ゼンゼロキャラとイチャイチャ純愛したり激重感情を向けられるお話 作:dark9486
前回前々回とちょっと重い話が続いたので今回は少し明るめの話にしていきます。
あとこの物語の世界観は書いてませんでしたが繋がってる設定なのでそれとなくこれまで書いた話の中にも触れていきますのでよろしくお願いします
───『タイムフィールド家お抱えの病院 レクリエーションルーム』
「ふっ…!っっっっ!はぁ…!」
休憩用のソファーやテレビ、そして簡易的なトレーニング用具が並ぶ中には不釣り合いなトレーニング器具に向かってひたすら右腕だけで男が一人、懸垂をしているがその目はどこか現実から逃げているかのような雰囲気を感じる
“精が出るじゃないか『悠(ゆう)』。だがあまり根を詰め過ぎるなよ、トレーニングというのは適度な休息も必要だ”
ふと一心不乱に器具と向き合う彼の背後の入り口から逆立てた髪型に髭ともみあげを繋げ、黄色いタンクトップを身に着けた体格の良い中年の男性が声をかける
声をかけられた彼は身体を器具から降ろし義足を付けると男の方へと歩み寄る
「お久しぶりです『モーガン』さん。生憎こんな身体になってしまいましたけど……ご覧の通りまだしぶとく生きれてます」
“人間這いつくばろうが生きてるだけで大勝ちだ。少なくとも『俺が生きていた時代』はもっと悲惨だったぞ”
軽く笑いながら『モーガン』という男は悠の肩を叩くが悠はそれに少し気まずそうな笑顔を返しながらも彼に対しこれまで思っていた質問をぶつける
「モーガンさんは確か百年以上生きてるんでしたよね?……なら辛い別れも沢山経験してきたんでしょう?」
“まあな……俺もあの時に戻れたらって考えたことなんてそれこそ何度もあったさ。『あいつら』を……そして『彼女』を救うことができたら…ってな
「…………」
“だがまあ結果は俺もお前と同じ様にしぶとく生き残っちまってる……あの作戦の後に『あいつら』のいた場所を離れてからはしばらく…ざっと八十年間は酒に溺れてた。”
モーガンはポツポツと何処か懐かしむかのような…
それでいて哀しげな顔で自分の手の甲を見つめ、悠は黙ってそれを聞いていた…
“だがある日、昔の同僚の家……『星見家』に拾われてな。そこからはまあお前も知っての通り、あの家お抱えのボディーガードになってるって訳だな”
「そうだったんです……」
「概ね合ってはいるが一つだけ訂正があるぞモーガン」
二人の会話を遮り、浅葱色の着物を着た長い狐耳をしたシリオンの女性が見舞い用の品なのか片手に大きな袋を持って現れ、彼女を見たモーガンはため息をもらす
「それは……お前が私の『婚約者』だということだ!(ドヤァ」
“こいつの戯言は聞くなよ悠。はぁ…それで?今日は仕事のはずだよな雅、なんで来たんだ?”
「今の私は『断固として会議に出席しない修行』をしている最中だ」
凄くキリッとした表情の雅だが要は『サボってきた』ということである。
“ならとっとと帰れ。それとも『無理矢理にでも連れてかれる修行』でもやりたいのか?”
「それは俗に云う『お持ち帰り』というやつか…?お前も案外大胆なんだな…////」
“誰がてめえのようなちんちくりんに興味持つか、せめて『柳』の姉ちゃんくらいボインボインになってから出直せ”
「何故この場で柳が出てくるんだ?………まさか浮気か?」
“浮気も何もお前に興味ねえって言ってんだろ”
悪態を吐きながらも息ぴったりな二人に最早夫婦ではと悠は疑問に思いながらもこのままでは埒があかないと判断し間に入る
「まあまあ二人とも……雅さん。お久しぶりです」
「ああ……お前が腕と脚を喪ったと聞き急いで来たんだ。土産のメロンだ。受け取るといい」
“いやお前丸ごとはないだろ……せめてカットしたやつとかにだな…”
「お前の爪で切れば問題ないだろう?」
“人の能力をフルーツナイフ扱いすんな油揚げに詰めて巾着にするぞ”
「私は巾着袋よりもお前の玉袋が欲しいんだg」
“や め ろ”
結局この後は看護師を呼んで裏でカットして貰ってから皆でメロンを食べ、モーガンと雅は悠に別れを告げ病院を後にするのだった…
“それで、あいつはもう二度と戦えないんだったか?”
