隼西 春希
ハヤニシ ハルキ
享年27歳。死因は不摂生な生活が引き起こした脳梗塞。
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いきなり苦しさを感じて、意識を失った。
次に目を覚ましたら、知らない天井だった。
冗談じゃなく、本当に。
病院でもなければ自分の家の天井でもない、なのにここは自分の家らしい。ご丁寧に、そこら辺に落ちていた封筒には自分の名前が書いてあった。
部屋を散策すると、免許証の入った財布を見つけた。そこで初めて第一声を発した
「…若い」
写っているのは自分の顔…なのだが、どうにも若い。27歳の顔じゃない、若々しい顔つきをしていた。
「なにが、どうなってるんだ…」
疑問に塗れたまま、とりあえず散策することにした。まず自身の部屋、家具の配置はどことなく似ているが使っている家具が同じではない。服の趣味も違い、ファッションなんて無頓着な自分が買うことはないような、派手な服がいくつか置かれてあった。無難な服に着替えて、外に出ることにした。
……
………
街を見た感じ、あまり遜色はないように感じる。店の名前や業種などが一致している。どれだけ歩いて散策しても、やっぱり気になるのは
「やっぱ若いんだよなぁ…」
街のガラス、家の窓、川の水面。
どんなに見ても顔が若い。21〜23ぐらいの時と全く一緒の顔になっている。バカらしくはあるが、少々試しに頬をつねってみる
「……痛い」
夢なら覚ました方がいいと力を強くしたが、普通に痛いだけだった。
「あれか…転生?生まれ変わり?タイムリープ?とか」
思い当たるとしたら本当にそういうものしか思い当たらない。ただそんな非現実的なこと、認めるのに抵抗というか実感が得られない
「なんだかなぁ……」
気分は落ち込み、何もわからないまま時間は減っていった。
……
………
日も暮れ、真っ暗な空になった。生憎の土砂降りで、傘を持っていなかったため適当な店で雨宿りをしている。
「止みそうにないか……」
雨に濡れた髪を、若干濡れた服で拭う。髪の毛から滴った水滴が腕に落ちる。
「……ッ!!」
それを皮切りに、鳥肌が止まらなくなった。寒さのせいにできないほど激しく強く体が反応している
「なんだ……なんだこれ…!」
生存本能のような、虫の知らせのような。人間の危機感知能力がMAXで反応している。
そこで日常は、終わりを告げる。
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大きな落下音。一定の間隔で揺れる地面。響く雄叫び。
その主であるのは、ビルと同じかそれ以上の
怪獣。
創作物でしか見なかったようなものが、今、視界に、いる
体の全感覚が「これは現実だ」と知らしめている
なんだ なんなんだ これは
一気に頭が働き、痛くなる。
その間にも、怪獣はこちらに歩いてくる。その距離はそう遠くない、モタモタしていればすぐ潰されておしまいだ。
「…逃げろ、逃げろよ、早くっ!!」
自身の体が頭に追いつかず、必死に足を動かそうと叱責する。そして怪獣と進行方向が同じ方に、逃げる。
「お母さん!お父さん!どこ!?」
逃げ惑う人々の中、泣いて立ち止まっている子供を見つけた。この状況になると定番、と言わんばかりに何度も見た。もちろん創作物で。
この状況で自分は何ができる?
子供を助けに怪獣の方へ向かうか?
そんな自殺行為したいか?
