SSSS.DYNAZENON『Z』   作:虎秋侑斗

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ここでちょっとだけガウマ組と会わせたいです。そして今回はあの形態、そしてウルトラマンガイアからある怪獣が登場です


真っ赤に燃える勇気の力って、なに?

「…?なんだろう、これ」

メルバとの戦いを終え、怪獣優生思想との接触をした『山中暦』は、足元に光る小さなものを見つけた。拾ってみると、なにかのメダルのようだった。中心には誰かの横顔が描いてあり、よくみると昼間一緒に戦ったあの巨人と似ている。

 

 

「なにやってんすかセンパーイ、帰りますよー」

 

 

「ちょっ、ちょっと待ってよ!」

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そして、操っていた怪獣が謎の巨人によって敗北した怪獣優生思想にも、変化があった。

 

 

「なんだろう、これ」

 

ムジナは、怪獣が倒された場所の近くであるものを拾った。縁が黒く、中心には先ほど突然現れた怪獣の一体、ゴルザの横顔が描いてある。そしてシズムも、言葉を発することなく黒いメダルを拾う。それにはメルバの横顔が。

 

 

「……」

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「どこなんですかー、ゼットさん」

 

『近い反応はあるんだが…どうも細かくは分からない…』

 

「えぇー…」

 

 

なぜ街中でしゃがみ込まなければならないのか。なぜこんな自販機の下の小銭集めみたいなことをしなければならないのか。それはすべてゼットのせいである。メダルの反応は感じ取れるものの、細かい位置は結局わからないため、こんな探し方しかできない。

 

 

「ここは?」『違うな…』「ここは?」『ちょっと遠くなったな』「ここは!?」『おっ、結構近いぞ!』

 

側から見たら変質者だ。通報されてもおかしくはない。通報されませんように

 

 

『そこだそこ!』「ここ!?」

 

ゼットが言うには、この空き缶やらいろんなゴミが入ったビンケースにあるという。

 

 

「嘘だろ……え、ええい!!どうにでもなれ!!」

 

ゴミをどかしながら奥の方を探す。途中『センパイはああならないでくださいね』なんて言葉が聞こえたが無視だ無視。そして1番奥底に、輝く光を見つけた。

 

 

「あったぁぁぁぁ!!!」

 

その手に握られているのは、ウルトラマンAのウルトラメダル。ゴミの中に混じっていたはずなのに、汚れや傷一つついていない。

 

 

『やったなハルキ!A兄さんのメダルだ!よし、次に「次…??」

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「暗いよー、どこだよー…」

空はもう暗くなっている。昼間でも危ないのに夜だったら本当に通報される。まずい。いい歳した男が、川の中をライトなしで探し回っているのは側から見たら怪奇現象の類と思われかねない

 

 

「ガウマさーん、すいませーん」

 

 

人の声が聞こえたが気にしちゃいけない。気にしたら負けだ。

 

『なぁハルキ、あの人達って…』「ゼットさんも集中して!!!」

 

 

 

……

………

 

「今から夜勤なんだよ……にしてもさっきからバシャバシャうっせぇな…」

 

歩き去るガウマを見つめる四人。その奥の方では

 

「あった…あったぞォォォォ!!!」『よっしゃぁぁぁぁぁ!!やったなハルキ!!!』

 

何かを空に掲げて大きい声を出す奇人がいる

 

 

「うわっ、なんなんすかねあの人」

 

「さぁ?」

 

 

「あの人…昼間ゴミ箱漁ってたような…」

 

三人が引いた目で見る中、暦だけは、その奇人が拾ったものに既視感を感じていた。

 

━━━━━━━━

 

ネットニュースで、河川敷に妖怪!?雄叫びを上げる生き物、と銘打って出ていた。完全に自分であった。泣きたかった

 

 

『一つのメダルは、なにか妙なんだ。強い力が近くにずっと付いて回ってる』

 

「え、じゃあ怪獣とかに飲み込まれたとか…?」

 

『そうじゃないんだ、この力自体は悪いものじゃない。これは…前にも感じたことがあるんだ、ただ…思い出せない』

 

「えぇ…」

 

……

………

 

 

『ハルキ!千葉に怪獣が出たぞ!』

 

昼間、ゼットから怪獣が出たとの通達が。急いで変身し、飛行して向かう。

 

『シュワッ!』

 

 

 

(怪獣…どこに行ったんだ?)

