狂愛を取り戻せ   作:アマノジャック

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異常には異常を…

アグネスタキオンらがスティルインラブを捜索し始めて2日目───

 

『アグネスタキオンだ。家の者らと学園外を調べているが…手がかりは無い。監視カメラにすらその姿を確認できなかった。』

 

『こちらシンボリルドルフ。私も学内を調べているが同じ状況だ…ネオユニヴァース、そちらはどうかな?』

 

『…お前ら何やってんだ?』

 

『『──え?』』

 

アグネスタキオン、シンボリルドルフ、ネオユニヴァースと3組に分かれて調べていたのだが、ネオユニヴァースからおかしな通信が入る。ネオユニヴァースの声ではあるのだが…普段の彼女とは異なる喋り方でアグネスタキオンとシンボリルドルフの思考が止まる。

 

『…あぁ、デサイレン君か。何故君は今、ネオ君の身体にいるんだい?』

 

『夜番してたらトレセン学園の生徒が夜中に外を歩いてるって通報があったんだよ。んで、現場まで歩いていくのが怠いから取り憑いたって訳だ。』

 

『アグネスタキオン。一体、何が起きているんだい?サンデーサイレンストレーナーの名前が聞こえた気がするのだが?』

 

『あぁ。デサイレン君が自分の身体から幽体離脱してネオ君の身体に憑依したんだ。』

 

『…ちょっと何を言っているか理解できないな。』

 

『とりあえず捜索は家の者たちに任せ、私たちは学園で合流するとしよう。デサイレン君、君も私の研究室に来てくれないか?』

 

『えぇ…怠ぃな…』

 

『サンデーサイレンストレーナー、私の口からも説明させてください。』

 

『ったく。分かった分かった…ネオユニヴァースに取り憑いたままの状態でいいな?』

 

『それは任せよう。』

 

───

 

時間は深夜1時。アグネスタキオンの研究室に3人のウマ娘の姿が…否、正確には4人のウマ娘がそこにいた。事態をややこしくしてるウマ娘が1人。

 

『サンデーサイレンス』…アメリカにてG1レースを6勝したウマ娘。現役時の全レースで2着以下になったことはない。引退後は日本にてトレーナーになったものの事故に巻き込まれ、何年も意識不明の重体で過ごしていたのだ。その間に幽体離脱し、適合出来る身体へと取り憑く技を身に付け、マンハッタンカフェのそばに居続けた過去がある。

 

現在はアグネスタキオンの夫である『ソウジ』のチーム"エレメント"のサブトレーナーであり、先週の菊花賞を勝ち無敗の3冠を達成した『ディープインパクト』の担当トレーナーでもある。

 

そんなサンデーサイレンスは現在、ネオユニヴァースの身体へと取り憑いている状態なのだ。

 

『あんたとまともに話すのは初めてだなシンボリルドルフ。』

「…軽く耳にしていたが…本当にこんな現象があるんだね。」

『あんまり細かいことを聞くなよ。正直、俺にもよく分からねぇからな。』

「前に私やお姉ちゃん、カフェにフジ君やスズカ君などを巻き込んでレースをしていたことがあったねぇ。アレは未だに興味深い現象だ。」

「あぁ、夏だからレースが開催されてない筈の東京レース場のバ場が何故か荒れていたあの事件か…あの時は合宿所にいた何人かの生徒が疲労を訴えていたがサンデーサイレンス、君がみんなを東京レース場に連れていったと言うことかな?」

『き、記憶にねぇよ…』ガタガタッ

 

首を抑え震えだすネオユニヴァース(サンデーサイレンス)。事件の詳細を軽く説明すると数年前、幽体離脱したサンデーサイレンスがアグネスタキオンを筆頭に眠っていた15人のウマ娘たちの夢へと干渉し、レースを行ったのだ。結果はマーベラスサンデーの勝利、サンデーサイレンスは最後に差され3着、アグネスタキオンは末脚を伸ばせずに4着に敗れた。と、ここまでは良かった。

 

サンデーサイレンスが負けたアグネスタキオンの首を絞めてきたのだ。当時のアグネスタキオンは有マ記念からホイットニーHまでG1レースを4連勝しており現役最強と呼ばれていたのだが、その強さを感じられずサンデーサイレンスがキレたからである。

 

しかし、その直後…妹を傷付けることにキレたアグネスフライトが逆にサンデーサイレンスの首を絞めたのだ。命からがらアグネスフライトらを元の場所に返したもののそれ以降、サンデーサイレンスはアグネスフライトのことがトラウマとなっている。

 

そして、解放されたアグネスタキオンたちだったが目を覚ますとレース直後の疲労状態であり、さらには現実の東京レース場のバ場が荒れていたというも判明。当時のサンデーサイレンスは意識不明状態だったこともあり、謎のまま処理をされたのだった。

 

「そう言えばあのレースのメンバーは全員、君の『因子』を持っていたことなるねぇ。もしかすると…デサイレン君が憑依出来るのは君の『因子』を持ったウマ娘かもしれないねぇ。」

「と言うことは…スティルインラブに憑依出来るかもしれない!サンデーサイレンストレーナー、どうだろうか?」

『スティルインラブ?確かに1度取り憑いたことはあるが…』

「「本当かいっ!?」」

『うおっ!?』びくっ

 

2人の気迫に圧されるネオユニヴァース(サンデーサイレンス)。サンデーサイレンスもスティルインラブの捜索に巻き込まれることが決まった瞬間でもある。

 

『待て待て待て!俺はプイの担当で忙しく…』

「チームトレーナーのソウジに任せればいいだろ?」

『ふざんけんなっ!あんな逸材を俺以外に任せてたまるか!』

「早く解決すればいいだけの話だ。」

「そのために協力して欲しい…頼む。」

『ぐっ…!明日プイに決めさせる…プイがいいって言ったら、だ!』

 

サンデーサイレンスはそう吐き捨てるとネオユニヴァースの身体から離れていった。解放されたネオユニヴァースが立ち上がる。

 

「ううう…☆何があったの★」

「協力者が増えた。」

「まだ確定した訳ではないよ。」

「いや、確定したようなものだ。明日には分かるだろうさ。」

「ユ、ユーニヴァース…☆」

「捜索隊には解散するよう連絡してくれ…ふわぁぁ~。とりあえず、私は寝るとしよう。」

「ワタシも眠いよ…☆」

「では、また夕方にここに集まるとしよう…あとサンデーサイレンストレーナーは私が呼んでおくよ。2人ともお疲れ様。しっかりと休んでくれ。」

 

その日は解散となった。

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