エセ・スパイダーマンがノー・ウェイ・ホームに参戦する話 作:マッキーガイア
「え?日本人なの!?
全然見えないけど…」
ピーターが緑色のインクが付いたスパイダースーツを洗っている横に置いてある椅子に座り雑談していたら、そんな話になった。
一応、欧米の血が混ざっているので彫りが深い方ではあったが、あくまで日本人の中ではと思っていたのだが、欧米の人から見てもアジア人顔には見えないらしい。
「じゃあ、日本のスパイダーマンって事?もうなんでもアリだね。」
奥の方でパソコンを弄っているネッドがそう話しかけてくる。どうやら目撃情報を探しているらしい。
「マルチバースなんて理解不能のオンパレードだからね。もし別の世界に行っちゃったりしたら、まず自分の常識を疑う様にって映画で言ってた。」
「じゃあ、俺がスーパーヒーローの世界もあるかもって事?」
「あるんじゃない?少なくとも僕は知らないけど。」
足をぶらぶらさせながら、適当こいた。
ネッドの方を見れば、自分がヒーローになった時のヒーロー名とか考えている様子で小さくあれでもないこれでもないと聞こえてくる。一度は考えるよね、そう言うの…
僕も一時期はスパイダーマンの前に何か付けようかって考えたよ。スカーレット、スパイダーマンとかスーペリア・スパイダーマンみたいな奴。
直ぐ自分のセンスの無さに絶望したけど。
オルタナティブ・スパイダーマンって……そのまんまの上、自分の世界だとあまりにも意味不明すぎる。
「そう言えば、スパイダーマンって事は…ピーターとある意味で同一人物って事?」
ふと、自分の鞄を漁っていたMJがそう問いかけて来た。
「いや、よく似た別人って立ち位置だと思う。たまたまその世界のスパイダーマンって枠だっただけ…的な。」
「へぇ、じゃあ、他の世界にもスパイダーマンって居るの?」
「うーん、言っていいかわかんないけど、居るよ。
女の子のスパイダーマンとか2099年の未来のスパイダーマンとか。」
「詳しいね。会ったことあるの?」
「会ったことはないけど、情報として入っては来てる感じ。」
そう返せば、皆んなして「「「へぇ…」」」と言葉を漏らしてから自分の作業に戻った。
どうやら調べ物も佳境に入ったらしい。
ピーターにいたっては結構重大なこと言った気がするけど、注視するのは自分の洗濯物と……まぁ、自分で作ったスーツだし、愛着もあるのだろう。
僕は1人、椅子で足をぶらぶらさせる役。
いや、僕も調べ物手伝いたいんだけどね。長い英文読むとストレスで死にます!
これでも生まれも育ちも日本なんでね!!勘弁してください。
「…貴様が…まさか別の世界のスパイダーマンだったとはな。どの世界でも身の程知らずは変わらないらしい。」
そうしていたら、ふと、暗闇から声が漏れる様に響いた。
振り返ると、牢に入っているドクター・オクトパスがこちらを睨んでいる。どうやらお話がしたいらしい。
「熱い視線……僕に惚れちゃった?ごめんね。身の程知らずの恋はしない主義でね。」
「言っていろ。ここを出たら真っ先に貴様を殺してやる。」
「そのセリフ100万回は聞いたけど、誰も実行出来てないよ。」
「それは言っていた奴の脳が足りてなかっただけだ。私は違う。
必ず貴様をこの手で痛ぶり、なぶり殺してやる。」
「……なんで僕ってこんなに嫌われてるんだろう…」
はぁ…とため息を吐いてまた足をぷらぷらさせる作業に戻った。
数十分が経ち、段々と退屈が押しかけてくる。ねぇ、グリッドマン…僕を退屈から救ってくれい…
そう思いながら、ぷらぷらしていると、ふと思いつく。
「……ねぇ、みんな。」
「どうしたの?ベン。」
「僕はパトロールしつつ足で調査してくるってのはどう?」
「暇になったの?」
MJが呆れた顔で僕を見て来た。
「だって、やる事ないんだもの。」
「まぁ、良いんじゃない?ここでただ待っているよりは…
デバイス繋げておこう。後でもしもの事があったら連絡するよ。」
「わかった。こちらも見つけ次第連絡する。」
そう言えば、みんなまた自分の作業に戻った。
と、言う事で。
みんなが調べている間僕はパトロールという事になった。
僕は記者じゃなくてカメラマンだからね。仕方ないよね。
と言っても足で調べるってのは本当だ。ノーマンはともかく、今の内にピーター達を集めるのもアリかと思ったからである。ピーターが一人でヴィラン5人相手にするのは戦う気が無くても危険だからね。何があっても良い様にいつでも会える位置にいるか。もうパーティに参加してもらう。
神作が駄作になる?知らないよ。ブランドニューデイで再起して貰います。その為にNWHは駄作になってもらう。
レビューに『過去キャラの登場シーンに花もクソもない。ただ淡々と話が続いただけ。』って批判を喰らうが良い。
っと、スパイダー感覚に探知あり!
