Radiated World〜少年少女の生存記〜   作:良久樹

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解くん目線。


残酷な世界で再会する正解

僕は、解(カイ)。

 

 

僕は、今はもうない、国最大の都会で、平和に暮らしていた。

 

「あの日」までは。

 

都会の方では地下シェルターにみんなは身を隠し、コミュニティを形成した。

 

でも、さすがは国内人口最多都市。すぐに地下シェルターは人で溢れかえり、とうとう物資の供給が追いつかなくなってしまった。

 

コミュニティのまとめ役は、苦渋の決断をした。

 

コミュニティの中の一部人間は、シ(・)ェ(・)ル(・)タ(・)ー(・)を(・)追(・)い(・)出(・)さ(・)れ(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)の(・)だ(・)。

 

僕の家族も、そうして追い出された。

 

地上の都市は崩壊していた。

 

たくさんの化物がいた。

 

1日のうちに追い出されたほとんどの人間は殺された。

 

殺されなかった人間も、放射性物質を取り込んで、死んでしまう。

 

知り合いもいた。

 

みんなの最後の言葉はほとんどこうだった。

 

「「「「「なんで私たちなんだろう。追い出されたのが、なんで」」」」」

 

 

 

僕たち家族、両親と妹と僕は生き延びていた。

 

自分たちで思うのもなんだが、体も比較的丈夫で、知恵も働く一家だった。

 

瓦礫の中から武器になりそうなもの、食べれそうなもの、役に立ちそうなものを探して、死に物狂いで生きた。

 

あの化物――――――――いや、『魔物』たちをも相手にしながら。

 

生きて、生きて、生きて。

 

家族は、放射線でとうとう病気になり―――

 

 

 

 

 

 

 

 

アイツが現れたのは、ある暗い暗い、曇った日のことだった。

 

僕は唯一、体調がよかったから、みんなを看病しながら生き残っていた。

 

でも、アイツが現れて。

 

アイツとは、魔物だ。

 

アイツは、とても大きく、強靭な体を持っていて。

 

あいつは、赤子の手をひねるどころか、呼吸をするように僕らの住処を壊し、食い荒らした。

 

両親は僕と妹を庇って――――――――――

 

僕らは必死に走った。

 

でも、妹は放射線による体調不良で。

 

妹は。

 

アイツに脚を持っていかれた。

 

赤い赫い飛沫が。

 

そのときに、僕の中でナニカがプツンと切れた気がした。

 

僕はナニカを呟いていた。

 

「【解(説)けろ】」

 

アタマの中に情報が流れ込んでくる感覚。

 

ああ、これは魔法だ。

 

急速に冴える思考と、瞬時に得た知識。

 

アイツのことも、僕のことも、妹のことも。

 

全て―――――――――――――統べて。

 

僕の体が“魔法使い”であることも。

 

アイツの弱点も。

 

妹の傷も。

 

ああ、身体の使い方が解る。

 

僕は身体を造(・)り(・)変(・)え(・)て(・)い(・)く(・)。

 

僕の魔法“解”は解(わか)る、解(・)ら(・)せ(・)る(・)能力だ。

 

身体に情報を解らせて、瞬時に適応させる。

 

負担は重いが、僕は、アイツを殺せる身体に。

 

足に“魔力”を込めて跳躍する。

 

腕から指にかけて“魔力”を込めて。

 

アイツの頭に“解(ばら)す”イメージを叩き込む。

 

「【解(説)かす】!!!」

 

アイツの頭に僕の指が触れて。

 

アイツの頭部を爆散させた。

 

そんなことより、妹は。

 

魔法で身体を造り変えた反動か、体中が痛い。

 

そんな体で、僕は妹に駆け寄った。

 

妹は死にかけていた。

 

意識が危うい。

 

潰された脚からは赤い血が流れていて。

 

体の彼方此方(あちこち)が黒く爛れている。

 

何か方法はないのか。

 

魔法で冴えた思考に天啓が走る。

 

僕の魔法は、適応させる能力だ。

 

なら、“魔女”の身体に適応させればいいのだ。

 

しかし情報がないと適応させることはできない。

 

なら。

 

僕の身体の情報を与えてそれに適応させればいい。

 

まずは僕の脚を斬る。

 

自分への【解(説)かす】を使い、その脚を妹の身体的仕様に変換させる。

 

それから他人への【解(説)かす】を使って身体に馴染ませるのだが。。。

 

 

 

僕の身体へのダメージが大きすぎた。

 

「【解(説)かす】」が使えない。

 

このままでは僕の妹は。

 

残るたった一人の家族は。

 

「僕は、、、俺は、そんな結果なんて許さない!!!」

 

僕の身体なんてどうだっていい。

 

“魔法使い”の身体を信じて。

 

「【解(説)けろ】!!!」

 

願うのは、エネルギーである“魔力《ほうしゃせん》”を補填する術(すべ)。

 

身体は壊れそうになり、激痛が走る。

 

それでも。

 

「【解(説)かす】!!!」

 

僕は魔法を発動し。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妹は一命を取り留めていた。

 

しかし適応するのは難しく、起きるまでは時間がかかる。

 

僕は、自分の脚を斬った。

 

斬った脚を取り戻すには、魔法を使うしかない。

 

自分への【解(説)かす】を使って、“魔力”を消費し身体を再生させる力を得る。

 

脚は治ったが、【解(説)かす】多用の反動で、力を使い果たして―――

 

 

 

 

 

 

気が付くと、見慣れないところにいた。

 

体を起こすと、そこには、誰かが――

 

「やっと、起きたの」

 

泣きそうな声で言ったのは。

 

その声の主は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕が小さい頃離れ離れになってしまった、恋人だった。




マジで時間ない
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