この先生の秘密はこの話で少しだけ明らかになります。
そして、あの黒猫さんも出てきますよ。ちょびっとだけ。
。
大丈夫ですよ、本編には戻ります。
では、ご覧ください。
◆←は、視点が変わるという印です
先生が悪魔だとは思わなかった…!
しかも、自分の主を…殺しただとっ!?
「いきなり、俺が悪魔だって言われても知るかッ! って感じだよな。
お前がリアス・グレモリーの眷属になったと知ったから俺も、自分の事を
教える事にしたんだ。まぁ、方法がちょっとあれだけどな」
と、照れくさそうに笑う先生。
それは、学校で女子に囲まれているときの表情だった。
先生はいつも、照れている表情で女子に対応しているんだよな。
それを男子は、憎悪がこもった視線でガン見しているけど…
「……やっぱり、先生は先生なんだな」
「俺の正体が悪魔って知っても、あまり表情が変わらない神矢もだけどな」
お互いの顔を見て、ははっと笑いあう俺と先生。
「忘れていたが、契約しないといけないんだが…」
そういえば、俺は先生に契約をとりに来ていたんだ。
「あぁ、そうだったな。……契約はしてやる。だが、俺の事はリアス・グレモリーにはいうな」
「…何でだ?」
「俺は…主殺しの他にも、元主の領地も焼き払っているんだよ」
「ッ!?」
なん…だと…!?
「安心しろ。犠牲者は出していない。領地の皆も…主を恨んでいたからな」
昔を思い出しているのか、遠い目をしている先生。
きっとその主は、圧政でもしていたのだろう。
―――中世のルイ14世のように。
何かがきっかけで、革命みたいな事が起きたのだろうな。
「……詳しくは聞かない。そろそろ俺は行く」
「…そうか、ありがとうな。代価はなんだ?」
「代価は…いらないそうだ。まぁ、話を聞いていただけだしな」
先生は…きっと、時期を見てから俺に自分の秘密を話したのだろう。
もっと先生の話を聴きたいが、これ以上話してもらう事は、先生の
一番デリケートな部分に土足で踏み入ることになる。
「また、学校でな。先生」
「また学校でな」
俺は先生に別れを告げ、部室へと帰った。
◆
「ふぅ。まさか神矢が出てくるとはな」
木場祐斗が来ると思っていたが…。
「いったかにゃ?」
仙術で気配を消していた黒歌が、俺の後ろに現れた。
「いったよ。どうだった? 俺の教え子は」
「うーん。まぁまぁかにゃ?」
「そうか」
黒歌にもわからなかったのか。あいつの潜在能力に…
「ねぇ、宇宙」
「ん? 何だ」
「あの神矢って子に私たちの過去をしゃべっていたけど…大丈夫なの?」
珍しく、真面目な表情で訊ねてくる黒歌。
「あぁ。あいつは、頭は柔軟だが口はとっても固いからな」
「そう…。で、宇宙」
「何だ?」
「今日の白音はどうだった?」
黒歌は妹である白音が心配で、あのくそ主の『
俺のところへ居候しているのだ。
昔の知り合いとして、頼られているのは嬉しい事だ。
他の奴らとは連絡がつかないしな。
「いたって普通だった。俺の顔を見て気づいてくれなかったのは、残念だったけどな」
昔いっぱい遊んであげたのに…忘れられているとは、辛い。
「そう…よかったにゃ」
ほっと安心したような表情になる黒歌。妹思いだよな、黒歌って。
「じゃあ、俺は寝る。明日は全体集会があるから、早めに寝ないと死ぬ。
授業中に寝てしまう」
「そ。じゃ、おやすみにゃ」
部屋の明かりを消して、俺は眠りについた。
◆
次の日。表向きの部活が終わり、一誠と一緒に家路についていた。
「はぁ…」
一誠は、本日何度目かのため息を漏らした。
部長が言うには二度の契約破綻だが、最高の評価を貰っているらしい。
俺の場合は先生から契約してもらっているが、二度目は破綻してしまった。
イッセーは前代未聞で、クリスは一般的な悪魔と同じ、と部長が言っていた。
まぁ、一誠も一誠なりに頑張っていると思うが…
一誠が言うには、俺の契約者は皆変態しかいない、と言っていた。
それは類友って奴だろ。
一誠自体、他校の生徒にも知られるほどの変態なのだから。
と、俺の親友は変態と再認識していたとき――
「はわう!」
と、突然後方から声が聞こえた。
一誠もそれに気づいたようで、一緒に振り向くと
シスターが両手を広げた状態で、顔面から地面に突っ伏していた。
うわー、痛そう…。
「…だ、大丈夫ッスか?」
一誠がシスターに手を伸ばしていた。
「はう…。何で転んでしまうのでしょうか……ああ、すみません。
ありがとうございます」
そのとき、風がシスターのヴェールを取り払った…ように感じた。
金色の長髪が露になり夕日に照らされ、神々しく輝いている。
「………」
一誠は、その子にしばし見入っていた。
まぁ…それもそうだよな。目の前にいる少女は一誠の好みのタイプ
であり、ストライクゾーンのど真ん中なのだから。
その少女は旅行鞄を持っていた。という事は――
「りょ、旅行?」
我を取り戻した一誠が、少女に質問していた。
「いや、それは違うだろ。どう考えてみても教会への赴任だろ」
「はい、そうなんです。この町の教会に赴任になりまして」
ほら、言ったろ?
と、一誠に視線を向ける。
よくわかったな。
と、一誠は返してきた。
「教会の場所ならこいつが知っているから、連れて行ってもらったらどうだ?」
一誠を指差しながら言う。
その言葉に一誠は驚いていた。
「本当ですか!? これも主のお導きなのですね!」
涙を浮かべながら、微笑む女性。
身につけているロザリオに、体が拒否反応を起こしているが…。
「いってら一誠。ちゃんと、エスコートしろよ」
と、俺は一誠とシスターと別れた。
先生が領地を焼き払った事件は、冥界を震撼させました。
そのあと、悪魔に転生させる事を一時期禁止していたことがあるのです。
といっても、一ヶ月程度ですが。
いってらはいってらっしゃいの略語です。