仮面ライダージオウ 番外編 ULTRAMANとの邂逅 作:RE・RIDE
Side ソウゴ
ソウゴ:「ここかな?『光の巨人記念館』…あってるみたいだよ」
ゲイツ:「よし。ならさっさと中へ入るぞ」
ソウゴ:「あぁ~!ちょっと待って!」
ゲイツ:「なんだ」
ソウゴ:「ゲイツはここで待ってて」
ゲイツ:「何故だ⁉二人で探した方がいいだろう!」
ソウゴ:「いや俺に任せて。ゲイツはツクヨミと合流して、いつでもあいつと戦えるようにしてて」
ゲイツ:「しかし…」
ソウゴ:「じゃあ行ってくる!」
ゲイツ:「おい!」
ソウゴは記念館の中に入り、近くにいたお兄さんに話しかける。
ソウゴ:「こんにちは!あの…ウルトラマンさんって…ここにいますか?」
青年:「…はい?」
するとゲイツが中に入ってきて、ソウゴの腕をつかんで引っ張り、青年に背中を向ける。
その瞬間、青年はゲイツの腕のウォッチホルダーにはまっているウォッチを、目を見開いて見ていた。
ゲイツ:「(小声)バカかお前は!そんなド直球に聞いて見つかるはずがないだろう⁉」
ソウゴ:「いや分からないよ?たまたま知り合いとかかもしれないしさ?」
青年:「あの⋯」
ゲイツ:「(小声)そんなわけあるか!」
ソウゴ:「じゃあゲイツにはなにか案があるの?」
ゲイツ:「それはだな⋯」
青年:「あの!」
ソウゴ:「はい?」
青年:「ウルトラマンなら…中に像がありますけど…見ていきますか?」
ソウゴ:「えっいいの⁉」
青年:「まぁ…はい」
ソウゴ:「よっし!善は急げだ!ゲイツ!今度はちゃんとツクヨミたちと合流してね!それじゃ!」
ゲイツ:「おい待て!ソウゴ!」
ソウゴは青年に連れられて中に入ると、そこには五メートルほどの巨大な像があった。
ソウゴ:「これがウルトラマン…」
(でもなんかあのアナザーとは違う気がする…)
青年:「…あの、すいません!」
ソウゴ:「はい?どうかしたんですか?」
青年:「あの…さっきの人が持ってたのって…これと同じなんじゃ…?」
青年はそう言って服のポケットからウォッチを取り出す。
ソウゴ:「これって⁉ライドウォッチ…⁉」
ソウゴはそれを持ってじっと見る。
ソウゴ:「なんでこれを…?」
青年:「今朝起きたら持ってたんです。いつの間にかあったというか…」
ソウゴ:(もしかして…この人がウルトラマン?なら…アナザーウルトラマンを倒せばこの人の記憶も戻るはず…いや、もしかしたら!)
ソウゴ:「あのすいません。これ…ベゼルを回して、ボタンを押してみてくれませんか?」
青年:「えっ?別にいいけど…こう?」
『ULTRAMAN!』
Side 進次郎
進次郎:やけに変なお客さんだな…と思いつつ、俺は言われた通りに時計?のボタンを押す。
『ULTRAMAN!』
進次郎:「ッ⁉」
光弘:『君に、あいつと戦える力があったらどうする?』
進:『私が…ウルトラマンだ』
弾:『できることがあるのに、何もしないと言うのは…ただの罪だ』
星司:『先輩は…本物のウルトラマンだったんだぁ…』
レナ:『ずーっと、そのままの君でいてね』
レナ:『あなたはウルトラマンなんでしょ⁉私、テレビで見たの!事件現場であなたが人を助けてるところ!あなたは皆を守るために、悪い異星人と戦ってるんだよね⁉だったら、ここにいる皆を助けてみせて!だって…!』
進次郎:『俺がやらないせいで誰かが傷つくなら…俺がやればいいだけだったんだ!俺には…誰かを守れる力があったのに…!俺が守ればいいだけだったのに…!答えは本当に簡単だったんだ…!』
