怪獣騒動から一夜。
怪獣から走って逃げたりウルトラマンに変身したこともあってか、ベットにダイブするなり泥のように眠った。シャワーを浴びて服を着替えると、改めて外へ出る。
「眩しい…」
朝の日差しに照らされ目を覆う。昨日の騒ぎなぞ知るかと言わんばかりに快晴である。
「そういえば……俺、働いてないのか」
なんと、ここで俺は定職に就いていなかった。短期や日雇いで食い繋いでいたらしく、ご丁寧に日記が付けられていた。
「ま、今日ぐらいいいか…」
ブラック企業に勤め、働き詰めだった前世に免じて、許してほしい。
……
………
ふらふら歩いて、綺麗な川が流れているところまできた。道中、街中のモニターや人々の会話、すべてが昨日の怪獣で持ちきりだった。
恐怖、好奇心、悲哀。
様々な感情が渦巻いていて、空気が重かった。
「…前途多難だなぁ、なんも目標ないけど」
『いや、目標はあるぞ』
…?この声は
「あ、ゼットさん」
水面に映る自身の顔は、いつのまにかゼットに置き換えられていた。
「そういえば、ゼットさんはどうしてこの地球に?」
『俺は、ウルトラマンが住む星【M78星雲】から盗み出されたウルトラメダルの回収に来たんだ』
M78星雲、通称光の国。
「ああ、ゼロセブンレオのやつみたいな」
ウルトラメダル。ウルトラマンゼットが、アルファエッジやその他形態になるために必要なアイテムだ。
『ああ。盗み出した宇宙人は倒したんだが、その時にウルトラメダルが散らばってしまった。そしてそれがこの地球に降り注いでしまったのです』
「なるほど…目処は付いてたりするんですか?」
『いやぁそれが…この街周辺というのがちょっとわかるぐらいで…』
うんうん。それでこそゼット
「まぁ探していきましょうよ、少しずつ」
『応!ウルトラよろしく頼むぜ!』
…そういえば、ゼットさんに言った方がいいのだろうか?俺がウルトラマンの存在やその他諸々を知っていると
「…面倒だからやめよ」
うまく言語にできる気がしないため一旦ステイ。機を見計らってに。
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その晩。家でゼットと少し怪獣たちについて話すことにした。
「あの怪獣についてなにか思うところはあったりします?」
『そうだな…今まで見てきたやつと比べて、すこし生き物感が薄いというか…機械っぽい見た目?といいますか』
「なるほど…」
俺の記憶にも心当たりはなく、完全に未知の怪獣となる。そして最大の疑問。
あの怪獣は地球産なのか?それとも宇宙産?
そしてどこから現れたのか。音もなく光もなく、突然現れた。一体どんな存在なんだ…
「考えてても何も浮かばないなら、考えるのやめますか。」
『何もわからないからな、仕方ない、うん』
二人して諦めた。
…
『おお!これが風呂って言うのか!ウルトラ熱いぜ!』
「ここで疲れを癒したりするんですよ…いい湯だ」
…
重なり合う人の声、シャッター音、録画音。人混みすべて好奇心一色に染まったここは、なんと怪獣が佇んでいる。
「ネットで話題になってるから来てみれば、本当に怪獣だ…!」
『生きてはいるんだろうが…あんまり生命活動は感じませんな』
「色が意外と…毒々しいというか…」
昨日の怪獣と同じく、色や体が生物とは思えない特徴を見せている。機械的な表皮にクリアパーツのようなキラキラとしたエメラルド。あまりにも派手すぎる
『どっちにしろ、活動を始める前になんとかしないとな!ハルキ!離れて変身するぞ!』
「はい!……ん?」
インナースペースに入る為人混みから遠ざかろうとした時、ふと、四人の姿が目に留まる。
「なんだ、あの人たち…?」
白を基調とした、コスプレ衣装に見えそうな煌びやかな格好をしている。一人の女性に至っては、街中だというのに足の露出が激しい。それに、人混みからすこし離れ、怪獣をただ眺めている。すこし気にかかる。
「…?」「…あん?」
ジロジロ見過ぎていたのか、赤髪の男と女性の二人と目が合ってしまった。
「(やべっ…!)」
そそくさと目を離して、また駆け出す。ここなら良いだろうと離れた場所でトリガーを押そうとするも、なぜかまたあの四人組を見る。
『おいどうしたハルキ!』
「いや、その…あの人達…」
ゼットにあの四人組について弁明しようとすると、急に四人組のうちの一人、メガネの男が手を怪獣にかざした。そして中指と薬指の間を開き、何かを呟いた瞬間
『…!!ハルキ!怪獣が活動しだした!!』
「なっ…!!」
完全に、あの男の動作とシンクロして、活動を始めた。周りの建造物を破壊し、立ち上がった。
「あの人たち…何者だ…?っとそれより!!」
意識を四人組から怪獣へ向け直すと、トリガーを押してインナースペースへ入る。
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【HARUKI Access Granted】
「宇宙拳法、秘伝の神業!」
【Zero Seven Leo】
ご唱和ください、我の名を!ウルトラマン、ゼェェット!!
