暗黒の破壊者になりたくて!   作:淫神リリム

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タイトルモチーフ「第9話 ダッシュで京都!修学旅行!」


第17話 ダッシュでお見舞い!選抜大会!

アレクシアが入院した。致命傷はシャドウが治したが、完治させたわけではないから当然だ。

 

「それで、気分はどう?」

 

登校前。俺は彼女のお見舞いに来ていた。

 

「快調、ではないわね。まだ少し痛むわ。それと、ありがとう。貴女が私を見つけてくれたんでしょ?姉様から聞いたわ」

 

「ああ。あの時はびっくりしたよ」

 

(俺とシドでの自作自演だかな)

 

寮に帰ってからの動きはこうだ。

 

部屋に到着→手紙が届いてる→路地裏で王女が倒れてるから助けにこい(byシャドウ)→アレクシアを病院に届けた。

 

と言う流れである。

 

「まっ、無理はするな。ほい、見舞い品」

 

朝イチで買ったフルーツバスケットを机に置く。大大大大大将軍と同じ内容だ。後チョコも。

 

「あら?それはチョコレート?」

 

「うん。なんか最近、流行ってるらしくて。とある伝で、最高級を手に入れた」

 

「へぇ、そう。最高級の……」

 

何故か頬を赤くする。

 

「……舌に合わないことはないと思うぞ」

 

「別にそんなこと思ってないわよ!」

 

大声で言われる。

 

「ほ〜ん。そっ」

 

「ーーーーところで、私が昨日遭遇した人斬りのことなのだけど……」

 

「ああ。アイリス様から聞いた。怪我の理由もそれだし、『シャドウガーデン』を名乗る偽物、なんだろ?」

 

「ええ。シュヴァルツは家族の名を騙りし愚者共、と言っていたわ」

 

(愚者共、ね。本当ならゴミクズと言いたかったけど)

 

シュヴァルツの性に合わない為、流石に抑えたが。

 

「だとすると、あいつら絡みかもな」

 

「この前言ってた、『ディアボロス教団』?」

 

「多分。ガーデンのことを知っているのは、極一部だから」

 

(ニューの拷問終わってるし、後で聞けば分かる)

 

「うし。じゃあ俺、学校行くわ。また来るよ」

 

病室を後にした。

 

 

放課後。一人でベンチに座り、足を休める。

 

(あの2人、マジで消そうかな?)

 

ジャガとヒョロのことだ。会った中で、今日が一番カスでゴミでクズで変態だと言うことがよく分かった。

一つ目、昨日のシドの野糞を言いふらした。シドは殴らなかったが、代わりに腹パン(見えない)しておいた。

 

二つ目、言ってた通り、チョコで女の子堕とし作戦を実行した。

まずヒョロ、婚約を控えてる人にプレゼントチョコをした。結果、その筋っぽい旦那さんに連れられ、ボコボコにされた。自業自得だ。

次にジャガ、簡単に言えば、ストーカー。相手の情報(スリーサイズや下着の色まで)を調べていた。んで、そのまま女子に凸り、「キャー!!ストーカー」と叫ばれ、おそらく騎士団行き。

最後にシドだが……トイレに行ってて見れなかった。

 

三つ目、シドをブシン祭選抜大会に入れやがった。作戦が失敗したことへの八つ当たりだ。流石のシドも、これには二人を殴った。

 

「はぁ、本当ドッと疲れた」

 

「隣、失礼します」

 

女性が座る。

 

「……ニューか」

 

「はい」

 

お団子ヘアに眼鏡をかけ、制服を着ていた。彼女の特技、変装だ。

 

「見たよ。今朝のアート作品(愚者の末路)。すごく良かった」

 

「お褒めいただき光栄です」

 

今朝、王都の大通りに凄惨な死体が吊された。腹に『愚者の末路』と書かれた遺体。顔からは恐怖と苦痛が滲み出ていた。最大限の絶望を与えたのだろう。

俺が施したのもあって、かなり成長している。

 

「それで、情報は?」

 

「残念ながら、引き出せませんでした」

 

「ニューが?もしかして、チルドレン3rd(サード)?」

 

「はい」

 

チルドレン3rd、もとい『ディアボロスチルドレン』。世界中の貧民街の子供を攫い、洗脳教育と薬物投与、戦闘訓練を積んだ者達のこと。

階級があり、3rdは精神が壊れており、与えられた命令しかこなせない。

2nd(セカンド)は3rdよりも強く、何より精神の安定が図れている。

1st(ファースト)は名を持ち、世界有数の実力者となる。

 

「おそらく『教団』の目的は、『シャドウガーデン』の名を騙り、我々を誘い出すことでしょう」

 

(反吐が出る作戦だ)

 

「それと先日、王都でネームドのチルドレン1stが確認されました。確認されたのは『叛逆遊戯』のレックス。

彼らは何らかの目的をもって集結していると思われますが、レックスを見失い現在調査中です」

 

「『叛逆遊戯』……」

 

(敵ながらかっこいいな)

 

「分かった。ありがとう」

 

「お役に立てて何より……」

 

(……ん?)

