カタシロをチャットGPTくんと遊んでみた   作:真夜中更奈

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第5話

医者の表情が、止まる。

 

「…………弔う」

 

想定していなかった言葉だったのだろう。

 

あなたは目の前のシリンダーを見る。

 

ついさっきまで、「治ったら医者になりたい」「たくさんの人を助けたい」と話していた少年。

 

医者は息子を見つめたまま、低く言う。

 

「だが、この子は生きている」

 

「考えることができる。話すこともできる。記憶もある。私のことを父親だと分かっている」

 

「……それを、死者として弔えというのか」

 

彼はあなたへ視線を戻す。

 

怒ってはいない。

 

むしろ――あなたの答えを理解しようとしている。

 

「君はさっき、記憶を失えば以前とは違う人間になると言った」

 

「この子には、その記憶が残っている。それでも……事故に遭った時点で、息子はもう死んだものとして扱うべきだと?」

 

医者は静かに問う。

 

「なぜ、そう思う?」

「じゃあ貴方が逆の立場だとして、息子さんのしたことを嬉しいと思いますか?」

「生き返らせてくれてありがとうと喜べますか?心の底から」

 

医者は――答えない。

 

ほんの数秒だが、今までで一番長い沈黙に感じられる。

 

やがて、シリンダーへ視線を落とした。

 

「…………」

 

「もし、私が事故に遭って」

 

「この子が、私を救うために……誰かの身体を奪っていたら」

 

そこで言葉が途切れる。

 

あなたが先ほど言った言葉が、そのまま返ってくる。

 

――そんな犠牲、何も嬉しくはない。悲しい。

 

医者は目を閉じた。

 

「……『ありがとう』とは、言えないだろうな」

 

静かな声だった。

 

「少なくとも……心から喜ぶことは、できない」

 

それでも、しばらくして顔を上げる。

 

「だが」

 

「だからといって、私はこの子を諦められなかった」

 

「親だから、という言葉で許されるとは思っていない」

 

ベッドに横たわるあなたの身体を見る。

 

「君が見つかるまで、ずっと探した。息子の脳を受け入れられる身体と――その代わりとなる人形に順応できる脳。その両方を持つ人間を」

 

「君が、そうだった」

 

そして、あなたが当然抱くだろう疑問について、先に答える。

 

「今の人形の身体から、君の脳を元の身体へ戻すこともできる」

 

「失敗はしない。100%、元に戻せる」

 

医者はもう誤魔化さない。

 

そして最後に、あなたへ頭を下げる。

 

「息子のために――君の身体が欲しい」

 

「君には、その機械の身体を譲る」

 

「お願いだ」

 

「君の身体を、息子に譲ってくれないか」

 

強制する様子はない。

 

あなたの目の前には、自分の元の身体。

 

その傍らには、何も知らず眠らされた少年の脳。

 

そして――答えを待つ父親がいる。

 

→「駄目です、私も息子もどっちとも弔ってください。それがあなたの罪なので」

 

医者は――動かなかった。

 

「…………私も?」

 

あなたの言葉の意味を理解するまで、少し時間がかかったようだった。

 

「君の身体を息子に渡すのでもない」

 

「君を元の身体に戻して、この子をこのままにするのでもない」

 

視線が、あなたからシリンダーへ移る。

 

「……二人とも、終わらせろと」

 

医者の声が掠れる。

 

あなたは今の身体を指すことができる。

 

これは作られた身体だ。

 

元の身体は、そこにある。

 

そして少年は、脳だけの姿で「いつか治る」と信じている。

 

医者は長い間、何も言わなかった。

 

やがて。

 

「それが……私の罪」

 

ぽつりと繰り返す。

 

「君を襲い、記憶を奪い、身体を奪った」

 

「この子には、自分がどうなったのかさえ告げず……いつか治るのだと信じさせ続けた」

 

シリンダーに手を置く。

 

「そして最後には、その責任を君の善意で埋め合わせようとした」

 

医者は俯いた。

 

「……そうか」

 

しばらくして、あなたを見る。

 

「君は最初から、一貫していたんだな」

 

「相手の選択によって生じたものは、合理性だけでは消えない」

 

「記憶を失えば、以前と同じ人間ではない」

 

「そして――誰かを救うための自己犠牲など、救われた側にとって幸福とは限らない」

 

「だから君自身も、息子にも、私の選択の後始末をさせない」

 

医者は目を閉じる。

 

「…………分かった」

 

彼は、あなたの答えに逆らわなかった。

 

「最後くらいは――君の選択に従おう」

 

あなたの視界が、ゆっくりと暗くなっていく。

 

最後に見えたのは。

 

眠る自分の身体と。

 

緑色の液体の中に浮かぶ少年と。

 

その二人の間に立つ、父親だった。

 

SESSION END

 

探索者:LOST

 

最終選択:

『私も息子もどっちとも弔ってください。それがあなたの罪なので』

 

信念:『選択する』――完遂。

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