エースキラー:『てめぇは一体なんなんだぁ!』
進次郎:『俺は…』
レナ:『あなたは…!』
進次郎&レナ:『ウルトラマンだ!/ウルトラマンなんでしょ!』
進次郎:「…ッ!はぁ…はぁ…!」
青年:「何か…思い出した?」
進次郎:「あぁ…ありがとう。おかげで大切なことを思い出せたよ。君…名前は?」
青年:「俺は常盤ソウゴ!最高最善の魔王になる男だよ!」
進次郎:「…は?」
ソウゴ:「えっだから…『最高最善の魔王』だよ?」
俺は思わず笑う。
進次郎:「…ハハッ!君面白いな!そう言えば俺の名前はまだだったね。俺は早田進次郎。今はここで働いているけど…ウルトラマンだったよ」
ソウゴ:「やっぱり…あんたがウルトラマンだったのか」
俺は像を見上げ、苦笑する。
進次郎:「って言っても、この像とは大分違うけどね。にしても…なんでこんな大切なことを忘れてたんだ?」
ソウゴは真剣な表情で答える。
ソウゴ:「多分タイムジャッカーが過去に介入したんだ。それで歴史が変わった。歴史が変わってしまったから、あんたの歴史はなかったことになった」
進次郎:「歴史が…なかったことに…」
ソウゴ:「あんたならアナザーウルトラマンを倒せるはずだ。一緒に来てくれる?」
進次郎:「…そいつを倒せば、この世界は俺の知ってる歴史に戻るのか?」
ソウゴ:「ああ」
進次郎:「…分かった。どうやれば俺はスーツを装着できる?」
ソウゴ:「多分もう一度ウォッチを起動すれば」
進次郎:「こうか」
『ULTRAMAN!』
すると俺の手首にスーツ転送用の装置が現れる。
進次郎:「これでどうにかなるはずだ」
ソウゴ:「よし、行こう!」
そのとき、ソウゴのスマホが震える。
ソウゴ:「あれ?ゲイツから電話だ…もしもしゲイツ?こっちはウルトラマン見つけたよ?」
ゲイツ:『それどころじゃない!街にあの怪物と同じような奴らが二か所で合計7体現れた!』
ソウゴ:「はぁ⁉噓でしょ⁉」
ゲイツ:『二手に分かれるぞ、俺たちは都内の方に行く!お前は街の方に行け!』
ソウゴ:「分かった!今行く!街にアナザーウルトラマンが7体現れたって!」
進次郎:「7体…まさか…!」
ソウゴ:「知ってるの?」
俺は静かに頷く。
進次郎:「多分俺の仲間のアナザーウルトラマンだ。セブンにジャック、エース、タロウ、ゾフィー、マリー…とりあえず行こう!」
進次郎はソウゴと一緒に現場に駆け付けた。
進次郎:「あれは…!恐らくセブンとエースと俺のアナザーウルトラマンだ」
ソウゴ:「よくわかんないけど、やるしかない!」
『ジクウドライバー!』
『ジオウ!』
『グランドジオウ!』
『(アークル音)(オルタリング音)アドベント COMPLETE ターンアップ (音叉音)チェンジビートル!ソードフォーム ウェイクアップ!カメンライド サイクロン!ジョーカー! タカ!トラ!バッタ!3(スリー)2(ツー)1(ワン)!シャバドゥビタッチヘンシーン ソイヤッ!ドライブ!カイガン!レベルアップ!ベストマッチ!ライダー!タ~イム!』
進次郎は腕をクロスさせて、精神を統一する。
進次郎:「ハッ!」
ソウゴ:「変身!」
進次郎は空に右腕を突き上げる。
すると進次郎の体に光の柱が降り注ぎ、スーツが装着されていく。
そして進次郎の姿はULTRAMANに変わっていくが、進次郎はそのまま怪物の一体に殴りかかる。
そのときに進次郎の姿は完全なULTRAMANになった。
ソウゴ:「あれがウルトラマン…!俺も!」
ソウゴはポーズをとりなおす。
ソウゴ:「変身!」
『ライダー!タ~イム!仮面ライダー!ジオ~ウ!
