今回は時間がかかりましたが、その分いつもより長めです。
アレクシアはベッドに腰掛け、傍らでアイリスは息をつく。
「とにかく、無事で良かった⋯!」
治療を受けたアレクシアから話を聞き終えたアイリスは状況を整理するために口を開く。
「つまり、王都の人斬りはシャドウガーデンを名乗る者による凶行⋯ということ?」
「はい、あの男はそう言っていました」
「⋯私も先の事件でシャドウガーデンを名乗る強力な魔剣士を確認しました」
「アルファ、そしてゼッツと名乗っていたそうですね」
アイリスは頷く。
「そして特にゼッツという男⋯実力が推し量れない。自分より強いかもしれないし、弱いかもしれない、どこか得体のしれなさを持つ男⋯その上、他の報告からもシャドウガーデンは皆、奇妙な力を使っていることが分かりました」
「奇妙な力?」
「⋯奇怪な姿。本当にそれ以外の形容の仕方がない⋯」
アレクシアは先の事件で、シャドウが変わった姿、そして謎の赤い目の男を思い出す。
「彼らの情報は少なすぎる。強大な力を持つ構成員、シャドウとゼッツという男、組織が
シャドウガーデンという名前であること以外何も分からない」
「彼らはディアボロス教団とは敵対しているようでした」
(そして恐らく彼も⋯)
アレクシアの脳裏に〝彼〟の背中が浮かぶ。
「目的はやはり、ディアボロス教団⋯単に魔人ディアボロスを信仰する宗教団体とばかり思っていたけれど、想像してた以上にその根は深いわね」
「例の放火事件のことですか?」
「それもあるけど、紅の騎士団の予算案が通らなくて⋯しばらくは自費で運営ね」
それを聞いてアレクシアは眉をひそめる。
「ということは、文官にも教団の手の者が⋯?」
「その可能性はあるわね。教団そのものなのか、それとも報酬で動いているだけなのか⋯無理に騎士団を設立した私が言えたものではないのだけどね」
「なら私も⋯!」
アイリスは苦笑まじりに言う。
「気持ちだけで十分よ。大体、今の騎士団に何人在籍しているか知っているでしょう?」
「⋯八人ですね」
「そう。私の資産だけでも十年は安泰よ。誰が敵か分からない以上、信頼できる者だけで構成しているから、規模も現状維持で問題ないわ」
するとアレクシアは言いづらそうに口を開く。
「⋯あの、姉様」
「どうしたの?」
「姉様の敵は、シャドウガーデンとディアボロス教団、どちらですか?」
「⋯両方よ。この国で好き勝手は許さない」
「姉様、彼らと敵対してはいけません⋯!」
アレクシアはそう声を上げる。
「アレクシア、あなたまだそんなことを⋯」
「姉様は彼らを知らないからそんな事を言えるんです!王都の夜を染めたあの一撃を姉様も見たでしょう!それに、あの赤い目の男も必ず、何かを隠してる⋯!」
「あれはアーティファクトの暴走と結論づけたことよ。規模、威力、どれをとっても人間の放てるものじゃない」
「私は確かにシャドウが放つのを見ました!」
アイリスはアレクシアの頭を撫でる。
「何日も監禁されて記憶が曖昧だったのよ。私はあなたが嘘をついているなんて思ってなけど⋯きっと疲れていただけよ」
「でも⋯!」
アイリスはアレクシアの手を取る。
「それに、たとえ敵がどれほど強大でも、私が逃げるわけにはいかないの。この国を守るために」
そう言ってアイリスは決意を見せる。
「姉様⋯」
◇◇◇
王都の廃墟の暗がりで、不気味な甲冑男と赤いバンダナをつけた男、黒ずくめの男の密会が行われていた。
「人形と他2名の連絡が途絶えました」
黒ずくめの男は、ひざまずいてそう告げる。
「クッフフ!人斬りが逆に斬られちまったわけかぁ!どうする?痩騎士さんよぉ」
バンダナの男はそう笑って、甲冑男に問いかける。
「問題ない。例のものの所在が分かった。その回収が最優先だ」
「そうかよ。⋯そういや、〝あれ〟はどうなったんだ?」
「ラウンズ第11席の手元だ。我々には関係ない話だ。人間とナイトメアの融合体などというものはな」
◇
「ナイツ・オブ・ラウンズねぇ⋯」