「……ああ、あいつは哀しんではいたが同時に誇らしそうにしていた…『代わりに大切な人を守ることが出来た』と……友として手合わせが出来ないのは残念に思うが私もあいつの精神力を誇りに思う…」
“そうだな……悠のやつも俺より若いってのに無茶しやがる……『あいつ』もそうだったからな”
モーガンの言葉に雅はピクリと耳を動かす
「あいつ……とは『ヴェリオラ・ヴァイク』殿のことか?」
“………調べたのか?”
雅がそう言うとモーガンの顔は強張り、彼女の顔を睨みつけるが雅は今まで見たことのない彼の顔に少し目を細めながらも言葉を続ける
「……すまない、良くないことだとは理解している…だが、私はお前のことをもっと知りたい…そしてお前が受けた苦難や痛みを共に背負いたいと思ってる……」
雅は歩みを止め、ジッとモーガンの瞳を見つめる
「婚約者としても……今こうして共に背中を預ける仲間としても……私はお前と二人でこの道を歩きたいと思っている……駄目か…?」
“………はあ…わかったよ…くそっ…調べたことは水に流しといてやる……だからそんな顔すんな…そういう所も遺伝すんのか…”
先ほどまでピンと立っていた彼女の垂れ下がった耳と少し潤ませた紅い瞳にモーガンは先ほどまでの怒りを収め気まずそうに目を逸らし、許された雅はパアッと顔を明るくしながら耳をピコピコと忙しなく動かす
「すまないモーガン。この埋め合わせは必ずする」
“ふっ…なら今日は久し振りに行き着けの店で呑みたい気分なんだ。お前の仕事が終わったら一杯奢ってくれ、それでチャラだ。”
「わかった…!一つ聞きたいが、その店にメロンはあるか?」
“メニューに確か『メロンのブランデー漬け』があったが、お前には無理だな”
モーガンがからかうように笑うと雅はムスッと頬を少し膨らませる
「む、私はこれでも成人してる。大丈夫な筈だ」
“親父さんと一緒でワイン一杯でベロベロになったのは何処の誰だったか?”
「むぅぅぅ////(ペシペシ)」
“いてえな耳で叩くんじゃねえ”
そんな他愛のない会話をしている二人だったが前から儚げな雰囲気をした銀髪の男性が声をかけてくる
「おや?雅さんじゃないか。こんな所で奇遇だね。そちらの男性は知り合いかな……って…『レミエール』?」
「っ…!……嘘でしょ…?」
彼の隣には桃色の髪をしたシリオンの女性がいるがモーガンの姿を見ると目を見開き、まるで幽霊でも見たかのような驚愕の表情を見せる
「アキラか。紹介しよう。私の婚約者で……どうしたモーガン?」
“………こんなことってあるのか?”
だがそれはモーガンも例外ではなかった……
「……ごめんアキラさん!私ちょっと用事思いだしちゃったから先に帰るね…!それじゃ…!」
“待てレミエール”
ガシッ!