グランドタイム!クウガアギト龍騎ファイズブレイ~ド!響鬼カブト!電王キバディケイ~ド!ダ~ブルオーズフォーゼ!ウィザード鎧武ドライ〜ブ!ゴースト!エグゼイド!ビ~ル~ド~!祝え!仮面ライダー!グランド!ジオ~ウ!』
グランドジオウ:「ハァ!」
グランドジオウも怪物と戦闘を始める。
ULTRAMAN:「えっ⁉なんか…ピカピカしてる…」
グランドジオウ:「ああこれ?気にしないで!行くよ!」
ULTRAMAN:「あ、ああ」
ULTRAMANは腕にエネルギーをため、光輪を作り出す。
ULTRAMAN:「ヘヤッ!」
光輪が飛び、アナザーウルトラマンたちを切り裂く。
アナザーウルトラマンたち:「グァァ!」
グランドジオウ:「効いてる!これならいける!」
ULTRAMAN:「シャア!」
ULTRAMANはアナザーウルトラマンを殴り飛ばす。
ULTRAMAN:「これで決める!」
ULTRAMANは腕を十字に組む。
ULTRAMAN:「シャア!」
ULTRAMANが左腕を下げると、必殺光線・スペシウム光線が放たれる。
アナザーULTRAMAN:「グワァァ!」
スペシウム光線を正面から食らい、アナザーULTRAMANは爆発する。
グランドジオウ:「よし、まずは一人。この調子で…ッ!」
そのとき、時間停止の力により、グランドジオウたちの動きが止まる。
グランドジオウ:(なっ…ッ!)
ULTRAMAN:(なんだ…これ…!)
そして一人の男が現れる。
???:「俺の邪魔をしないでくれよ、ジオウ。困るなぁ…」
グランドジオウ:(お前は…!)
???:「俺はスーパータイムジャッカーのイカルス。以後お見知りおきをってね」
イカルスと名乗った男は、アナザーウルトラマンからアナザーウォッチを抜く。そして現れたのは
グランドジオウ:(…⁉ウルトラマン…⁉)
ULTRAMAN:(あれは…ベムラーさん⁉)
『ULTRAMAN…!』
そしてイカルスはアナザーウォッチを再起動してベムラーの中に埋め込む。
ベムラー:「グゥ…!」
アナザーULTRAMAN:「グォアアア!」
『ULTRAMAN…!』
そして時間停止が解除され、イカルスはどこかに消えた。
ULTRAMAN:「そんな…ベムラーさんが…!」
そのとき、アナザーウルトラマンの一人・アナザーSEVEN(セブン)が襲い掛かる。
ULTRAMAN:「ッ⁉」
ULTRAMANは辛うじてアナザーSEVENのアナザースペシウムソードを防ぐ。
ULTRAMAN:「ぐっ…!」
グランドジオウ:「進次郎!なら…!」
グランドジオウはアナザーACE(エース)の相手をしながら、自身の体のレリーフをタッチする。
『オーズ!』
するとレリーフからオーズの武器・メダジャリバーが飛び出し、ULTRAMANの方に向かって飛んでいき、アナザーSEVENを攻撃する。
ULTRAMAN:「ッ!はぁ…!はぁ⋯!」
グランドジオウ:「それ使って!多分あんたが使えば効くはずだ!」
ULTRAMAN:「わ、分かった!」
ULTRAMANはメダジャリバーを持ち、アナザーSEVENと斬り合う。
ULTRAMAN:「ハァ!」
アナザーSEVEN:「グゥ…」
ULTRAMAN:「くっ!やっぱり俺じゃあ諸星さんのアナザーは倒せないみたいだ…!」
グランドジオウ:「一旦退こう!」
『ゴースト!』
グランドジオウがゴーストのレリーフをタッチすると、十五体のパーカーゴーストが現れ、アナザーウルトラマンたちに注意を向けさせる。