 

『宇宙だ。それにこの感じ…あの、ダイナゼノンって奴が今怪獣と戦っているみたいだ』

 

 

どうやらあの赤い…ダイナゼノン、がもう倒してしまうらしい。

 

(倒されるのはいいことだと思いますけど、こうも出番がなかったらちょっと寂しいですね)

 

『でもいいさ、この地球にはウルトラマンじゃない、戦える者がいるってだけでも』

 

 

(…どうします?帰ります?)

 

やることもなくなったのでどうしようか決めあぐねていると、鉄塔の上に何かを見つけた。

 

(あれは…!)

 

ゴルザやメルバが出現する前の怪獣を操っていた連中が立っていた。

 

『ハルキ、どうした?』

 

(ゼットさん…あそこ、鉄塔の上にいる人達、見えます?)

 

『あ、あぁ、見えるけど…なんであんなとこに』

 

(あの人たち…怪獣を操ってるんだと思います)

 

『な、なんだって!?』

 

(前の怪獣…瞬間移動するやつが動き出した時、あの連中がいました。そして、妙な技で操る瞬間も見ました)

 

『マジか…ウルトラやばそうな連中だ…!』

 

 

 

ゼットと問答をしていると、四人がこっちを眺めているのに気付く。逃げようともせず、ただこっちを見ている。話せるような者達なのか、そもそも意思疎通が取れるのか。確かめられたらと連中に近付こうとした時、強いプレッシャーのようなものを感じた。

 

 

『…!なんだ、この感じ…!』

 

(上からみたいですけど…。まさか!!)

 

 

━━━━━━━━

 

宇宙。ダイナゼノンが怪獣を倒した直後。

 

『ありえないことを引き起こすんですね……人が生き返るなんて』

 

 

『…!!警戒しろ!!』

 

ガウマの叫びで、全員一斉に身構える。怪獣を倒し大爆発が起きた場所からワームホームが出現する。そしてそこから結晶のような何かが現れ、地球に向かって進んでいく

 

 

『あれ、なんかやばいんじゃ…』

 

『ぶっ壊すぞ!ダイナゼノン…フルバースト!!』

 

 

怪獣を葬った必殺技は、結晶に直撃するがビクともせず地球へ進行している。

 

『まずい…!急げ!!』

 

……

………

 

怪獣優生思想の四人。ダイナゼノンにまた敗北をした直後。

 

「ん、巨人が来た」

 

「もう怪獣は倒されたのに、ご苦労なことですね」

 

 

「チッ…アアァ!!どいつもこいつもムカつく!!」

 

怒りを露わにするオニジャ、巨人を冷たく見るジュウガ、ぼーっと見つめるムジナ。もう一人のシズムはというと、ただ、空を見上げていた。

 

 

「…来る」

 

……

 

ゆっくりと、確実に。結晶のようなものがウルトラマンゼットの前に落ちてきた。

 

 

『なんだこれ…石のような見た目なのに、生命活動を感じる…』

 

(これは…まさか…。ゼットさん!今すぐ破壊だ!!)

 

『え?急にどうしたんだ!』

 

(これは繭だ!生物が眠っているんだ!!)

 

 

 

焦りによる説明不足でゼットが困惑しているうちに、繭は活性化を始める。

 

 

(こうなれば戦闘は避けられないか…!ゼットさんよく聞いてくれ。あれは繭なんだ、宇宙怪獣が眠っている)

 

『なんだって…!?じゃあ、前みたいに…!』

 

 

 

『━━━━!!!』

 

雄叫びとともに生まれたのは、宇宙戦闘獣超コッヴ。ウルトラマンガイアに登場する宇宙怪獣である。

 

……

 

「おいおいなんだありゃあ…!!」

 

優生思想の面々も、状況をよく飲み込めていなかった。しかし、これを好機と言わんばかりに、オニジャは笑みを浮かべる。

 

「いいぜ…これでガウマとあの巨人をぶっ潰してやる!!」

 

 

 

インスタンス…ドミネーション!!

