「邪魔だなこのメダルホルダー…」
今日は日雇いで飲食のバイトをしている。前世ではアルバイトで死ぬほど皿洗いをやったことを思い出した。悲しくも懐かしい思い出だ。
『地球人には見えない物質でできているから周りには見えない、だから安心してくれ!ハルキ!』
「いや、普通にしゃがむときとか突っかかるんですけど……。っと、お待たせしました、白だし茶碗蒸し、で…す…」
料理をテーブルに置き、視線を上にあげたら見知った顔の三人がいた。例の怪獣を操る連中が、普通にいる。
(ゼットさん、この人達…!)
『ああ、俺も覚えてるぞ…!前の怪獣と戦った時にいた奴らだ。だけど、どうしてこんなとこに…』
「…あの、すいません」
驚きのあまり固まっていたのか、女性から怪訝な表情で声がかかる。
「あっ、あぁすいません、失礼します!」
疑問を振り切って、すぐさま離れる。
『どうしてあいつらは怪獣を操るんだろうな…悪意は感じられないのに…』
(どうであれ、怪獣を操っているなら放っておけない。ちょっと見張っておきましょう)
『そうだな…!』
より一層の警戒を決め、常に頭の中に置いておくようにした。
確かに言われてみれば、彼らの行動原理は謎に包まれている。悪意がないということは、地球侵略や破壊行為が目的ではないのだろうか…?でも、そうしたらどうして怪獣なんかを…
…
……
「…今の見たかよムジナ」
「うん、見た。腰のやつでしょ?」
「周りの人には見えていないのでしょうか…?」
相手は5000年前から生き返った死者だということを、二人はまだ知らない。
……
…
『ハルキ、怪獣だ!』
「えっ…今!?」
あれから三人が退店し何も起きなく普通に働いていた時の急なゼットからの報告に驚いた。
『まだ活性化はしていない、被害が出る前に倒すぞ!』
「わ…わかりました!!店長さん、すいません!!」
服はそのままで店の外に出ると、ゼットライザーのトリガーを押してインナースペースへ入る。
【Ultraman Z…Alpha Edge】
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『…!ハルキ!怪獣が動き出した!』
(本当ですか…!?急がないと!!)
アルファエッジに変身し、高速で空を飛んで怪獣の方へ向かっているとゼットから怪獣の活性化を聞き、速度を早める。徐々に街の風景がところどころ破壊されている場所に変わっていき、やがて目で怪獣を捉える。
『いた!あれだハルキ!行くぞ!』
(押忍!……ってゼットさん!あれ!)
怪獣の4、5分の1よりも小さい、ダイナゼノンの一体と思われる人型のロボットが怪獣に潰されようとしているタイミングだった。
(いきますよゼットさん!!)
『ああ!!』
…
……
『おいちせ!!あぶねぇぞ!!』
『きゃぁぁぁぁ!!』
蓬不在の代役である飛鳥川ちせが搭乗しているダイナソルジャーが、何倍も体格差のある怪獣に潰されかけたその時
『デェェェェアッ!!!』
怪獣の下顎部分に、炎を纏ったキックが炸裂し怪獣が大きく吹き飛ばされた。
『…あれ?』
ダイナソルジャーに搭乗していたちせが恐る恐る目を開けると、そこには怪獣ではなく、自身を抱える巨人…ウルトラマンゼットの顔があった。
『た、助かった……!!』
ちせの安堵の声に頷くと、ダイナソルジャーを地面へ降ろす。
…
……
『アイスラッガー!!行けッ!』
コテ調べにアイスラッガーを飛ばす。すると怪獣の背中にある突起が輝いたと思うと、アイスラッガーは平面化し怪獣をすり抜けていった。
『なっ、すり抜けた…!?』
(相手はどうやら、次元を変えて攻撃を透かしてるようです!)
『次元を操るのか…厄介な相手みたいだ、気合い入れるぞ!』
(押忍!)