「ウルトラマン…!ゼェェェット!!」
『へアッ!』『デュワッ!』『イヤァッ!』
【Ultraman Z…Alpha Edge】
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同時刻。蓬を連れ、ダイナゼノンへ合体して怪獣の元へ現れた一行は目にした。
「なんだあれ…!?」
「青い、巨人…?」
そしてまた別の場所。
「なんだ、あれは…!?」
「怪獣、じゃない…。巨人…?」
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太陽を背にして現れたのは、ウルトラマンゼットアルファエッジ。ゼロ、セブン、レオの力を借りたオールラウンダー。
『デュアッ!』
怪獣へ向けて一気に距離を詰める。助走をつけ、炎を纏った飛び蹴りを放つ。
ところが怪獣は消え、地面に着地する。周りを急いで見渡すと、急に背後から斬撃が喰らわされる。
『オォッ!?』
(こいつ…瞬間移動を…!)
『デェアッ!!』
すぐさま背後にキックをするがこれも避けられ、腹部にカウンターを喰らう
『ヴォアッ…!』
(クソッ、当たらない…!)
『ハルキ!焦るな!相手をよく見ろ!何か仕掛けがあるはずだ!』
(相手を、よく見る…)
呼吸を整え、攻撃ではなく防御へ回る。攻撃を防御、受け流しながら相手の動きを観察する。
(あるとすれば瞬間移動の時…!)
現れては消え、現れては消えを繰り返す怪獣を注視する
…
……!
(羽だ!!)
瞬間移動の時だけ、羽が開いている。あれをどうにかすれば…!
(ゼットさん!羽だ!羽を攻撃しよう!)
『羽か…!よし!』
頭部に付いている二つの突起に触れ、エネルギー状のカッターを生成する。二つは鎖のように細いエネルギーで繋がっているこれは
『(アイスラッガーヌンチャク!ダブル!)』
『あいつが羽を開いた瞬間に…!!』
…
………
…………!!
『ここだっ!!』
怪獣へ投げたヌンチャクは、羽を出すタイミングにバッチリ合い、両方の羽を縛り上げた。
『━━━━!!━━!!』
うめき声をあげ、暴れ出す怪獣へ猛攻をかける。
(行くぞゼットさん!)
『応!反撃開始だ!!』
「デアッ!!ハァッ!!ダッ!!」
怪獣は避ける術を失い、全ての攻撃に当たり大きなダメージを喰らう。暴れる体力すら無くした怪獣を持ち上げると、そのまま空に大きく投げる。
『決めるぞ、ハルキ!』
(押忍!)
