ちなみに1話の設定に記載してあるNTF相談所は、ACⅥのオールマインドみたいなものです。別にポンコツAIが管理しているわけではないですが。
取り敢えず、そこに転がっているワカモを拘束して小脇に抱えつつ、できるだけ人のいい笑顔で先生御一行に歩いていく。ワカモが暴れるが気にしない。そこら辺に転がっている不良達も放っておけば勝手にいなくなるか、あとから来たヴァルキューレあたりが拘束してくれるだろう。
「はじめまして。こんにちは。」
なんて挨拶をして、漸くこちらに気づいてくれたらしい。2名ほど、自分の顔を見てギョッとしているが、ほかの二人は即座にこちらに銃を向けてきた。まあ、今回の騒動の元凶を小脇に抱えた大男が突然現れたのだから当然の行動だろう。
取り敢えず、撃たれる前にハスミに助けを求めよう。
「羽川君、そんな鳩が豆鉄砲食らったような顔して呆けてないで助けてくれない?あと、そちらの男性がシャーレの先生ということでいいのかな?」
「はい。皆さん、その人は多分大丈夫ですので、銃を下ろしてください。」
「ありがとう。それと、久しぶりだね守月君。自警団頑張ってるらしいじゃん。宇沢君が自慢してたよ。」
「お久しぶりですホムラ教官。お褒めいただきありがとうございます。」
などと三人でいつも通りの会話をしていると、呆気にとられていた先生がこちらに話しかけてきた。
"はじめまして。君がリンちゃんから言われていた、私の補佐かな?"
「ええ、その通り。申し遅れました、私が連邦生徒会長より直々に指名された、シャーレの先生の補佐である、九ノ尾ホムラです。これからよろしくお願いします。あと、ここで明かしますけど、偽名です。」
"よろしくね。本名は教えてもらえないのかな?"
「まだ語るべき時ではないというやつですよ。あと、こちらをどうぞ。私、企業所属ですので。」
お互いに挨拶を交わしつつ、無駄に多く肩書の書かれた名刺を差し出しておく。社交辞令と言うやつだ。
というか、さっきから小脇に抱えているワカモがおとなしい。怖いくらい静かだ。一体どうしたんだと、彼女の方に顔を向けると、なんか怖いくらい先生を凝視したと思ったら顔を逸らしたりしている。あと、耳の端や、割れた面から覗く顔が紅潮してる。これはもしや……
「狐坂さん、先生に惚れてたりします?」
「えっ!ええ、私にとっては初めての感覚ですが、これはそういうことなのでしょう。」
「マジですか。」
どうやら当たっていたらしい。一目惚れであったとしてももう少し脈絡はあると思うのだが。
そのまま、ビルのなかに一人で入っていった先生を見送り、取り敢えず、明日からの業務について部下に連絡しておいた。
「ホムラ?さん。」
青い髪のミレニアム生が話しかけてきた。
「はい。何でしょうか。」
「はじめまして。ミレニアムサイエンススクール2年生セミナー会計の早瀬ユウカです。つかぬことをお聞きしますが、もしかしなくても貴方が今抱えている生徒は狐坂ワカモですよね。」
「そうですね。」
「「そうですね。」じゃないですよ!彼女をどうするつもりですか!ここで暴れられたらどうするつもりなんですか?」
「私が鎮圧するので問題ありません。」
「そう言われましても…」
どうやらかなりまじめな子らしい。ミレニアムは奇人変人の集まりだ、こんな性格だと苦労することも多いだろう。と言うより、2年生であの学園の財政を握っているようなものか。あんまり踏み込まれたくないから、ここらで話を変えさせてもらうために、取り敢えずこの子にも名刺を渡しておこう。
「こちら、名刺です。」
「ありがとうございます。って、ホムラさんNTF所属なんですか!?」
「大したことじゃ無いですよ。っと先生が出てきましたね。」
ちょうどいいタイミングで先生が戻ってきた。手にはタブレット端末のようなものを持っている。あれが連邦生徒会長の言っていた、シッテムの箱と言うやつかな。
さて、先生のあとからやってきた七神行政官に軽く挨拶したら、シャーレのオフィスに荷物を運び込む準備をしよう。
「それでは、私はここで。羽川君、これからの訓練の日程は変わらないから、サボらないようにね。」
ハスミ達にひらひらと手を振りながら、オフィスビルにはいるため、先生の方に歩いていく。
はい、今回はここまでです。次回はこの世界の設定について載せます。