『ジェアッ!!』
飛び道具を使うのをやめ、直接攻撃をしかける。
『ハァッ!!デェアッ!』
首を掴み、胴体にキックした後にアッパーを喰らわせる
…
……
「おい集中しろムジナァ!!」
「話しかけないでよ、ブレるじゃん!!」
オニジャからのヤジに気を取られ、操作の精度が落ちるムジナ。その隙に怪獣はあることをしはじめた。
……
…
『デェアッ!!』
ローリングソバットで怪獣を吹き飛ばし、ゼスティウム光線の構えを取ると遠くから合体したダイナゼノンが姿を表す。
『悪い、手間取った!』
『問題ない!』
ゼットの声は聞こえないが、頷いてコミュニケーションをとる。
『行くぜ!ダイナゼノン…バトルゴー!』
『ジェアッ!!』
ダイナゼノンと並び、怪獣へ走り出す。怪獣はゼットとのダメージで、満足には戦えないはず…と思ったその時
『━━━━!!!』
『うわっ!?』(なんだ…ッ!?)
怪獣が大きな雄叫びを上げた。それを皮切りに、周りのビルや瓦礫が二次元となり怪獣の頭上にどんどん集まっていく。
(何をするつもりだ…!)
『今のうちにぶっ壊しちまえ!夢芽!』
『なんとかビーム!』『ペネトレーターガン!!』
黙ってその光景を見ていたゼットとは裏腹に、肩からビームを出して破壊を試みるダイナゼノン。しかしそのビームは瓦礫の塊に吸収され跳ね返された。
『危ねぇッ!!』
『キャキャキャキャキャ!』
間一髪で避けたダイナゼノンを嘲笑うかのような奇声が響く。瓦礫の集まりもやがて、目のような形に合体し地上に降り立つ。
『何あれ……目?気持ち悪い…』
(あれは……ガンQ…!どうしてあいつがガンQを…!!)
ガンQ。寄獣という二つ名に相応しい見た目をしており、目に胴体と手足が生えている。ガイア本編では山に目だけ出現し、その後花崗岩や石灰岩を吸収して肉体を得た…そしてその正体は、魔頭という呪術師の化身である…はず。それなのにどうしてここに…!
『ハルキ!大丈夫か!』
(だ、大丈夫です。…まさか異次元とかそういう話なのか…?)
『えーと…俺、あの目やる、キミ、あっち頼む』
考えていても仕方がない。ガンQはこちらが対処するとして、ダイナゼノンに怪獣の方をジェスチャーで頼む。
『デアッ!!ダァァ━━━━ッ!!』
大きく飛び上がひ空中で一回転し、ガンQに向かってアルファバーンキックを放つ。
『キャァァ━━ッ!!』
ガンQの目ど真ん中に当たり、激しくのたうち回る。
(あいつに光線技は自爆行為、このまま肉弾戦で押し切りましょう!!)
『応!畳み掛けるぞ!!』
倒れていたガンQに近づく。
その瞳が歪んでいることに気づくことなく。
『キャキャキャキャキャ‼︎』
『うおわっ!?』
ガンQに一定の距離まで近づくと、大の字に倒れたまま、一切体を動かさずに起き上がった。
『ウルトラ気持ち悪いな…!』
『キャッ!』
瞳を歪ませて笑った後、眼から紫色のビームが放たれる。
(吸い込まれる…!まずい…!!)
圧倒的な吸引力に踏ん張っても地面が持たず、地面を抉る形でどんどん引き寄せられる。やがて踏ん張りがもたなくなり、頭からガンQの眼へ吸い込まれた。
『(うおぁぁぁぁっ!!)』
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『…!ガウマさん、あれ!』
怪獣を撃破したダイナレックスの内部。蓬は視界の端で、ガンQに吸い込まれるゼットを目撃した。
『あの巨人、眼に吸い込まれちゃったっすよ!?』
ちょっと強引かなとは思いましたが、ガンQを出しました。そして次回は主人公についての話と決着です。