「変身」
『ドレッド 弍式』
零式を元に、左肩に赤鬼が融合する。
「字は、仮面ライダードレッド弍式。お前と言う悪を砕く。ただそれのみ」
やつは驚く。が、すぐに余裕の笑みを浮かべる。
「……報告にはない姿……。だが私も剣に生きた人間だ。向かい合えば、大体のことは分かる。今の私では分が悪いこともな。
悪いが、最初から全力で行かせてもらうぞ」
瞳を取り出す。
「『強欲の瞳』の真価は、その制御装置と二つ合わせて発揮されるものだ。このようにな」
魔力を解放する。赤黒い魔力渦がやつに集まる。
「今こそ私は、生まれかわる……!」
ゼノン同様、肌がダーティーに変化し、目が赤に変わる。
「素晴らしい!素晴らしいぞ!力が戻る。病が癒える。分かるか!この荒れ狂う魔力が!人間を遥かに超えた力が!」
(醜い。全てが醜い。穢れしかない姿も。力に心酔する様も)
「まずは貴様で試すとしよう」
圧倒的なスピードで迫り、剣を振るってくる。
「フン」
しかし、それを棘のついた左腕で防ぐ。
「よく防いだ。ならばこれはどうだ!」
様々な剣撃を左腕だけで防ぐ。
「フッ、認めよう。貴様は強い。その強さに敬意を表して、私も本気を出すとしよう」
赤黒い魔力が剣に宿る。
「私に本気を出させたこと、あの世で誇るがよい!」
迫る。
ギィン!
「何っ!?」
右手で剣を受け止める。
「はぁっ!」
ガラ空きの腹を左手で殴る。
「ごふっ!」
「どらっ!」
外へ投げ捨てる。
◆〜sideシュヴァルツ〜
ガンマやシュヴァルツを含めた他のメンバーは、学園周辺で待機していた。
(そろそろ終わる頃だと思ったが……ん?)
大ジャンプしてくるシドが見えた。
「っと、ここに居たんだガンマ達」
「主様!?」
その背中には、シェリー・バーネットが背負われていた。
「この子を頼むね」
「はい」
「シャドウ。本体がやつと対峙してるのか?」
「うん。地獄の果てを見してやるって」
「なるほど」
その時……。
ドォォォォォォォン!
副学園長室の壁が壊れ、ルスランが飛んでくる。
その奥に、赤と黒の鎧が見えた。
「まぁ、あのお姿は……」
「へぇ〜。久々に見たね」
ガンマとシドが唸った。
「シュヴァルツ様。失礼ながら、あのお姿は?」
ニューが言った。
「ん、ああ。あれは仮面ライダードレッド弍式。零式の強化型だ」
「っ、あの零式の強化、ですか……」
「そう。別名、『赫怒の鬼神』だ」
(まさか弍式になるとは……相当怒ってるな)
弱まり行く火と共に、戦いの行末を見守る。
◆〜sideデュール〜
「っと」
2階から飛び降りる。
「ぐっ、ぬぅ」
ルスランの腹からは、ポタポタと血が垂れている。
「所詮はその程度か」
「何を!」
「お前は瞳を『使っている』と思っているようだが、逆だ。『使われてる』んだよ。瞳に」
「黙れ!」
またしても剣が迫ってくる。
しかし今度は、脇腹で受け止める。
「教えてやる。道具の使い方をな」
右手に金棒ーーーー『ブラッディーDO』を錬成する。
「どぅら!」
それを振るい、右腕を叩き千切った。
「がぁっ!」
噴き出し、地面が赤で染まる。
「はっ!どらっ!ぬぅら!」
次々と叩き込み、壁際へと吹き飛ばす。
「さぁ、終わりだ」
カードを1枚取り出す。
『KAISERBEE』
『ドレイン』
レバーを操作する。
『ブラッドレイン』
DOの先端に大針が生える。
「確か、身体の先から中心へ突いていき、最後は心臓を突き刺し捻る、だったか?」
それに倣い、身体の先から中心へ突いていく。
「ゴッ!ガハッ、ガァッ!」
「最後に、言い残すことは?」
DOを向け、問う。
「ハハハ、ハハハハハ」
嘲笑った。まるで俺ーーーーいや俺たち(『シャドウガーデン』)に向けて。
「あん?」
「貴様らがどれだけ強かろうともう終わりだ。一連の事件全て、貴様らの仕業になるよう手筈を整えた」
「……」
「証拠も証言も全てだ。これで貴様らは反逆分子として世界中から追われる身。いくら強かろうとどうにもならんよ」
(こいつ、そんなことまで)
「滑稽だな」
後ろから声がした。
「「シャドウ……/シャドウ!?」」
余裕の足取りで、俺に並び立つ。
「元より我らは正義の道を行く者ではなく、しかし悪の道を行く者でもない。
我らは、我らの道を行く者」
(我等の道、か。シャドウの言う通りかもな。じゃあ俺も)
「もしお前に出来るなら、世界中の罪でも持って来い。全部、俺たちが引き受ける」
「それでも我らは変わらぬ」
「「我らは成すべきことを成す」」
「世界を敵にして、恐れぬと言うのか!それは傲慢だぞ。貴さm」
ザシュッ!
心臓を刺す。
「ならばその『傲慢』を『絶対』に変えてみせる」
引き抜く。
「「……」」
《……本当にごめん、出番取っちゃって》
《いいよ。僕も言いたいこと言えたしね》
心から満足そうな声で言う。
《ああ、サンキュー》
(さて……)
ガンマ達の方へ向く。
「撤退だ。騎士団が来る前に」
「承知しました」