「…
「止めてくれ…無敗の三冠を勝ち取ったお前を…大好きなお前をこんなことで終わらせたくない!!」
「…大…好き?」
「あぁ、そうだ!ずっと俺のことを好きと言ってくれるお前を…意識してないわけがないだろ!」
「…
「それは無理。」
「…柔軟スタート。」ググッ
「あぁ!?だから走る準備をしないでくれ!お前、ここで終わっていいのか?」
「…そしたら
「そんなことで終わったなら取らねえわ!」
「何あレ?何でコイツらはコノ状況でワタシを無視出来るノ?何であんナのがディープインパクトに好かれテイるの?」
『…』
「…そう。サンデーサイレンスまでソンなこと言うのね…腹立たシい!もう1回…」
ソウジとディープインパクトのやり取りに怒りを覚える
ガシッ
「ユキちゃ~ん、今から何をするつもりかしら~?」
背後から表れた栗毛のウマ娘に掴まれた。
「アグネスタキオン……じゃない。姉の『アグネスフライト』ね。ワタシはあの2人の足に触レようとしたダけよ?」
『…!?…!…!!!』
「ふーん、触れるだけか…そっかそっか。それでユキちゃん…その姿は何?」
「アのトレーナーと一緒。『因子』を飲ンだらこウナったの。」
「ふーん、タキオンちゃんの研究成果をねぇ…?」
『…!……!!』
アグネスフライトは笑顔を
「サンデーサイレンス、さっキからうるサイワ!」
「…サンデーサイレンスさん?あぁ、なるほどなるほど。今はユキちゃんに取り憑いているんだ……剥がすか。」グイッ
『…!?』
「──エっ!?本当にイナくなッテる?何をシタノ?」
「何って…摘まんで剥がしただけよ?はい、自分の身体に戻るっ!」パンッ
「かはっ!」がばっ
宙を掴んだアグネスフライトが倒れたサンデーサイレンスの背中を叩くと…サンデーサイレンスが起き上がり、ソウジとディープインパクトのいる所へと駆け出した。
「サンデーサイレンスさん?助けてあげたのに何で何処か行っちゃうのですか?」
「助けてあげたじゃねぇよバカ!今、そのトレーナーの中にはスティルがいたから余計なことだわバカ!…プイ、大丈夫か?」
「…デサイレン、邪魔。…今、
「プイッ!?」がーん
対してディープインパクトの反応は冷たい。そして、アグネスフライトの腕に血の手形が付いた。
「…あら?」
「ワタシはディープインパクトを食ラい尽くシたイの…邪魔しナイでくレる。」
「えいっ……っぐ!」バチッ
「……ハ?何をシてルの?」
「本体にはノーダメージか。繋がってる訳じゃなさそうね…」
アグネスフライトは冷静にスタンガンを取り出して…血の手形へと電気を流す。自身にも電撃が走ったものの血は弾けるように消え去った。
「そんナノありッ!?なら、もウ1回…」
「なるほど…そうやって手から血を飛ばして操っていたのね。」
バチッ
飛んできた血をスタンガンで蒸発させた。そして、アグネスフライトは
「離しナサい…!」
「ユキちゃん…じゃなくてスティルちゃんか。スティルちゃんさ~、さっきさ~…プイちゃんを食らい尽したいって言ってたよね~?」
「そレが何?離しなサイ!」
「…
「──ッ!?」
アグネスフライトの口から突然ドスの効いた低い声が出る。それ聞いた瞬間、
「何デ…急に力が入ラ……ナっ!?ドコに手を…!?」ずぼっ
「んー、血でザラザラしてて分かりにくいけど………ここはトロットロォ♡身体はちゃんと覚えてるみたいね…あぁ、美味し♡」れろっ
「何の話ヨ!」
「ユキにとって私は初めての相手だった…それだけの話よ。」
「…初めて?」
『暴れても無駄だ。ウマ娘に人間が勝てない訳がない。けど、安心しろ…ちゃんと気持ちよくしてやるから♡』
『ん!んんー!!』
アグネスフライトは
「まサか……!許さない!!この身体はワタシのものなのに…!!」
「へ~、スティルちゃんもユキちゃんを食べたことがあるのね…私たち仲良くなれそうじゃない?」
「ふざけないで!」
「私としては…スティルちゃん自身を食べたいな~♡ティアラ三冠のウマ娘の身体ってとっても美味しいのよ♡まぁ、終始無反応でつまらなかったけど…だから、この前実家にいるラモーヌちゃんにリベンジしようと寝室に向かったの♡そしたら、何故か一緒に寝てたじいちゃんに邪魔されて~」
「何で貴女の実家にメジロラモーヌがいるのよ!?と言うか早くユキの身体を離しなさい!」
「止めろフライト!」
「は~い♡」ヒョイ
どさっ
「…うぐっ!?」
ソウジの声に反応してアグネスフライトは手を離す。すると、宙にいた
「けほっ!けほっ……よくも!」
「コウセツ、お前は何でディープインパクトと走りたいんだ?」
「何でって…今、一番強いウマ娘だからよ。それ以外に何があるの?」
「つまり…強い相手と戦いたい、でいいんだよな?」
「えぇ!私はワタシを求めた…つまり、全てを蹂躙しろっとこと!その第1歩として…
「無敗ね…言っておくが俺の方が強いぞ?さっき走って分かっただろ?」
「そうね…でもそれは『
「それはお前もだろ?ユキが『合成因子』を飲んでそうなってるし。」
「……あ!?」
「今気付いたのかよ…」
「何よ…ワタシに…どうしろって言うのよ…」
自身の行動の矛盾に気付き狼狽えるコウセツ。そこにアグネスフライトが肩へと手を置いた。
「私のペットになるとかどうかな♡大丈夫、一生可愛がってあげるから♡」はぁはぁ
「…は?」
「フライト、お前は喋るな。俺がいいと言うまでそこでお座り。」
「わんっ♡」ペタン
アグネスフライトの発言に頭痛を覚えつつソウジは無理やり引き剥がすと再び
「コウセツ、お前は強いウマ娘とレースしてその力を実感したい…それは合っているか?」
「えぇ…」
「…此方でディープインパクトレベルの強い相手を用意する。それなら納得出来るか?」
「…分からないわ。」
「それなら試すとしよう……ちょうど来たようだ。」
ソウジが後ろを振り返る…そこには大きく膨らんだリュックを背負うアグネスタキオンが此方へと向かっていた。