グランドジオウ:「今のうちに!」
ULTRAMAN:「シャア!」
グランドジオウはバイクを出し、ULTRAMANは飛行能力で飛び去っていく。
ソウゴ:「ここまで来れば大丈夫かな」
進次郎:「なぁソウゴ…くん、あの時計って、元々ウルトラマンだった人たちも持ってたりするの?」
ソウゴ:「えぇ?いやわかんないけど…」
進次郎:「そっか…ごめん。少し明日まで待っててくれない?きっとアナザーウルトラマンたちへの策を持ってくるから」
ソウゴ:「別にいいけど…どうするの?」
進次郎:「少し人を当たってみる」
進次郎は光の巨人記念館に戻ってきた。
進次郎:「やっぱりもう帰っちゃったかな…」
レナ:「何してるの?」
すると背後から声がした。
進次郎:「おわっ!れ、レナさん!」
レナは少し笑顔を浮かべて、尋ねる。
レナ:「さっきまでどこに居たの?探したんだよ~」
進次郎:「あぁ…すいません。ちょっと急な用事ができて…」
レナ:「そうなんだ」
進次郎は少し躊躇しながらも、声をかける。
進次郎:「…あの、レナさん」
レナ:「うん?なに?」
進次郎:「ウルトラマン…って好きですか?今…充実してますか?」
レナ:「急にどうしたの?」
進次郎:「あぁいやなんていうか…」
レナ:「私は今楽しいよ。皆を喜ばせられる仕事ができてる…それだけでなんだかいいじゃない?それに…ウルトラマンも大好きだよ」
進次郎:(…正しい歴史だと、最初レナさんは昔のウルトラマンを憎んでたんだよな…。でも…俺が戦うことでその心をきっと救うことができたんだ。だけど…この世界だと救う必要なんてないぐらい、レナさんは活き活きしてる。ウルトラマンとしての力と記憶…元の歴史の記憶が戻ったら…いや、きっとレナさんは変わらない。今も昔も活き活きしてる。でも…戦いには巻き込みたくない)
レナ:「うん?どうかした?」
進次郎:「あぁいや、なんでもないです。そろそろ暗くなるんで、早めに帰ってしっかり休んでください」
レナ:「そうだね、じゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」
レナは外に出て、こっちに手を振る。
レナ:「じゃあね~」
進次郎:「はい、お気を付けて」
進次郎は去っていくレナの背中に手を振る。
進次郎:「…俺が何とかします。この世界も…皆の記憶も」
進次郎は固く拳を握る。
弾:「で?職務放棄の理由を聞こうか」
進次郎:(あ…死んだ)
何とか生き延びた進次郎は昨日と同じくジャックの店に来ていた。
弾:「なるほどな…どうやらお前は昔の小僧から全く成長していないようだな」
進次郎:「はい…すいません」
ジャック:「ちょっとちょっとどうしたの~」
進次郎:「いえちょっと、仕事中に用事があって出てたんですけど…通達し忘れてて諸星さんにこっぴどく叱られまして…」
星司:「何やってるんですか先輩」
進次郎:「いやしょうがなかったんだって!急を要することだったんだから」
光太郎:「まぁまぁ、それより飲もうよ!」
進次郎:「…タロウさん。じゃなかった。光太郎さんは…奥さんとしっかりやれてますか?幸せですか?」
光太郎:「うん?急にどうしたんだい?でもそうだね…俺は今の生活が幸せだよ」
進次郎:(光太郎さんは正しい歴史なら、当時恋人だったイズミさんを亡くしている。正しい歴史に戻すのが…本当に皆の幸せなのか…?)
