ウルトラマンティガ
ウルトラマンダイナ
ウルトラマンガイア
青く美しい海と蒼蒼とした緑の命溢れる星を見つめ続ける二対の瞳が時を刻む。
互いの存在を感じながら星のエネルギーの循環を助け続ける中で、互いの姿を見なくなって久しい。平和の証だと思えば、姿を見ない日常をどうと思うこともなかった。
海の化身は流れ込む川の流れから大地の化身のエネルギーを受け取り、大地の化身は降り注ぐ雨から海の化身のエネルギーを受け取る。そして地球という星が命を育む流れを見守る。
環境汚染が進めば少しだけエネルギーの流れを多くして自浄作用を助けることもあるが、最近は環境問題への取り組みも活発になり、エネルギー供給量も安定した。
時折エネルギー供給量が増えてもお人好しの大地の化身のことだ、海の化身の負担を減らそうと大地の自浄作用に強く働きかけることも珍しくはなかった。必要ないと伝えてにいるにも関わらず。
だから、弱ったり消えたりといった明らかで致命的な異常のない、常に存在を感じる同胞にわざわざ接触しないのはおかしい話ではなかった。
「……………またエネルギー量が増えているな……そろそろ文句を言いに行くか……」
大地から送られてくるエネルギーが増えたまま減らないどころか、さらに増えたのを確認して、アグルはその方角を見つめる。その先に片割れの姿は見えない。
「まったく……こちらに気を使う前に自分の領域のエネルギーに集中しろとあれほど……」
そもそも海にエネルギーが増えすぎるとそれはそれで困るのだ。エネルギーが増え過ぎれば海が荒れる。その荒れた海を抑えるのにもアグルのエネルギーを使わねばならない。そんなことは、ガイアも分かっているし、これまではそのあたりも配慮があったはずなのに。
「やつのお人好しもここまで来るとただのお節介だな」
久方ぶりに無形の海の化身はウルトラマンアグルの姿を取って陸の方に使う。
「ガイア」
大地の領域で相方を呼べば、彼はすぐに姿を現す。自分だって彼が呼びかけてきたら必ず応じるのだから。
赤い姿を探す。いや、赤い姿でなくてもいい、必ず何かのリアクションがあるはずだ。
シン、と音が消える。
風に揺られる草木の音、虫や獣、鳥の声、遠くのまちのざわめき。その他の様々な音がピタリと止まる。
それは不穏な静寂だった。
まるで、その無音が地球の意志であるかのような。
「ガイア……!」
焦燥感に駆られて先程よりも強く呼ぶ。早く出てこいと。
だが、赤い姿はどこにもない。
静寂が続く。まるで、アグルの声を妨げないようにしているかのように。
「…………………」
おかしい。この、音を運ぶことを控えたような、地球の意思による静寂は何を意味する?なぜガイアは現れない?なぜ。なぜ。なぜ。
アグルは空に飛び立ち、より広く大地を見下ろす。
「どこにいる、ガイア」
じっと、陸を見下ろす。どんなに深く眠っていたとしても、アグルにはガイアの声は届くしその逆も然りだ。なのになぜ反応を返さない。
大地全体にガイアが送り込んでいるであろうエネルギーが行き渡っているのが、赤い光としてアグルの目に写る。
青々と茂る草木、その草木を糧にして生きる動物たち。土の自浄作用が水を清らかに保ち、命を終えた動物たちの亡骸が他の動物や植物たちの糧になる。見慣れた星の営みだ。それがガイアのエネルギーによって活発に行われている。悪いことではないはずだ。
では、なぜガイアはアグルの呼びかけに応じない?
