流れ的にあわせてもいいかなっとなったので
話数を変えるとこの後の終わってる話数全部ずらさないといけないので本文でそのまま話数タイトル本文が続きます。
シーマ中佐の同行申請を出したあと、外へ人を見に行く前に一つだけ済ませておくことにした。今いる人間が、新しいBLACK RAVENにも残るつもりなのか。それとも、この再編を区切りに別の道へ進みたいのか。こちらが勝手に残るものとして配置を組んでから聞く話じゃない。
数日前には全員へ、今後どうしたいか考えておいてほしいと伝えてある。今日は階級順に一人ずつ会議室へ来てもらい、俺が直接答えを聞く。最初に来たブライト少佐は、向かいへ腰を下ろすと俺が切り出すより先に口を開いた。
「考えた。俺は新しいレイブンには残らない」
「そうですか」
答えそのものには驚かなかった。旧レイブンが退役すると決まった時から、ブライト少佐にとっても一つの区切りになるかもしれないとは思っていた。
「軍を辞めると決めたわけじゃない。ただ、このまままた前線艦の艦長を続けるつもりはない。ミライには長い間、家のことを任せきりだった。今度は俺も、家族の方を優先できる勤務を希望するつもりだ」
「ミライさんたちのそばにいられる勤務を希望する、ということですか」
「ああ。次がどこになるかは人事次第だが、そういう希望は出すつもりだ」
軍を放り出すわけでも、今までの仕事を嫌になったわけでもない。それなら俺が口を挟むことじゃない。
「分かりました。俺から引き止めることはありません。今まで艦を任せっぱなしでしたし、本当にありがとうございました」
「まだ辞令も出ていない。礼を言うには早いぞ」
「それはそうですけど、言える時に言っておきます」
「……そうか」
少しだけ困ったような顔をしてから、ブライト少佐は息を吐いた。
「新しい艦を持つなら、今までと同じ感覚で艦長まで抱え込むな。お前は出撃することも多い。艦を預ける相手には、預けたなら任せろ」
「はい。そこはちゃんと考えます」
「ならいい」
最後まで艦長らしいことを言って、ブライト少佐は席を立った。正式にレイブンを降りる日までは、まだ時間がある。それでも、次の艦にブライト少佐はいない。それだけは決まった。
次に来たクリス大尉は、席に着くなり答えを出した。
「私は残るわよ」
「まだ何も聞いてないんですけど」
「そのために呼んだんでしょう?」
笑われてしまったので、俺も否定せず、そのまま確認を続けた。
「別の部隊へ行きたいとか、後方へ移りたいとかは?」
「今のところないかな。ここで何年もやってきたし、わざわざ別のところへ行く理由もないもの。それに艦も機体も変わるんでしょう。どう考えても、これから面倒な仕事が増えるじゃない」
「面倒なのに残るんですか」
「今までのデータを知ってる人間がいた方がいいでしょ。新しい機体になった途端、誰も過去の癖を知らないなんて困るし」
いかにもクリスさんらしい。新しい環境への期待より、まず安全と積み上げたデータの方を見る。
「じゃあ、残留で希望を出しておきます」
「お願いね。配置まで今決めるつもりじゃないんでしょう?」
「はい。今日は意思だけです」
「なら、それだけでいいわ」
クリスさんの答えはそれで終わった。ここで続けるのが自然だから残る。無理にそれ以上の理由を付ける必要もなかった。婚期について考えたが言ったら終わると思ったので触れなかった。
その次に呼んだアムロは、椅子へ座るとしばらく机の端を見てから俺へ顔を向けた。
「僕は、離れようと思う」
「うん」
「驚かないんだな」
「少しは考えてたしね。アムロもずっと前線だったし」
一年戦争が始まってから、アムロが戦いから離れて暮らした期間はほとんどない。戦争が終わっても試験や任務は続いた。俺も似たようなものだから、いつの間にかそれを普通だと思っていた。
「隊が嫌になったわけじゃないよ。みんなとやるのも嫌じゃない。ただ、今度は艦も機体も止まるだろう? それなら僕も、一度前線から離れてみてもいいと思ったんだ」
「軍そのものも辞めるつもり?」
「そこまでは考えてない。MSに触れる仕事は続けたいし、評価とか技術協力なら僕にもできると思う。でも、しばらくは出撃が前提じゃないところがいい」
そこでアムロは一度言葉を切った。
「ララァとも話した。二人で少し落ち着いて暮らしたいんだ。ずっと艦の中か基地か、次の任務の話ばかりだったから」
「分かった」
答えながら少し笑うと、アムロが眉を寄せた。
