転生したら初代護廷十三隊だった件   作:宇田川りんたろー

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転生…だと…!?

 

 

 

 尸魂界には五大貴族と呼ばれる家紋がある。

 

 1つは朽木家。世界を盤石とするために規律を求めた者たちである。

 

 2つめは四楓院家。停滞した世界を前に進める為には、更に大きな循環の形を求めた者たちである。

 

 3つ目は綱彌代家。尸魂界の「過去」を管理する役割を持ち、全ての歴史の記録を求めた者たちである。

 

 4つ目は志波家。心を持つ虚を滅却ではなく浄化する道を探る者たちである。

 

 そして、今日。5つ目の王途川(おうとがわ)家で、1つの生命が産声をあげた。

 

「生まれた……か」

 

 王途川現当主であり、生まれた赤子の父である王途川寿紀(ひさき)は、その瞬間から屋敷に満ちた高密度の霊圧で誕生を察した。周囲の使用人達は皆息が詰まるように倒れ、当主自身も重苦しい重厚な霊圧に気圧されていた。

 だが襖の向こうは沈黙に包まれており、誰も生まれた赤子を自らに見せに来ない。痺れを切らした寿紀が襖を勢いよく開くと、そこには妻と産婆が泡を吹いて倒れているではないか。

 

「なっ…! お、おい、医師を呼べ、今すぐだ!」

 

「は、はい!! 只今!」

 

 寿紀は未だ気絶している妻に抱かれた赤子を見る。泣きもせず、最初から呼吸の仕方など知っていたかのように口を開き息を吸う。その赤子の瞼が開かれ、まるで黒曜石を散りばめたような青紫色の瞳で当主を見据えた時、まるで彼は自身がジリジリと焼け焦げるような錯覚を覚えた。

 

「……な、なんという霊圧……! っ、これでは周りの人間が立っておれん。結界師も呼べ、霊圧を抑えさせるぞ!!」

 

 五大貴族の5つ目の家、王途川家は地獄と呼ばれることになる世界を抑える蓋となる世界を求めた者たちである。

 その日、王途川家本家にて、一人の赤子が、格という言葉で表するには生ぬるい、圧倒的な王者としての霊圧を以てして誕生した。

 

 

 

 

 ——————

 

 

 

 

「あう?」

 

 気がついたら赤ちゃんになってお母さんのおっぱいを吸っていた。

 

 いや何故? 何故か、それは思い出せる。

 俺の記憶があるのは、独身ながらも35歳になった誕生日を、折角だからと自分で祝うためにケーキを買い、どうせなら蝋燭もつけようと思った所までだ。

 いや、その後に確かライターが無くて、マッチを使ったんだっけか? あの棒を箱に擦り付けた所から記憶がない。

 

 そして今の、俺の赤ちゃんと思わしき現状。

 

 もしかして、俺ってガス爆発とかが死因だったりする?

 そういえば、火がない火がない、とライターを探している途中でカセットコンロを発見して、カチカチつまみを回して火が付くか試したんだっけ。

 

 で、結局火がつかないから放置して……

 

「ぅあぅ、あぁーっ!(って、それが原因じゃん!!)」

 

「あら、雨緒紀(ふるおき)は今日も元気ね」

 

 今生はなんと雅な名前ですこと。今俺がいるところは和室だし、みんな着物だしでだいぶ昔に生まれたっぽい。てか、女みたいな名前だけどちゃんと今世も男に生まれているよね?

 俺は右手を自分の股にやると、ふにゃりとした感触を感じる。良かった、息子とは共に転生出来たようだ。

 

「雨緒紀はしたないわ、貴方は王途川家の次期当主になるのよ」

 

 おっと、窘められてしまっとようだ。にしても王途川か。言い方からして随分名家のようだし、俺は次期当主ときた。金にも困らなそうだし、親ガチャ成功だな(ドヤ)

 

「そうだぞ、お前はいずれ尸魂界の安寧を守っていく立場となるのだ。早速家庭教師をつけるからな」

 

「気が早いですわ、あなた」

 

 待ってくれ、そうるそさえてぃ?最後の方に聞こえた家庭教師を付けるというのも聞き捨てならないが、その横文字は前世で何度も耳にした。

 

 ソウルソサエティ……尸魂界。これってもしかしてBLEACHの世界ですか?

 

 BLEACHとは、俺が中学生の頃に連載開始された、久保帯人師匠による週刊少年ジャンプ掲載の長寿漫画である。中学生という多感な時期に致死量のオサレを浴びたお陰で立派な厨二病となった俺は社会人になっても心に少年を飼い続け、今に至る。

 要するに俺の大好きな漫画だ。登場キャラクターはみんな大好きで、台詞から技まで一語一句覚えている。(まぁ多少の抜けはあると思うが)

 

 あぁ、神様、いや鰤神。これは俺が前世で独身貴族を貫いた転生特典なのでしょうか。多幸感……。

 俺は記憶を辿るが…王途川家なんてものは鰤の世界に存在しない。原作では五大貴族の他に多数の貴族家が存在していたはずだが、その細かな詳細は明らかにはされていない。

 

「ぅあ、ぇああーっ、んんあー…あ(いや、よく考えろ俺! 鰤で王途川雨緒紀なんてキャラは……あっ)」

 

 そういえばいるわ、王途川雨緒紀=サン。山本元柳斎重國が創設した護廷十三隊で、それも1番最初の初代護廷十三隊に。

 ということは原作からは1000年以上前は確定であり、しかも職場はかのユーハバッハに「護廷とは名ばかりの殺伐とした殺し屋の集団」と称される程のブラック企業だ。

 

 原作時点では存在していなかったキャラだし、正史なら多分死んでる。だが俺は生粋の鰤ファンだ。黒崎一護を一目見ることなくして死ぬのは許されない、いや俺が許せない。

 

 よし、きめた。俺は何がなんでも生き延びて、黒崎一護の活躍をこの目で見てやる!!!

 

「あなた、今日は雨緒紀が何時もにも増して元気ですわ」

 

「元気で何より」

 

 でもとりあえずはおっぱいを吸わせて……

 

 

 

 





前に書いた二次小説を読んでくれた方は既視感でモヤった方もいると思います、すいません。
色々設定を引き継いで、ぼくのかんがえたさいきょうのしにがみ道を走れる主人公として憑依転生をさせました。

王途川雨緒紀さんは初代護廷十三隊で一番好きなキャラです。みんなも検索してみてね!
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