冷静な様相の裏で輝く瞳が焦りを含む。
絶対におかしい。こんなにもエネルギーを分け与えなければならないほどこの星は今、逼迫してはいない。
なにかがあるはずだと平静を保ちつつも懸命に異常を探る。
赤い光の中で、わずかに強く反応を示すラインが見える。目を凝らせば、それが地脈、地下水脈であることが分かった。
海でできた雲が雨となって大地に降り注ぎ、土の中を通って清らかさを取り戻した水が川を作って海に戻るための通り道。
なのに今、ガイアの赤い光を帯びたそれは、まるで大地を縛る鎖のように見える。
アグルが大地に足を下ろす。
「ガイア……!」
大地に手をついて、より深い場所に声を届けることを意識する。
“ドクンッ”
強い拍動が応えた。
「そこにいるな、ガイア」
そう呟いた瞬間、意識が沈み込むような感覚が何かを見せる。
鎖に幾重にも縛られた赤い光が、無理矢理拍動するよう締め上げられる。
その動きはまるで、心臓マッサージのようだった。命を繋ぐために、心臓や血流を止めないために行われる応急処置を彷彿とさせる。だが、これは違う。動きは似ていても、赤い光に強いられているその動きは、力を搾り取るためのものだ。
何者かが、ガイアのエネルギーを無理矢理大地に送り出している。
ガイアのエネルギーを多量に大地に流せば、過剰な供給を受けた大地はいずれその力で、ダムが決壊するように崩壊する。植物の根腐れのように、大地が腐っていく。他ならぬ、ガイアの力によって。そしてそのエネルギーは海へ流れ込み、海もまた荒れるだろう。ガイアの過剰なエネルギーと大地の溢れんばかりのエネルギーはアグルが抑えきれないエネルギーとなって深海まで影響を及ぼすような津波や渦潮をはじめとした異常を起こす。
そして、いずれはガイアのエネルギーが、大地の命の力が底をつけば、バランスを失った海もまた、その役目を失い、腐るだろう。
これは、力を枯らすのではなく、自ら崩壊させる、とても、とても長い時間をかけることを前提とした“地球への侵略”だ。
「よくも……」
地を這うような怒りの声が漏れる。
凪いだ海のような冷静さを常とする己の口からこんな声が出るのかと、どこか冷静な部分が呟いた。
よくも、己の力で星を自壊させるなどという恐ろしいことを企んだものだ。
よくも、俺たちの地球に手を出したものだ。
よくも、俺たちの地球に住むものたちや地球のエネルギーまで利用してくれたものだ。
よくも、俺に悟らせないように汚い策を弄したものだ。
「よくも、あいつの誇りを最も踏みにじるような真似をしてくれたな……」
己の力で己の星を傷つけさせるような、卑劣な真似を。
地球から生まれ、地球を誰よりも思いやり、地球を守り抜いた誇り高き赤い戦士の力を使って、地球を崩壊させようなどと。
アグルの怒りに呼応して海が唸る。大地を包む、すべての命の源である海が。
「よくも……!」
海の化身が大地の領域で、常にはない咆哮を上げた。
「どこのどいつか知らないが……」
絶対に、許さない。
海が人知れず、大きく揺れた。
どこかにこの鎖の核となる物があるはずだ。だが、手がかりのないままそれを探すにはアグル一人では手が足りない。
それなら、仲間を呼べばいい。
『何かあった?君からなんて珍しい』
『どうした?ガイアならともかく、お前から連絡なんて珍しい』
ガイアよりも会うことの少ない同志にテレパシーで連絡を取れば、ガイアではなくアグルからという物珍しさもあってかすぐさま応答が返る。もっとも、彼らはガイアからの連絡もすぐさま応答するが。
「緊急事態だ。今すぐ来い」
ひどく手短かで静かだというのに、テレパシーごしでも伝わる怒りの波動がビリビリと脳を刺激する。