翌日、俺は焦げたトーストを食べながら呟く。
「アルファたちの報告書にはときたま目を通しているが⋯ラウンズの上級席のことはよく分からんな。俺が見逃してるだけかもしれんけど」
俺はゲートカプセムを回し、ゼッツルームに入る。
ゼッツルームのモニターを起動すると、画面には1から12までの数字が円となって現れ、その下に名前が浮かび上がる。
「シドの奴が十席を消し炭にして、俺は十二席を始末した。十席は補充されたみたいだが⋯十二席は今は空席、十一席にはネルソン、九席モードレッド、五席フェンリル、そして⋯不明がロキ、か」
俺なりの情報網で集めたラウンズについての情報⋯だがいまだ不明瞭だ。
「今回の事件⋯大体の組織はトップの腰が重い。ラウンズが動いたとは考えられない⋯つまり、顔が割れていない教団関係者が近くに潜んでいる可能性がある⋯か」
俺はカプセムドロッパーの方へ赴き、ハンドルを回す。
すると
「ん?」
何故か色のついていない黒のカプセムが出てきた。
「なんだこれ。今までこんなことなかったのに⋯ってか時間!」
俺は残りのトーストを口に押し込んで走る。
なんとか列車に間に合い、学園に到着する。
「ところで、お前ら昨日のチョコは持ってきたか?」
とヒョロが切り出す。
「もちろん持ってきましたよ!」
ジャガもカバンからそれを取り出す。
「僕も一応」
「俺もだ」
シドがそう言い、俺も頷く。
「よし、じゃあ昼休みにプレゼント作戦決行だ!」
◆
結果報告
ヒョロは2年の教室で待ち構えていた。
「上級生狙いですか⋯さすがヒョロくんですねぇ」
と、物陰に隠れているジャガが決め顔で言うが、後ろの俺達は興味無しで相槌する。
「そだねー」
「ちょーいいねー」
「ああああの、こここここれ!」
ヒョロが出てきた女子にチョコを差し出した瞬間、強面大柄の男子生徒がヒョロの肩を掴む。
「おい、俺の婚約者に何か用か?」
「あぁ⋯!その⋯!」
ヒョロは青ざめて必死に弁解しようとするがそのまま肩を組んで歩き出す。
「兄ちゃん、ちょっとお話しようや⋯」
「チョコはもらっておくわねー」
「えぇ!?」
「なんか文句あっか?」
ってなやり取りをしながら連れてかれた。
「行きましょうか」
「うん」
「成仏しろよー」
次、ジャガ。
どうやら学術学園の目当ては生徒らしく、俺達は図書館に来ていた。
理由は簡単、図書館は学術学園と共同で使っているからだ。
「僕はヒョロくんと同じ轍は踏みません!相手のことは全て調査済み、交友関係から食事の好み、寮の部屋番号、いつも利用するトイレ、靴のサイズ、匂い、下着の色、スリーサイズ、使用済みのコップ、さらにさらに!」
「もういい、行け」
俺はジャガの首根っこを掴んでぶん投げる。
エージェントと言えども、他人のプライバシーは侵害しないのが俺のポリシーだからさすがにこれにはドン引きだ。
「キャアァァ!この人ストーカーです!」
という声は無視し、俺達は自分のチョコを見る。
「バクはどうするの?」
「アレクシアに渡そうと思ってたんだが⋯今日は休みみたいだな。手頃な人に渡すか、自分で食べるさ」
「僕は適当に、1番最初にすれ違った人にでもあげようかな」
俺たちは立って、歩き出そうとする。
すると隣の席に桃色髪の少女が座る。
「この暗号⋯やはりお母様が研究していたものとよく似ている⋯」
「はい」
シドはその子が呼んでいた本の上にチョコを置く。
「え⋯?」
「チョコあげる」
そのまま俺達は去る。
「あの人⋯」
その背中を見送りながら少女は呟く。
「あんな淡白でいいのか?」
俺が呆れ半分でたずねる。
「まぁいいんじゃない」
(雑だな⋯)
◆◆
シェリーはチョコの包みを開け、一つを取り出して見つめる。
「何かしら、これ⋯」
するとドアが開き、ルスランが入ってくる。
「おや、それはチョコレートだね」
ルスランは机の上のチョコを見て言う。
「チョコレート⋯」
「最近人気の高級菓子さ。どうしたんだい?」
「お昼に男の子からもらったんです」
ルスランは微笑を浮かべる。