「何だ?」
「いや。アムロが自分からそういうこと言うようになったんだなって」
「悪いか?」
「全然。むしろいいと思う」
あの頃を思えば、こういうことを自分から決めて口にするようになっただけでも随分変わった。
「ララァの希望も一緒だろ、一応本人からも聞いとく」
「うん。頼むよ」
「アムロの希望は、前線を離れる方向で人事に出しとくよ。具体的な勤務先は、そのあと相談になると思う」
「頼む」
それ以上、引き止める話はしなかった。アムロの腕が抜ければ戦力として大きいのは分かっている。でも、それを理由にここへ縛りつけるために意思を聞いているわけじゃない。
アムロが出たあと、同じ中尉のララァさんを呼んだ。
「アムロから話は聞いたよ。ただ、ララァ本人から一応聞いときたいからね」
「ええ。私も、いったん前線を離れたいわ。アムロと一緒に、少し落ち着いて暮らしてみたいの」
「軍そのものを辞めるつもりはある?」
「今すぐ辞めたいとは思っていないわ。私にできることがあるなら協力してもいい。でも、しばらくは戦うことを一番にしない生活をしてみたい」
「分かった。希望はそのまま人事へ出しとく」
「ありがとう、レン」
それだけで話は済んだ。アムロと同じ方向でも、答えはララァから聞けた。それで十分だった。
昼を回る頃になると、残る三人の確認はずっと早く進んだ。ジョブ准尉は会議室へ入るなり、端末に出していた作業予定へ目をやった。
「残りますよ。旧レイブンから外す物の確認に、新造艦へ持っていく物の選別、アルビオンの修理もある。MSだって更新するんでしょう? 今ここで抜けたら、途中で仕事を放り投げるだけじゃないか」
「やっぱりそうなります?」
「そうなるような仕事を増やしたのは誰だよ」
「俺だけじゃないですよ」
「隊長なんだから全部お前のせいだよ!」
残留、と端末へ入れている間にも、ジョブは午後の整備打ち合わせの話を始めていた。
続くノエル曹長も迷ってはいなかった。
「私は残ります。ここでやってきたことを、今さら別の部隊へ行って一からやり直したいとは思いませんし、新しい体制がどうなるかも見ていたいです」
「分かりました。役割の話は、全員の希望が揃ってから改めてします」
「はい。今決めても、まだ動くところが多いですから」
そこから先の配置まで今決めようとしないのは、ノエルさんらしい。
最後に来たクスコ軍曹も、答えはもう決まっていた。
「私は残るわよ」
「即答ですね」
「考えておけって言われたから考えた。その答えよ。レンがこの部隊を続けるなら、私もここにいる」
「俺が続けるから、ですか?」
「それもある。でも、誰かに残れと言われたからじゃない。私がここにいたいから残る。それじゃ駄目?」
「いえ。十分です」
クスコさんは小さく笑った。
「なら決まりね。次の機体が何になるかは、そのあと聞かせて」
「そこはまだ本当に何も決まってません」
「知ってるわよ。だから急かしてないわ」
全員との話が終わったあと、端末の人員表を開き直した。ブライト少佐、アムロ、ララァさんには異動希望の印を付け、クリスさん、ジョブ、ノエルさん、クスコさんは残留。シーマ中佐の答えは、もう聞いている。
まだ正式な辞令は一つも出ていない。それでも、これで新しい配置を考える前提は揃った。アルビオンから来る人間も合わせて、次は実際に席を組んでみればいい。
第37話 まずは二人
面談を終えてから、人員表をもう一度組み直してみた。
俺、シーマ中佐、クリスさん、クスコさん。そこへアルビオンからバニング大尉とキース少尉が加わる方向で話が進んでいる。まだ正式な配置も階級処理も終わっていないから、今の段階で作れるのはあくまで仮の形だ。
人数だけ見れば、すぐ困るほど少なくはない。ただ、アムロとララァが前線から外れる穴を、そのまま人数だけで埋める気にもなれなかったが2小隊にはしたい。
「で、誰か目星はついてるのかい?」
向かいで人事資料を眺めていたシーマ中佐が聞いてきた。前に言ってた通り、本当に人探しについてくるつもりらしい。
「何人かは。ただ、先に今どこにいるのか確認しないと」
「名前だけ知ってても、人事は動かせないからね」
「そういうことです」
前世で覚えている名前から、連邦軍に残っていて腕の立つ人間を拾っていく。
ジャック・ベアード、フィリップ・ヒューズ、アダム・スティングレイ、サマナ・フュリス、レオン・リーフェイ、マクシミリアン・バーガー、エイガー、シェリー・アリスン――。その辺りは現在の軍歴も一緒に確認して候補へ残した。