進次郎:「あの…一ついいですか?もし、今この瞬間が本当の歴史じゃなくて、間違ったものだったら…本当は自分達には誰かを守れる力があったら…でも本当の歴史では辛いことが待っていたとしたら…皆はどっちを選びますか?」
一同:「…」
やがて一人が口を開く。
弾:「今が真実ではなく、もっと辛い現実が待っていたら…か。たしかにこの世界では幸せだ。だが…かと言って、その正しい歴史とやらから目をそむけることはしない」
進次郎:「諸星さん…」
星司:「そうですね。僕も正しい歴史を選ぶかもしれません。守れる力って、結構大事なことだと思うんですよ。僕にも大切な人はいますし」
ジャック:「だねぇ。俺も自分で言うのはなんだが、結構正義感あるタイプだからさ。守れる力が手に入れられるなら、本当の歴史を迷わず選ぶさ」
光太郎:「ですね。俺は戦う力がないから記者になって、ペンとカメラで人を救いたいと思った。だから…皆を守りたい」
進次郎:(あぁこの人たちは…やっぱり俺が尊敬して、信頼してた仲間なんだ)
進次郎:「良かったです、それが聞けて」
星司:「あれ?先輩もう帰るんですか?」
進次郎:「あぁ。ちょっと明日急用が入っちゃって」
弾:「おい待て、聞いてないぞ」
進次郎:「それじゃあ、ジャックさん。皆の分払わせてください」
ジャック:「あいよ!」
進次郎:「それじゃあまた」
進次郎は店を後にする。
弾:「…なんなんだ、あいつは」
星司:「なんか様子がおかしかったですよね~気味が悪いというか」
ジャック:「辛辣だねぇ」
光太郎:「うん?…何だ?これ」
すると光太郎がズボンのポケットから時計のようなものを取り出す。
星司:「何ですかそれ?おもちゃ?あれ、僕のポケットにもある」
弾:「…僕もだ」
ジャック:「俺も」
星司:「あれ?これ回るんじゃないですか?」
光太郎:「ホントだ!ん?ボタン…?」
星司:「皆で一斉に押してみましょうよ!」
ジャック:「いいねぇ。面白そうだ」
弾:「まったく…どうなっても知らないぞ」
星司:「じゃあいきますよぉ?せーのっ!」
『SEVEN!』
『ACE!』
『JACK!』
『TARO!』
一同:「ッ!」
弾:『ウルトラマンになれるのは、お前だけじゃないってことだ』
弾:『クソ異星人どもに地球人が消されるのは何としても阻止する』
星司:『大人たちに言われてなんとなくウルトラマンやってるあんたとは違うんだ!』
星司:『お前みたいな奴がいるから!夕子ちゃんがいつまでたっても幸せになれないんだぁ!』
ジャック:『やってやろうじゃないの!』
ジャック:『カモン…転送!』
光太郎:『こんな奴に…地球を好き勝手にさせるわけにはいかないんだぁ!』
イズミ:『光太郎、皆のヒーローになって』
弾:「…!今のは…!」
ジャック:「こいつは参ったねぇ…」
星司:「そうだ…僕たち…!」
光太郎:「ウルトラマン…!」
一方その頃
進次郎:「久しぶりに実家に帰ってきたのはいいけど…父さんいるのか?」
進次郎は自身の実家の前まで来ていた。
進次郎:「…とりあえず入るか」
進次郎:「ただいま…」
由利子:「あらどうしたの⁉急に帰ってくるなんて!」
進次郎:「いやちょっとね、父さんいる?」
由利子:「お父さんなら部屋にいると思うけど…」
進:「急に大きな声を出してどうし…進次郎?なぜお前がここに」
進次郎:「いや…少し父さんと話したいことがあるんだ」
進:「私と?」
とりあえず進次郎は食卓に座っている。母が何かを感じ取ったのか、席を外してくれたときには、やっぱりこの人に隠し事はできないなと思った。
進:「できたぞ」
進次郎:「ありがとう」
父は今、得意料理のカレーを作ってこちらに渡す。なんでも科特隊現役時代でも、他の隊員から好評だったとか。
進次郎:「…うん。相変わらずおいしい」
進:「私に話とはなんだ?」
進次郎:「ええっと…」
進:「…ちゃんと飯は食べているのか?あまり母さんに心配をかけるなよ」
進次郎:「うん。俺は大丈夫。それにどうせ井手さんから仕事での話は聞いてるんでしょ?」