2つの光が強く瞬き、そしてほぼ同時にアグルの前にその姿を示す。
「…………………」
沈黙したまま大地を睨み続けるアグルの目の前に、ティガとダイナが向かい合う。
「ガイアは?」
短い問いかけに、アグルは大地を示した。
「あそこにいる」
赤い鎖、赤いエネルギーは同じ地球から生まれたアグルにしか見えない。
「何者かがガイアのエネルギーを無理矢理地球に流し込んでいる。このままではガイアのエネルギーを受け続けた地球が、エネルギーを受け止めきれなくなって自壊する」
小難しい話は抜きにして端的にそう伝える。端的すぎてちょっと意味が分からないかもしれないが、結果的に地球がどうなるかの最悪の未来予測は伝わった。
3対の輝く瞳が大地を見つめる。相変わらず海は不気味なほど静かだ。
「今、ガイアは?」
「俺の声に応えられない。応えられないようにされているのか、あるいは……応えられないほどに消耗しているか」
もっと早くに気づけていたはずなのに。いつものお節介かとスルーした自分にも腹が立つ。
苛立ちと怒りが焦燥感を強く掻き立て、アグルに強く拳を握らせる。
「アグル、落ち着いて」
「そうだぜ。俺たちも来たんだ、焦るより落ち着けよ」
アグルの抑える気も隠す気もないシンプルな怒りというのは物珍しさがある。それゆえに、まだ見ぬ敵以外に向けられた怒りの程も分かりやすかった。
「流れるエネルギーが減ったわけでもなく増えてたわけだろう?それなら異常として覚知できなかったとしても、それはアグル、君の責任じゃない」
「そうそう。ここでキレるよりやることがあるだろう。それに今のガイアのエネルギーはお前にしか見えないんだ、どう動く?」
アグルの激情の拳が解かれ、静かな怒りを湛えた瞳が彼にしか見えない赤を辿る。
「地下水脈の流れに沿って、より強くガイアの力が流れている。なら、その流れる先に場所に何かしらの細工があるはずだ」
網目のように広がる水脈の中でも大きな源流が流れる方向をいくつか示し、頷き合う。
「なら僕はこっち側を探してみる」
「俺はこっち」
「いいだろう。何かしら妨害があるかもしれない、気をつけろ」
3つの光が分かれて飛び立つのを、怪しく光る目が見つめていた。
「思ったより早く気づかれたな」
残念、残念と、ひどく楽しそうな呟きを残してその場から気配が消えた。
静かな山々が沈黙している。
獣の声も鳥のさえずりも虫が動き回る音もしない、不自然な静寂。ただただ風が木々を揺らす音だけが駆け抜けていく。
「ここまで近くに来ると、確かに変な気配がするな」
山々の間に、確かに旧知の気配を感じる。同時に、どこか不吉を感じる気配も。
山が震えた。
土岩を巻き上げて咆哮が轟く。
遠くで仲間のエネルギーが高まるのを感じる。
他の2箇所でもきっと同じように戦闘が始まったのだろう。
目の前の、己の役割を果たすためにティガとダイナが怪獣との戦闘を始めた。
遠くで地球の鳴震から仲間たちの戦闘を感じながら、アグルは目の前の巨大な人影と相対する。怪獣ではなく、人型の影だ。
「思ったより早かったな……海の化身は割とドライだと思っていたのだが。存外早く、地脈の仕掛けに気付かれてしまった。残念残念」
「貴様が黒幕か」
「さぁどうだろう?白幕かもしれないし、赤幕かもしれないぞ?」
そのおちょくるような物言いを完全に聞き流し、アグルが人影を睨みつける。
「貴様は誰だ」
「さぁ。誰だろう。誰だっていいじゃないか」
埒が明かない。
「今すぐ、ガイアを解放しろ」
「それは無理な相談だ。せっかくこんなに面白いことをしているのに」
人間であったなら、ビキリと青筋の一つも浮いていたであろうアグルの様子を、影は嗤って見ている。