知っている名前は他にもある。
ジェリド・メサ。
……これは無理だな。腕以前に、あの自己中心的なところとエリート意識は、うちには合わないしこないだろうきても絶対困る。カクリコン・カクーラーも同じような理由で外した。強ければ誰でもいいわけじゃない。
ブラン・ブルタークは現在の所属を見てやめた。オークランド研究所。そこへ通常部隊の人事と同じ感覚で手を伸ばすことはできない。
エマ・シーンの名前も考えたが端末の候補欄には入れなかった。この先、あの人が別の場所で大きく動くことは覚えている。今ここで引っ張って、その流れまで変える必要はない。あの人の最後をそのままにするつもりもないが。
残った資料を順に追っていくうち、一つの名前で指が止まった。
ユウ・カジマ。
「この人は前にも候補にいれてたんですよね」
「知り合いかい?」
「いや、部隊を作った時にも候補として一度調べたんです。その時は部隊長でしたし見送ったんですけど」
改めて現在の記録を追ってみると、妙な違和感があった。実績も経験もある。それなのに、今の配置や扱われ方がどうにも噛み合っていない。
何か問題を起こしたという記録があるわけじゃない。上官と揉めたとか、そういう話も見当たらない。ただ、記録を続けて読んでいると、今いる場所で少し浮いているように見える。記憶にもこのころ何かやってたとかわからない。ロンド・ベルに所属していてアクシズ落としの時にいたとかとかいう話は聞いた覚えがあるが。
「ずいぶん実績はあるじゃないか。その割には、扱いが地味だね」
「俺もそこが気になってます」
前世で知っているユウ・カジマの腕まで考えれば、今回は見送る理由の方が少なかった。
もう一人、最初から気になっていた名前を開く。
ライラ・ミラ・ライラ。
後年の宇宙戦でかなりの腕を見せていた人だし、人柄も良いイメージがある。ここで抜ければ後年いい影響もありそう。今の人事記録を見ても、声を掛けること自体に大きな障害はなさそうだった。
「この二人が場所も近いですし最初に行きたいですね」
「他は後回しかい?」
「はい。候補は残しますけど、優先するならユウ・カジマとライラ・ミラ・ライラです」
シーマ中佐も二人分の資料をしばらく読んでから頷いた。
「記録だけなら文句はないね。あとは本人か」
「そこは会ってみないと分かりません」
二人は同じ軍輸送の行程で回れる程度には近かった。レイブンは工廠作業中で使えない。俺たちは通常の軍輸送へ申請を出し、まずユウのところへ向かった。
本人との面談に使われたのは、所属先の小さな会議室だった。ユウ・カジマは資料で見た印象通り、必要以上に喋る人ではなかった。ただ、こちらの話を聞いている間も反応が薄いわけではない。
「BLACK RAVENは今、大規模な再編に入っています。所属パイロットが何人か前線を離れることもあって、人員を補強する予定です」
ユウが俺を見た。
「それで、自分に声を?」
「はい。今までの実績と評価を見ました。来る意思があるなら、こちらから正式に異動申請を出したいと思っています」
「異動が決まっているわけではないんですね」
「まず本人の意思を確認をしてからが隊の方針です。その後申請が通れば異動、通らなければ今の所属に残る。それが前提です」
ユウは少し考えてから、シーマ中佐の方へ目を向けた。
「あなたもBLACK RAVENに?」
「あたしもこっちだよ。ただ、あんたを連れて行くか決めに来たわけじゃない。来たいかどうかを見に来ただけさ」
ユウはその言葉に小さく頷いた。
「今の任務に不満があるわけではありません。ただ、自分の経験を生かせる場所へ行けるなら、その話は受けたいと思います」
「再編が終われば、前線任務に戻る部隊です。そこは理解されてますか?」
「承知しています。MSパイロットとして呼ばれているなら、もとよりそのつもりです」
返事はそれで十分だった。
「じゃあ、本人希望ありで申請します」
「お願いします」
部屋を出てしばらく歩いたところで、シーマ中佐が口を開いた。
「悪くないね。口数は少ないが、聞いたことにはちゃんと答える」
「俺もそう思います」
「今いるところで浮いてるように見えたって話も、なんとなく分からなくはないけどね」
「そこは本人に聞く話でもないでしょう。何かあったとも限らないし」
「まあね」
そのまま次の輸送へ乗り継ぎ、今度はライラ・ミラ・ライラに会った。
