と言うわけでこの作品は投稿者の表現力と構成力を鍛えるために作った節もありますので生温かい目で見ててください。
それと、こんなに時間が経っているのに見てくださっていることに驚きました‼︎ありがとうございます‼︎
紅魔館編 その1
紅魔館編その1
朝の目覚めは、ここに来て一番の良いものだった。あの夜は八雲紫に来ないように釘を刺されたため、どんなやりとりがされたのかは分からなかったが、最初の夜から心なしか暗いように思えた慧音先生は昨日の夜の事ですっかり機嫌を直したようだった。
事態が起こった最初は、自分が大きな事件の渦中に入ったのだと心を躍らせていたが、詳細を聞けばあの些末である。本音を言えば、刺激が足りなかったのだが、異変なんて物にそうそう一般人の俺が巻き込まれるはずがない、と思うと落胆まじりに少し納得できた。
なんにせよ、それきりで事態が丸く収まってくれたのはありがたいことだった。美人に暗い顔は似合わない。いや、美人の暗い顔はどことなく男心をくすぐるのだが、それはそれでまた違ったものである。
先生は朝餉の支度を終え、テーブルの向かいに座ると、大きな白い紙を広げてみせた。そこに書いてある文字を見てみると『文々。新聞』と可愛い文字で書かれた瓦版だった。早い、流石天狗早い。ジェバンニならぬ文が一晩でやってくれました、とでもいうべきだろうか。
先生が読み始めた当初は、少し難しい顔をしていたがしばらくみるとその顔は微笑みに変わっていた。
「もしかして、昨日のことですか?」
「あぁそうだ。何を書かれるか少し冷や冷やしてはいたが、どうやら私の杞憂だったようだ。読んでみるといい。君のことも記事に書いてあるぞ」
渡された瓦版を手にとって読んでみると、確かに昨日の稗田邸での出来事そこにが書いてあった。書いてあるとは言っても、そこに過去の寺子屋で刃傷沙汰があったということは伏せられており、「子供特有の心の問題」とオブラートに包んだ内容となっていた。明確に物事を書かないということは記者としては如何なものかと思うが、その紙面には加害者被害者の心情を察しているのかどこか温かみが感じられた。
そして俺のことが書いてあるという記事の紙面を見ると、「謎の制服少年、古本屋店主との秘密のデート?幻想郷に駆け巡る青春の匂い」
と、まぁ小学生の女子でも考え付くようなタイトルと、有る事無い事をデタラメに書かれた文書が目にとまった。まぁどの道購読数なんて然程でもない新聞と聞いているのでそれほど話題にされるほどでもないとは思うが、これほどデタラメに書かれると、人里を歩くのに少し気がひける。
「俺、これじゃあ人里で歩くの辛いなぁ」
「そうだな。二つの話題に書かれているのだから、君を見る目は普通の外来人のそれとは別だろうな」
「二つ?」
「まだ見終わってなかったのか?ここだ」
先生の指差す方を見ると、さっきのデタラメ記事の最後の方に
「この少年、実は一面の記事の提供者でもあり、八雲紫との関係もある。ひょっとすると、次に起こるであろう異変に一役買ってくれるのかもしれない」
と書いてあった。面倒事を持ってくるのは二次創作と同じのようだ。
俺はこの記事を読んだ後二度目の溜め息をこぼすと、玄関の方から戸を叩く音がした。
「……俺が見てきます」
「あぁ、人気者は辛いな」
「はーい。今あけまーす」
玄関を開けると、そこには人の影すらなかった。目の前にあったのは真っ赤な便箋一枚のみであった。
「どうした?」
「いや、開けたら人が居なかったんですよ。あったのはこの赤い便箋だけでした」
「フフッ、ひょっとするとラブレターなのかもな」
「ちょっと!からかわないでくださいよ」
俺は色からして大体わかる便箋に嫌な予感を感じつつ中身を開けてみた。
内容というか文面は瀟洒なもので概要は「主人が貴方に来て欲しい、あと一人で来ないと死ぬ」という身代金の取引のようなもので、瀟洒に地図まで書いてあった。ハイ、ワカリマシタ。俺は今から吸血鬼の城に行かなければならない模様です。
それにしてもここまでさせておいてお迎えさせないというのは如何なものでしょうか?
