ソシャゲのネタ一般人キャラが超有能過ぎる! 作:あらあら
若者たちに食事を奢ってもらい。
至れり尽くせりで、申し訳なく感じたので――仲間にしてもらいました。
若者たちは祈手と呼ばれる神官のような存在らしく。
飛行船団を率いて世界中を旅しているようだった。
任務があるらしく、世界誕生の謎を解明するとか何とか……まぁ難しい話はいいですよ。
船団長は黒髪短髪の浅黒い肌の子。
身長は私よりも高く、恐らくは180くらいあるんじゃないだろうか?
年齢は何とまだ18歳であり、若いのに大変だと思った。
名前はユージ君であり、お世話になるから色々と気にかけておきたい。
副船団長は、柔和な顔立ちの女の子で。
もちもちとした丸顔に、腰まで伸ばした黒髪。
おっとりとしているものの、私と話す時はかなりの早口になるのが特徴だ。
年齢は21歳であり、三人の中では一番の年上だと教えられた。
名前はヨーコちゃんらしく、素敵な名前だと思いました。
最後に、役職はないものの現場にて直接的な指示を出したり事務などを行っている女の子か。
彼女は顔つきこそ、少しとげがあるんじゃないかと思うほどに目が鋭い。
他の子とは違い金髪に青い目であるが、出身地は同じだと聞いている。
赤いカチューシャをつけていて、綺麗に肩口で頭髪を整えていた。
学校の委員長のようだと思ったが、私と話す時は何故か鼻息が荒い。
名前はサシャちゃんというらしく、年齢は20になったばかりらしい……皆、若いねぇ。
他にも、多くのお仲間たちが船に乗り込んでいるが。
流石に、一気に百人以上もいる人間の顔も名前も覚えきれない。
そこはおいおい覚えていくことを自己紹介の時に伝えて。
私は色々な施設の案内が終わった後に、適当に船の中を歩く事にした。
「……広い船だなぁ。こりゃ迷子になっちまいそうだ」
頭を掻きながら、取り敢えず渡された地図を確認する。
近くに遊戯室があるらしく、そこで何かないか探そうと思っていたが。
絶賛、迷子中であり……んあ?
「……」
「ありゃまぁ?」
「……!」
視線を向けた先。
自動販売機の横で縮こまる何かを見つけた。
思わず声を出せば、それは更に小さくなってしまう。
気になったので近づいてみればどうやら黒い布で体を覆い隠した誰かであった。
「あのぉ、おたくは何してるのかねぇ?」
「……っ」
「……あ、申し訳ない。先ずは自己紹介からでしたね……私は、ムーア島にある缶詰工場にて働いていました茂雄と申します。今日から入った新人ですので、色々とご迷惑をお掛けすると思いますが。よろしくお願いします」
「……しん、じん?」
「ありゃ? 女の子だったの?」
「……!?」
ハスキーな声だった。
幼い少女であり、思わず笑みが零れた。
女の子は恥ずかしかったのか体を震わせていた。
「まぁ名乗りたくないなら今はいいですよ。これ、お近づきの印に」
「……?」
「飴玉! アメちゃんね! 喉、詰まらせないようにねぇ。そんじゃ、失礼」
私は片手を上げて去っていく。
すると、後ろで掠れるような音が聞こえた。
振り返れば、布に包まれた少女が何かを言おうとしていた。
私は笑顔のまま、彼女が話してくれることを静かに待つ。
待って、待って、待って…………
「あ、り……が、とう」
「おう! どういたしまして!」
「……!」
少女はまた震えていた。
私はそのまま遊戯室を目指して歩いて行った――
・
船団の仲間となって三日が経った。
アレから適当に船の中をうろついているが。
これといって仕事を与えられない。
が、何故か、毎回毎回三人が私の部屋に来ては欲しいものを呟いて去っていく。
欲しい欲しいというものだから、持っているものを漁って。
偶々、持っていたから渡す毎日。
何かが変わるかと思ってみたが、此処でも暇で仕方がない。
お仲間となった人たちも妙に私に対してよそよそしいし……まぁ別にいいけど。
やる事がないからこそ、適当に仕事を見つけようと思って船の中を歩いてみた。
そうしたら、仕事を貰っている人を発見した。
最初は邪険にされたが、根気よく話しかければ何をしているのかを教えてくれた。
職人では無いので、素人の意見になってはしまうが。