鉄十字軍だ!(違う)
「……え〜っと、おじいちゃん?ここに行きたいの?」
「ああ、手羽先専門店らしくてね。ちょっと案内してくれ。」
「……あー、ごめん、おじいちゃん。この店、コロラド州のお店らしくて今から行くとなると車でも1日はかかっちゃうよ?」
「そうなのか?楽しみにしていたんだがなぁ…」
「…うーん、シャワルマは好き?シャワルマなら良いお店知っているんだ。」
さてと、え?何をしてるかって?
おじいちゃんにおすすめのシャワルマの店を紹介してるところ。
MCUといったらシャワルマだよねって事で例のシャワルマの店を探して幾星霜…例の店を見つけたは良いけど、一番好きなシャワルマの店は別にある。
この世界に来て始めてシャワルマを食べたけど、やはり初めての店は特別なのだ。
「って、事でここなんだけど…どう?」
「うーん、120点。」
「ははっ、盛すぎじゃない?」
「お前は食べる時くらいそのマスク外したらどうなんだ?」
「それを言うなら、おじいちゃんもそのサングラス取ったら?」
「ははは。」
「…『セコいトリックと減らず口
さっきまで地元のいじめられっ子をいじめっ子から助けて、落ちていた教科書を取って渡していたところだった筈なのだ。
急に周囲が波打ったかと思ったら、いじめられっ子は居なくなっていて、手元にあった教科書は何故か知らない誰かの自伝に変わっていた。
この仕事をしている以上、不可思議に関しては誰よりも体験していて、これ以上何が起きようと驚かないと思っていたが、当てが外れたらしい。
人って驚きすぎると声が出なくなるんだって…
いや、それ以上に困惑が強いだけだった。
「……どう言う事だ?何かのドッキリ?
にしては色々凝りすぎてるし、またオズコープの不思議兵器持ち出した奴がいるのか。」
いつかの巨大サイ男を思い出す。いやぁ……復帰戦ってのもあって嫌な記憶だ。
やけに丈夫だし、面倒くさかったなぁ…
「嫌な記憶なんて忘れよう。」
とりあえず、今のが街に何か作用している可能性がある以上、調べるしかない。
あんな現象が只事な訳がない。
スウィングするにしても、ここはあまり適した場所とは言えない。建物の高さが足りないのだ。
と言う事はしばらく徒歩となる。
「……スーツでくるんじゃなかった。」
赤と青の全身タイツとかめちゃくちゃ目立つだろうなぁと、私服を持って来ていなかった自分を恨んだ。
しばらく街中を歩いていると、やはり目立つ。横を通り過ぎる自転車乗った少年やベビーカーを転がすお母さん方からの視線が凄い。
目立つは好きだ。だけど、これは違う。スウィングしてカッコよく登場して目立つのと、下道をとぼとぼと歩きながら登場とは天と地の差だ。
悪目立ちしてる…
正直言ってそんな風に軽くリップサービスしながら歩いていると、先に高いビル群が見えて来た。
ようやくスウィングしていけるとウキウキして居れば、ふと、だった。
ヴヴヴヴ………
何か、知っているエンジン音というのだろうか、あたりに響く
しばらくして、スパイダーセンスもギンギンとなりはじめ。脳に痛みが走るほどである。
……なんだ?この反応…何処から?いや、何が……
「………ィーターー!!」
「………ター…!!」
「ピーター!!!!」
響く様な怒声。
それに釣られて目をそちら側に向けるとサーフボードの様なグライダーに乗った黒いスーツを着た男が僕目掛けて突進仕掛けていた。
「また、何!?」
ちょっとキレながらその突進を空中回転で避けると、目掛けて飛んできていたグライダーは僕の背後に止まってぐるりとこちらに向かい合わせて来た。
そうして、まるで睨みつける様に上に立っていた男がこちらにジロリと見てくる。なんだろうか、なんだか凄い恨みを買っている様に見える。
「僕、こんな独特なサーファーくんと知り合いになった覚えないんだけど、何処かで会った?」
「……巫山戯るな。ピーター。俺の父を殺した癖に…」
「……なんで僕の名前を……って言うか、君の父親を殺した?人違いじゃなくて?」
「これ以上惚けてみろ、血の海を見る事になるぞ。」