 

彼女を顔を見る。浮かない、物憂げな表情だ。

 

「未練、ある?学園生活に」

 

「っ……いえ」

 

抑揚のない声で答える。

 

(嘘、下手だ。いや、隠すのが上手い。上手すぎて、分かりやすい)

 

「ーーーーそっか」

 

立ち上がり、手を差し伸べる。

 

「買い食いとかしない?せっかく今は学生なんだし」

 

「そんな、私などと?」

 

「などなんて言わない。まっ、傑作を作ったご褒美だと思ってさ」

 

俺の意図を理解したのか、ハッとし、嬉しそうに笑う。

 

「承知しました。シュヴァルツ様」

 

「違う」

 

「え?」

 

「今はデュール・ホロブアークだ」

 

「はい」

 

手を取った。

 

「分かりました。デュール君」

 

その後門限までの間、買い食いや買い物などを楽しんだ。

このことをアレクシアが知り、自分が苦しむことになるのは、まだ先の話。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

狂ってしまうほどの熱気が、ドーム会場を包み込む。ブシン祭選別大会だ。

ブシン祭、2年に一度行われ、世界中の猛者達が集まる剣術大会。ちなみに、我らが団長のアイリス様も優勝している。

予選と本戦があり、この選抜で優勝すれば、予選をパスできる。

 

「勝者!クレア・カゲノー!」

 

(いやー、本当強くなったな。姐さん。

シドに『悪魔憑き』治療してもらったし、ラムダに鍛えてもらえば、『七陰』クラスまで強くなりそう)

 

「次、シド・カゲノーvsローズ・オリアナ」

 

(あー、ローズ先輩か。確か、2年生の最強格だったっけ?)

 

ローズ・オリアナ、『芸術の国オリアナ公国』の王女。この学園には、留学と言う形で通っている。

何回か会ったことあるが、いい人だ。真面目で、優しくて、人気もある。

 

「?」

 

シドが小さく「この幸運に感謝しないとな」と言った。

 

(幸運?何するつもりだ?目立つようなことはしないと思うが)

 

 

「……」

 

頭が疑問で埋め尽くされていた。

 

(いや、マジでさ、あれがモブっぽいと?)

 

先のシドの戦い。マジで何やってんの?と言いたすぎて呆れていた。

合図が鳴ると同時に、先輩に切り飛ばされ、血を吐いた。様に見せているが、斬られる前に血糊を食べ、それを吐いたのだ。『モブ式奥義・きりもみ回転受け身(ブラッディートルネード)』と言う奴だ。

 

(最初は良かったのに、何十発も耐えちゃったらモブじゃないよ)

 

その結果、審判に止められて、強制的に敗北。その後、担架で医務室へと運ばれていった。

 

(先輩のあの顔、「試合は勝ったが、心の戦いは負けた」と思ってる。

……多分敬意まで払われてる)

 

「勝者!ティーガ・マルチー!」

 

(おっ、次は俺か!)

 

そんな中、いよいよ俺の番が来た。

嬉々として剣を取り、観客席から離れる。

 

「湧いてきたぜ」

 

通路を通り、場へ出る。

先程よりも大きな歓声が上がる。

それも当然だ。何せ、対戦カードは……。

 

「来たわね。デュール」

 

「ウッス。姐さん」

 

3年生最強vs1年生最強だからだ。

 

「いや〜嬉しいッスヨ。また姐さんをボコボコに出来るなんて」

 

自分で言うのもあれだが、今はすごいニヤついた顔をしている。

だがこれは仕方のないことだ。姐さんを煽るの面白すぎるのが悪い。

 

「それはこっちの台詞よ。今度こそ、その気持ち悪い顔、ズッタズッタのギッタンギッタンにしてやるわ!」

 

「うわーやだー。怖いよぉ。降参したいよー(棒読み)」

 

「ちゃんと本気で来なさい!」

 

もはや殺意に近い闘志が彼女に宿る。

 

(やっぱ姐さん煽るの楽しーーー!!毎回毎回ムキになってくれるから、煽り甲斐しかないんよ。

さて、それはそれとして勝たせてもらう。シドからの許可も得てるし)

 

結果、俺の勝ち。若干苦戦しつつ、上手く立ち回って勝ったって感じ。

 

 

《残りの奥義を発表できる機会が有ると良いけど》

 

会場近くの道を、顔面包帯まみれのシドと共に歩く。

医務室で問題ないと判断され、俺が迎えとして行き、今はその帰りだ。

 

《はぁ〜、シド。やるにしても、3回までだよ》

 

《どうして?》

 

《だってさっきの、全くモブじゃないから》

 

《え?何で!?どこが!?どこをどう見ても絶対王者に無様に負けるモブなのに!》

 

シドが大きく驚いた。

 

《どこにそんな絶対王者の攻撃を何十発も耐えるモブがいるの?》

 

ビビーンと、シドに稲妻が落ちた。

 

《そ、そうか。確かに……。じゃあ、今の試合》

 

《目立ってた。「あの1年、中々やるな」とか言われてたよ》

 

《ま、まさか、僕の完璧なモブムーブがあぁぁぁぁ!!》

 

顔こそ涼しいが、声と心が悲痛に満ちていた。その時……。

 

「あの……」

 

後ろから、可愛い控えめな声が聞こえた。

振り向くと……。

 

「あ、あの。お怪我は大丈夫ですか?」

 

(……何故、ここに?)