 

 

黄色に染まっている筈のコッヴの目は、赤く染まり。破壊活動も苛烈さを増す。

 

(…!まずいゼットさん!コッヴも操られた!!)

 

『コッヴ?それがあいつの名前か!…そうだハルキ、どうしてお前は…』

 

(話は後!!今は戦いますよ!!)

 

 

『デェアッ!!』

 

 

コッヴに接近し、腹部に蹴りを入れる。コッヴも負けじと手の鎌を使い攻撃してくる。

 

『━━!!』

 

 

『こいつ、硬いぞ…!そう簡単にはいかなそうだ、ハルキ!』

 

(押忍!…腹の模様や肩の棘…もしかして、超の方か…!)

 

 

自分の中で思考を完結させると、コッヴに向き直り手刀やキックで戦う。よろめいたりひるんだりはするがダメージは見えない。

 

 

『━━!!』

 

距離ができたタイミングで、コッヴの頭部から光弾が乱射される。

 

『フッ!デェア!』『アイスラッガーヌンチャク!!』

 

腕ですべて弾くと、再び距離を詰める。そしてアイスラッガーヌンチャクでコッヴの身体中を切り裂いていく。

 

 

『━━!!』

 

 

『よし!そろそろ決めるぞハルキ!』

 

(押忍!ゼスティウ……ッゼットさん!上!)

 

『どうした!?…あれは、ダイナゼノン?そして……ッ!まずい!!』

 

 

 

コッヴが放った光弾が猛スピードで、宇宙から戻ってきたらダイナゼノンへ接近している。運悪くそれは背後、上と二方向から何発も降り注いでいる。

 

 

『あの光弾に当たったらまずいぞ!あれはロボットのはずだ、なら中にいる人たちに影響が出かねない!!』

 

 

(どうするゼットさん!?)

 

『くっ…守るのが最優先だ!いくぞハルキ!』

 

(押忍!)

 

 

ゼスティウム光線の構えをやめ、すぐさまダイナゼノンの方へ飛ぶ。

 

『危ない!!』

 

 

『うぉっ!?』

 

 

背後から来る光弾をアイスラッガーヌンチャクで弾き飛ばした。肝心の上方向からの光弾は間に合わず、ゼットの体でガードする形となってしまった。いくつもの光弾を喰らい、背中から墜落する。

 

 

『(ぐぁぁぁっ!)』

 

 

ダイナゼノンに乗った面々は、急に飛んできて落ちていったゼットに驚いている。

 

 

『今、攻撃されてました!?』

 

『そんな…!全然そんな感じ…!』

 

 

『…やっぱり、あいつのせいだ』

 

『え?』

 

『宇宙で変なのが出てきた時、すげぇエネルギーを受けたんだ。そん時からダイナゼノンの調子が狂っちまってんだ!』

 

『えぇ!?』

 

 

コッヴが飛来する際に発したワームホール、それが生成される際に発する膨大なエネルギーに触れてしまい、ダイナゼノンに異常が発生していた。

 

 

『一旦分離だ!』

 

各々別れ、コッヴから距離を取る。

 

……

 

 

『くっ、そぉ…!』

 

大きなダメージを喰らい、胸のカラータイマーが赤に点滅し始めた。側から見れば危険信号と、わかりやすい。

 

……

 

「ハハハ!!ザマァねぇな!!」

 

「これは、想像以上ですね…」

 

 

優生思想の面々も、あまりの強さに驚愕していた。そんな中、ムジナとシズムは、倒れているゼットを眺めている。ただ静かに。

 

 

 

(ゼットさん、このままじゃ…!)

 

『この逆境を押し切るパワーがあればいいんだが…!!』

 

 

(あと一枚はどこなんだ!?ベータスマッシュになるための…!!)

