リリカルなのは~赤鬼転生記~   作:コントラス

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第十四鬼~赤鬼と魔法適性~

side~リンディ~

 

氏名:山口宏壱

 

階級:二等陸尉

 

出身世界:第97管理外世界『地球』

 

年齢:7歳

 

性別:男

 

身長:127cm

 

体重:29kg

 

所持デバイス:インテリジェンスデバイス『刃』

『無限』(機能停止中)

 

術式:古代ベルカ式

 

変換資質:氷結

 

レアスキル:『蜀伝の書』、重力操作

 

所属:時空管理局地上本部首都防衛隊一番隊所属

 

 

 彼、山口二尉に関する資料を読みながらメディカルルームへ向かう。

 

 去年の飛び級試験の合格者の一人、彼を含めた6人が合格していて、彼以外は皆本局への配属を希望、空戦適性は低いものの訓練次第では見込みありとされそれぞれ希望に沿った部署への配属となった。

 山口二尉にも話自体はあったそうだけど、彼はそれを拒否し、局内で最も過酷とされる首都防衛隊への配属を希望した。

 首都防衛隊は要請があれば本局への出向に応じなければならず、首都・クラナガンだけでなく各地への応援にも向かわなければならない。人災、自然災害、それら全ての対応を求められる。

 自ら望んでそんな激戦区へ挑む彼は何を見ているのだろうか。

 

 考え事をしているうちに目的地に着いていた。展開していた空中モニターを消してメディカルルームに入る。

 

 

「あら、ごめんなさい。着替えの途中だったの」

 

「別に構わねぇっすよ。下は着替えましたし」

 

「そう? 貴方がそう言うのなら気にしないわ」

 

 

 部屋に入ると山口二尉が、病院服から制服に着替えている最中だった。その傍に白衣の青年が立っている。おそらく彼が山口二尉を検査したのでしょうね。

 

 

「それで彼の検査結果は?」

 

 

 青年、ホーズマン・コルシオ空曹長(彼も出向組で本局からの派遣だ)に聞くと、手に持っていたディスプレイを私に差し出す。

 

 

「これです。防御魔法、攻撃魔法は軒並み平均値を大きく上回ります。ですが、補助系統特に回復魔法、結界魔法の適性が低いですね」

 

 

 コルシオ曹長の声を聞きながら記録されたものを見ていく。

 

 

山口宏壱魔法適性(デバイス無使用時)

 

射撃魔法:A

 

近接魔法:S

 

強化魔法:S

 

防御魔法:S

 

捕獲魔法:B

 

結界魔法:C

 

回復魔法:C

 

転移魔法:D

 

魔力量:S+

 

総合魔導師ランク:S

 

 

 え?………なんなのこれは? デバイスなしでこれほどの能力を持っているというの?と言うか偏りすぎじゃないかしら? 明らかに戦闘方面に偏ってるわよね、これ。それに魔力量も並みの魔道士を大きく突き放してる。彼の今の年齢でこれなら、まだ伸びる余地は十分にあるわね。

 

 そんなことを考えながらディスプレイに人差し指を付けスライドさせ、映像を切り替える。

 

 

山口宏壱魔法適性(デバイス使用時)

 

射撃魔法:S

 

近接魔法:S

 

強化魔法:S

 

防御魔法:S

 

捕獲魔法:S

 

結界魔法:A

 

回復魔法:B

 

転移魔法:A

 

魔力量:S+

 

追加変換資質:炎熱

 

総合魔導師ランク:SS-

 

 

 ………頭が痛くなってきたわね。彼も彼なら、デバイスもデバイスと言うことかしら。デバイスを所持するだけでこれほど変わるものなの?