 

桃色の瞳で、心配そうに見つめるシェリー・バーネットがいた。

 

 

立ち話は何なのでと、近くのカフェ?へ場を変えた。

 

「その……試合、見てました」

 

「そう?ありがとう」

 

シドが答える。

 

「剣術の試合とか、あまり見ないんですけど」

 

(だろうね。貴女は研究者だし)

 

「何度も立ち上がって、すごくかっこよかったです」

 

特大の笑顔を見せる。

 

(うわ眩し!なんだこの可愛さの塊みたいな笑顔は。

シドのほうは困惑してるし)

 

「あの先輩。一つ聞いても?」

 

「はい?」

 

「俺の親友と、いつお会いに?」

 

すると彼女は、頬を赤くして説明してくれた。

まず最初の出会いは、2日前。昼休みに、シドとぶつかったらしい。おそらくシドが、俺とアレクシアとの交際継続宣言を見終わり、教室に帰っている時だ。

そして昨日、あの最高級チョコを図書室でホイと彼女に渡したとのこと。

そして今日、チョコのお礼にクッキーを手渡した。

 

(間違いない。この子、シドに恋してる)

 

しかもシドは、好かれてることも、チョコを渡した相手だと言うことも分かってない。

 

(どうすっかなこれ。仲介して恋のキューピッドになるか、何もせず見守るか)

 

「もし宜しければ、お友達からお願いします」

 

「いいよ」

 

(なんも考えず答えただろ)

 

「やった。やりました。お父様、友達になりました」

 

後ろにいるルスラン副学園長にそう告げる。

彼は優しい目で、俺たちを見ていた。

 

「同席させてもらうよ」

 

こちら側に来た。

 

(この雰囲気……俺空気だな。試合でも観るか?)

 

ちなみに、護衛のお二人はある程度離れて見守ってる。

 

「やっぱり、どこか痛いんですか?」

 

「いやいや、大丈夫」

 

「ちゃんと医師に診てもらいなさい。いいね?」

 

コーヒーを飲みながら、聞く。

 

「この子は研究一筋でね。今も騎士団の依頼を受けて、研究に没頭している。

そのせいで、ろくに友達もいなくてね」

 

「もぉ、お父様!」

 

「ハハハハハ」

 

笑いながら、彼女の頭を撫でた。

 

「今はこうしているが、昔は色々あったんだ。出来れば、仲良くしてやってくれ」

 

(義理とはいえ、本当いい親子だ。

見てるか?ライダーのクズ親父共。少しでもルスラン副学園長を見習え)

 

「この場で聞くのもあれですが、例のアーティファクト、どうですか?」

 

気になった為、聞いてみた。悪意探知眼(仮称)も発動し、教団員らしき者もいないので問題ない。

 

「えっと、ごめんなさい。貴方は?」

 

「あ、俺は」と説明しようとしたら……。

 

「デュール・ホロブアーク君だね?」

 

「え?あ、そうです」

 

「噂で聞いているよ。一年生で最強だと。後、依頼の時もいたね」

 

「え。とゆうことは、『紅の騎士団』の人ですか?」

 

「はい」

 

「ご、ごめんなさい。あそこにいた人たち全員は覚えてなくて」

 

勢いよく頭を下げた。

 

「いえいえ、俺ただ何も喋らず突っ立ってただけですし」

 

《デュール知り合いだったの?》

 

《前話したじゃん。『紅の騎士団』の調査依頼で会ったって》

 

《あれ?そうだっけ?》

 

(この様子だと、ニューの報告とか全く聞いてないな)

 

「それでえっと、アーティファクトの話ですよね?」

 

「ええ。気になっていたので、聞いてみようかなと」

 

彼女が後ろを向き、グレンさん達を見る。

すると、「話しても大丈夫」とサインが出された。

 

「あれの進捗は順調です。このまま行けば、5日後には調べ終わると思います」

 

「へ〜、そんなは……や、く」

 

ふと、副学園長の方を見た。その老体には、他と比較にならない赤いオーラが見えた。

 

「どうしたんだい?」

 

「え?あいや、何でもないです」

 

次にはそれが消え、青く優しいオーラが見えた。

 

(気のせい……だったのか?)

 

その後の雑談の内容は、はっきりと覚えていない。




ナンバーズの中だったら、ニューが1番好きです。皆さんはナンバーズだったら誰が1番好きですか?
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