◆〜sideデュール〜
副学園長室にて。2人の人物が座っていた。
1人は副学園長であるルスラン・バーネット。艶のある白髪に眼鏡、髭を生えてる優しいお爺さんだ。
もう1人は今回の依頼を受けてもらう2年生シェリー・バーネット。ピンクの髪と目、一本のアホが毛立っていて、可愛らしい。
「まずはこれを」
アイリスが小さな箱を開ける。中には、中心に赤い点がある何か。填められるを待っている風貌をしている。
(これって、アーティファクト?)
アーティファクト、様々な能力を持ったオーパーツ。古代文字という言語が刻まれており、それを解析することで使用できる。
分かりやすく言うなら、ボウケンジャーのプレシャスやルパパトのルパンコレクションのようなものだ。
(ドレッドライバーを解明するために、色々と調べたのが懐かしい)
このアーティファクト、シャドウがアトミックを撃った場所で発見した代物だそう。
「王国一の頭脳と名高いあなたに、このアーティファクトの解読を頼みたい」
「えっ、しかし、私はまだ学生の立場ですし……」
「あなたの研究成果は国内外に広く知られている。この分野であなたに、シェリー・バーネットに勝る研究者などいないでしょう」
渋る彼女をよそに、話すアイリス。
「いい機会だ、受けてみてはどうだね」
ここで初めて、ルスランが口を開く。
「ルスラン・バーネット副学園長……」
「父と呼んでくれても構わんのだぞ」
有名な話だが、彼女のの母であるルクライア・バーネットは優秀な研究者だ。だが何年か前に何者かに殺され、ルスランの養子として現在親子関係にある。
「シェリー、君はいずれ世界に羽ばたく研究者になる。アイリス王女からの依頼は、君の輝かしい将来につながるはずだ」
「ですが、私はそんな……」
「シェリー、いつも言っているだろう。自信をもちなさい。君ならやれる、これは君にしかできない仕事なんだ」
ルスランが彼女の肩に手を置く。
(う〜ん。これはいい父親)
どっかのイッテイーヨされたクズや人間の女性を孕ませ息子を産ませた化け物とはえらい違いだ。
「分かりました」
こうして、調査依頼を引き受けてくれた。護衛として、マルコ先輩とグレンさんがつくとのこと。
(『教団』が取り返しに来る可能性もあるし、俺も目を光らせておくか)
◇
その日の夕暮れ。俺、シド、ヒョロ、ジャガのいつメンで、最近話題の『ミツゴシ商会』の行列に並んでいた。
発端はモブ2人だ。女の子を堕とすために話題のチョコを買おう、と言う話になって、並んでいる。
久々に盗賊を狩り、10万(1ポチ)ほど稼いだところだ。多少の散財は問題ないだろう。
「80分待ちだってさ」
「どうします?寮の門限には何とか間に合いそうですが……最近、夜になると人斬りが出るって噂ですし」
(人斬り?そう言えばアイリス様もそんなことを言ってたな)
「バーカ。こっちには魔剣士が3人もいるんだぞ。それに優等生のデュールもいる」
「そうですね。いざとなれば、デュール君を盾にすればいいですし」
「その時はお願いねデュール」
「そんなこと言ってると、シドしか守らないぞ」
「そんな!」とか「何でシド君だけ!?」と言ってくる。
(本当こいつらクズだな……)
そう思っていると……。
「お客様、失礼ですがアンケートにご協力を」
プラカードを持ったお姉さんが近づいてきた。
(あれ?確かこの子は……フッ、そうゆうことか)
「俺とシドですか?」
「はい。是非ご協力くださいませ」
「お、俺も協力します」
「自分もです!」
「お二人様で、けっこうです」
クズ2人、見事撃沈。
◇
お姉さんに案内され、商会の裏側まで着いていく。
《どこに向かってるんだろね?デュール》
《大丈夫。着いてけば分かる》
階段を登りきり、屋上に出る。
するとその先に、小さな館があった。
(あれ?前来た時こんなのあったっけ?)
さらにその中へ入る。
「っ……!」
中の光景に驚く。たくさんの女性が頭を下げ、左右に並んでいた。そして奥に2つの玉座、側に跪く女性がいた。
「ご来店を永らくお待ちしておりました。主様、シュヴァルツ様」
顔を上げ、青の瞳が俺たちを見る。
『シャドウガーデン』七陰の1人、ガンマだ。
ポチと言う単位を「クリスマスにはシャケを食え」並に広めたいです。