私は銀狼。
星核ハンターと言う指名手配されている犯罪者集団の一員で自他共に認める天才ハッカー。
好きなものはゲーム全般。
星核ハンターでハッカーである点を除けば私はごく普通の女の子⋯だと思う。
人付き合いは苦手だけど、そんな私でも人を好きになる事くらいはある。
友愛も親愛もそして⋯恋愛も⋯女の子なのだから、当然そういった感情を持っている。
基本的に刃を除いて頻繁に会話を交わす異性がいない私に取ってあの唯一のネッ友である宙という存在は新鮮で⋯何と言うか⋯とっ特別な存在だった。
だからかな⋯彼と他の女が一緒に寝たって聞いた時はどうしても心がざわついた⋯。
彼女でも無いのに⋯今までろくに顔を見合わせたことも無かったのに⋯こんな嫉妬の様な醜い感情を抱くなんてどうかしてる。
でも、それでもやっぱりこの思いは抑えられない。
唯一の同じ趣味を持ってる異性の友達⋯。
よくチートを使って、心にも無いチャットを打って場を冷めさせてきた結果一緒にゲームを遊んでくれるフレンド達が片っ端から離れていった中で宙は唯一ずっと私と一緒にゲームをしてくれた。
変な意地を張ってても意味ないからもうこの際認めよう私は宙を⋯特別な存在として好ましく思っている。
たまに一人でゲームしている時も星核ハンターとしての任務の時もいつも彼の事を考えてる。
だからこそ凄くショックだった。
宙が知らない女とヤッたって聞いて、一瞬その事実を理解する事を脳が拒んだ⋯。
嫌だった⋯もしその女と宙が一夜の過ちを切っ掛けに付き合いでもしたら、もう私とゲームしてくれないかもしれないって思ったから⋯。
取られたくなかった⋯私以外を見てほしくなかった⋯。
だから、心が乱れて感情の抑えが効かなくて、深く考えもせず、条件反射でオフ会の約束を取り付けてしまった。
いきなりの話だったのに、彼からはろくに了承も得ずに私が勝手に言い出した事なのに⋯彼は直ぐに準備を整えて私に会いに来てくれた。
それが堪らなく嬉しかった。
でも、その感情を彼の前で表に出すのは流石に恥ずかしいし、私のキャラじゃないから、何とか顔に出さずに我慢した⋯なのに⋯。
なのに⋯あんなに恥ずかしい事を言われ続けたら、我慢出来ないじゃん⋯。
抑えてた気持ちも、欲求も全て爆発しちゃうに決まってんじゃん!
宙に散々からかわれて、褒め殺された私は気付けば彼を襲っていた。
いつも任務で使う武器を取り出して、彼を気絶させて、彼の家の中に勝手に上がり込んだ。
そして、勝手に彼の服を脱がして、私も服を脱いで⋯そこからはご想像の通り、気絶した宙を美味しくいただいた。
途中で宙が目を覚ましたけど、彼が状況を理解出来ずに混乱している間に無理矢理食ってやった。
何も状況も理解出来ずに私にされるがままの宙は可愛いかった⋯。
そして⋯それからの事は必死過ぎて覚えてない。
ただ言えることはその夜は大変熱くて幸せだったて事だけ。
私は幸せな熱に浮かれて生まれたままの姿で宙と同じベッドで意識を手放した。
ー
ーー
ーーー
「何ということだ⋯。」
俺は今⋯大いに困惑している。
目の前には銀髪の小柄で麗しい美少女が一人。
しかも、何やら肌色の面積がかなり広い状態で眠れるお姫様よろしくスヤスヤと眠っている。
「ん〜宙⋯そこが弱いの?⋯100パー弱点撃破だね♪⋯。」
「⋯。」
なんて愛らしい寝言だろう⋯。
どうやら俺は銀狼に弱点撃破された様だ⋯。
⋯って違う!!!