色々とアドバイスのようなものをしてみれば、何故かすごく感謝をされた。
『此処のパイプですけど……こことここを変えてみたらいいんじゃないでしょうか?』
『あぁ? 何言って…………他に気づいた事は?』
『え? あぁ……なんとなぁく、此処の配線が気持ち悪いというか。こことここを繋げ直して……あ、これをもう少し下げたら?』
『…………確かに、それなら、もしかしたら…………お前、メカニックだったのか?』
『え? いやいやぁ、ただの缶詰の製造オペレーターですよ』
『そ、そうなのか? よく分からんねぇけど。助かったぜ! また来てくれよな!』
他にも、体を痛めてそうな気がした全身鎧の男の人を見つけた。
昔、よく先輩や後輩にマッサージをしている事を伝えてみたが。
最初はマッサージは必要ないと言われてしまった。
が、その程度の拒絶でめげるほどやわな人生は送っていない。
騙されたと思って受けて見て欲しいと言えば受けてくれて……やっぱり感謝された。
『おおぉ! 何だこれは!? 体が羽のように軽い! これは奇跡か!?』
『ははは、おおげさだよぉ。ただのマッサージ。資格なんて持ってないんだから』
『い、いや、ただのマッサージで長年の不調が無くなるなど……よ、良ければ定期的にお願いしても構わないだろうか?』
『ん? いいよいいよ! 全然オッケーです。私の部屋は此処だから、何時でも来な?』
『あ、ありがとうごさいます!』
適当に散策し、困っている人のお手伝いをして。
何となく、嫌な感じがしたものを退けたりもした。
勝手にして怒られてしまうかと思ったが……まぁいいでしょう。
そうやって、三日間、適当に自分で仕事を見つけていれば――何故か沢山、友達が出来ました。
「茂雄殿! 今日も施術をお願いしたいのですが!」
「茂雄! これ見てくれねぇか? ちょっと新しいメカの構想を練ってるんだがよ」
「……ぁ、ぁ、の……お、じ、さん……ぅぅ」
「はいはい。順番ねぇ……あ、ネイちゃんには飴をあげようかねぇ」
「わぁ! あり、がとう!」
角刈り髭面の鎧騎士さんの名前はザックス。
とある国の元王国騎士団所属であり、追放された過去を持つらしい。
剣術の腕前が相当に高く、それと同じくらい身の丈ほどある盾を扱うのも上手いと本人が自慢していた。
恐らく、重いのばかりを振り回していたので体を悪くしていたと私は思った。
小柄でぼさぼさの赤毛をしたゴーグルを首に掛けた白いタンクトップにつなぎの少女。
彼女の名前はサラサというらしい。
元凄腕のメカニックであり、船団長に命を救ってもらった事で此処で働く事になった経緯を持つ。
主に、メカの開発と船の機関部のメンテナンスを行っている一人らしい。
この前に何となくで言ったアドバイスのお陰で、船の出力がより安定して消費燃料も抑えられたとかなんとか。
最後に黒い布に包まれた顔も見えない少女。
彼女の名前はネイちゃんで、この船団に拾われるまでは小さな無人島で一人暮らしていたらしい。
友達もおらず、育ての親もいない環境だ。
誰かと喋る事も難しく人見知りで、何となく放っておけないので定期的に一緒に遊んでくれないかと私からお願いしていた。
今では私と唯一ボードゲームを遊んでくれる子で、我が子のように可愛がっていた……まぁおじさん独身だけど。
何と無しにこの船団でもちゃんと役に立っているように感じる。
おじさんもちゃんと役に立てるようだと安心して――警報が鳴る。
《全員、出撃準備を整えてくれ! 目標の場所――空島エクレールに間もなく到着だ!!》
「「「……!」」」
「空島エクレール……なんか聞いた事、あるようなぁ?」
若い頃に遊びに行った場所だろうか。
そんな事を考えていれば、全員が部屋から出て行こうとした。
「茂雄! お前も準備しておけよ! 多分だけど、上陸メンバーに入ってると思うからな!」
「茂雄殿! 共に神殿踏破、頑張りましょう!」
「が、がんば、って」
全員がそれだけ伝えて去っていく。
私は独り腕を組み頭を捻る。
「神殿……神殿で、世界の誕生を……あぁ、それっぽいねぇ!」
一人で納得し、いそいそと準備を始める。
工具や応急処理セット。
携帯食料やら飲み水に、後は――