バカとニートと召喚獣   作:平井 慎太郎

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遅れてまことに申し訳ありません!
でもリアル優先なので亀更新になります


よろしいならば戦争だ

Fクラス教室

俺こと雄二ははこのバカ(明久)に話が有ると言われたと思ったらいつの間にか比企谷が混ぜてくれと言い出して来た。

これから廊下に出て話す旨を伝え廊下に出ることにした。

その時一瞬だけ明久と姫路が目を合わせていた。まったく、分かりやすいヤツだ……やれやれ。

話す内容など分かりきってはいるが、まあ後でおちょくってやろう。退屈しなさそうだな……この学校は。

「……本当、退屈しなさそうだよ」

漆原がポツリと呟き、どこからともなくパソコンを取り出した。

 

────────────────────────

 

「んで、話って?」

HR中だけあって廊下に人影はない。おあつらえ向きの状況だ。

だが取り合えず吉井が切り出すのを待とう。男たるもの、気は使えなきゃね♪

「この教室についてなんだけど……」

言うまでもなくFクラスの事だろう。やはり話す内容は一緒だったか。

最大限利用させてもらうとしよう。

「で、お前は?」

俺に話を振ってくるか……

「ん、まあソイツと同じだ」

男たるもの、周囲に気を使わなければね!ヤバイ。空気を読みまくる俺って女子力高過ぎぃ!男らしくて女子力高いって俺相当ハイスペックちゃうのん。

「Fクラスか。想像以上に酷いもんだな」

思考の渦にハマって居た時に話を戻された。いや、俺が悪いんですがね

「雄二もそう思うよね?」

「もちろんだ」

「Aクラスの設備は見た?」

「ああ。凄かったな。あんな教室は他に見たことがない。」

え?どんな教室なの?見たこと無いんだけど?俺?

「どんな教室なんだ?」

「リクライニングシート。個別エアコン、プラズマディスプレイとかかな?」

「よし潰そう」

何だよそのブルジョワ満載教室。格差社会無くそうって声はどうなったんだよ。

「いや、潰すって言ってもな……」

流石にクラス代表に反論された。まあデスヨネ

だがバカはお気に召したらしく、

「そう、それだよ。僕が言いたいのは」

「「は?」」

思わず声を上げてしまう。ってまさか……

「お前、もしかして……」

「そう。折角二年生になったんだし、『試召戦争』をやってみない?」

「戦争……しかもAクラスに、か?」

「……何が目的だ」

えぇぇ……正直俺は直談判からの俺は尊厳を捨てるぞジョジョォォォ!!位の流れだったんだけど……コイツは驚いた。

隣でクラス代表……言い辛いな。やっぱり略してクズ代表と呼ぶか。クズ代表の目が細くなる。まあ無理も無いだろう。俺だってこんな事言われたら警戒するしな。

「いや、だってあまりにも酷い設備だから」

「嘘をつくな。ソコに居るソイツならいざ知らず、全く勉強に興味のないお前が、今更勉強用の設備なんかの為に戦争を起こすなんて、そんなことは有り得ないだろうが」

……コレは驚いた。吉井も動揺してるし、クラスをよく見ていると言うか勘が良いと言うか……

「そ、そんなことないよ。興味がなければこんな学校に来るわけが──」

「お前がこの学校を選んだのは『試験校だからこその学費の安さ』が理由だろ?」

そりゃバレるな。うん。

「あー、えーっと、それは、その……」

分かりやすくキョドりやがって……嘘が苦手なタイプなんだな。

「……姫路の為、か?」

吉井がビクッ!となる。

何だよ。好きなのか。よし告白してフラれてそのまま自殺しなさい^^

「ど、どうしてそれを!?」

「本当にお前は単純だな。カマをかけるとすぐに引っかかる。」

クズ代表の目から警戒の色が消えて、代わりに楽しげな笑みが浮かぶ。

あ、駄目だ。コレオモチャ見付けた狂者の目をしてるよ……

「べ、別にそんな理由じゃ──」

「はいはい。今更言い訳は必要ないからな」

「だから、本当に違うってば!」

吉井。もう足掻いても無駄だよ。

「気にするな。お前に言われるまでもなく、俺自身Aクラス相手に試召戦争をやろうと思っていたところだ」

「え?どうして?雄二だって全然勉強なんてしてないよね?」

まあ勉強してたらこんな所(Fクラス)に来るはずが……居たな。二人居たな。少なくとも知ってる限りでは二人居たな。俺とか俺とか姫路とか

「世の中学力全てじゃないって、そんな証明をしてみたくてな」

ああ、駄目だコイツ。テスト前の学生と同じ匂いを感じる。

勉強なんて将来なんの役にたつか分からねえしやる必要なしwwwwって言うやつな。お前それで単位取れなくて悪い高校に行って大学出れなくて学歴で給料損するから。将来役に立つからね?まあ俺は専業主夫志望なんで関係無いけど。

っと。会話に戻ろう

「???」

「それに、Aクラスに勝つ作戦も思いついたし」

ん?ちょっと待て。今さらっと凄い事言わなかったか?

