100カノにTS転生幼馴染(運命の人ではない)を加えてみた話 作:クリーンクローン
静ちゃんと無事友達になった後、俺は彼女と別れ廊下を歩いていた。
最初は静ちゃんに恋太郎を紹介するために一緒に下校しようとしていたが、何か用事があるとかで断られてしまった。
俺は今、恋太郎を捜索中である。
特に一緒に帰宅しようと約束していたわけでもないのだが、いつも一緒に帰宅しているので一人で帰宅するのは落ち着かないのである。
そんなこんなで学校を探索していると、廊下で這いつくばって何かを探している恋太郎を見つけた。
「恋太郎、何してるの?」
「ああ、友か。実は先生がコンタクトを失くしてしまったらしくてな。探すのを手伝っていたんだ。」
「コンタクトを?」
見ると、恋太郎以外にも地面を見て探している先生がいた。
ペコ、とお辞儀をしてきたのでこちらもお辞儀を返しておく。
にしても、この広い廊下からコンタクトを探し出すのは大変どころの騒ぎではない気がする。
それを入って間もない、おそらく初対面の先生に頼まれてそんなことをするなんて。
...まあいつものことか。恋太郎は困っている人を見逃せない性格であるだからな。ちょっと病的なくらい。
俺は恋太郎に声を掛ける。
「私も手伝うよ」
「え?いやそれは悪いよ」
「いいのいいの。どうせ一人で帰っても寂しいだけなんだから。さっさと見つけて一緒に帰ろ。」
俺は恋太郎の横にしゃがんだ。
「しょうがないな、恋太郎は」
「...ッ」
いくらなんでも何もなしにコンタクトを探し出すのは不可能なので、スマホのライトで地面を照らして光の反射で探すことにする。
「恋太郎、コンタクトを探すならスマホのライトを使おう」
そう提案して恋太郎の顔を見ると、こちらを向いたまま固まっていた。
「恋太郎?」
「...はっ。い、いやなんでもない。えっと、なんだっけ?」
「コンタクト探すならライトの反射使ったほうが良いよって」
「あ、ああ、そうだな。そうしよう。友は頭良いな」
へへ
~恋太郎視点~
「俺と、付き合ってください!」
俺が友に告白したのは中学2年生の頃だ。
俺はその頃にはすでに69回の失恋を経験しており、友への告白は70回目だった。
俺は生後8か月で初めての告白をした。
そんな俺が、幼馴染という家族以外で最も近しいといえる友に中学2年になるまで告白をしなかった。
そして、中学2年にも終わろうかというタイミングでやっと告白したのだ。
友は、小さなころから大人びており、一人だけ纏っている雰囲気が違った。
彼女とは家が近く、そのおかげで仲良くなることができた。
彼女は親友であり、幼馴染であったが、ある意味親のような存在でもあった
。俺はそんな彼女のことを最初は恋愛対象として見ることができなかった。
いくら俺でも、親に告白をすることはない。
それに、友との関係性は心地よく、温かいものだった。
そんな関係性を壊すことに対しての恐怖心のようなものもあったのだと思う。
そんな俺が、何故彼女に告白することになったのか。
それは、彼女...幼馴友の距離が近すぎたからである。
当たり前のように肩を組んできたり、頭を撫でてきたり、たまに抱き着いてからかってきたりもした。
それに、彼女は容姿が良い。本人はあまりそうとは思ってないみたいだが、彼女の大人びた雰囲気も相まって妖しい雰囲気を醸し出していた。
しかも、中学生なってから彼女の体は段々と女性らしい体つきを帯びてきており、そんな女性的な柔らかさを持った体で抱き着いてくるのだ。
俺は彼女を異性として認識せざるを得なくなったのも仕方のないことだろう。
異性として認識してしまったらもう告白するしかない。
そうして告白した彼女の答えは...
「ごめんなさい!」
っ...また、か。
俺は80回目目の失恋のショックとと、友との関係が壊れてしまうかもしれない恐怖でおかしくなりそうだった。
「明るくて気さくで、誰にでも優しい恋太郎のことは好きだし、恋太郎が彼氏にできたら幸せなんだろうなとは思う」
しかし、彼女の反応は今まで告白してきた女性たちとは明らかに違っていた。
今まで告白してきた女性たちは、俺のことを「恋愛対象としては反吐が出るよう」と言っていた。しかし、彼女は「彼氏にできたら幸せ」と言っているのだ。
「だったら、なんで...」
「えっと、実は今まで言ってなかったんだけど...」
彼女は覚悟を決めたような表情をし、
「私、女の子が好きなの!!」
と告白した。
「えっ...」
「ごめんね、今まで黙ってて。恋太郎なら受け入れてくれるって分かってたんだけど、どうしても言いづらくて...」
彼女は、そう言って申し訳なさそうにしていた。
そんな彼女を見て、俺は...
「えっ、ど、どうしたの恋太郎。ご、ごめんそんな...泣くとは思わなくて...」
涙が止まらなかった。
「本当にごめん。こんなことならもっと早くに言っておけば良かったね」
「そんなに謝らないでくれ。」
「でも、私がもっと早く言っておけばこんなことには...」
「いや、違うんだ。俺は友に告白を断られたとき、『友に嫌われた』と思った」
俺は不安だったのだ。
「友は女の子が好きって聞いて、俺が嫌われたわけじゃないって知って。安心、したんだ」
そう、俺は友に告白を断られるよりも、友に嫌われてるのが何よりも怖かったのだ。
だから、告白を断られた時は怖かった。友に一生嫌われてしまうんじゃないかって。
でも、そうならなかった。
「友、これからも俺と親友でいてくれるか?」
友は、少し驚いたような顔をした後に、
「もちろん」
そう言って、笑った。
そうして現在に至る、というわけである。
あの告白の後も友とは変わらず親友のままだ。
俺から少し離れたところで地面をスマホのライトで照らしながら先生のコンタクトを探している彼女を見る。
コンタクトを探すその目は真剣そのものだ。これは俺がやりたくてやっているだけで彼女には何の関係もないのに。
彼女は俺が困っていたらいつも助けてくれる。
彼女とはいつまでも親友でいられたらいいと思う。
ただ、俺は彼女に1つ不満があった。
それは...距離が近すぎることである。
彼女はあの後も俺との距離が変わらなかった。普通、告白を断ったりしたら少しは距離を取るのが普通だと思うのだが。
いや、距離を離されるよりは圧倒的にいいんだけども。
友は、俺が一度は惚れた女性である。そんな女性に頭を撫でられたり、抱き着かれたりする。
もう、情緒が破壊されてしまう。
「あっ、あったよ恋太郎!」
探し始めて3時間、コンタクトを見つけて喜ぶ彼女。
「先生に報告しにいこ!」と俺の手を引いて行く。
彼女はこれからもこの距離感でいるのだろう。
俺はもう少し距離を置いてほしい気持ちと、このままでいてほしい気持ちの両方を抱えているのだった。
※友くんちゃんは恋太郎に告白されたときに死にたくなりながら断ってます