何だこの状況!昨日の焼き直しじゃねえか!!
何でまた朝チュン迎えてるの?
あれ?おかしいな⋯俺昨日ただ学校サボって銀狼とゲームした後に急遽銀狼の無茶振りでオフ会しただけだよな?
何でこんな事になってるの?
ヤバいヤバい⋯星だけでなく銀狼にまで手を出してしまうとは⋯何してんだ!俺!
何で連日で二人も女の子家に連れ込んじゃうかな…。
しかも、今回は前回と違ってちゃんと昨夜の記憶があるのが、更に俺の心を絶望に突き落としてくる⋯。
「うっうんー!⋯あれ?宙起きてたんだ。」
心中で状況整理しながら、過去の自分の行動を悔やんでいると、モゾモゾと申し訳程度に被っていたモーフを掻き分けて銀狼が目を覚ました。
「おはよう⋯。一応確認なんだが、俺達昨日⋯。」
「昨日は熱い夜だったね⋯。私昨日と言う日を絶対に忘れない。」
少しだけ期待してたんだ⋯。
昨夜の事はきっと悪い夢かなんかだって⋯。
俺達がマッパで寝ていたのは単純に俺の家の空調が効かなすぎて仕方なく脱いだだけで、何もやましい事は無かったと言う都合の良い展開を望んでいた⋯。
しかし、人生と言う物はそこまで都合良くは行かない。
第一夢境は夢の世界なのだから、熱いも寒いもないだろう。
もし過剰なまでの暑さや寒さを感じるのであれば、それはきっと現実世界の俺の体に何かあった時だ。
現実とは非常だ。
現実逃避を全くさせてくれない。
都合の良い捏造や妄想を目の前の確固たる事実と根拠に基づいて否定してくる。
どれだけ逃げても無尽蔵の体力で追い詰めてくるのだ。
やっていられない⋯。
俺は現実から逃げられなかった⋯。
きっと、俺が陸上選手になっても財津と小宮を抜けないと思う。
まあ、そんな寒い冗談は置いておいて、逃げたくても逃げられなかった現実に一旦向き直ろう。
「シルバーウルフ⋯ヤッたんだな!?昨夜⋯!ここで⋯!」
「うん、勝負は昨夜ここで決まった⋯。」
どこか既視感のある台詞だ⋯。
どっかの誰かが進撃してきそうだ。
⋯しかし本当にシてしまったのでしょうか⋯。
星に続き銀狼まで⋯。
何故こうも間髪入れずにこんな事に⋯。
突然余談だが、俺は生まれてこの方モテた事も彼女がいたこともない。
異性の友達はまあ、多くは無いけどいたくらいで、色恋とは無縁の人生を送ってきた。
勿論、誰かとベッドインするなど言わずもがな、そんな機会毛程も無かった⋯なのに!
ピノコニーに来てからというもの怖いほどに朝の俺の家に全身肌色姿の女子がいる確率が高いのなんの。
何ですか?俺ってもしかしてエロゲの主人公だったりします?
俺ってもしかしてスタレの世界じゃなくてエロゲ世界に転生しちゃったのか?
もう、そう思わざるを得ない⋯。
もしくは何かしらの陰謀か⋯。
俺の知らない星神のせいだったり⋯。
兎に角、どうやら今の俺はモテ期(?)と言う奴なのかもしれない⋯。
それも、どうやら女子と直接会って話しただけで気付けば朝チュンを迎えてしまう様なまるでご都合主義のエロゲの台本によって決められた運命をなぞるかの様な何とも奇妙な物の様だ。
出会って直ぐに肉体関係に発展するのは果たしてスタレのメインキャラだけなのか、それともモブでも対象内なのか、年齢制限はあるのか、まだまだ謎は多い。
暫くはこの世全ての女子とは距離を置いた方が良いだろう。
⋯と言う訳で。
「
「は?」
今回は少し短め。
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