 

 

「演算能力、思考領域が従来のデバイスを大きく上回ります。さらに言えば魔力変換機能です。今の我々の技術で術式そのものに組み込み魔力変換させることができても、常時発動型を作り出すことはできません。山口二等陸尉に聞いても、「自分の古い友人に譲り受けただけだ」としか答えてくれないんです」

 

 

 一度ため息をつき、着替え終わり椅子に座って腕を組み目を閉じている彼、山口二尉を一瞥、そして悔しそうに言葉を続ける。

 

 

「解析しようにも強固なプロテクトに守られていて出来ませんし、穴を見つけたと思ったらウイルス流し込まれますし、女性局員がいる前でどこからか引っ張ってきたアダルトサイトにリンクさせられるんですよ! 弁明するのに時間がかかりましたよ!?」

 

 

 私に言われても、なんと言えばいいのか困ってしまうわ。

 

 

「そういえば、山口二等陸尉」

 

「はい? なんすか?」

 

「貴方のデバイスを調べたいのだけど」

 

 

 別にコルシオ曹長が可哀想に思ったわけではないけれど、山口二尉に聞いてみる。

 

 

「あー、いえ、どうなんすかねぇ。自分には説得できないっす」

 

 

 渋い顔をして彼は言葉を続ける。

 

 

「さっきホーズマンにも頼まれて言ってみたんですけど、軽いメンテナンスは許しても解析、分解は許してくれないんですよね」

 

「そう」

 

「俺自身アイツに拗ねられると面倒いんで、あんま刺激しないでくれません?」

 

「ええ、此方としても貴方のような戦力を失いたくないもの」

 

 

 こんな子供を戦場に出さないといけないのは心苦しいけれど、これ以上彼らを野放しにできないのも事実。人手はいくらあっても足りない………歯痒いわね。

 

 

「それが優しすぎるって言ってんすよ」

 

「え?」

 

「少なくとも顔に出すべきじゃないっすね」

 

「えっと、何が?」

 

「山口二等陸尉、僕にも分かるように説明してください」

 

 

 私とコルシオ曹長は山口二尉の言っている意味が分からず戸惑う。

 

 

「顔に出てますよ。悔しい、歯痒い、自分が変われたら、ってね」

 

「そう、ですか? 僕には分かりませんが」

 

「経験が足りんよ、ホーズマン君」

 

「山口二等陸尉の方が僕より十歳若いんですけど……」

 

「細かい事は気にすんなって、禿げんぞ?」

 

「嫌なこと言わないでくださいよ」

 

 

 山口二尉の言葉に肩を落とすコルシオ曹長。7歳の山口二尉がどこか大人びて見え、18歳のコルシオ曹長が子供じみて見えるわね。

 

 

「山口二尉、貴方に聞きたいことがあるのだけれど良いかしら?」

 

「なんすか?」

 

「どうして貴方は適性試験を受けていなかったの?」

 

 

 他の出向組の魔導士の資料には魔法適性に関することもあったのに、彼の資料にはそれが無かったのだ。だから今検査受けてもらったのだけど。

 

 

「あー、時間が無かったんすよ。目に見えるところは兎も角、見えないところでの犯罪があれでしたから……………前世でもそうだったしな」

 

 

 そう言った後、山口二尉は私とコルシオ曹長に聞こえない声量で何かをポソリと呟く。

 

 

「山口二等陸尉デバイスのメンテナンス終わりました」

 

「おー、サンキュー」

 

 

 何を言ったのか聞こうとしたとき、女性局員が白色の宝石の入った銀色のネックレスを持って部屋に入ってきた。あれが山口二尉のデバイスなんでしょうね。

 

 

「刃、調子はどうだ?」

 

〈良好です。主も早くデバイスマイスターの資格を取ってください〉

 

「ああ、分かってるって。んじゃ艦長、俺部屋に戻りますんで。ホーズマンもまたな」

 

 

 デバイスを受け取った彼はそう言って女性局員が入ってきたドアに向かう。

 

 

「ああ、そうそう、艦長」

 

 

 ドアの前で立ち止まった山口二尉は振り返り私に声をかける。

 

 

「何かしら?」

 

「俺のことは宏壱で良いっすよ」

 

「そう? じゃあ私もリンディで構わないわよ? それと敬語も公私の区別さえつけるのなら必要ないわ。疲れるでしょ?」

 

「そうかい、じゃあそうさせてもらうよ」

 

 

 最後にそう言って山口二尉、宏壱君はメディカルルームを後にする。

 

 

「山口二等陸尉、僕はダメなんですか?」

 

 

 背中に哀愁を背負ったコルシオ曹長が印象的だった。

 

 side out




ルーヤ達がどうなったのか説明していなかったのでここでリンディさんに説明してもらいました。
ちょっと無理矢理でしたかね?

ではではまた次回で。
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