「ほう⋯それはきっと、君へのプレゼントだね」
「えっ⋯!?」
「一目惚れというやつさ。見る限り、それは最高級のチョコだ。君に喜んでもらうために無理をしたんだろう」
「一目惚れ⋯」
「返事はどうするつもりなんだい?きっと君の答えを待ってるはずさ」
「で、でも⋯」
「人との付き合い方を学ぶのも大事なことだ。学校とはそういう場所だよ。それで、解読は順調かい?」
「まだまだ始めたばかりなので、なかなか⋯」
アーティファクトを見てルスランは目を細める。
「⋯それもそうだ。ゴホッゴホッ⋯!」
ルスランは顔を背け、咳き込む。
シェリーは咄嗟にルスランの背中をさする。
「お義父様!すぐにお医者様を⋯!」
「いや、大丈夫だ⋯大丈夫だよ。最近は調子が良かったんだけどね⋯それにしても、私はいい娘を持った」
ルスランはシェリーの頭を撫でる。
「私こそ⋯!お義父様が私を養子に迎えてくれなかったら私は⋯!」
シェリーはルスランの手を取る。
「⋯君のお母さんも優秀な研究者だった。頑張りなさい」
「はい⋯!お義父様⋯!」
◇
ヒョロもジャガもいない平和を満喫しつつ、俺は帰路に着く。
シドはヒョロたちが勝手にエントリーしたブシン祭の選抜剣術大会でモブムーブをするために一人でさっさと帰ってしまった。
人通りも少なくなってきた頃、ふと声をかけられる。
「ねぇ君、ちょっといいかな?」
聞き覚えのある声に振り向くと、そこには学園の制服を着た、お団子ヘアーの丸メガネの茶髪少女がいた。
「ニュー?」
俺が小声で聞くと彼女は頷く。
俺達は学校の庭園近くのベンチに座る。
改めて見てみても大した変装だ。化粧と髪型だけでこんな変わるもんなんだな。エージェントとしては秘訣を知りたくもある⋯
さすがエルフや獣人が大半のシャドウガーデンで、人間としてナンバーズに入れただけのことはある。
「その服、うちの制服だよね?入るの?」
「いえ。ただの借り物です」
どこかやるせなさのようなものが見え隠れする顔で言う。
「⋯化粧で随分変わるもんなんだな。正直驚いたよ」
「ミツゴシにいるときも、実年齢より高く見えるようにしています。それと⋯昔少しあったので」
「へぇ⋯」
俺はニューの顔をちらりと見る。
技術盗みたかったんだけど⋯まぁいいか。
「先日の人斬りについてご報告します」
「頼む」
「あの者を尋問しましたが、やはり目ぼしい情報は得られませんでした。強力な洗脳により、精神を破壊されており、教団の先兵、チルドレンサードだと思われます」
「精神を破壊⋯か」
俺は無意識に拳を握りしめていたことに気づき、力を緩める。
ディアボロスチルドレン。
教団にわずかでも魔力適性があると判断されれば、孤児だろうが貧乏人だろうが関係なくさらわれ、施設で厳しい訓練、薬剤投与、洗脳を繰り返される。そうしてできあがったのが教団に従順な手駒へと変えられたチルドレンたちだ。
サードはその中の落ちこぼれ。精神が壊れ、それでいて戦闘力は並の魔剣士より高いため、都合の良い捨て駒としていいように利用された者たちだ。
セカンドは精神は安定し、ファーストともなれば世界有数の実力らしい。
「⋯許すわけにはいかない。人の夢を踏みにじるディアボロス教団を」
その言葉にニューは頷く。
「奴らの目的は我らを誘い出すことでしょう。先日、王都でネームドのチルドレンファースト『叛逆遊戯』のレックスが確認されました。教団は意図的に戦力を集めていることは明白かと」
ネームドチルドレン、チルドレンの中でも特別教団に貢献した者に送られる名前らしく、大半がファーストのチルドレンだが、稀にセカンドでもネームドとなったものがいるらしい。なんでもチルドレンファーストからナイツオブラウンズとなった者もいるのだとか。
現在、シャドウガーデンにも元チルドレンファーストの者が在籍しており、それらの情報は全て彼女からの提供だ。
「近々何かが起こる⋯か。その方がこちらとしても動きやすい。ニュー、くれぐれも無茶はするなよ」
「⋯もったいなきお言葉です」
