◆〜sideアレクシア〜
「んっ、とっ、はっ」
「……」
王都の路地裏。アレクシアは、黒ずくめの男と対峙していた。
「もう、諦めなさい」
男の衣は裂かれ、流血していた。
「我等は『シャドウガーデン』」
「さっきからそればかり。それが彼らの意思なの?」
「……」
またしても突っ込んでくる。
「っ……」
しかしタイミングを見極め、剣を弾き飛ばした。
「ーーーーこれで終わりよ」
後ろから足音がした。
「あら、お仲間の登場ってわけ?」
無力化した男と同じく、黒の外套を身に纏った二人。
「「……」」
剣を向け、襲いかかってくる。
「くっ」
迫り来る2つを捌き、距離を取る。しかし……。
ザシュッ!
「ぁ……」
先の男が彼女の肺を刺す。
二人を時間稼ぎに、剣を取ったのだ。
「か弱い乙女相手に、……酷いわね!」
剣の柄で殴るが、怯んだのみ。
「うっ、くっ」
3人がが迫ってくる。
「我等は『シャドウガーデン』」
剣が振り下ろされ……。
ザシュッ!
男が斬られた。
「っ、貴方達は!」
赤と銀の瞳を垣間見る。
男達とは違う衣を纏った二人。
「シャドウに、シュヴァルツ……!」
そして気づく。シュヴァルツから溢れ出る殺気と魔力に。
「家族の名を騙りし愚者共よ。我が判決を言い渡す。ーーーー死だ!」
瞳に、怒りの炎が燃え盛る。
「……」
それを感じた男達が壁を蹴り、去っていく。
「シャドウ」
「こちらは任せろ」
風と共に、シュヴァルツが消えた。
「さて、ーーーーフン」
シャドウの掌から、魔力が注がれる。傷口に触れた瞬間、塞がった。
「治った……!」
「致命傷は治した。後は自らの手で癒やせ」
去ろうとする。
「待って……!」
立ち止まる。
「貴方達の、目的を教えなさい。その力を、何の為に奮うのか。何と、戦っているのか」
「……関わるな」
闇へと消えた。
「待ちな……さい」
意識を失った。
◆〜sideシュヴァルツ〜
2つの影が平坦な屋根に着地し、足を休める。そこへ……。
「グハッ!」
スライムの矢が貫いた。
「っ……!?」
「大罪人を逃すわけなかろう」
再度弓を構える。
「お見事です。流石シュヴァルツ様。これほど早く、確保なされるとは」
「ニュー……」
茶髪を靡かせ、静かに笑う。
「後はお任せください。情報を引き出します」
(皆殺しのつもりだったけど、確かに情報は大切か)
「いいだろう。鍛えた拷問技術、見せてみろ」
「はい」
「クソガッ!」
やけっぱちになり、男はニューへと駆け出す。
「死ね!」
丸腰のニューを斬るーーーーはずだった。
「ぐあっ!」
足を振り上げたニューが、男の右手を斬り落としたのだ。
男は血を噴き出し、無様に転がる。
「私はシュヴァルツ様ほど甘くない」
「うっ、があっ!」
ヒールで男を踏む。
「楽に死ねると思うなよ」
冷たな瞳が、恐懼へと導く。
「やはり終わっていたか」
音もなく現れる。
「シャドウ……」
《悪いなシド。あんな役回りさせて》
《いいよ。今回は君が一番怒ってるんだし》
《そう言ってもらえると助かる》
「ニュー、あの言葉、覚えているな?」
「はい。大罪人には死すら生温い地獄を」
「分かっているならいい」
「行くぞ」
「ああ」
寮へ戻る。
◇
「ふぅ」
自室でデュールへと戻る。
「さて……」
ベッドに置いてある手紙を手に取る。
「彼女のお迎えに行くか」
手紙が何かは、次回で判明します。