「先生、ちょっと紅魔館へ行ってきます」
「ブッ…ゲホッケホッ。何の冗談だ?」
「いや、手紙の文面に書いてあったんです」
「ふむ。どうやらその様だな。もしかして彼女達もあの新聞を読んだのだろうな。しかし、そこまでの道程を行くには君には些か危険すぎる。それに一人となると…何か嫌な予感しかしないな」
「そうですよね…」
「少し期間を置いて待ってみるというのはどうだ?流石に痺れを切らしてこっちに従者をよこしてくるのではないか?」
確かに、その方が安全かもしれないがいかんせん俺は早く会いたいのだ。諸君らもテスト期間中にゲームの山が所狭しとあったら精神的にくるものがあるだろう。現在の俺はそれと全く同じ精神状態であるのだ。
「…やっぱり、俺、一人で行きます。大丈夫です、俺柔道やってますので」
「君は私の話を聞いていたのか?柔道程度でどうにかなるものではないのだぞ?」
「そうだぞ?危険がいっぱいあるのだぞ?」
「…そうは言っても…って!紫さん⁉︎」
「やほー。呼ばれた気がしてジャジャジャジャーン!と言うことで話は聞かせてもらったわ。要するに"危険なところを通らなければ一人でもいける"ということでしょう?なら話は早いわ。さぁ、入りなさい」
最早御都合主義の権化と化した紫は別のスキマを用意してこちらを手招きしている。先生も、それならばという事で俺は見事楽して紅魔館へ行けることになった。
と思っていた時期が私にもありました。
「ここ、何処だよ!」
どうやら紫はご丁寧に妖怪や妖精などの危険がほぼ無いと言っていいところで下したらしい。その証拠に周りには霧も無ければ赤い建物すらもない。ただの林道である。
しかし、それが嫌なわけではない。むしろ紅魔館に直行されると色々と心の準備が間に合わない。恐らく紫もそこら辺のところを察してくれたのだろう。最悪妖怪や妖精相手に口で喧嘩をしてみることもできるかもしれない。高校生ながら、子供心がくすぐられる思いが今の自分を覆っていた。
瀟洒な地図を確認すると、この林道を真っ直ぐ行くと大きな湖が見え、その向こう側にあるとかいてある。
湖なんて旅行で行った宍道湖以来見ていないので、是非とも観ておきたい場所だ。
俺は地図を制服の横ポケットにしまい、書かれた通り真っ直ぐと進むことにした。
制服姿である理由は洋館へ行くエチケットだからである。それに、新聞記事を見ているならば、高校の制服を着ているということがわかるからというのもある。
数分も歩いてくると、向こうに霧がかかっているのが見える。恐らく湖である事には違いないがその向こうにある赤い洋館は十分に目を凝らさないと影すらも見えないくらいであった。湖の概形なんて二次創作物でまちまちだから危険しかない、まさに死ぬ覚悟が無いと出来ないような情景である。
「おい‼︎そこの黒いの‼︎こんな所に何の用だ!」
「や、やめなよぉ〜チルノちゃん!」
「ん?この声は?」
大きな声のする上をみると、やはりと言うべきか、氷を操る妖精と、イマイチパッとしない能力の大妖精が浮かんでいた。
「やい!黒いの‼︎あたい達のテトリスに入るな‼︎勝負だ!」
「チルノちゃん、それを言うなら」
「テリトリー、だぞ」
「そ、そうだよ。多分この人、あの外来人だよ!」
「う〜うるさい‼︎とにかく勝負だ!弾幕ごっこだ‼︎」
どの世界でもこんな⑨なチルノに弾幕ごっこなんて言われるが、いかんせん俺は弾幕を撃てなければ飛ぶことすらもかなわない。
「すまないが俺は弾幕なんて撃てないからその要求は受け入れられないよ。あと、俺の名前は○○だ」
「弾幕撃てないのか?お前はバカだなー‼︎まぁ、あたいは天才だから仕方ないか」
「ちょ、ちょっとぉ〜喧嘩売るのはよくないよぉ〜なんか変なことに巻き込まれたらどうにもならないって‼︎」
申し訳ないがすでに君たちの目の前の人が変なことに巻き込まれているんだが。でもまぁ、幻想入りしてくる連中もここの立ち回りで見ている人たちを引き付けるのだ。自分も、奇想天外な考えは思いつかないが、うまくやり切ってみることにしよう。
「それで、今日は天才のチルノ様にお願いしたいことがあるんです。宜しければ叶えていただきたいのですが〜」
「ん?なんだ。あたいに頼みがあるのか‼︎イイぞ!天才のあたいに何でも頼んでくれ‼︎」
ん?今なんで(ry
「そうですか、ありがとうございます‼︎早速ですが、俺はこの湖の向こう側にある赤い建物に、ここを通って行かなければなりません。しかし、実際は今みたいに、チルノ様のテリトリーに入らせて俺を倒すということを赤い建物の偉い人が企んでいたのだと思います。
俺は尊敬しているチルノ様を道具として扱ったそいつが許せません。だから、この湖の上を滑って渡ることで、奴らの鼻を明かしてやりたいのです。宜しければ、チルノ様の凍らせる力で、この湖を凍らせて渡れるようにして欲しいのです!」
「そ、そうなのか。鼻を明かすのか‼︎それはいい案だな‼︎わかった!この天才チルノ様がやってあげる!」
「い、いいの?チルノちゃん?」
「ありがとうございます‼︎このご恩は忘れません‼︎」
天才(笑)にも伝えたいことがわかるように、具体的ではなく抽象的なもので伝える。そして、あえて長い言葉を列挙する事で⑨特有の記憶力で論点を少しずつズラしてやりたい事を伝えることができる。
まぁ、さほど自慢にはならないが、普段退屈な高校生活を送っていた俺にとってはこんなレベルのものでもやってみれば結構ハラハラする展開なのである。
利用しているのはあっちではなく俺であるのだがご機嫌なチルノはそれに気づくことなく目の前にある湖にスケートリンクさながらの氷を作ってみせた。どこか因幡の白兎を彷彿とさせるのは気のせいだろうか。
「ありがとうございます‼︎チルノ様、大妖精ちゃん‼︎また会いましょう‼︎」
「おう!またな!黒いの‼︎」
「で では…」
名前までは覚えて貰えなかったが、無事紅魔郷キャラの二人に会うことができたのは実に運がいい。
さて、目の前に見えますのは黒い鉄柵に紅い館。俺は今から、誰がどう見ても趣味の良いとは言えない吸血鬼の住処に入っていくことになる……
紅魔館編(紅魔館に入るとは言っていない)のその1です。実際人里編をどう終わらせようかと考えていた時にはこれとあと数編考えていました。
まぁ一般人が幻想郷には言ってできることなんて大したものがないですからねぇ。紫サポートがありますがそろそろ○○にもテコ入れしたほうがいいですかねえ?例えば河童と絡ませるとか……