ベータスマッシュ。筋肉隆々で肉弾戦で右に出るものはいない。そんな姿になるためには、初代ウルトラマン、A、タロウのメダルが必要なのだが…肝心の初代ウルトラマンのメダルがない。

 

 

 

『…あ、あぁぁぁぁ!!』

 

(きゅ、急にどうしたんだゼットさん?)

 

『思い出したんだ!一枚のメダルに付いて回ってる力の正体!ダイナゼノンだったんだ!!今ならわかる、あの車みたいなやつ、あそこにある!』

 

(ということは…)

 

『勝てるぞハルキ!』

 

……

 

 

(でも、どうやって手に入れる!?言葉は通じないし…!)

 

『そうだな…。こういうときは、気合いとボディランゲージでいくぞ!』

 

(まぁそれしかないか…!!)

 

 

ダイナゼノンから分離した一つの車……ダイナストライカーに近づき、正面に回る。

 

 

『う、うわぁっ!?』

 

 

(あのー!メダル!メダル!ください!!)

 

『ジェアッ!ヘアッ!』

 

 

丸を描いて寄越すポーズを繰り返し、なんとか伝えようとしている

 

 

『何…?丸を、くれ…?丸、丸……あぁ、これかな?』

 

 

ジャージのポケットに入っていた、拾ったメダルを見せる。

 

 

『(それ!それ!)』

 

首が取れそうなほど頷き、肯定の意を示す。

 

 

『じゃあ…それっ!』

 

 

力一杯投げられたメダルをちゃんとキャッチした。メダルはその勢いのまま、メダルホルダーに飛び込んできた

 

……

 

『ウルトラフュージョンだ!ハルキ!真っ赤に燃える勇気の力、いくぞ!』

 

 

(押忍!!)

━━━━━━━━

 

【HARUKI Access Granted】

 

 

「真っ赤に燃える、勇気の力!!」

 

「マン兄さん!A兄さん!タロウ兄さん!」

 

 

【Ultraman Ace Taro】

 

 

『よぉぉぉし!この逆境を巻き返すぞ、ハルキ!』

 

「押忍!」

 

ご唱和ください、我の名を!

 

ウルトラマン…ゼェェット!!

「ウルトラマン…ゼェェェット!!」

 

 

 

『ヘァッ!』『トァーッ!』『タローッ!』

 

【Ultraman Z…Beta Smash】

━━━━━━━━━━━━

 

 

『ベータスマァァァァァッシュ!!!』

 

『━━ッ!?』

 

 

コッヴの頭部にスワローキックが炸裂した。

ボディカラーは打って変わって赤くなり、目の周りも一緒に赤く耳も尖っている。

 

……

 

『姿が、変わった…』

 

自身の渡したメダルでこんな劇的な変化が起こって驚きを隠せない暦。

 

『姿が変わったところで、負けるわけがねぇ!!』

 

ダイナゼノンの時のように姿が変わり、若干焦りを見せるオニジャ。

 

 

 

 

そんな状況を知る由もなく、ゼットとコッヴの対決が終わりを迎えようとしていた。

 

 

『デェアッ!ダァッ!!ジョァ!』

 

チョップ、キック、エルボー。まるでプロレスなどの格闘技のように、圧倒していく。

 

 

「なんか面白い」

 

側から見たら可笑しいのか、ムジナがすこし吹き出した。オニジャが文句を言いそうになるが、目の前に集中する。

 

「クソッ!クソッ!クソッ!」

 

……

 

(これで決める!!)

 

『ジェアッ……ダァァッ!!!』

 

コッヴの頭部を掴むと勢いよく空に投げ飛ばし、そしてそれを追うようにゼットも飛び上がる。

 

 

『ゼスティウムアッパー!!!』

 

 

突き出した拳はコッヴのちょうど首あたりに命中し、大爆発を起こした。

 

『…ショワッチ!』

 

 

 

宇宙戦闘獣との戦いは幕を下ろした。




ベータスマッシュ登場、コッヴ回でした。ここら辺から本編離脱していくと思うのでより一層警戒をお願いします。
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