「ほかの星には君たちのような存在はほとんどいない。珍しい存在だ。だからこそ、こんな面白い方法は他ではできない」
こいつは遊んでいるのだ。そう確信する。ある意味、侵略よりよほどタチが悪い。
「そうか、なら存分に楽しむといい」
アグルが戦闘の構えに入る。
存分に楽しませて刻み込んでやろう。
“地球の怒り”を。
影に正面から風が吹き付ける。遠くで海が渦巻いている。
アグルの拳と影の拳が交差した。
数合剣と拳を交えて、アグルは思考を巡らせる。
(おかしい……なんだ、こいつは……)
手応えはある。互角に渡り合えている。なのに、ダメージが通っている気がまるでしない。実体のある幽霊でも相手にしているような感触。
「やれやれ。私は策謀をめぐらせるほうが楽しくて好きなんだがね」
余力を残した言動。本当に余力があるのか、それとも装っているのか。
「だったら、さっさとガイアを解放してこの星から手を引け」
本当にそうするとは思っていないし、こんな危険な存在、手を引いたところで逃がすわけにはいかないが。
「それでは面白くない。地球の自壊とは別に、他にも見たいものがあってね」
「なんだと」
距離をとって、様子をうかがう。もし、ほかに何か仕掛けられていたら。ここで倒してしまえばその仕掛けが何かすら分からなくなる。
「あぁ、安心したまえよ。この星には他に何もしていないさ。私が見たかったのは、君だよ。ウルトラマンアグル。地球の海の化身」
「何……?」
「常に冷静にして沈着。そんな君が、なにに怒るのか。どんなふうに怒るのか。どうしたら悲しむのか。………絶望したら、どんな顔をするのか。まぁ表情は分からないが、それでも面白そうじゃないか」
面白そうだから。この影の行動原理はそこにあるらしい。なんとも迷惑な話だ。
「ばかばかしい。そんなことのために、ガイアを利用したのか」
「あぁ。きっと君がいい反応をしてくれると思ったからね」
ぎり、と、青い拳が音を立てて握り込まれる。だが、その怒りは内側に。アグルの輝く瞳が影を静かに射抜いた。
“ドクンッ”
ガイアから発せられる拍動が強く脈打った瞬間、アグルの目は、影に走る赤い光を捉えた。
攻撃が通らない感触が頭をよぎる。
「…………お前、ガイアの力を取り込んでいるのか」
大地と海は循環で繋がっている。循環は力の性質そのものに近い。攻撃に乗った攻撃エネルギーを循環させて、ダメージを流す。殴られた瞬間に、殴られた方向に飛べばダメージを受け流せる。似たようなものだ。
「ご明察。なかなか便利なものだ。力そのものというのは」
こいつは、一体どこまで自分たちを、地球を馬鹿にしているのか。
それでも、手をとめるわけにはいかない。再びアグルと影は剣と拳を交えた。
怪獣が爆発する衝撃が大地を揺らす。
ティガ、ダイナはそれぞれの場所で目の前の怪獣を倒した。だが、そこで足を止めるわけには行かない。
「どこだ」
仲間を縛る鎖の源。愛しい星を腐らせる悪意の根源。
その気配を探る。
赤と黒が渦巻く、大地を穿った杭を。
「「見つけた」」
地球の鳴震がアグルにティガとダイナの戦闘の終わりを告げた。
そして、その少し後。鳴震に続いて、何かがひび割れる、音。
バキリ、バキリ。ベキベキベキ。
そんな不穏な音が、アグルと影の下。ガイアの元へ。
「なに……?」
影としては、あの怪獣たちが倒されたのが想定外だったのかもしれない。動揺が走る。
グラリ、と、大地が揺れた。
「知っているか。地球に住まう人々が生きてきた長く短い時間の中で、地震をどう考えていたか」
アグルが影を見据え、静かに。
「“大地の怒り”、だ」
赤い光が、少しずつ大地を染めてアグルへ流れ込む。
ウルトラマンアグルの青い身体に、赤が。
「な、なんだ……なにが……」
