クライはオークションにてグラディス家のエクレール嬢が二億で落札してしまった仮面の宝具をアーク達、≪聖霊の御子≫に取りに行かせた。
仮面の宝具は『
『進化する鬼面』は強力でもあるが力に呑まれたりして暴走もしやすいのだ。あまりに危険だからこそ、取りに行かせたのだ。
無論、自分がゴーレムをオークションで競り落とすために『進化する鬼面』を囮にしたのがエクレールが落札する興味を示した原因なのでそうした事に対するグラディス家への詫びを書いた書状、オークションでエクレール嬢が払った二億の倍の四億もアーク達に渡してだ。
そして、リィズとシトリーには『進化する鬼面』を出品したアーノルド達、≪霧の雷竜≫から『進化する鬼面』が二億で売却されたその価格から取り分を回収に行かせた。
本当のところ、『進化する鬼面』は『知識の蔵』なので二億どころじゃないし、十億よりも高く買い取られたりするほどのものである。
まあ、クライが興味を示していると噂を出さなければ、もっと安値になった可能性は高いが……。
そもそも変に舐められたりするのも困るので威圧担当にリィズ、交渉兼駆け引き担当としてシトリーの二人を≪霧の雷竜≫の元へと向かわせたのだった。
そうして、しばらく待っていると……。
「ただいまぁ、クライちゃん」
「ただいま、戻りましたクライさん」
リィズとシトリーの二人がクランハウスに戻る。
「うん、お疲れ二人とも……それで取り分はどんな感じ?」
「一億一千万ギール貰ってきましたよ」
「無難に一億ずつでも良かったけど、流石、シトリー、上々だ」
「ありがとうございます」
クライがシトリーを褒めれば、彼女は嬉しそうに微笑む。
「クライちゃん、クライちゃん。私もちゃんとビビらせてやったよ」
「うん、駆け引きにおいては相手をビビらせれば精神的に有利になれるし、良くやってくれたよ。本当に良い子だ」
「んぅぅ、えへへ……」
リィズは特にクライからのスキンシップを喜ぶ。近づいてきた彼女の頭を撫でたり、頬を撫で、顔を弄ったりする事で満足させていった。
そうして、シトリーとリィズはシトリーの家に帰っていった。
その後……。
「≪千変万化≫……アークを派遣してくれた事、感謝する」
「いえ、こちらこそ面倒な事に巻き込んでしまい、申し訳なかったエクレール嬢」
「クライ、グラディス伯爵から詫びは受け取るが元々、娘が払った分の二億は彼女の勉強代だからいらないそうだよ」
アーク達はエクレール嬢と共にクランハウスにやって来て、『進化する鬼面』と公爵からの書文と二億を渡してきたのであった。
ともかく、誰かに売るには危険なのでとりあえず、クライは『進化する鬼面』を預かる事にしたのであった……。