なんかバグってたので直しました。
「ヒャッハー!!金出せおらぁ!」
「うわっ!なんだこのガキ共」
「俺知ってるぞ。最近有名になってる盗賊狩り共だ」
シドの相棒になって3ヶ月。
あいつのこともよく分かってきた。
まずダサい。自己紹介の時に言ってた『スタイリッシュ盗賊スレイヤー』とか。さっきのチンピラ見たいな言い回しとか。
本当に、心配になるほどダサいのだ。
「なんか失礼な事考えなかった?」
「……気のせいだろ」
「ふぅ〜ん。取り敢えず気合い入れてよ。今夜は、『スライムボディスーツ』の試運転なんだから」
そして頭がいい。さっき言った『スライムボディスーツ』がいい例だ。
この世界には『魔力伝導率』、簡単に言えばどれだけ物質に魔力を通せるかを示した数値がある。これは50%でもすごいのに、このスーツは驚異の99%。
それだけじゃない。ドライバー以上の携帯性と軽さ。付け心地も快適で、鎧の上位互換だ。
「うらよっ!」
スライムを鞭にし、勢いよく賊共の首を刎ねる。
(攻撃にも使えて、マジこれすげぇ。
なにより、ドレッド以外の手段が増えたのがありがたい。慣れたとは言え、負荷自体はあるし)
「次はこれだ」
極細の棘に変化させ、放って突き刺す。
「うぐっ!」
「ぬがっ!」
また一人、また一人と倒れていく。
「そっちは終わった?」
「ああ。
こいつもかなり使いやすいし、実験は成功だな」
「それは良かった。さて……」
「ああ」
賊のアジトに入る。
「「宝探し/ゴージャスタイムだな(だね)」」
そうしてお小遣いになりそうなものを探していると……。
ゴトッ!
「ん?」
「どうしたの?」
「今なんか揺れなかったか?」
ゴトゴトゴトゴト!
「ほら」
「あの檻じゃない?」
覆いのかかった檻があった。
取ってみると……。
「っ、……これって」
そこには、赤紫のブヨブヨがいた。
「腐りかけてるけど、まだ生きてる。
てことは、ーーーー悪魔憑きだね」
『悪魔憑き』、突然痣が全身に現れ、体が腐敗していく女性限定の不治の病ーーーーなのだが、『教典』擬きによると、かつてディアボロスが英雄たちにかけた『呪い』らしい。
普通は『教会』が買い取り、浄化もとい処刑する。しかし『教団』との繋がりがあるため、実験などに利用されている。
ちなみにこれらをシドに話したが、「すごい。いい設定考えたね」と信じてもらえなかった。
(まさか、生でこれを見るとはな……)
「この波長……知ってる。
デュール、これ魔力暴走と同じだよ」
魔力暴走とは、名の通り魔力の制御がきかなくなる状態。
1ヶ月前に俺もなり、その時はシドが治してくれた。
「魔力暴走?不治の病じゃないのか?」
「うん。ほら、こんな感じで……」
肉塊に魔力が注がれる。瞬間、苦しみだす。
「ちょおま、何して!?」
「いや〜、自分じゃないから実験にちょうどいいなあと思って」
(マジかこいつ。倫理観ないとは思ってたが、ここまでとは……)
「シド、これ以上はダメ」
「え?なんで?」
「これが魔力暴走なら、俺みたいに治せるんだろ。だったら、救ってあげて。
それができないなら、俺がこの子を預かる」
「……え〜、でもなあ〜」
◇
色々と話し合って、条件を決めた。
・実験をしてもいいが、期間は1ヶ月。それ以降は治す事。
・もちろん死ぬような実験はしない事。
・これらを破った場合、コンビを解消する事。
そして今日はその1ヶ月後。根城とした廃村に到着したのだが……。
「良かった。治ったんだね」
着いた時、シドがちょうど直し終わっていた。
なんと金髪のエルフ。しかも10歳くらいの少女。
「正直、忘れてるかと思った」
「デュールを失うのは嫌だからね。ちゃんと守るよ」
「そっか。それより、この子裸だから……」
取り敢えず、そこらにあった毛布を被せた。
「それでさ、シド。この子どうする?」
「う〜ん。そうだ!いいこと思いついた」
シドがカッコよく木箱に座る。
「……もしかして、陰の実力者プレイに付き合わせる気?」
「That's light.流石、よく分かってるね。ほらほら、デュールは僕の隣に立って」
「はぁ、まあいいか。オッケー」
スタンバイが完了すると同時に、エルフが目を覚ました。
「……あ、れ?」
「目が覚めたか」
「っ!?私の、体が、元に戻ってる」
「君にかけられていた呪いは解いた。これで君は自由だ」
(あ、『教団』を使うんだ。てっきり、忘れてると思ったけど)
「呪い?」
「呪いとは、ーーーーーーーー英雄の子孫である君たちにかけられた呪い。恐ろしき、ディアボロスのね」
「ディアボロス!?あの、御伽噺の?」
蒼の瞳から、驚愕が見て取れる。
「驚くのも無理はない。だがあれは、『物語』ではなく『歴史』。実際の出来事だ」
(人を信じ込ませる演技は上手いんだよなあ。
さて、俺も少し喋るか)
「魔人が二度と自分の命を脅かすものが現れないように、と。かけた呪いが、悪魔憑きだ」
「だがそれを、何者かが捻じ曲げ、蔑まれる存在へと変えた。その黒幕の正体はーーーーーーーー」
シドの黒目が俺に言う。「名前なんだっけ?」と。
(キリが悪いな。忘れてるなら、そこまで言わなくていいのに)
「『ディアボロス教団』。それが正体だ。奴らはディアボロスの復活・私物化を暗躍している」
「その野望を止めるのが、我々の使命」
(んじゃ、タイミングもいいし、ここらで……)
「君の選択肢は二つだけ。この事を忘れ、この場を去るか。我らと同じ道を行くか。決断しろ」
「その台詞取らないでよ」と目で訴えてくるが、気にしない。
「病に……いいえ、呪いに侵され、全てを失った私を貴方方は救ってくれました。貴方方のために、私も命を賭けましょう」
「ーーーー後戻りはできないぞ?」
「ええ。それでいいわ」
瞳は揺るがず、俺たちを見る。
(マジかよ。この子、覚悟ガンギまっちゃったよ。
あぁ、これ以上巻き込むつもりなかったのにな)
「我が名はスタイリ……シャドウ。陰に潜み、陰を狩るもの」
(あっ、改名するんだ。じゃあ俺は……)
「『漆黒』ーーーーシュヴァルツ。暗黒の破壊者だ」
「シャドウに……シュヴァルツ」
「敵はおそらく強大な権力者とかだ。真実を知らずに操られてる人もたくさんいる」
「だが立ちはだかるなら、容赦無用。
罪人には罰を、弱者には慈悲を」
「他の子孫たちも見つけて、保護する必要があるわね。それに、組織の拡大に拠点の整備。それを成すための資金までも。やることは山積みね」
「あ、うん。では、これより組織の名は『シャドウガーデン』とし、君はアルファと名乗れ」
「アルファ……いい名前ね。ありがとう」
「今日よろしくな。アルファ」
「ええ、よろしく」
こうして、『シャドウガーデン』は結成した。
主人公がシドの初めて(の魔力暴走の治療)奪ったから責任取らないといけませんね。