そもそも知らないやつだからほっとけばいい、みんなそうだ
そう頭で考えた。そして足を動かす。
「泣いてる場合じゃない!!今は逃げるんだよ!!」
微妙に速い足で子供を抱えて、すぐさま踵を返す。
この状況以前に、自分がここにいるのが不可解だ。理解不能だ。
なら、ここでこんな行動をしても
そのうちに入るか。
子供の体重分と、怪獣方面へ少し走ったことで、怪獣と自分との距離は徐々に詰められ始めている。今から横に走って逸れれば間に合うか…
「おいおい嘘だろ…!」
がむしゃらに走っていた自分の前に落ちてくるのは、ビルの瓦礫。それはもうピンポイントでこちらに飛来してくる。
後退すれば怪獣、前進すれば瓦礫。
将棋で言う詰み、チェスで言うチェックメイト。
「結局運が悪いだけかよ…!!」
しゃがみ込んで子供の頭を抱え、せめてもの盾になる。
一度はやってみたかった、などと思考もおかしくなりはじめた。
そして瓦礫は降り注ぎ、二人を押し潰した。
一筋の光と共に。
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………起きなさい、地球人。
「…っ、ここは…」
私はウルトラマンZ。申し訳ないが、お前は死んだ。
「はぁ…まぁそうだよな…っては!?ゼット!?」
目の前の青い巨人。それは紛れもなく、2020年に放送された特撮番組【ウルトラマンZ】のウルトラマンZであった。
どこにそんな狼狽える要素が……コホン、話を戻そう。お前と同じく、私もウルトラやばい状況に立たされている。
「…!そうだ、あの子供は!?」
子供は無事だ、私とお前のおかげで。…だが怪獣は未だ侵攻を続けている。このままじゃもっと多くの被害が出てしまうだろう。だが一つだけ防げる手がある。私とお前が一つになれば、もう一度戦える。…手を組まないか?
「それはつまり…俺が、ウルトラマンになるってことか…」
私もお前の力が必要なのでございます。
「(生のZ弁だ…)」
…言葉通じてる?
「…あっあぁ、通じてるけど…ちょっと変だ」
えぇ、マジ?参りましたな…地球の言葉はウルトラ難しいぜ…
「言葉ならもう大丈夫だなんとかなる。とにかく、手を組もう!」
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それから、ゼットは光の粒子に変わると、目の前に集まり【ゼットライザー】へ変化する。
『さぁ、そのウルトラゼットライザーのトリガーを押します』
何度も見ているため熟知しているが、とりあえず聞く。
『そのウルトラアクセスカードを、ウルトラゼットライザーにセットだ』
【HARUKI Access Granted】
機械音声が鳴ると、お馴染みのメダル三つが現れる。
『ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠のウルトラメダルだ。スリットにセットしちゃいなさい』
スムーズにくぼみにセットしていく
『おぉ!ウルトラ感がいいな!次はメダルをスキャンだ!』
【Zero Seven Leo】
スキャンが終わるとウルトラマンゼットが現れる。
『よし、そして俺の名前を呼べ!』
ご唱和ください、我の名を!
ウルトラマン…ゼェェット!
「ウルトラマン…ゼェェェェット!!!」
『へアッ!』『デュワッ!』『イヤァッ!』
【Ultraman Z…Alpha Edge】
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ひとっ飛びで子供を離れた安全な場所へ下ろす。怪獣の方へ向かおうとした時、視界にはもう一つ大きなものがあった。
『なんだ、あれ…ドラゴン?』
赤いドラゴンと怪獣が、宙に浮いている。そして今まさに怪獣へ火炎放射を放って、爆発を起こした。
『……俺たち、出番なかったな』
『い、いや…そういうもんじゃ、ないんじゃないか?とにかく、怪獣が倒されたのはいいことだ』
『それも、そうだな…』
爆発を見届けると、徐々に光の粒子となって消えていく。
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どこかの河川敷。姿を隠すため草むらに来たのはいいのだが…
「集団がいる…!」
四人のグループか何かが集まっており出るに出れず動くに動けず。聞こえにくい話に聞き耳を立ててしまっている状態。
「…なんだあれ…おもちゃ?」
赤髪のヤンキーのような男が、三人に小さなものを配っている。見た感じおもちゃのような質感な、気が、する
「待って一人増えるんだけど…!」
さすがに増えると困るので、もう回り込んで出ることにした。
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「そういえばここに来る途中、青い巨人?みたいなのも見ましたよ」
「青い、巨人…?」
主人公サイドや優生思想サイドと程よく交流を持たせていこうと思います