よくある巻き込まれ転生……ってアルセウスじゃねぇか!!〜転生したらダンデとソニアの同期だったのでソニアちゃんとイチャイチャします編〜 作:五十嵐まな
「おじゃましまーす。マサルですー」
アイサツは大事。古事記にも書かれている。
まぁソニアと出会ってからほぼ毎日通っているので勝手知ったる研究所になりつつあるけど。
「いらっしゃい、マサル。ソニアならいつもの部屋にいますよ。」
「こんにちは、博士。ありがとうございます」
「いいえ、またあとで様子を見に行きますね」
「はーい」
マグノリア博士の研究所、立地からブラッシー研究所や権威からマグノリア研究所とも呼ばれるここも、ゲームと比べ物にならない大きな施設だった。
ただ、ゲームで入れる壁一面に本棚のある部屋っぽい部屋は実在する。メディア用の部屋みたいな扱いで出版社の人とか、テレビ関係者とかを通してるらしい。
一度気になって「本棚の本は傷まないのか」と聞いたら「ここにある本は私が関わって献本で贈られたものと、押し付けられたものだけなので問題ありません。価値のある本は書庫にあります」と、語外にゴミしか置いてないと言われた。
ついでに床の紙束も、裏紙がメモ用紙に使えるから捨てていない雑紙だから好きに持っていっていい。と言われた。うん、知らないほうが幸せな夢ってあるよね。
「いつもの部屋」こと「ソニアの研究室」に到着。なんと徒歩数分!
研究室と言っても元はただの会議室だ。フルで使う機会なんてないから1部屋貸してくれている。
「ソニアおはよー」
「もうおはようって時間じゃないでしょ!」
長机で描き物をしていたソニアが、ドア入ってすぐ荷物も置いていない俺に駆け寄ってくる。この頃のソニアはまだワンパチを捕まえていないが、それはそれとしてブンフン振られる犬しっぽを幻覚する。
さて、ソニアの研究室の研究テーマは『ガラル地方のポケモンの分布』だ。ホワイトボードに貼られた2枚の紙、ナックル以北の地図とナックル以南の地図は、繋げれば縦に長いガラル地図になるだろう。
南側の地図のさらに南端、①と振られた道路にはソニアの手描きでウールー、ココガラ、ホシガリスのイラストが、
②と振られた道路にはココガラ、ワンパチ、ホシガリス、カムカメ、ジグザグマのイラストが描かれている。
なんというかソニアは、ダメ男に引っかかるタイプというか、恋人に染められるタイプというか。
ダンデを友人にしてしまったせいでバトルに深く踏み込んで、ダンデとの差に心を折られたり、マグノリア博士が祖母だからダイマックス研究の手伝いをして、適性の無さに心折れそうになったり。と、周りに影響を受けやすい
実際この「ソニアの研究室」も俺が初めて会った日に読んでいた『ガラル固有種の起源論に関する第四次調査報告』をリージョン種とカントー種の遺伝子の古さとか説明しても解んないだろうと思って、ガラルリージョンの生息地と、カントー種との姿の違いを説明した影響がモロに出ている。
まぁ楽しそうだし良いか。そのうち草むらに突撃しそうなのは伝えてあるから、そこは大人たちに任せる。
くっついたままのソニアを引き擦って机に到着!ソニアの座っていた席を見るに机で描いていたのは①、②番道路に続いて3匹目のココガラっぽい。
「この子はどこのココガラ?」
「この子はねー、研究所の屋根に止まってるココガラ!」
と、忘れそうになるが町中にも野生ポケモンがいるのがこの世界だった。ゲームだと町中のポケモンはゲット出来ないけど、現実じゃ別にそんなルールがあるわけじゃない。ただ、バトルで家とか物とか壊すと面倒くさいから止めたほうがいいってだけで。
町中で暴れてるポケモンがいたら身を守ってジュンサーさんの到着を待たないと、街を助けたのに建物汚損で裁判になったりする。世知辛い……。
隣で座ってココガラを描くソニアを眺めつつカバンから本を取り出す。これはソニアの研究用のプレゼント、『ガラルの仲間たち』だ。
『ガラルの仲間たち』はナックル出版のキッズ部門が作成した「最初の1冊におすすめの図鑑」だ。事前に研究所にもソニアの実家にも無いのは調査済み。と言うか研究所に置くには内容が幼すぎる。
ソニアに渡すと最初はパラパラと見ていたが、ガラル第一鉱山あたりのページで顔色が変わる。コロモリもディグダも、モグリューもドッコラーもこの辺じゃ見ないポケモンだからそりゃ興奮するだろう!そうだろうそうだろう。その表情が見たかったからお小遣いをはたいて買ったのさ!!クハハハ
キラキラした目でホワイトボードに駆け寄って第一鉱山を地図から探している。もうちょっと左!そっちは第二鉱山!そうそこそこ。
さっそく新しい紙を引っ張り出してディグダを模写している。描きやすいフォルムしてるもんね。
さて、それじゃあマサル研究員も作業を始めますか。
昨日使ったまま置きっぱなしのカンガ辞典(カントーガラル対訳辞典)片手にオダマキ博士の『生息域による生態変化についての実地調査報告』をガ語訳する。
ソニアがガラル図鑑マップを完成させたあとの誘導に使いたい。うまく行けばフィールドワークメインの研究者という、ゲームのソニアの最終形にストレートに進ませる一手になる。
前世特典で読めればいいのに、カントー圏共用語と日本語は語順くらいしか一致してないから辞書がないと読めない。それでもまだ、ガラル語と異なる語順に順応できる部分は前世の記憶由来だろうなぁ。むしろガラル語の語順のほうが一瞬詰まるし。
そもそもナックルユニバーシティでガラル語訳されてないのかって?たぶん研究室単位ならやってると思う。完全部外者なうえにトレーナーライセンスもないガキが読ませてもらえる
専門用語が解んなければ後で博士に聞ける環境なのとてもすごく助かる!ソニアの研究室様々ですな。
─────この後めちゃくちゃ作業(お絵描きと翻訳)した
バトルバカより先に学術バカに出会った結果、本来のルートを大きく外れた成長をすることになったソニアさんの話。
(表)が有るなら当然(裏)も有るよなぁ。もうちょっと待っててね