見えたときには小猫を俺に目掛けて押し出していた。

「……せ、先輩!」

押された小猫は俺を掴み、そのまま一緒に倒れていった。

口があるところにやわらかな感触が…

「おぉ流石、クリス」

「あらあらまぁまぁ」

「だ、大丈夫ですか!?」

感心したような一誠の声、呆れているような楽しんでいるかのようなどっちとも取れる朱乃さんの声、心配しているアーシアの声が聞こえる。

眼を開けると、目の前には小猫の顔が!

「……先輩?」

気がついたらしい小猫と目が合った。

……唇に柔らかな感触があるってことは、小猫とキスしたんだなぁ

小猫を守る為に、強く抱きしめている形になっているし。

ちょっと待て! これはいろいろとヤバイんじゃないか!? 意識し出したら――

ドクンッ!

ヒステリア性の血流が流れ出し、熱い血流が体の中心・中央に集まりだす。

……今回のは前のより強い気がする。

「……先輩、そろそろ放してくれませんか?」

「…わかった」

普段通りに見えるが、俺にはわかる。

小猫は怒っている。多分、セクハラ行為をされたからだろう。

しかも初キスも奪われて…。

それで怒らないはずはない。絶対

 

「……先輩」

小猫は俺に近づき、こう言った。

「……あれは事故です。だから、責任を感じる事はないですよ。それに、怒っているのは先輩にじゃなくてあの人にですから」

ビシっと仁に指を指す。

指された仁は気まずそうに目を逸らした

「そ、そうか」

「でも、今度の休みのとき買い物につきあってもらいますから」

「わかった。それくらいならお安い御用さ。――さて」

コカビエルに向き直る。

「こっちの準備はできた。ここから本気でやろうか」

「いい波動だ…! 楽しくなりそうだな!!」

 

戦いが始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まずは謝らないといけないです。

すみませんでしたm(__)m

二ヶ月以上更新しなかったどころか、書きかけを投稿してしまうとは!

今後はこんな事が起こらないようにします。

これからもよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。