リリカルなのは~赤鬼転生記~   作:コントラス

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第八鬼~赤鬼と試験開始~

side~宏壱~

 

 カス共がアルに絡んでから一時間がたった。フリーズ キャノン(氷結で魔力変換した魔力弾(強)、着弾した部分を凍りつかせる事が出来る)をカス共の足に撃ち地面に固定、そこでカス共の男のシンボルをブレイク キャノン(バリアブレイクの効果がある魔力弾(強)魔力変換しない場合はこれを使う事が多い)で撃ち抜いた。

 受験者の男性陣と試験官のゼストさんは内股になって顔を青ざめさせてたけど、他の試験官、クイントさんとメガーヌさんがカス共をつまみ出した。

 その後、カス共の受験資格剥奪、強制送還及び管理局上層部への報告と、少しごたついて試験が再開されたのが20分前で、今俺たちの目の前には試験官のゼスト・グランガイツが立っている。

 

 場所はブリーフィングルームに行くまでに通った中庭のようなところ、どうやらここが演習場らしい。

 因みに

 前衛:俺

 中衛:アル、ニッツ

 後衛:ルーヤ、レイ、リッシュだ。

 

 

「それでは、今から受験番号1番レイ・アセル・モーズ、同じく7番山口宏壱、13番ニッツ・マーケン、15番アル・フェルト、17番デリッツシュ・マッサロ、22番ルイーヤ・バルセットの実技試験を始めたいと思います。双方準備はよろしいですか? ………では、始め!」

 

 

 試験開始の合図が出される。

 

 

「速攻! ファーストムーブ!」

 

〈Fast Move〉

 

 

 俺が持つ高速移動魔法、ファーストムーブでゼストさんに接近する。

 右手に持つ刃を振り上げ勢いのまま振り下ろす!

 

 

「ぬう!」

 

 

 ゼストさんは手に持つ槍型のデバイスの柄で難なく止める。

 

 

「ちぃっ! そんなに甘くはねぇか!!」

 

「ふん! 」

 

 

 ――ゴォウッ!!――と凄まじい音をたて、槍を横凪ぎに振るうゼストさん。俺はそれをしゃがむことで回避し、滑るように後ろに下がる。

 

 

「フレイムランサー、ファイヤ!」

 

〈Frame Lancer〉

 

 

 アルの声が聞こえると同時に姿勢をさらに低くする。俺の頭上を炎の槍が飛びゼストさんへ向かう。

 

 

「氷神槍!」

 

 

 左手を横に突きだし魔力を集めるイメージは槍、氷の槍だ。アルの放ったフレイムランサーよりも3倍ほどの大きさの氷の槍が出来上がる。

 

 

「はっ!」

 

 

 氷神槍をフレイムランサーを二歩右に移動することで躱したゼストさんに、左腕を振るうことで放つと同時に前へ飛び出す!

 

 

〈Panzerschild〉

 

 

 回避不可能と判断したゼストさんのデバイスがシールドを展開する、が。――パキパキパキッ――着弾した直後シールドは凍てついていく。

 

 

〈Needle〉

 

「シュート!」

 

 

 凍りついたシールドを足場にしてゼストさんの背後に着地、振り向き様に刃を振るうと同時にニッツの声が聞こえ、凍りついたシールドを破壊して針のように細長い魔力弾が、俺に反応してこっちを向いたゼストさんの背後を襲う。俺とニッツの挟撃を飛行魔法で上空に逃げることで躱すゼストさん、ニッツの魔法が俺の頬を掠めて後方に着弾する。

 

 

「甘い!! カマイタチッ!」

 

 

 振り切った刃の刀身に魔力を集めて、上空にいるゼストさんに向けて振るい魔力刃を飛ばす。

 

 

「っ!?」

 

 

 三日月に弧を描く魔力刃がゼストさんに飛来し――ドォォンッ!!――直撃して、爆発する。

 

 

「やった!」

 

「すごい!」

 

 

 中衛の二人が嬉色い声を上げる。何があっても気を緩めるなと言い含んだ後衛は警戒を怠らない。

 

 

「リッシュ! 二人を守れっ!!」

 

「サークルバリアァ!!」

 

