日が完全に沈んだ頃。
黙々と先輩が調整をしている。そして……。
「出来ました!」
例のものが光った。調整が終わったのだ。
「これで魔力を封じてる『強欲の瞳』を制御できます」
「ようやく生徒たちを助けられる」
「それで、隠し通路は?」
「はい。お父様が言うには……」
部屋の本棚をいじる。すると、それが動き、通路が現れる。
(おー、俺やシド、いいや、男の子が大好きな仕掛けだ)
「じゃあグレンさん。マルコ先輩。作戦通り俺たちは」
作戦とはこうだ。
シェリー先輩が隠し通路を行き、大講堂の2階にスタンバイ→そして俺たち3人は、裏口から1階へ突っ込み『強欲の瞳』を奪取→先輩に制御装置を投げてもらい、吸収を停止させる。
ちなみにシドは、傷を負っておる(フリ)ため、ここで待機(本人は「モブっぽい」と喜んでたけど)。
「今度は私が、お父様を助けるんだ」
先輩がランタンを持ち、入っていった。
それに合わせ、俺たちも移動を始める。
◆〜side痩せ騎士〜
黒い甲冑を纏い、静かに佇む者が一人ーーーー痩せ騎士と呼ばれてる者だ。
その者の手には、『強欲の瞳』が握られている。
「まだか。……レックスは何をやって」
「そこまでだぜ。『ディアボロス教団』!」
裏口が開き、3人が入ってくる。
すぐに3rdが向かうが、斬り伏せられる。
「何をしている。やれ……!」
「はっ!」
2ndもそいつらに向かう。
「ふっ!」
マルコが1人を刺し。
「はっ!」
グレンも1人を斬る。
「でりゃっ!」
銀眼の少年が10人ほど刺し殺し、こちらに向かってくる。
「チッ」
剣を抜き、薙ぐ。が……。
「よっと!」
それを避け、瞳を奪われる。
「先輩、投げて!」
◆〜sideデュール〜
「先輩、投げて!」
「はい!」
身体を乗り出し、装置を投げた。
填まった瞬間、光り輝く。
(練れる。普通に魔力が練れる)
「魔力は解放された。反撃の時だ!」
ローズ先輩も気付いたようで、3rdから剣を奪い、皆に指示する。
「よっしゃ!これで」
「返せ!」
「うわっ」
2ndに瞳を奪われ、黒甲冑へ渡される。
「やべっ。まっ、いっか(小声)。反撃じゃいボケナス!」
皆も剣を奪い、応戦していく。だが……。
「グアッ!」
「アガッ!」
少しずつ、生徒が斬られていく。それもそのはず、あくまで解除したのは吸収。魔力が戻ってくるわけではない。こちらが不利なのは変わりない。
(さぁ、そろそろだ。シャドウ、シュヴァルツ!)
パリィィィィィン!
天井のガラスが割れた。
◆〜sideシュヴァルツ〜
シャドウと共に天井を割り、大講堂の中心へ着地する。
「見事だ。美しき剣を振るう者よ」
ローズ先輩に向け、シャドウが言う。
「フン」
パチン!
俺は指を鳴らし、白の魔力を全体に降らせる。生徒達の血が止まり、傷が塞がっていく。
「これは……」
「「我らは『シャドウガーデン』」」
「「「「「「「「「「陰に潜み、陰を狩る者」」」」」」」」」」
俺たちに続き、後続の者たちも発する。
剣を下ろし、戦闘の合図を送る。
「……」
黒甲冑は手を伸ばし、応戦の指示を出す。
キィン!キィン!キィン!
「ぐわっ!」
「のあっ!」
次第に陰が、やつらを切り裂いてゆく。
「今のうちに講堂を出るんだ。意識のない者を運び出す」
(流石ローズ先輩。的確な指示だこと)
チラリと前を見た。黒甲冑が消えていた。
《シャドウ》
《ああ。分かっている》
だが次の瞬間……。
ボワァァァァァァ!!!
「火だ!火が回るぞ!」
(っ、あの甲冑野郎、やりやがった!)
「シュヴァルツよ。この場は任せる」
「ああ。行け」
シャドウが消える。
《さて、彼女の方は頼むよ。デュール(本体)》
《ああ、指示は任せた。シュヴァルツ(分身)》
◆〜sideシェリー〜
「お父様、どこなの?」
燃え盛る炎の中、一心不乱に走る。そこへ……。
「見つけましたよ。シェリー先輩」
「デュールくん……」
いつになく真剣な顔つきのデュールが現れる。
「副学園長を捜しているのでしょう?」
「はい」
「ーーーー貴女の選択肢は二つ」
「え?」
「真実を知らずに副学園長を捜し続けるか、俺と共に残酷な真実を見届けるか。決断してください」
彼が何を言っているか、分からなかった。
しかしはっきりと分かることは、前者を選べばきっと後悔すると言うこと。
「ーーーー見届けます。お父様の真実、なんですよね?」
「ええ。きっと残酷で、救いのない真実です。それでもですか?」
「はい」
「分かりました。俺につかまって下さい」
彼の腕を掴む。
「それじゃ」
『WARPTERA』
『ドレイン』
おそらくスチームライナーの次くらいには消費してるであろうワープテラ。能力便利すぎますね。