「綺麗事かもしれないが⋯俺は誰一人として犠牲者を出したくない。人の夢を守る。あの日そう誓ったからな」
炎に包まれる家、歴史の闇に葬られた家族、そして⋯あの赤い目の怪物。
「そうだ。ニュー、君多分この学校に通うはずだったんだろう?」
「なぜそれを⋯!」
「大体分かるさ。なに、少し散歩がてら、先輩のエスコートでもしようかと思いまして」
俺はそう言って手を差し出す。
「⋯じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」
ニューは俺の手を取り、歩き出した。
ニューは少しの間だけ、元のニコレッタ・マルケスとして夢を見ることにした。
◆◆
あれから何日かして今日はついに剣術大会だ
⋯けど、俺は見に行かない。
どうせシドのモブムーブで会場がおかしなことになるのが目に見えているからだ。
あいつならモブ式奥義みたいな名前のモブムーブ50近くくらいは開発してるんだろうという謎の信頼とともに、俺はコードゼロイダーにまたがる。
「行くよ」
エージェント服を着た俺がハンドルを握ると、コードゼロイダーのライトが光る。
なぜこんな事になったのかと言うと、最近王都で妙な噂が流れていたことがきっかけだ。
なんでもカゲノー領の近くで、死んだ友人・家族とそっくりな人間を見ただとか、モノノケが出ただとかそういったオカルト的なやつだ。
エージェントとしては、こんな面白そうなこと放ってはおけない。
だからとりあえず、心当たりがある場所に来てみた。
◇
「着いたか」
バクはかつてのコードリー家の屋敷跡の前にコードゼロイダーをとめ、ヘルメットを脱ぐ。
「⋯ん?」
そのとき、バクは近くの森に人影を確認する。
「おい、あんた。なんでこんなとこに⋯」
バクが男の肩を掴み、バクの方に顔を向かせる。
「⋯お前はたしか」
その顔は、かつてバクが殺した盗賊と同じ顔だった。
すると殺気を感じ、バクが後退すると、男の手は緑の鉤爪のような手になっていた。
そして男の姿は緑の昆虫のサナギのような化け物に変わり、森の中から同じ化け物がゾロゾロと現れる。
「おっと」
バクはバク転で化け物の鉤爪攻撃を躱しながら、胸に巻いたゼッツドライバーにカプセムをセットする。
そのままバク転で後退し、ゼッツドライバーのトリガーを押す。
バクは跪き、ベルトを覆うようなポーズをする。
「I'm on it⋯変身!」
そして左手を下げ、右手で普段とは逆方向からカプセムを回転させる。
バクは緑のゼッツ・エスプリムバリアに変わり、その両腕に巨大なバリアが装着される。
「相手が誰だろうと、俺は俺のミッションを遂行する」
ゼッツはバリアで鉤爪攻撃を防ぎ、まとめてバリア型の衝撃波で化け物たちを吹き飛ばす。
そのとき
「うぉっ!?」
背後から何者かが飛びかかり、間一髪でそれを躱す。
その攻撃を仕掛けてきたのは
「なんだれ、二足歩行の猫?」
そう、毛皮に覆われ、9本の尻尾を持つ猫のような怪人がいた。
「虫の次は猫かよ、今日は忙しいな!」
ゼッツは片腕のバリアを投げ、サナギの化け物たちを斬り裂いていく。
すると、一匹の様子がおかしくなる。
「なんだ?」
やがて脱皮するように表面がドロドロと溶けていき、その姿は紫の蜘蛛のような怪人に変わる。
「こんなに大きくなりましたってかぁ!?」
すると蜘蛛怪人は高速移動し、ゼッツを攻撃する。
「くっ⋯!面倒だな⋯!⋯待てよ」
ゼッツは自身の周りをドーム状のバリアで覆い、しゃがみ込んでこめかみに手を当てて考え込む。
「虫の化け物、脱皮、猫、モノノケ⋯そうか」
ゼッツは顔を上げる。
「前世で聞いたことがある。ワームと呼ばれる昆虫の地球外生命体がいたって⋯そしてあの猫はバケネコ。つまりは妖怪のような怪物・魔化魍⋯なぜ過去のライダーと戦った奴らがここに⋯ってのは、大体想像つくけどな」
そう言うとゼッツは立ち上がる。
「厄介なのはあの高速移動、クロックアップか⋯なら」
ゼッツはバリアカプセムを取り外し、紫のカプセムを新たにセットし、トリガーを押す。