ユウとは対照的に、ライラは最初からこちらへ質問を返してきた。
「BLACK RAVENから異動の打診と伺っていますが、私には何を求めているのでしょうか?」
「まずは前線のMSパイロットです。ただ、部隊自体が再編途中なので、最終的な配置や乗機まで今ここで約束することはできません」
「ずいぶん率直なんですね」
「決まってないものを決まってるとは言えませんから」
ライラは俺からシーマ中佐へ視線を移した。
「そちらの方もパイロットなのですか?」
「ああ。場合によっちゃ艦に残ることもあるけど、MSに乗る方が多くなるだろうね」
「なるほど。単に人数を揃えたいというわけではないんですね」
「それならもっと普通に補充を頼みます」
俺が答えると、ライラは少しだけ笑った。
「では、なぜ私なんですか?」
「現在の軍歴と評価を見て、腕を買いました。それと、強いだけで誰でも入れる部隊にするつもりはありません。だから資料だけで決めずに、こうして会いに来ています」
「なるほど。ですが、私も名前だけで異動先を決めるつもりはありません」
当然の話だった。
ライラはBLACK RAVENの現在の扱いと、再編後も地球連邦軍の正式部隊として動くのかを確認した。俺は、連邦軍の外へ出る話ではないこと、ただし再編後の細かな指揮系統についてはまだ調整中であることをそのまま伝えた。
「分かりました。正式な異動許可が出るなら、そちらへの異動に同意します」
「じゃあ、こちらから申請を出します。もし許可されなければ、そのまま今の所属に残る形になります」
「はい。それでお願いします」
二人とも、思っていたより話は早かった。
本人の異動希望を添えて二件の申請を正式な人事系統へ流し、俺たちはいったん次の候補へ向かう準備に戻った。ジャックたちの現在位置も確認済みだったし、ユウとライラの返事を待つ間に、何人か実際に会っておくつもりだった。
ところが、その予定を組み終えるより先に端末へ通知が入った。
ユウ・カジマ、異動承認。
「……早すぎないか?」
申請を出してから、まだ人事が何段階も止まるものだと思っていた。その承認内容を確認している最中、もう一件届いた。
ライラ・ミラ・ライラ、異動承認。
今度はシーマ中佐まで端末を覗き込んだ。
「二人ともかい。ずいぶん景気よく通したね」
「俺も、もっと待たされると思ってました」
特にユウの記録を思い返すと、どうしても余計なことを考えてしまう。
「……向こうで何かあったのかな。ユウ中尉の方、今のところでちょっと浮いてる感じだったし」
「さあね。向こうにも向こうの都合があったんじゃないかい?」
「ライラ中尉まで早いのは説明つかないですけど」
「だったら考えても答えは出ないよ。通ったんだから、それでいいじゃないか」
それもそうか。承認が早かった理由を調べる必要まではない。本人たちは来る意思を示し、正式な人事も通った。それ以上はこちらの仕事じゃない。俺は開いていた次の訪問予定を見直した。
ジャック、フィリップ、アダム、サマナ。まだ会ってみてもいいと思える人間は残っている。でも、最優先に置いた二人が両方来ることになった。現在の人数まで考えれば、ここからさらに有名なパイロットを片端から集める必要はない。
「シーマ中佐、パイロット探しはここまでにします」
「いいのかい? まだ候補は残ってるんだろ」
「この二人が取れたなら十分です。欲張って増やしても仕方ないですから」
「それなら、次の予定は取り消しだね」
「はい」
まだ正式な着任日は決まっていない。新しい機体も、二人をどう配置するかもこれからだ。俺は残していたパイロット候補への訪問予定を削除し、端末を閉じた。
ジェリド組はこのころ軍学校だったと予想されてます。
ライラさんの口調は流石に他所の上官にあのアニメ口調は無理があるかなっと。
一応ここで黒鴉隊がどう見られてるだけ軽く説明します。
上層部からはゴップの私兵であり雑務処理何でも屋 しかし後ろ盾も大きいし隊長のレン本人も一年戦争ではプロパガンダに使われた英雄なので下手な手出しはできない厄介者
一般兵からは 英雄の精鋭チーム WB艦長 双璧のガンダムパイロットを要する 何してるかはよくわかってない。
と結構乖離してたりします。
原作アニメ見てたらわかりますがWBチームは少しでも軍に興味あれば英雄として名前がでてくる位には有名です。
カミーユくんもブライトさんからサイン頂いてますしクワトロもハヤトとカイの名前を聞いてWBクルーだと気づく描写があります。