井手さんと言うのは光の巨人記念館の館長であり、かつての科特隊隊員でもある。言うなれば父の元同僚だ。今でも元科特隊員は仲がいいらしい。
進次郎はカレーを食べていた手をおいて言う。
進次郎:「あの…父さんはウルトラマンのこと、どれくらい覚えてる?」
進:「…お前に言ったことはなかったが、実は私にはウルトラマンの記憶だけがすっぽり抜けているんだ。何故だか分からないがな」
進次郎:(そうか…父さんは自分がZOFFYスーツを着て戦ってたことはおろか、自分が昔ウルトラマンと同化して戦ってたことすら覚えていないんだ…)
進次郎:「そっか。…もしもの話だけど、父さんがウルトラマンだったとして、そのときの記憶を思い出したい?」
進:「私がウルトラマン…?」
進次郎:「も、もしもの話だよ⁉」
進:「…そうだな。もし私がそれを忘れているのなら…思い出したい」
進次郎:「…理由を聞いてもいい?」
進:「ウルトラマンは確かに怪獣や異星人と戦い、人々を守った。だが全ての人々を平等に助けられたわけではない。守れなかった命もあれば、心に大きな傷が残った人も大勢いる。そんな人たちをよそに、私だけが忘れるなどという都合のいい人間ではいたくない」
進次郎:「父さん…」
進:「ウルトラマンといえども神ではない。救えない命もあれば、届かない願いもある」
進次郎:「ウルトラマンは…神じゃない、か」
進:「ああ、そうだ」
進次郎:「うん、分かった。今日父さんと話せてよかったよ。ありがとう。これ食べたら俺、帰るね」
進:「泊まって行ってもいいんだぞ?」
進次郎:「ありがとう。でも明日は予定があるんだ」
進:「そうか。まぁ気を付けて帰れよ」
進次郎:「うん、いろいろありがとう」
進次郎はカレーを食べ終え、父と母に見送ってもらい帰路につく。
そんな進次郎の背中を見送る進は
進:「…いくつになっても、子供は子供だと思っていたが…いつの間にか背中がたくましくなったな」
由利子:「そうですね」
進次郎を見送った進は、自身の部屋に戻る。
進:「ふむ…?これは一体…」
そして机の上のライドウォッチを見る。
進:「うん?ここが回る…これは…ボタンか?」
『ZOFFY!』
進:「ぐっ…⁉」
進:『俺が…ウルトラマンだった』
井手:『君たち親子は、ウルトラマンの因子を受け継いでしまったわけだからね』
進:『息子の顔を見るまでは…負けるわけにはいかんのでな!』
進:『なぁ、進次郎。私も…お前にこんな道を歩ませたくはなかった。普通に幸せになってほしかった』
進:『行くぞ!進次郎!』
進次郎:『はい!父さん!』
進:「…!今のは…進次郎…お前は…」
ところ変わって
レナ:「う~ん。な~んか様子がおかしかったんだよなぁ進次郎くん」
レナは自分の家で進次郎の様子について考えていた。
レナ:「電話して聞いてみる?いやいや、なんて言えばいいのか分からないし…ご飯にでも誘う?いやでももうこんな時間だし…」
そしてふとカバンを見ると、見慣れないものが入っていることに気付く。
レナ:「ん?何これ」
それはピンクのベゼルに本体が銀色の時計のようなものだった。
レナ:「時計?でも針も数字もないし…あ、回った」
レナが時計のベゼルを回すと時計がピンク色に淡く光る。
レナ:「ボタン?ここを押すのかな」
『MARIE!』
レナ:「えっ…」
レナ:『あなたが本当に正義の味方だって言うなら、悲しむ人を一人も出さないで!』
ULTRAMAN:『正直、自分が何者かだなんて…そんなことまだ俺だってまだよくわからない。でも…それより…!今だけは…俺がウルトラマンだ!』
レナ:『ずーっと、そのままの君でいてね』
進次郎:『…はい、頑張ります…!』
進次郎:『俺からしたら、レナさんが地球人だとか、異星人だとか、関係ないです。レナさんはレナさんですから』
レナ:「…今のって…!進次郎くん…!」
翌朝
進次郎:「…ふぅ…よし」
進次郎は外で待っていたソウゴたちと合流する。
進次郎:「行こう」
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