「ひゃああっ!?////」
レミエールが翼を広げて飛ぼうとする前にモーガンは彼女の羽の付け根を鷲掴みにし、地面へ引き摺り降ろす
「いたた…君って相変わらず強引だよね……」
“勝手に逃げようとしたそっちが悪いんだろうが、すまん雅、それと坊主。ちょっくらこの馬鹿借りてくぞ”
「え?ちょちょちょっ!?引っ張らないでよ~!」
そう言い残しモーガンはレミエールの手を引っ張ってスクウェアを歩き、『ポート・エルピス』方面へと向かって行く…
「モーガンがあれ程親しく……( ゚д゚)ハッ!」
「どうしたんだい雅さん?」
残されたアキラと雅は暫く呆然としていたが雅がふと何かを閃いたかのような顔をし、アキラが質問する…
「恐らくだがあの二人……元カレと元カノの関係なのではないか…!?」
「……多分もっと複雑な間柄だと思うけどな…まあ一応後を追おうか?」
彼女の答えに少し乾いた笑いをしながらもアキラ自身、彼女とモーガンの関係は気になるために二人で後を尾けることにするのだった……
あれえ?おかPeople…?明るい話にする筈なのに割と不穏な空気になってきたぞお?
次はレミエールの話になります。
順番通りに書くと言ったな…あれは嘘だ…
ごめんなさいレミエールの話を書いたらちゃんと書きます。
キャラ背景
『モーガン』
ヒュー・○ャック○ン風の顔に山○和○の声帯を持ったナイスミドル
百年前、『始まりの主』への対抗手段として人の身ながら体内に『業核』を埋めこまれ、それを制御するために全身の骨格をほぼ全て『フリンツ合金』で構成することで驚異的な身体能力と再生能力を身に付け、寿命も常人の数倍にまで伸びている。
体内にあるフリンツ合金を手の水掻き辺りから爪のように飛び出させたり、『業核』の力を利用して簡易的なエーテルシールドやエーテルベールを展開でき、さらにはエーテル周波数の操作によりある程度までのエーテリアスなら操ることも可能(精鋭クラスは少し隙を作れる程度)
『ダークウォール作戦』の際に恋人だった『ヴァイク』を喪い、以降はホロウレイダーとして活動しながら酒に溺れ続けていたが旧都陥落の数年前に雅の母親に星見家のボディーガードとして雇われ、雅とはよく髭をむしられながらもなんだかんだ可愛がっており、旧都陥落時には雅の替わりに彼女の母親を介錯している。
雅からはずっと求婚されているが本人はのらりくらりと躱しており、気が無いかと思うかもしれないが彼女が着替え中だったり抱きついてきた時には目を背けたりと一応女性としては見ている様子。
見た目や名前のモチーフとしてはもう完全にウ○ヴ○リンですが戦闘スタイルの一部は『ウィッ○ャー』のゲラ○トに、性格はどちらかというと『○が如く』の伊○さんがベースです。
『悠』
アリス編での『あなた』の名前。雅との修行でモーガンと出会い、彼の方が人生経験豊富なこともありよく相談をしていた。
『星見雅』
幼い頃からモーガンのことが好きで母親には「大きくなったらモーガンと結婚」したいと言っており、それが広まった影響で星見家では公認の仲となっている。
『H.A.N.D.』の『対ホロウ六課』に就任してからしばらく彼を勧誘していたが彼が「堅苦しい所より家でお前の側にいる方が気楽だ」と言われ残念ながらも諦めている(ただし凄く耳をピコピコさせながら)
『アキラ』
雅のプロキシ。たまたま彼女である『レミエール』とのデート中に二人を見かけ声をかけるがレミエールの動揺や彼女を連れて行ったモーガンに困惑しつつ後を追いかける
『レミエール・ダン』
『初代虚狩り』の一人でかつての『ダークウォール作戦』でモーガンの恋人であり、自身にとっても大切な人だった『ヴァイク』をその手にかけた過去を持つ
モーガンが生きていたことに驚きと喜びを出すものの、すぐに彼の恋人を殺めてしまったことを思いだしその場を立ち去ろうとするが彼に羽を捕まれ、そのまま強引に連れて行かれるのだった…