交際継続を承諾し、彼女と共にアイリスの部屋へと向かっていた。どうやら推薦?されたらしい。何かは知らんが。
そうして、部屋前に着いたのだが……。
「えっ、なんであんたがここにいるのよ」
「チッス、姐さん。1ヶ月ぶり」
紅の瞳が俺を見る。
そう、シドの姉にして特待生、クレア・カゲノーだ。
「姐さんも呼ばれてるんスカ?」
「ええそうよ」
(マジか。てかなんで俺たち呼ばれてんだ?今の所、特待生ぐらいしか共通点ないんだが)
「そう言うあんたは、何でアレクシア様と一緒なのよ?」
「彼が私の恋人ですもの。何かおかしな点でも?」
ニコリと微笑む。
(相変わらず上辺だけな王女だこと)
「……そう言えばそうでしたね。……まさか、あんたが誰かに取られるなんて……(小声)」
「なんか言ったっスカ?」
「別になんもないわよ!さっさと入りましょう」
扉を開ける。
「「「失礼します。クレア/デュール/アレクシアです」」」
入ってみると、アイリスそして後ろに2人の男がいた。
「よく来てくれました。3人とも」
(この前の狂犬具合が嘘のような真面目さだな)
ギャップに少し戸惑う。
「後ろにいるのは、信頼できる騎士の2人です」
右後ろにいるのが、マルコ・グレンジャー。見た感じ、正義感溢れる好青年って感じだ。
左後ろの人は、グレンと言うベテランのおっちゃん騎士だ。『獅子髭』と呼ばれてるらしい。
「さっそく本題に入りましょう。先日の事件は覚えていますね?」
3人は一斉に頷く。
「『シャドウガーデン』と『ディアボロス教団』。今回の事件は、この2つの組織によって起こされたものだと見ています」
(8割合ってて2割違うて。仕方ない、出せる情報は言うか)
「お言葉ですがアイリス様。それは少々違うかと」
誤解が解けるようにかつ、俺の正体を悟られないように以下のことを話した。
一つ目、『シャドウガーデン』は『ディアボロス教団』と対立し、壊滅を目的としていること。
二つ目、その『教団』の目的と『ガーデン』の情報について(20%くらい)。
三つ目、『教団』はどこにでも潜んでいるため、注意すること。
シャドウ(andシュヴァルツ)との関係に関しては、なんとか上手く誤魔化した。
「なるほど。それは本当なのですね?」
「はい。何度もシャドウ達と関わり、『教団』とも戦ってきた俺が保証します」
言い聞かせるように、強く彼女を見る。
「ーーーーーーーー分かりました。ひとまず貴方の言うことを信じてみます」
「ありがとうございます」
(よし。これでもう敵対することは……ないよな?)
「それでアイリス様、私たちを呼んだのは一体?」
「っ、そうでしたね。私はこの事件を機に、小規模ですが新たな騎士団を発足しました。その名も『紅の騎士団』。
貴方達を呼んだのはその勧誘です」
(つまり、戦力強化と独自で動ける部隊が欲しいってわけか)
噂を聞くと、アレクシアが誘拐された時、自分で動けないのを嘆いていたらしい。
「で、ですが私たちは学生ですし……」
姐さんが苦そうな顔をする。
「私はお2人が即戦力になると考えています」
優しく、けれど強い瞳で姐さんを見る。
「……分かりました。クレア・カゲノー、『紅の騎士団』に入団いたします」
「本当ですか?ありがとうございます」
「……一つ、質問してもよろしいですか?」
「何でしょう?デュール君」
「姐さ、クレア先輩は理解できます。3年生かつ騎士団見習いですし。しかし、1年である俺までよろしいのですか?」
「もちろんです。アレクシアから聞きました。全力でなかったとは言え、ゼノン・グリフィを打ち負かしたと」
チラッとアレクシアを見る。すんごいニコニコしていた。
(スゥ〜、そっか。そういやそうだった。ちょっと実力見せすぎたか?)
「腐っていても彼の実力は本物。それに打ち勝ったともなれば、私以上に強くなるポテンシャルがあるはずです。
どうか、我々に力を貸してください」
頭を下げてきた。
(ちょちょちょ、王女が頭下げるって俺そんなレベルなの!?)
「それに……」
「それに?」
「お給料も出ますので」
「っ!入る、入ります。このデュール・ホロブアーク『紅の騎士団』に入ります!」
「っ!ありがとうございます。これからよろしくお願いしますね」
「はい。よろしくお願いします」
隣のアレクシアが呆れてるが、気にしない気にしない。
(やっぱり金だよ金。給料が出るのなら入るに決まってる)
「……てか、アレクシアは?」
「私はもう入ってるわよ。貴方を連れてくるのが今回の目的」
(なるほど。どうりであまり喋らなかったわけか)
「さっそくですが、依頼があります。副学園長の部屋へ行きましょう」
◆〜sideシド〜
昼休み。食堂にて。
「そういや、デュールはどこ行ったんだ?」
「せっかくアレクシア王女とどこまでイッたか聞きたかったんですけど」
「さぁね。優等生の考えることなんて分からないよ」
モブ3人で談笑する。
(本当どこ行ってるんだろデュール。またポチにでもなってるのかな?)
そんなことを思ってると、周りが騒がしくなり始めた。
「え、何かあったの?」
「アイリス様たちが校舎に来ているみたいだぜ」
「そう言えば新しく『紅の騎士団』を創ったんだとか。こっちに来てるのは、何かしらの調査を依頼するそうです」
「へぇ〜そうなんだ」
(また何かストーリーが動きそう。後でデュールに聞いてみよう)
そう呑気に思い、昼食を終えた。
やはりこの世は所詮金ですよ。