解釈違いが起きたらすいません。
時間は少し遡り、バクが釈放された頃
シドはゲートカプセムを回転させ、ゼッツルームへと入る。
「ふむ⋯やはりいいねぇ、実力者だけが知る秘密基地ってのは」
そう言いつつ、椅子に座ってあたりを見回す。
すると
「ん?」
バクの愛車・コードゼロイダーが動き出し、人型となる。
「
「もう夕方だけどねー。あと、いつも言ってるけど普通に喋ってよ」
「おっと、失礼」
そう言うと人型となったゼロイダー――シドはバイクおじさん、楽◯バイクマンなどと呼んでいる――がシドの前まで歩いてくる。
「どうかな、最近の様子は」
「ボチボチってところかなー」
この奇妙な友人との出会いは、初めて一人でゼッツルームに入ったときだった。
急にバイクが二足歩行して英語を喋りだした時は少し驚いたが、今ではよき話し相手だ。
◇
「どうぞ」
「いただきま~す」
バイクおじさんが某刑事ドラマのメガネの刑事さんみたいな淹れ方で淹れた紅茶に、シドは口をつける。
「⋯おいしい。また腕を上げた?」
「フッ、当然のことさ。私だって日々進歩している」
バイクおじさんは紅茶のような見た目の燃料を淹れたカップを持つ。
二人は同時にそれぞれの飲み物を飲み干す。
◇◇
「シド、そういえば聞きたいことがあったんだ」
と、バイクおじさんは切り出す。
「ん?なに?」
「君は確か⋯借り物の力に対して厳しい目を持っていたと思うのだが」
「そうだけど」
「ならバクがドライバーを使うことにはなにか思うところがあるんじゃないか?私でよければ、話を聞かせてほしい」
すると珍しく神妙な面持ちで、シドはカップを置く。
「⋯たしか、2年前だったかな」
◆◆◆
いつものように盗賊を狩り終えたシドたちは物色を始める。
バクが変身を解き、ドライバーを胸から外すと、シドは少し冷たい視線を向ける。
「いつまでそれ、使うの?所詮借り物の力で盗賊をぶっ殺すのなんて、僕的にはあんまりいい気持ちじゃないんだけど⋯」
すると
「⋯」
バクは横に倒れた馬車に腰を下ろす。
「⋯まぁ座れよ。たまには論じようじゃない」
◆
「このドライバーは、ゼロ⋯俺の親父からもらったものだってことは前に話したよな?」
「うん」
「俺のゼッツは少し特殊みたいでな。手に入れた頃は変身できなかったんだ。
しょうがないから日々修行に明け暮れてたら、いつの間にか変身ができるようになってた。
つまり、俺の身体能力や筋力がある程度のレベルに到達しないと、まず変身できない。ブレイカムゼッツァーも、今のところ使えないしな」
バクの話曰く、ゼッツの力には恐らく、力が解放されるための指標があるらしく、身体がそのレベルに追いつかないと、目標は達成されないらしい。
「変身できたところで、最初の頃は能力も弱いし、ほとんど身体能力も上がらない上に変身時間も短かった。
所詮ドリームラーニングも受けず、明晰夢の力も持たない俺はそう簡単にゼッツになれない。このレベルに来るまで苦労したよ」
その言葉にシドは考え込む。
「なるほど⋯まず大前提として、身体を鍛えることは必要⋯力を手に入れるためには、日々成長し続けなければならない、か」
それならただドライバーを使うよりかは許容できる⋯と考えている間に、バクが再び口を開く。
「ただ⋯身体能力がドライバーの設定上限を上回ると、変身しても身体能力はほぼ上がらないらしい。
多分、人体の極地へと足を踏み入れたお前なら、変身や擬装をしたところで、ケツに産毛が生えたよりも身体能力向上の効果はないだろうな」
「⋯僕なんてまだまださ」
バクはドライバーを見つめて話を続ける。
「ゼッツは俺の潜在能力をすべてマックスにした状態を変身中は維持される。だから、俺が鍛えて強くなればなるほど、ゼッツも強くなる。それに⋯ドライバーには改良の余地があるからな。俺の技術が通用するか分からないが⋯できるところまでやってみるつもりだ」
シドはずっと浮かんでいた疑問をぶつける。
「なんでそこまでするの?」
「そりゃあ俺の夢だからさ。それに⋯俺はこの力で頂きってやつに立つつもりも、最強を目指すつもりもさらさらない。ただ⋯世界中の人の夢を守るために使う。俺がなりたいのは無敵のエージェントであって、最強の人類になるつもりはない」
「⋯最強を目指すつもりはない、か」
「俺はゼロからこのドライバーを託された。
力を求めるっていうことの根幹には必ず、今までの出会いや夢、目標や欲望がある。
お前だって、最初から純粋に力だけが欲しくて、何も考えずに修行してきたわけじゃないだろ?
その大本には、陰の実力者になりたい、と思ったきっかけがあるはずだ。それを辿れば、誰かから誰かに紡がれた思いがある。そしてお前はそれを受け取った」
「紡がれた思い⋯」
「俺もそうだ。ゼロから紡がれた思いが、形を変えてこのドライバーになった。今まで出会ってきたすべて、見てきたものすべてが俺達の力となり、俺達自身を形作る」
「屁理屈だ」
「そうかもな」
バクは苦笑して言う。
「けど⋯俺はこの力で、夢を守る。それだけだ。この先もずっと、変わることはない」
◇◇◇
「そう言われてそれ以上言い返せなかったんだよね〜。我ながら、丸め込まれやすいと思うよ。これも全部、あいつと出会っちゃったせいだ」
そう言って笑いながら、シドは紅茶を飲む。
「⋯だから、僕も見届けてみることにした。バクの行く末を、そしてたどり着く未来をね」
その言葉を聞くと、バイクおじさんは歩き出し、どこかから何かを取り出す。
バイクおじさんはそのままシドにそれを渡す。
「⋯これは?」
「君のために調整したドライバーだ。それを使ったところで、身体能力や魔力量は鼻毛が1ミリ伸びたよりも影響がない。あくまで君自身の身体にすべてが依存している」
シドはそれを受け取る。
「⋯僕自身の、身体か」
「⋯いいよ。これなら僕の理想へ至る信念に、背くことはないからね」
「そのドライバーの名はシャドウインヴォーカー。陰の名を冠する君のためのドライバーだ」
それだけ言うと、バイクおじさんは車庫の方へ歩き出す。
「どうしたの?」
シドが問いかけても、バイクおじさんの足は止まらない。
「⋯本当は、もっと君と話をしたかったのだが⋯もう時間のようだ」
(そろそろ、本当に私自身が〝奴〟に取り込まれる)
そう言うとバイクおじさんは元のコードゼロイダーへと戻る。
「別れの時だ。楽しかったよ⋯シド・カゲノー」
シドはコードゼロイダーへと駆け寄る。
「バイクおじさん?もしもーし、バイクおじさ〜ん?」
それを最期に、バイクおじさんは言葉を発することはなかった。
余談ですが、アルファたちのロードへの変身の際の音声はインヴォークのほうがいいですか?
そちらの方がよかったら、ご意見どんどんください。
ヒロインは誰がいい?(上位三人をヒロイン入り)
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アルファ
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ベータ
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ガンマ
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デルタ
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イプシロン
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ゼータ
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イータ
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シェリー
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ローズ
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上記以外のヒロイン