狂愛を取り戻せ   作:アマノジャック

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魔性王 VS 衝撃 VS 狂愛の紅

「ゲート良し…最後の確認だ。芝、2200の右回り…参加するのは俺とディープインパクトとスティルインラブとの3人。2人ともそれでいいな?」

 

「…問題無し。」

「えぇ!えぇ!早く始めましょう!」

 

ソウジは芝コースにゲートを設置して、ディープインパクトとスティルインラブの2人へと声をかける。

 

「タキオンはゲートを開けてくれ。サンデーサイレンス…レース中は誰にも取り憑くなよ?」

 

「任せたまえ。」

「憑かねぇよバカ。」

 

さらにアグネスタキオンとサンデーサイレンスに一言言い…ゲートへと入る。続いてディープインパクト、スティルインラブもゲートへと入り…模擬レースが始まった。

 

「…!」

 

好スタートを決めたのはディープインパクト。しかし、末脚を活かすためにあえてペースを落とし3番手へと下がった。

 

「…」

「あはは…逃がさないわ!」

 

結果ソウジが先頭となり、それをスティルインラブがマークする。ソウジはペースを上げて引き離そうとするも、スティルインラブは1バ身差をキープしたまま後を追う。

 

「…自分のペース。…自分のペース。」

 

対して最後方のディープインパクトとの差は大きく開いていき、10バ身以上の差が出来る。しかし、それに慌てることなくディープインパクトは2人を追う。

 

「タキオン、1000mのタイムは?」

「58.5…かなりハイペースだね。あの『合成因子』だと逃げは出来なくもないが…さて、ソウジはどうするつもりやら。」

「あの姿はえーと…「『レックスファタリス』だ。」そう!その『レックスファタリス』だと…未来予知が出来るんだっけ?チートだな…」

「あぁ…『未来に起こる可能性の1つが見える』という方が正確だね。」

「一緒だろ?」

「全然違う。予知、というのであればその未来は確定していることになる。しかし、自身に不利な未来が見えた場合は変えることも出来る…故に未来予知とは異なるわけさ。」

「勝ったにしろ、負けたにしろ…アイツがどんな未来を見たか俺らには分からなくないか?」

「そもそも話、この能力もソウジからの報告でしかないからね。さぁ、最後の直線だよ!展開は…ほぉ。」

「マジか!プイのやつ…もうあんなに差を詰めたってのか!?」

 

アグネスタキオンとサンデーサイレンスが話してる間にレースはクライマックスへと入る。先頭のソウジに1バ身差をキープしたスティルインラブが続いていたが、ディープインパクトとの差が5バ身までに縮まっていたのだ。

 

「…!」ダンッ

「あはははっ!来た来た…もう、我慢出来ないっ!」ダンッ

 

最初に仕掛けたのはソウジ。力強く地面へと踏みこみ、前へと出る。それと同時にスティルインラブも仕掛け………一気に先頭へと立った。

 

「…え?」

 

仕掛けたスティルインラブは混乱する。ゴール直前で差しきる予定であったソウジを既にかわしてしまったからだ。しかし、ここでペースを落とすことも出来ず…ゴールまで先頭で走り続ける以外の選択肢は無い。

 

そして、2番手となったソウジに最後方だったディープインパクトが並んだ瞬間…

 

「…今回こそ勝つ!」ドンッ

「さっきと同じじゃ俺に勝てねぇぞ?」ダンッ

 

2人も仕掛けて末脚を伸ばす。混乱するスティルインラブをよそにソウジとディープインパクトの根比べが始まった。先頭はスティルインラブ…しかし、その差はあっという間に詰められ…ついには2人にかわされた。

 

「──まだです!目覚めてワタシ!お願い!今なら…今なら……あ、あぁぁ…!!」

 

「「はああぁぁぁ!!」」

 

2人はスティルインラブをつきはなす。そのまま僅かにソウジが先頭へ抜けると…そのまま1着でゴールした。

 

───

 

「はぁ…はぁ…2回連続は流石にキツい…」

「…今回も負けた。…スピードは私の方が上の筈なのに。」

「いや、今回のお前はかなり遅くなっていたぞ?詳しくは後でレースを見直した時に教えるが…まぁ、2回もすればそうなるさ。」

「…(ソウジ)、私の担当するのは嫌?」

「そんな訳ないだろ…だが、その強さはサンデーサイレンスと共になれた強さでもある。俺から出来ることはもう無いからな…それはそうと無敗の3冠取ったお前にそう言って貰えて嬉しいよ。」

 

「…何で?魔性と粒子、衝撃…最高のご馳走を用意したのよ?何で目覚めてくれないの…何で何でなんでなんでなんで…」

 

コースの端にいたのは大の字で寝転がりレースの感想を語るソウジとディープインパクト、立ったまま青い顔でブツブツと自身に何かを語るスティルインラブの3人。

 

そこにアグネスタキオンとサンデーサイレンスが合流してきてタオルとスポドリを渡す。さらにはシンボリルドルフとネオユニヴァースの2人もスティルインラブのそばまで来てきた。

 

「ユーニヴァース☆スティル、伸びなかったね…」

「…なんでなんでなんで?」

「明明白白。やはり、その力はもう…」

「…ユーニヴァース★」

 

「まだよ!」

 

『─!』

 

大きな声がコース外から聞こえ、全員が声の発生源へと視線を向けた。そこにいたのはスティルインラブの担当トレーナーで…現在は入院している筈のユキだった。




次回、過去編。
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