「変身」
ゼッツの姿は紫の超重力を操る姿・ゼッツ パラダイムグラビティに変わる。
「
ゼッツはバリアを解除し、腕の紫の拳・グラビティガントレムをワームの大群に振りかぶる。
「%&@#$!!」
意味のない断末魔を上げ、ワームたちは爆散し、緑の炎に包まれる。
「キキキ⋯!」
蜘蛛のワームはクロックアップし、ゼッツを翻弄する。
「それは対策済みだ」
ゼッツが右手を上げると、そこから引力が発され、蜘蛛のワームは地面に踏ん張るだけで精一杯となり、クロックアップを停止する。
「そこか」
ゼッツは魔力を纏わせたブレイカムゼッツァーで蜘蛛のワームの胴を斬り裂く。
「キギャァ!」
蜘蛛のワームは爆散し、緑の炎に包まれる。
「次だ」
「ミャオォォ!」
ゼッツの背後から、2本の尻尾から分裂したバケネコが飛びかかる。
「はっ!」
ゼッツは重力の壁で攻撃を防ぎ、バケネコの一匹を重力で圧縮して潰す。
「ミギャァァ!」
断末魔だけ残し、跡形もなく消えたバケネコを見て、残り二匹はゼッツを威嚇する。
そしてバケネコは残りの尻尾から6匹の分裂体を作り出す。
「増殖力が桁違いなのか⋯なら」
ゼッツは水色のカプセムをドライバーにセットし、トリガーを押して回転させる。
ゼッツは水色のゼッツとなり、肩にはマントが現れる。
「そして⋯」
ゼッツはドライバーのカプセムを回転させる。
するとゼッツの分身体・メタマテリアムが2体現れる。
「多対多。これなら文句ないだろ?」
ゼッツは駆け出し、ブレイカムゼッツァーを剣先をバケネコに投げる。
「ミギャァ!」
バケネコはそれを弾き返し、ゼッツが持ち手部分をそちらに向けると、合体して青色に光る。
「ハッ!」
ガンモードとなったブレイカムゼッツァーで3体のバケネコを撃ち、分身たちはそれぞれ2体のバケネコと交戦する。
ブレイカムゼッツァーでバケネコの尻尾を撃ち、そのまま胸にゼロ距離で打ち込んで一匹を屠る。
そのまま肩のマントを翻して視界を塞ぎ、もう一匹もヘッドショットする。
「ミギャォォ!」
残った一匹が襲いかかろうとするも、メタマテリアムの一体がそれを横からキックで吹き飛ばす。
もう一人のメタマテリアムは手に4体のバケネコの頭を掴んでいた。
「ミギャォォ!」
バケネコは最後の抵抗とばかりにゼッツに襲い来るが、ゼッツはブレイカムゼッツァーをソードモードに変え、すれ違いざまに斬る。
「ミギャァァ!」
バケネコは爆散する。
「⋯ふぅ」
◇
「やっぱ、原因はこれか」
バクは焼け焦げた家の中に、空間が歪んだような穴を見つける。
「これ、一体なんなんだ?前にもこの穴からアンノウンやらミラーモンスターやらインベスやらが出てきたことはあったが⋯とりあえず、これ以上出てこないように塞ぐか」
バクは赤いカプセムを取り出す。
「怜慈、力を借りるぞ」
そしてガンモードのブレイカムゼッツァーにセットする。
「エモーショナルバースト」
ブレイカムゼッツァーから赤いエネルギーが照射され、穴が閉じていく。
「ふぅ⋯やっぱり、ギャバン・インフィニティのカプセムさまさまだな」
怒りを預かる宇宙刑事の力を宿すこのカプセムには、マイナスエネルギーを中和する働きがあるのだ。
なぜバクがこれを持っているのかは、また別のお話。
「地球外生命体、妖怪、天使、化け物⋯すべての悪を撲滅し、夢を守るために陰ながら戦い続けるエージェント⋯いいね、最高だ」
バクはにやりと笑い、家に背を向け、歩き出す。
が、立ち止まって振り返る。
「そろそろ終わってるかなぁ⋯」
一輪の花を供え、バクはその場を後にする
◇◇
「⋯いや何があった」
バクは目の前でミイラ男みたいになってるシドを見て言う。
「ちょっとモブムーブに興じすぎてた」
「やると思ってたよ⋯」
バクは頭を抱えてため息をつく。
「他の奥義も発表できる機会があればいいんだけどねぇ」
「お前、モブムーブに命かけてたらいつか死ぬぞ?」
そんなこと話しながら歩いていると
「あ、あの⋯!」
