「⋯まさか、俺達二人ともこの世界に転生してたなんてな」
「ホントだねぇ」
ミノル⋯もといシドはそう言って盗賊が奪った財宝を物色する。
「⋯お前もしかして金目当てで盗賊を狩ってるのか?」
「まーね」
そう言ってシドはこちらに振り向く。
「陰の実力者プレイのためには資金が必要なんだよ。色々とね」
⋯確かに、俺の理想のエージェントととなるためにも資金が必要だな。今まで狩ってきた盗賊の金品を念のため溜め込んでてよかったぁ。
すると突然、シドが神妙な面持ちで言う。
「バク、改めて言うよ」
「?」
「僕と一緒に⋯理想へと至らないか?」
そう言ってシドは手を差し伸べる。
「やっぱり、一人は少し堪えるんだ。それもこれも、君が前世で僕を見つけて、僕が君を見つけたからだ。責任⋯取ってくれるよね?」
俺はその言葉に前世でのミノルとの出会いを思い出す。
『陰の実力者?』
『⋯どうせ、君も否定するんだろ』
『フッ⋯ハハハ!』
『ほら、やっぱり笑ってる』
『ごめんごめん、なんかホッとしちゃってさ』
『?』
『すごい夢を持ってるのは、俺だけじゃないんだなって』
『無敵のエージェント?』
『うん、俺はそれになりたい』
『僕と⋯同じだね』
『夢を見るのはすべての人が平等に持つ権利だ。そして⋯それのために人生をかけるのもね。それがどんなものであっても、俺は否定しない』
『⋯!君、名前は?』
『ゼツ、今沖ゼツ』
『ゼツ⋯か』
『だからさ⋯一緒に理想へと至らない?』
俺はそう言ってミノルに手を差し伸べた。
「⋯フッ。そうだったな」
そう言って俺はシドの手を取る。
「改めてよろしくね、親友」
「こちらこそ。親友」
あれから数ヶ月がたった。
「ヒャッハー!逃げるやつは盗賊だぁぁぁ!」
シドは奇声を上げながら盗賊を狩っていく。
「世紀末かよ」
そう言いながら俺は淡々とワルサーP38で盗賊の眉間を撃ち抜いていく。
「今日も手応えなかったな」
「数だけはいるからそれで試すしかないよねー」
そう言いながら俺たちはいつものように物色を始める。
「おっと、忘れるところだった」
俺はインパクトカプセムを回す。
インパクト!
そして盗賊に殺された商隊の遺体を埋めるための穴を一気に掘る。
「ふぅ⋯こんなもんかな」
人が数十人入る程度の穴を掘り終わり、俺は遺体を両手に数体ずつ持って運ぶ。
「よいしょっと」
一体ずつ、丁寧に埋めていき、それが終わると俺は土を被せ、手をはたく。
「昔っからマジメだねぇ、バクは」
「好奇心で雷に打たれに行って死んだやつに言うか?」
俺たちが大体の物色を終え、そろそろ撤収しようとしたとき
「ん?」
俺は布がかけられている中に膨らみがあることに気づき、それを覆っていた布を取る。
するとそこには
「これは⋯」
「⋯悪魔憑き、ってやつみたいだね」
シドはそう言って興味深そうに腐敗した肉塊を見る。
そして俺達はあることに気づく。
「この波長⋯覚えがある」
「ああ。魔力暴走と同じだな」
一度俺達は魔力が暴走しそうになったことがあったが、気合でなんとかして割とどうにかなった。まぁ俺は少々ズルをしたが
「たしか女性にしか発動しないんだったか⋯リカバリーなら治すこともできるだろうが、いずれまた悪魔憑きを発症する可能性もある⋯根本的な解決にはならないな」
「なら⋯魔力制御のためのじっけ⋯調査に利用させてもらおう」
「ああ⋯ん?待て、おいお前今実験って⋯」
「じゃ、僕は早速始めるね!」
シドはそう言ってスタコラサッサと去っていく。
「おい待てバカ!」
結局、シドによる調査⋯もとい人体実験が始まり、一ヶ月が経過した。
「その後どうだ?」
俺は最近俺とシドのたまり場となっている場所にやってきていた。
「まぁ色々と試せてるよ」
そう言って腐敗したままの姿の悪魔憑きを見せる。
「何も変わってねぇじゃねぇか」
「まぁまぁそう言わずに」
シドはそのまま魔力制御の実験に戻る。
「⋯ホントにこんなんでなんとかなんのかねぇ」
そのとき
「ん?」
「あ?」
悪魔憑きが光を放つと、その姿は美しい金髪のエルフへと変わった。
「おっと」
俺は倒れ込んだ彼女の体を受け止め、彼女をゆっくりと床へと下ろす。
「これってまさか⋯」
「うん、魔力暴走の制御、成功したみたいだね」
「ホントに上手くいくとはな⋯」
「あんなに腐ってたのにもとに戻るもんなんだねぇ」
「元々それが目的だよなぁ⋯?」
すると
「んっ⋯」
少女が意識を取り戻しそうになり、俺達は顔を見合わせる。