赤い拳が、影を叩き伏せた、その先。
影に隠されていた、赤と黒が混じり合う杭。
「これか」
青い光がアグルの拳に収束され、フォトンスクリューが放たれた。
バキッ、と、あっけなく杭が折れる。ガイアを抑えつける、最後の杭を。
大地が揺れる。赤い光が大地を覆い、やがてアグルの隣に。
「お前の怒りは、お前がケリをつけろ」
誰よりも怒りをうちに秘めた青は、しかし果たすべき雪辱を持つ赤に舞台を譲る。
青い光と赤い光が混じり合う。
ウルトラマンガイア・[[rb:SSV > スーパースプリームヴァージョン]]
その姿が、地球に顕現された。
影が見た視界に、烈光が溢れる。
圧倒的な力を示す光。大地の怒りと海の怒りを携えた、地球の化身。
「おぉ……」
絞り出されたのは恐怖と感嘆が交じった震える音。
そうだ、これが見たかった。
怒りも、悲しみも、絶望も、想像しうるものに価値などない。
「はは……ははははははははははははっ!いいぞ!これだからお前たちは面白い!私の想像を超えたものを見せてくれる!私の遊戯に君たちを選んだのは正解だった!!」
圧倒的強者を前にしてなお、影は狂喜する。
「もっと!もっと魅せてくれ!!」
ガイアの足が、ゆっくりと踏み出される。ウルトラマン2人分の怒り。そして、地球そのものの怒りが、形を成して。
その隣に、ティガとダイナが降り立つ。
起き上がり、ダメージと狂喜で震える拳を振り上げた影を、3つの光が貫いた。
影が最期に魅た光は、彼が望んだ通りの目も眩む赤と青だった。
「全く……お前は迂闊が過ぎる」
赤と青の光が分離して、4人のウルトラマンが邂逅する。その第一声がこれである。
「ぅ……」
「まぁまぁ、アグル。何とかなったんだし」
ティガが宥めにかかるが、アグルはあの怒りをどこに押し込めたのかと思うほどに平常運転だ。
「そうそう。素直に心配したって言えよ」
「誰が」
ダイナの言葉にアグルは間髪入れずに一言で返した。
「しっかし、お前ってあんなにキレるんだな。いや、今回のやつのやり方は確かにキレるけど」
ダイナがアグルの背中をバシバシと叩きながら、分かる分かると頷いている。
「アグルがキレすぎてて僕たち、キレるタイミング逃したよね」
「目の前でブチギレてるのを見ると冷静になれるよな」
好き勝手言うティガとダイナを軽く睨んで、アグルはガイア含めて3人に背中を向ける。それでも立ち去ろうとはしなかった。
「アグルがそんなに?」
確かにアグルのエネルギーが怒りで常にはない状態だったことはガイアもなんとなく把握していたが、それでも仲間たちがこうまで言うほどにその感情を表に出すとは思わなかった。
「うん」
「そりゃもうキレてた」
ティガとダイナが同時に肯定する。
「………アグル」
「なんだ」
振り返りもしない。
「助けてくれて、ありがとう」
「これに懲りたら、普段からエネルギーの循環を無駄に増やさないことだな」
「ぅ……」
お礼の返しに痛いところを突かれてガイアが口を閉ざす。
「…………これから、梅雨の時期だ」
アグルが唐突にそう口にした。
「?うん……?」
「………今年は、雨が増える」
「どういう意味だ……?」
ティガとダイナが首を傾げて顔を見合わせる。それとは対照的に、ガイアはすぐに理解したのか、微笑みがにじんだ声音で頷く。
「増える、じゃなくて、増やす、でしょ。………ありがとう、アグル」
「ふん」
アグルの身体が青い光と化して、海に還っていく。
「なぁ、あれどういう意味だったんだ?」
よく分からなかったダイナが問えば。
「アグルなりの、お大事に、だよ」
海から生まれた雲が大地に雨をもたらし、その雨が大地を通って海へと還る。
ただ、それだけのことだ。