The Amazing Spider-Man 4: Rage of the Taken 作:たきび/まもる
数日後。夜のニューヨークでは、クリスマスの装飾もほとんど片付けられ、街全体が年末の空気へと変わっていた。
雪の残るビルの屋上で、スパイダーマンは一人、縁に腰掛けている。遠くには、オズコープ・タワーが見える。
スパイダーマンはスマートフォンを取り出し、科学コミュニティのサイトを開く。画面に表示されているのは、『OTTO』のアカウントだった。
そこには長い間、新しい投稿も更新もない。
スパイダーマンはしばらくその画面を見つめている。
かつて、このサイトで科学について語り合った相手だった。三年ぶりに再会した時も、オットーは変わらず研究の話を楽しそうにしていた。古い倉庫を研究室に変え、寄せ集めの設備から「ぶきっちょアーム」を作り上げ、ピーターの何気ない思いつきにも目を輝かせていた。
それから、あまり時間は経っていない。
その時、通知が入る。
ジョージ・ヒルからのメッセージだった。
『オットーが軍とオズコープに連れて行かれた』
続けて、もう一通。
『警察、軍上層部とオズコープとの契約があったみたいだ』
スパイダーマンの表情が変わる。
さらにメッセージが届く。
『どうすることもできなかった』
少し間を置いて、最後にもう一通。
『すまない』
スパイダーマンは返信しない。
スマートフォンを下ろし、遠くのオズコープ・タワーを見る。
オットーがあの塔で見つけたもの。自分から奪われた研究が今も残され、彼が拒んだ形で使われ続けていたこと。そして、そのオットー自身が今度は軍とオズコープの手に渡った。
警察ではなく、軍とオズコープ。
ピーターには、そのことがどうしても引っかかった。
軍事施設でオットーが破壊しようとしていたのも、オズコープから持ち出した記録に残されていたのも、彼自身の研究をもとに発展した技術だった。そのオットーの身柄を、今度は軍とオズコープが引き取っている。
これから彼がどう扱われるのか、ピーターには分からない。
街の明かりの中で、巨大な塔だけが静かにそびえている。
オットーのしたことは間違っていた。
だが、彼が怒っていたものまで、すべて間違っていたわけではない。
街の明かりの中で、巨大な塔だけが静かにそびえている。
しばらくオズコープ・タワーを見つめたあと、スパイダーマンは立ち上がる。マスクを整え、ビルの向こうへウェブを撃つと、そのまま夜のニューヨークへ飛び出していった。
THE AMAZING SPIDER-MAN 4
END
ルーズベルト駅の地下ラボ。
誰もいない研究室ではモニターも消えたままで、机の上にはピーターが使っていた工具や部品がそのまま残されている。ホワイトボードにも、これまでの検討で書き込まれた走り書きが消されずに残っていた。
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静まり返った室内に、突然小さな通知音が響く。
端末の画面が点灯し、科学コミュニティのサイトが表示される。
長い間動きのなかったアカウント。
『OTTO:メッセージ1件』
画面はそのまま数秒間表示される。
メッセージの内容は開かれない。