 

 リッシュの叫びと共に半球状の防壁が展開され、後衛三人を包む。――ガキィィンッ!――間一髪でゼストさんの斬撃を防いだ。が、――ビキィッ!――直ぐにバリアにヒビが入る。中衛の二人は呆けているし、リッシュも保たないし、他の二人は動けない。なまじ動けたとしても対処は難しいだろう。距離は凡30m、『剃』は間に合わない。なら……。

 

 

「刃、ギアチェンジだ!」

 

〈ですが主!〉

 

「いいからやるぞ!」

 

〈ああもう! 後でどうなっても知りませんよ!〉

 

「分かってる! いくぞ!」

 

「〈セカンド ムーブ!!〉」

 

 

 セカンド ムーブ、ファーストムーブの上位互換で速度だけでなく、身体能力そのものにブーストをかける魔法、その効果はファーストムーブの二倍にもなる。その分後の反動も大きいが、効果は絶大だし、体が出来てくれば反動も小さくなり、最終的にはリスクなしで使うことができると予想している。ま、今の俺じゃあセカンドまでが限界だけどな。奥の手を使えばサードまで行けるけど。

 

 ――閑話休題――

 

 加速した世界の中でゼストさんと目が合う。

 

 

(反応できなくても目で追えるのか!?)

 

 

 ゼストさんへの認識を上方修正する。俺が思った以上の実力があるみてぇだな。

 

 

「(だが、今回はおせぇ!)紅蓮流星脚!!」

 

 

 三歩で半分の距離を詰め、左足で飛び上がる。勢いに乗ったまま体を捻り右足に魔力を集中させると、刃に組み込まれている炎熱変換機能が作動し足に集めた魔力が炎となり右足を包む! このままの勢いでぇ!

 

 ゴウゥゥゥッ!!

 

 紅蓮流星脚はゼストさんの顔面を捉え直撃、そのまま5m程吹き飛ばすもののゼストさんはすぐさま体勢を立て直し、前衛姿勢をとりこちらに突っ込もうと足を前に踏み出す、が。直ぐに一歩後に下がった。

 

 

「はずしたっ!?」

 

「速いな」

 

 

 突っ込むよりも速く動き、既に目の前にいた俺の切り上げを躱す。俺は躱されたのを見て追撃を警戒し、後ろに大きく跳び距離をとる。

 

 

「見えてなかったはずなんだけどな」

 

「ああ、だが一瞬の初動が見えた」

 

 

 その言葉に驚愕し目を見開く。

 

 

「成る程成る程。どうやら今の俺じゃあ、あんたに敵いそうもねぇや」

 

「諦めるか?」

 

 

 俺の言葉にそう返すゼストさん。後ろの連中も息を飲んで吃驚してんのが分かる。

 

 

「それこそまさか、だろ。少しお披露目だ《ルーヤ、レイまだか?》」

 

 

 ゼストさんに言葉を返しながら、ルーヤとレイに思念通話を送る。

 

 

《もう少しだよ》

 

《保ちますか?》

 

《やるしかねぇえだろ。リッシュ、二人を守れ。アル、ニッツ援護頼む。魔力の許す限り撃ちまくれ!》

 

《!!()()()()()()》》》

 

 

 俺の指示に全員が答えてくれる。ガキだと見下していたアルさえも信頼してくれる。

 

 

「(なら期待に応えん訳にもいかんでしょ)保つのは3分だ! いくぞ!」

 

 

 俺の切り札のひとつを切る。足下に三角形の深紅の魔法陣が展開され光が俺を包む。直ぐに光は深紅の炎へと姿を変え、足下からパキパキッと音を立て氷へと変化する。

 炎の中から見えたゼストさんの目は驚愕に見開かれていた。背後でも息を飲む音が聞こえるも直ぐに氷が顔を覆い外の情報を遮断する。次に起こることは把握している、一瞬意識が飛び次に目が覚めたときは………そこまで考えて自ら意識を手放す。




少し短いですが、切らせていただきます。

あまりにも長くなったんで、入局試験編は次で終わらせたいと思います。

まさかこんなに長くなるとは思いませんでした。

ビックリです。
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