胸の前で両腕を水平に構えてエネルギーを開放し、左手を左上に、右手を右下に伸ばす。斜めに開くと同時に、体の前でエネルギーが大きな「Z」字を描く。左手を前に、右手を後ろに伸ばし、手首を十字に組む。
『(ゼスティウム光線!!)』
ウルトラマンの代名詞とも言われる光線技。ゼットの代表技であるゼスティウム光線は、怪獣に命中しそのまま爆発した。
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「…すげぇ…」
ダイナゼノンの中で、ガウマは感嘆の声を漏らしていた。その他の者たちも、巨人の戦いを見ていて圧巻された。
「…!いや、まだ何か来るぞ!!」
直感で何かを感じ取ると、爆煙の中から『2体』、怪獣が飛来した。
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『…!ハルキ!何か来る!』
ゼットの警告と同時に、一体の怪獣が落下。もう一体は飛行して現れた。その怪獣たちはハルキにとって、馴染みのある姿をしていた。
(あれは…!!ゴルザとメルバ…!!)
ウルトラマンティガに登場する、古代怪獣と古代竜。第一話から2体の登場で、相当なインパクトがあったのを覚えている。
(どうしてここに…!それになんで…!!)
『ハルキ、知ってるのか!?』
(あー、それはその…これが終わってから説明する!)
話している間にも怪獣たちは来ている。空中にいるメルバから落とそうとした時、後ろから声がかかる。
『俺たちも戦うぜ!!』
そこには、2日前の怪獣を倒したとされる赤いドラゴン…に似たロボットが立っていた。
『君達は…!』
『行くぜ、ダイナゼノン!バトルゴー!』
ゼットの声は聞こえていないため、驚きをよそにそのままゴルザに向かって走る『ダイナゼノン』。
(なんだか知らないけど、俺たちはあっちを!)
『ああ!行くぞっ!』
両腕を広げ空へ飛び上がると、すかさずメルバの後ろに付く。
『アイスラッガーヌンチャク!』
ヌンチャクを飛ばすが、飛行能力が高くかわされる。
(やっぱり簡単にはいかないか…!ゼットさん!普通にアイスラッガーを飛ばしてくれ!)
『わ、わかった!アイスラッガー!!』
今度はヌンチャクではなく、分離した四つのアイスラッガーをメルバへ飛ばす。それもさっきと同じく避けられるが
(捕まえた…!!)
左右上下に避ける時、少しだけ減速するのを利用し、いくつもアイスラッガーを飛ばすことで避けさせている間に捕まえることに成功した。そのまま自分ごと地上へ落ちる。
『ゼスティウム光せ……うぉあっ!!』
メルバに馬乗りになって光線を放とうとしたとき、横からの強い衝撃で引き剥がされた。
『な、なんだ!?』
飛んできたものの正体は、ゴルザと戦っていたはずのダイナゼノンだった。
『あいつ、パワーが桁違いすぎる…!』
(仕方ないか…!!ゼットさん!メルバはダイナゼノンに任せよう!さっきのダメージがあればあの人たちでも倒せるはずだ!)
『ああ!わかった!…ダイナゼノン、だっけ!?俺たちはあっちを倒す!だからそっちを頼んだ!ダメージを負ってる今なら倒せるはずだ!』
こう喋っているが、ゼットの声は聞こえないため、必死にジェスチャーで伝えようとする
『な、なんだぁ…?急にどうしたんだ?』
『なんか言ってますね……こっち、自分、あっち、グッド……これって、こっちは任せてあっちを倒してくれってことじゃないですか?』
『なるほど…!よし、行くぜ!』
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『守れるものは…守る!!』
ダイナソルジャーは、メルバを捕えるとそのままガウマの方へ投げる。
『ダイナランチャー…バーストミサイル!!』
沢山のミサイルがメルバに命中し、大爆発を起こした。
…
(ゼットさん!あっちは片付いたみたいだ!)
『よし!俺たちも決めるぞ!ゼスティウム…光線!!』
カラータイマーが点滅していたゼットも、ガウマ達と同じように必殺技を放つ。ゴルザの胸部に命中し、三つ目の大爆発を起こした。
『シャッ!』
腕を広げて大きく空に飛び立ち、光が軌跡として残される。それは人々から見て
『『『N…?』』』
そう見えてしまうものだった。
メルバ戦はアニメ通りの想定なのでカットしました。ゴルザも早足になってしまいました。申し訳ないです