「えっとどうしよっかな⋯そうだ!いいこと思いついた!」
「なんだ?」
「だからさ⋯ゴニョゴニョゴニョゴニョ」
少女が意識を取り戻すと、そこはどこかの小さな家屋の中のようだった。
少女は自分の体を見回す。
「うそ⋯私の体⋯戻ってる⋯!」
そして、眼の前には自分と同い年くらいであろう、二人の少年がいた。
黒髪の少年は木箱の上に座り、もう一人の茶髪の少年はその隣の柱に背を預けていた。
「Good morning,お嬢さん」
茶髪の少年はそう言う。
「君を蝕んでいた呪いは僕たちが解いた」
「君は自由に、好きな夢を見られる」
少女は困惑しながらも問う。
「呪いって⋯なんなの?」
「呪い⋯というのは、そう。君たち英雄の子孫にかけられた忌まわしき呪いだ」
「えっ⋯?」
「驚くのも無理はない⋯だが君も知っているはずだ。3人の英雄が魔神ディアボロスを倒し、世界を救った⋯というおとぎ話を。あれは本当に会ったことなのさ」
「っ⋯!」
少女は目を見開く。
「魔神は死の間際に英雄たちに呪いをかけた⋯それが悪魔憑きの全貌さ。だが何者かが歴史を捻じ曲げた。おかげで君たちは悪魔憑きなどと蔑まれるようになった。その黒幕の正体とは⋯」
その先を茶髪の少年が次いで言う。
「⋯ディアボロス教団」
「そう、ディアボロス教団。それが敵の名だ。魔神ディアボロスの復活を目論み、しかし決して表舞台に姿を現さない。それが奴らのやり口だ。我が使命は⋯いや、我々の使命は、その野望を陰ながら阻止すること⋯だろう?」
そう言って黒髪の少年は茶髪の少年に目配せする。
「ああ。それが俺達の最終目標だ」
すると彼らの周りに青紫の魔力が帯び始める。
「そう、我が名はスタ⋯いや、我が名はシャドウ。陰に潜み、陰を狩るもの」
黒髪の少年の姿は黒いコートのようなものを着た姿に変わる。
「彼は僕の相棒にして生涯の友。彼が君を見つけた。名は⋯」
「ゼッツだ」
茶髪の少年はそう名乗り、彼の服もまた、黒いコートを着込み、中に白いシャツのようなものを着た姿に変わる。
「この世の悪を撲滅し、夢を守る⋯それが俺の生きる意味だ」
そう言うと茶髪の少年は黒い装置を取り出し、胸に巻くと、赤い球をそこに取り付ける。
インパクト!
メツァメロ⋯!メツァメロ⋯!メツァメロ⋯!
「I'm on it⋯変身」
グッドモーニング!ライダー!ゼ・ゼ・ゼッツ!インパクト!
ゼッツと名乗った少年の姿は赤い目とマッシブな体を持つ謎の怪人に変わった。
「なに⋯!?」
少女が驚き、後ずさる。
「これが俺の本当の姿⋯夢と現実を行き来するエージェント、ゼッツだ」
「我らの往く道は決して平坦ではない⋯だが、成し遂げてみせる」
そう言ってシャドウはゼッツの肩に手を置き、少女を見据える。
「英雄の子よ。我らとともに歩む覚悟はあるか?」
するとゼッツは少年の姿に戻る。
「さっきも言った通り、君には自由な夢を見る権利がある。俺は怪しい化け物だしな。好きに選ぶといい」
「⋯病に、いいえ呪いに侵されたあの日から私はすべてを失ってきました。醜く腐りながらも、無様に生きていた私を救ってくれたのはあなた方です。姿がなんですか。あなたが私を救うために動いてくれたことは変わらない」
「⋯だからあなた達が望むなら、私はこの命を賭けましょう。そして罪人には死の制裁を⋯!」
その言葉を聞くとシャドウはふっと微笑み、少女に手を伸ばす。
少女がその手を取ると、スライムスーツが纏われる。
「敵はおそらく、強大な権力者とかだ」
(とか⋯)
俺はものすごくフワフワしたシドの妄想に心の中でツッコミを入れつつ、目の前の少女を見る。
ゼッツとしての俺の姿に恐れをなさなかったとは大したものだ。信頼できる味方になりそうだ。
そう淡い期待を寄せつつ、シドと金髪エルフの話を聞き流す。
すると
「じゃあええっと⋯そうだな。僕らの組織はシャドウガーデン。そして君はアルファと名乗れ」
ここから俺達の組織・シャドウガーデンが始まった。
現在のバクの所持カプセム:インパクト、トランスフォーム、マシーナリー、リカバリー
アンケートの結果は現時点を見て決めますのでご了承ください。
なんなら増やすかもしれません、アンケートを取っておいてすいません。
感想や評価、お待ちしてます。お気に入り登録してくださると嬉しいです。
ヒロインは誰がいい?(上位三人をヒロイン入り)
-
アルファ
-
ベータ
-
ガンマ
-
デルタ
-
イプシロン
-
ゼータ
-
イータ
-
シェリー
-
ローズ
-
上記以外のヒロイン