HERO使いの初恋のかっこいいお姉ちゃんが挫折して心折れてたので貰ってきます。 作:陰キャ姉フェチシスコン侍
『歴史ある大家の面汚しの面汚し』『先祖に顔向け出来ぬ落ちこぼれの中の更に劣等種』『切り捨てるべき汚点』
以上が嘗ての俺、
「な、何なんだよオマエ!? 五年前に本家に追放されたんじゃなかったのかよ!?
落ちこぼれが外界で遊び惚けてて、何でそんな力を!!」
E・HERO シャイニング・フェニックスガイ ATK3400
「俺が遊び惚けてたかはさておいて、だ。
素晴らし~い名家の大層ご立派な修行を受けていた様子の元猿山のボスさんに置かれましては、その五年間ドブに捨てた方がマシな人生になったんじゃないか?」
「な、なんだと!! この
「おっと、もうその呼び名は返上させて貰うぜ。ああ、勘違いすんなよ? 面汚しの部分じゃない。
今の俺の名は『
「俺のヒーローはお前のヒーローより攻撃力が低い。だが分かってるよな? お前は自分の出したカードで負ける。
さあ、目覚めろ。歴戦のヒーローたちよ!」
フィールド魔法 摩天楼-スカイ・スクレイパー-
『E・HERO』モンスターの攻撃力は自身より攻撃力が高いモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ、1000ポイントアップする
「く、くそっ……クソ糞糞糞ガアアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!」
「フェニックスは戦闘で破壊は出来ないが、
灰になっちまえ。ご自慢のヒーロー様の光だ。ほんもーだろ」
「ぎぃああああああーーーー!!!!」
「…………ガッチャ、俺だけ愉しいデュエルだったぜ。なんてな……」
昔落ちこぼれくんをイジメて楽しんでいたおサルの大将を蹴散らして、俺はえらそーにふんぞり返ってデュエルを観戦していたジジイに歩み寄る。
「見事なデュエルだった。遊覧。
まさかあの融合を引き込むことすら出来なかった落ちこぼれが、
「世辞も御託も結構だ。
アンタらのオーダー通り、デュエルは見せた。俺は約束を果たしたぜ?」
「…………そう、だな。
おい、誰か美月を連れて来てくれ」
「ごけっこー。どうせ古臭い仕来たり宜しく、部屋は変わってねえんだろ? 勝手に行って勝手に攫ってく」
「好きにせよ。娘はもはや、
俺は背後で何かホザいてる父親失格をスルーして、覚えのある屋敷に土足で駆け込む。
屋敷は
だが、目的の部屋までの道は覚えている。と言うか、他の部屋は便所一つだってわかりゃしない。だがそれでいい。どうせ不要な情報だ。
目的の部屋の前に着く。さあ、襖を開けて勝利の報酬を頂いて帰ろうか。
ガラリ。
「おい美月! 落ちこぼれて引き篭りになったんだってな。白馬の代わりにバイクに乗った王子様が迎えに来たぜ!
心身諸共俺のモンになりな!!」
「え……?」
中に居たのは昔、落ちこぼれだった俺を唯一庇ってくれた初恋の少女ーー美月。
そんな相手との五年振りの再会は。
「…………は?」
「あ、え、アレ……?? え、ゆうくん……だよね??」
「……えーっと、美月??」
「あ、うん。そうだよ……ひ、久しぶりだね。げ、元気そうで良かったよ。
あ、遊びに来てくれたのかな? ちょっと待っててね、今ジュースでも……ぷゃっ!?」
立ち上がろうとしたのを、自分の上着を被せながら押し戻す。
「立つな立つな立つな!!」
「ど、どうして……? お姉ちゃん、立っちゃだめ??」
「当たり前だろそんなこと!! っつーか、自分の姿を見て言ってんのか!?」
「姿………………あ///」
暫く自分の首から下を見て、ようやく事態を把握した美月が赤面する。
彼女は、一糸纏わぬ生まれたままの姿だった。
「ひぃ……きゃあああああ〜〜っっ!!」
「暫く見ない間に、あのカッコよかった姉ちゃんが、だらし無くなったもんだ。
腹周りとか」
「う、うう……ゆ、ゆうくん。女性にそういう事を言っちゃう子は、お、お姉ちゃんきらい……だよ!」
「…………フッ。ははっ。
ああ、良かった。カラダがだらしねえのはともかく、人格までは完全に緩んじゃ無かったな。めでたしめでたし」
「〜〜〜〜っっっっ!!」
それから半泣きでへにょへにょと殴られた(殴打の擬音としては間違ってるが、そうとしか言いようがない)後に、部屋を押し出された。
そんで着替えが終わるとまた招き入れられたので、事情を説明した。
姉ちゃんが落ちぶれたことを知ったこと。(またへちょへちょされた)
宗主……と言うか姉ちゃんの父親に直談判して、姉ちゃんを貰っていくことにしたこと。
後は説得に時間をかける……つもりが、拍子抜けする程ホイホイついてくることになったので、取り敢えず家の外に出ることにした。
「あの、ありがとうね。ゆうくん……外で頑張ってたのに、お姉ちゃんを保護しに来てくれて……」
「保護……? 俺は初恋の女を奪いに来たんだが……」
「……………………そ、それって……け、結婚??」
「そのつもりだ」
「あ、あわわわわ……!? え、えっと。助けてもらってなんだけど、お姉ちゃんゆうくんのことは弟だと思ってて、結婚するなら年上の男の人が良いなって思ってて、その……!!」
「知ってるよ。昔よく言ってたのも覚えてる。白馬の王子様が〜ってな。
だから『奪いに来た』んだよ。心身ともに。いつか、必ずな」
「あ、あわわわわわ……ど、どうしよう。お姉ちゃん、チューとかしたほうが良いのかな!?」
「先ずは適度な運動とかじゃないか?
最終的に俺がいるとは言え、理想の年上の男と結婚したいんならやっぱ、腹の贅肉とか腰の贅肉とか、落としといた方が後々困らなーー」
「ううう〜〜…………!」
このあと道中、ずっとへちょへちょされてた。
遊戯王的には、HEROをメインにした話が書きたくて。
ラブコメ的には昔はカッコよかったお姉ちゃんを書きたかった。
親和性は高い。ヨシ!