暗黒の破壊者になりたくて!   作:淫神リリム

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タイトルモチーフ「第49話 メタルウォリアー!白銀のヴァルバラド」


第12話 ジャスティスウォリアー!凡人のデュール!

〜sideアレクシア〜

『悪魔憑き』治療の少し前。

 

「はあああ!」

 

「フン」

 

二人の激しい剣撃が、地下で轟く。

 

「すごい」

 

この光景に、アレクシアは愕然とした。デュールがゼノンと渡り合っていたからだ。

 

「くっ、まさか君がこれほどまでとはね」

 

両者共に、傷を負っていた。

 

「フッ、憧れに焦がれ、鍛えに鍛え続けた結果だ」

 

「そうか。では君に、時期ラウンズの剣を見せてあげよう」

 

剣の素早さ、鋭さが変わり、デュールを防戦一方にする。

しかしそれでも受け流せず、腕や頬に傷を負っていく。

 

「っ……」

 

負けないで、と心の中で強く思った。そして気づく。自分があの剣に、魅せられていると。

 

「ぬぐっ!」

 

「ハハハ。流石の君でも、これは無理なようだね」

 

ゼノンは勝利を確信する。しかし……。

 

キィン!

 

横からの太刀を防いだ。

 

「無理なんかじゃ……」

 

持ち方を変え。

 

「ない!」

 

下から斬り上げた。

 

「ゴフッ!」

 

やつが血を吐いた。

 

「まだまだ!」

 

立て続けに、ゼノンを攻める。

 

「あいつを完全に押してる。これが貴方の言う憧れの、『凡人の剣』なの?デュール」

 

美しい、アレクシアはそう思った。それと同時に、その剣を嫌い、彼に八つ当たりした自分が恥ずかしいとも思った。

 

「グハッ!」

 

さらに、ゼノンの脇腹が裂けた。

 

「ぐっ、おのれ!」

 

「これで終わりにする」

 

刀身が白く輝き出す。

 

「『シャインオブパッション』!」

 

「がああああああ!」

 

輝く一太刀を浴びせる。ゼノンは吹き飛ばされ、壁に激突した。

 

 

◆〜sideデュール〜

 

「はぁ。はぁ」

 

(ちょい疲れた。本来の40%しか出せないの辛い)

 

今の俺は分身だ。本気は出せない。さらに一定のダメージを受けたら消える。魔剣士見習いのデュールとして戦わないといけない。かなり頭を使った戦いだった。

 

「勝ったぜ。アレクシア」

 

わざと足を引き摺り、彼女に近づく。

 

「貴方、大丈夫?」

 

「このくらい平気。それより、どうだった?俺の剣は?」

 

「ーーーー凄かったわ。まさに私が夢見た理想の『凡人の剣』よ」

 

「フフ、そっか。それは良かった」

 

剣をしまう。

 

「帰ろう。全身痛くて堪らないんだ」

 

「ええ」

 

歩み出そうとした瞬間、何かが音を立てた。

 

「「っ?」」

 

二人で振り向くと……。

 

「逃……すか」

 

ボロボロなゼノンが立っていた。

 

「まだ生きてんのか」

 

(まっ、計画通りだけど)

 

「大丈夫よ。あれほどの手負いだったら、私一人でやるわ」

 

「舐めるな!お前みたいな優等生如きに、これを使う時が来るとは……」

 

ビンを取り出した。そこには、赤い錠剤がいくつか入っていた。

 

(やっぱ持ってるよな。ドーピング剤)

 

「常人が使えばその圧倒的な力に体が耐え切れないが、私が使えば……」

 

それを一気に全て、噛んだ。

 

「覚醒者となる!」

 

瞬間、何重もの赤黒い稲妻が不穏に走る。

 

「グワァァァァ!!」

 

肌がダーティーなものへと変わり、髪の艶は失い、目が赤へと変容する。そして何より、多大な魔力量を得た。

 

「なんて、魔力量なの」

 

アレクシアの足が竦む。

 

(まっ、当然の反応だ。表世界じゃ、こんなやつはいない。そして今ここに、倒せるやつもいない)

 

そんな中、俺はほくそ笑む。

 

(だが、運が悪かったな。こっからの相手は、お前がゴミに見えるほどの狂人だ)

 

カツカツカツカツ

 

足音が嫌なほど反響した。

 

「何者だ!」

 

そしてその主が、姿を現す。

 

「漆黒を纏いし者……貴様が教団に楯突く野良犬か」

 

(さて、フィナーレは任せるよ。相棒)

 

「我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩る者」

 

フードから、ワインレッドの瞳が覗く。

 

「小規模拠点をいくつか潰しているが、貴様らが潰した拠点に、『教団』の主力は一人もいない」

 

「どいつを狩ろうとどこで狩ろうと同じことだ」

 

「残念だが同じにはならない。『教団』の主力はここにいる。

貴様は今日、私の剣によって、狩られる!」

 

踏み出し、正面からシャドウに挑む。

しかし、シャドウは容易く受け流し、一閃を入れた。

 

「ごはっ!」

 

ゼノンを袈裟斬りにする。

 

「シャドウ、後は任せても?」

 

「デュールか。無論だ。あのような醜き者に、最強を語る資格などないのだからな」

 

再度ゼノンと激突する。

 

「アレクシア、見ておくといい」

 

「え?」

 

「俺の憧れた『凡人の剣』を。世界最強(狂人)を」

 

さぁ、フィナーレの始まりだ。




シャドウ「借り物の力で最強に至る道はない」

シュヴァルツ「借り物の力で最強に至る道はある。ただし、使いこなせれば、な」
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