「「ん?」」
背後から声をかけられ、二人が振り向くと、そこには桃色髪の少女がいた。
「お怪我は大丈夫ですか⋯?」
「君って⋯」
◆
近くの喫茶で茶をたしなみながら、バクは後ろのテーブル席での会話に聞き耳を立てる。
「試合、見てました⋯!普段はあんまり興味はないのだけれど、何度も立ち上がって⋯すごくカッコよかったです!」
(あの子⋯確か王国随一の科学者のシェリー・バーネットだっけ?学術学園副学園長の義理の娘ってのは聞いたことあるけど⋯)
「相席いいかな?」
「あ、どぞ」
バクは相手を見ずに会釈して紅茶に口をつける。
「そ、そう。ありがとう」
モブムーブを褒められることが予想外なのだろう、シドが若干キョドっている。
すると
「あ、あの!これどうぞ!」
シェリーが突然立ち上がって、シドに小袋を手渡す。
「これは?」
「お返しにクッキーを焼いてみたんです⋯!」
(お返し?⋯あれ、確かシドがチョコを渡したのって⋯)
「えっと、ありがとう」
シドは小袋を受け取る。
「もしよろしければ、お友達からお願いします⋯!」
「⋯?いいよ」
シェリーは感極まった様子で笑顔になる。
「〜っ!やった⋯!お友達になれました!お父様!」
と、突然俺の方を向いて言った。
「え?」
俺が後ろを振り向くと、相席していたのは学術学園の副学園長、ルスラン・バーネットだった。
◆
「俺まで相席してよかったんですか?」
バクはルスランにたずねる。
「なに、シドくんのお友達だろう、それに、君とは相席した仲だ」
すると隣のシドが俺に小声で耳打ちする。
「ねぇ、もしかしてあの子⋯」
「あぁ、シェリー・バーネットだ」
「怪我は大丈夫なのかい?ちゃんと医師に診てもらいなさい」
ルスランがミイラ男のシドに言う。
「あぁ、はい。帰りにでも」
(行かねぇだろ)
「この子は研究一筋でね、今も騎士団の依頼でアーティファクトの研究に没頭しているんだ。そのせいか、ろくに友達もいなくてね」
「お義父様ぁ⋯!」
「ハッハッハ。⋯今はこうしているが色々あったんだ。よければ、今後とも仲良くしてやってくれ」
「はあ⋯」
「では、後は若者だけで楽しんでくれ」
そう言ってルスランは去っていった。
「あっ、お医者様に診てもらいますか⋯?」
「だいじょぶだいじょぶ、こう見えて頑丈だから」
「魔剣士ってすごいんですね⋯」
「うん、すごいよねぇ」
その後、これ俺いる意味あるか?と思ったバクは早々に引き上げることとした。
シドは5日ほど休み、復帰した日は何故かクラス全員がシドに少しだけ優しかった。
ちなみに、ワームや魔化魍はコラボの伏線とかではないです。
なぜギャバン・インフィニティのカプセムを持っているのかは、シーズン1までが終わった後くらいに書こうと思ってます。
感想や評価、お待ちしてます。お気に入り登録してくださると嬉しいです。
もし他作品とコラボするならどれ?修正版(やるのはしばらく先)
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コードギアス(本編後、時系列未定)
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仮面ライダーレジェンド
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仮面ライダーゼッツ
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平成1期ライダーのどれか
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平成2期ライダーのどれか
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令和ライダーのどれか
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コラボしなくていい