狂愛を取り戻せ   作:アマノジャック

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ウマ娘、5.5周年おめでとうございます。そして、スティルインラブの実装1周年でもあります…そのストーリーの濃さはヤバかったですよね。全20話を連日投稿の予定ですのでよろしくお願いします。

*この話のネオユニヴァースは公式とは別人です。


行方知らずの愛

アグネスタキオン…無敗で皐月賞を勝った後にケガで引退。しかし、担当トレーナーが変わると1年後に復帰し、天皇賞(秋)、ジャパンC、有マ記念×2、フェブラリーS、宝塚記念、ホイットニーH、BCクラシックとG1レースを9勝したウマ娘。

 

「ユーニヴァース☆ねぇ、タキオン…お願いがあるんだ。ワタシと同室のウマ娘ことなんだけどね…」

「『スティルインラブ』君のことかい?」

 

そんな彼女もトレセン学園卒業後に担当トレーナーと結婚、子供が1人生まれた。さらにトレセン学園の学内研究員となり数年が経ち、チーム"エレメント"に所属する『ディープインパクト』が無敗の3冠を達成した翌日の話である。

 

いつも通り、作成した『合成因子』の解析を進めていたアグネスタキオンの所へ、ドリームトロフィーシリーズに挑んでいる『ネオユニヴァース』が突然に訪ねてきたのだ。

 

ネオユニヴァースの同室のウマ娘であるスティルインラブは、史上2人目のティアラ3冠ウマ娘。しかし、3冠達成後は1度も勝てず、先週のG3レースの17着を最後に引退した。

 

「退学届を理事長に渡して行方不明になったの。」

「…は?」

 

キーボードを叩く音が止まる。無理も無い…アグネスタキオン自身はあまりスティルインラブとは話したことは無いもののティアラ3冠を達成したウマ娘が突然そんな行動したとなれば、誰であれ思考が止まる。

 

「…彼女の担当トレーナーは何をしてるんだ?」

「スティルが引退した翌日に衰弱で長期入院…スティルね、それを自分が原因だと思っているみたいなの★」

「…ネオ君、君はどうしたい?スティル君に退学を止めるように説得でもする気かい?」

「違う違う☆スティルの強さであった"ナニか"を戻してあげたいんだ☆…もう遅いのは分かってるけど。」

「…"ナニか"?」

「うん☆スティル自身の中にいるもう1人の自分らしくて…そうだ★スティルのトゥインクルのレースって再生出来る?」

「あぁ…出来るがどのレースを見るつもりで?」

「秋華賞で☆あ、再生するのは最終コーナーからで☆」

「分かった。」ピッ

 

───

 

『外からスティルインラブ!

スティルインラブ!

アドマイヤグルーヴが捉えにかかる!』

 

「あははハハハははははハはっ♪」

 

『アドマイヤグルーヴかスティルインラブか……スティルインラブだ!

スティルインラブが勝ちました!

史上2人目のティアラ3冠ウマ娘です!

17年ぶり…メジロラモーヌ以来のティアラ3冠です!』

 

───

 

映像を観てアグネスタキオンは当時のことを思い出す。自身はBCクラシックへの出走のため、日本のレースを見れず、ソウジと共にアメリカで最期の調整をしていたのだ。それはさておき…ネオユニヴァースが伝えたいことも理解した。

 

普段は影が薄いスティルインラブがレースの終盤に豹変して圧倒的なスピードで3冠の最期のピースをもぎ取ったのだ。

 

「映像越しだから詳しくは分からないが…少し背筋が凍ったよ。凄まじいオーラだ。」

「うんうん☆すごいよね★」

「本能が解放された、と言ったところか。まぁ、当時の私には及ばないね。」

「レース引退してるから言いたい放題だね☆…ワタシと一緒に有マに来るかもしれなかったんだよ?」

「一緒に走れなくて残念だ。」

 

なお、この有マ記念をアグネスタキオンはレコードタイムで勝利したものの…翌年ゼンノロブロイにより更新されたのはここだけの話。

 

「んで、これがその次のレースね★」ピッ

「ちょっ!?何勝手に…」

 

───

 

『先頭はオースミハルカ!

外からスティルインラブとアドマイヤグルーヴが来ているぞ!

スティルインラブとアドマイヤグルーヴだが…アドマイヤグルーヴがやや前か!』

 

「負け…ないっ!」

「あはハハハ…!良いわ良い………えっ?な、何で急に消え…」

 

『アドマイヤグルーヴとスティルインラブ、同時にゴールイン!

クラシック世代の決着ですが…アドマイヤグルーヴ、やや体勢有利か!』

 

───

 

映像を止める…スティルインラブはアドマイヤグルーヴの内にいたため彼女の表情は見えないが、ゴール前に僅かに失速していることは分かった。

 

「ここを最後に"ナニか"はいなくなっちゃったみたいだよ☆」

「そしてレースでの勝利も無くなったと…」

「ユーニヴァース☆ねえ、これってヤバくない?ヤバいよね?ユーニヴァースだよね?」

「ネオ君…残念だが、それ以上のヤバい存在を私は知っている。」

「そんな~」

 

アグネスフライト…アグネスタキオンの姉にして唯一アグネスタキオンに敗北を与えたウマ娘。現在は中央のトレーナーで『シックスセンス』というウマ娘の担当しており、クラシック3冠全てに出走させた活躍ぶりである。

 

「じゃ…じゃあ!『ウォーエン』が来た時に『因子』を貰ってきてあげるけど?」

「…彼女であれば私が頼めば喜んで提供してくれるだろ?」

「あ☆」

 

ウォーエン…正確な名は『ウォーエンブレム』。アメリカのウマ娘で引退後もアメリカにいたものの一時的に日本に来ることとなり、トレセン学園に数ヶ月滞在していた。かなりの栗毛好きでたまに暴走して栗毛のウマ娘を襲う。

 

「えーと、えーと…」

「さて、君とのお喋りもここまでだ。私はこれでも仕事中でね…これ以上は手を離すわけにはいかないよ。」

「仕事…それだ!ユーニヴァース☆またね、タキオン★」ダッ

 

目を輝かせたネオユニヴァースは部屋を後にした。嫌な予感がするアグネスタキオンだったが…

 

「さて、この前に試した『合成因子』のレースデータから…問題点を洗い出すとするか。」カタカタッ

 

自身の仕事へと戻って。そして、翌日…アグネスタキオンの元にネオユニヴァースと『シンボリルドルフ』が訪ねてきた。

 

「アグネスタキオン…率直に言おう。スティルインラブの退学を取り消すため私に協力して欲しい。無論、理事長から許可は得てあるとも。」

「ユーニヴァース☆」

 

 

「……やはり、こうなったか。」

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