「なあ、オイさかも──」

「おっと、先生が戻ってきた。教室に入るぞ」

「あ、うん」

上手くかわされたか。だがまあいいや。コイツのこの自信は、何となくだが……信頼できる気がした。

 

────────────────────────

 

先生が戻ってくる少し前に教室に入った俺達は元の席に着き、そして、

「話は聞かせてもらったよ」

何故かパソコン開いてイヤホンをしている漆原に声をかけられた。

「話ってなにかな?」

吉井がシラを切る。良いぞ、お前はやれば出来る子YDKだ!頑張れ!

「戦争の件。コレで分かるかな?」

「なな、ナンノコトダカワカラナイナー(汗)」

おい吉井、演技剥がれてるぞ。

対照的にクズ代表が笑いながら話しかける

「その話をどこで知った?」

「いや、この学校カメラやら盗聴機やら大量に仕掛けられてるんだよね。何故かローアングルで。だからちょっとハッキングさせてもらっただけだよ~」

コイツ、今さらっと凄い事言ったぞ。

何だよこのクラス。実は凄いクラスじゃん。クズ代表とハッカーが同居とか。

「で、用件は?」

おっと、重要なのはそこだった。

「いや、面白そうだからさ。一つ噛ませてよ。後優遇してよ。」

どんな時にも人間って自分の立場を見るんだな……何だか心理の扉を見た気がする。なんだよそれ。俺対価払ってないじゃん。某鋼の方がぶちギレるわ

「具体的にはどんな待遇だ?」

「僕を君達に混ぜてほしい」

え?なにコイツ。友達になりたいの?回りくどいな……

「ふーん……まあ、別にバラされても困らねぇしな。優遇はしねぇ」

「……そうか。」

漆原は下がった。てかアイツは何がしたかったのん?

そうこうしてる内に教師が入ってきてHRが再開される。てか新しい教卓もボロいな。

「えー、須川亮です。趣味は──」

特に何も起こらず、また淡々とした自己紹介の時間が流れる。

ふと、こうしたつまらない作業にこそ幸福を感じるんじゃ無いだろうか。ただただ新たなクラスメイトの挨拶を聞き、コレからの生活に想いを馳せる。

そんな日常を、送れると良いな。このクラスを見回しながら、何となくだが考えた。

まあそんな他愛ない事を考えている内に、最後の自己紹介の時間が来る。

「坂本君、キミが自己紹介最後の一人ですよ」

「了解」

先生に呼ばれてクズ代表が席を立つ。

ゆっくりと教壇に歩み寄るその姿は、今さっきまで話していたふざけた野郎なんかでは無く、クラスの代表として相応しい貫禄を見に纏っているように見えた。

「坂本君はFクラスのクラス代表でしたよね?」

福原先生に問われ、鷹揚に頷く代表。

だが、クラス代表といっても学年最低の成績を修めた生徒たちが集められるFクラスの話。成績十位以内のトップでもなければ、銅賞ですらない。

そんな恥の称号なのだ。

それにも関わらず、代表──坂本は自信に満ちた表情で教壇に上がり、俺らの方に向き直った。

「Fクラスの代表坂本雄二だ。俺の事は代表でも坂本でも、好きなように呼んでくれ」

クラスメイトから大して注目させるわけでもない。Fクラスという馬鹿の集まりの中で比較的成績が良かったというだけの生徒。他から見れば五十歩百歩といった存在。

だが俺はそのとき、坂本が、このクラス代表が、たとえAクラスの代表にも負けない───素晴らしい生徒に見えた。

「さて、皆に一つ聞きたい」

そんな生徒がゆっくりと、全員の目を見るように告げる。

間の取り方が上手いせいか、全員の視線はすぐに坂本に向けられるようになった。驚いたカリスマ性だ。

皆の様子を確認した後、坂本の視線は教室内の各所に移りだす。

 

 

かび臭い教室。

 

 

古く汚れた座布団。

 

 

薄汚れた卓袱台。

 

 

つられて俺らも坂本の視線を追い、それらの備品を順番に眺めていった。

「Aクラスは暖房完備の上、座席はリクライニングシートらしいが──」

一呼吸おいて、静かに告げる。

 

「不満はないか?」

 

『大ありじゃあっ!!』

 

二年F組生徒の魂の叫び。

 

「だろう?俺だってこの現状は大いに不満だ。代表として問題意識を抱いている」

『そうだそうだ!』

「いくら学費が安いからと言って、この設備はあんまりだ!改善を要求する!」

『そもそもAクラスだって同じ学費だろ。あまりに差が大きすぎる!』

堰を切ったかのように次々とあがる不満の声。

「みんなの意見はごもっともだ。そこで」

級友たちの反応に満足したのか、自信に溢れた顔に不適な笑みを浮かべて、

「これは代表としての提案だが──」

これから戦友となる仲間たちに野性味満点の八重歯を見せ、

「───FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」

Fクラス代表、坂本雄二は戦争の引き金を引いた。

恐らく、俺はこのように周囲を奮い立たせる事が上手い人間には、そうそう会わないであろう。そう思った。




作者の中の漆原が迷子。
一瞬思い浮かんだネタ。
誰かがミストサンになると言うものです。

「──FクラスはAクラスに『試験召喚戦争』を仕掛けようと思う」

「戦うなら勝手にやってくれ!俺は降りるぞ!」

「でも、根本的な解決になりませんよね?」

「でも、そんな事どうだっていい。重要じゃないんだ」

「……霧が出てきたな」
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