二十四話
クライは『ゼブルディアオークション』にて、『アカシャの塔』におけるノト・コクレア一派が残した遺品になっている『アカシャ・ゴーレム』を競り落とした。
更に『アカシャ・ゴーレム』を競り落とすための囮としていた仮面の宝具である『進化する鬼面』をグラディス家のエクレール嬢が競り落としてしまったが、危険なものなのでグラディス家と友好的な関係であるアーク達に引き取らせに向かい、見事に引き取らせたのであった。
『進化する鬼面』は制御できるなら相当な強化となるので有用だし、売るところに売れば十億以上で買い取られたりもする。なので結果的にクライはかなりの得をしたのである。
こうして、ゼブルディアオークションが終わると……。
「また、手紙が増えたなぁ」
「お疲れ様です。本当に」
クライはクランマスター室で手紙の山から手紙を一つずつ取り、素早くペーパーナイフで封を切って手紙を読みながら呟くとエヴァは苦笑しながらコーヒーを置いた。
クライの元には何らかの助力を乞う手紙、あるいは個人的な依頼状、パーティーへの招待状にお礼状など色んな貴族の家や商人からの手紙が送られてくるのである。
レベル8のトレジャーハンターであるクライと繋がろうとする者は多い。
無論、それは友好的になろうとする者もいればただ、利用しようとする者もいる。
クライは手紙を読みつつ、元々、関係を築いている者へは返事を書いたり、気になる者の情報は探るしで上手く立ち回っている。
「エクレール嬢からだ……詫びとして紹介したケーキは気に入ってもらえたようだね」
エクレールには自分の企みに巻き込んでしまった責任がある。なのでクライはケーキが好きだとアークから聞いたのもあり、帝都でお勧めのケーキ店を紹介した。
エクレールはそのケーキ店でケーキを購入して食べたようで美味しかったと霊を書いたお礼状がクライに送られ、クライは笑みを浮かべた。
そうして、クライは手紙を読みながらその返事を書いていき、他にもいろんな書類仕事を片付けていったのである。
その後も普段はクランマスターとして執務に励むクライであったが……数日後。
「ティノが≪始まりの足跡≫所属なのはすぐに分かるのに手を出してくるなんてね」
「まったくだよねー……大規模だが何だか知らないけど、私達に喧嘩売って来るなんて舐められてるって事じゃん」
「まあ、やり方は姑息ですけどね。この人たちも情報は持っていませんし」
「すみません、ますたぁ。期待に沿えず」
「いやいや、ティノは良くおびき寄せてくれているよ」
ゴーレムを落札させたティノに対し、『アカシャの塔』は動くだろうと踏んで何度か囮になってもらっているが『アカシャの塔』は人を殺したり、攫ったりするのを仕事として請け負うレッド・ハンターの男女3人を送って来た。
それをティノから離れて様子を見ていたリィズとシトリーが襲撃して捕え、『ゼブルディア南西退廃都区』に連れて行き、シトリーが禁制のポーションを使って情報を聞き出した結果、雇われた者達は『アカシャの塔』の事を知らなかった。
「さて、どうするかな?」
クライは捕らえた三人の身柄をシトリーに任せつつ、『アカシャの塔』との対決をどう立ち回るか考えるのであった……。