「よし、クールダウンをしたらトレーナー室でさっきの模擬レースの振り返りを……誰だっ!?」
「…
「…ディープインパクト、俺が良いって言うまで絶対に俺から離れるなよ?」
「…」こくっ
模擬レースの終わった2人だったが、何かを感じたソウジがディープインパクトを守るように前へと立ち、辺りを警戒する。それと同時に目の前で赤いナニかが姿を見せた。
「あはハハハッ!甘い甘い
「スティルインラブ!」
「…最近引退したトリプルティアラのウマ娘?…どこにいるの?」
「見えないのか?目の前にいるだろっ!」
「…私には見えない。」
その正体はスティルインラブ。しかし、視認出来ているのはソウジだけのようだ。
「あぁ…強い強い
「…!」ぞくっ
「ディープインパクト!?」
「…スティルインラブが私にも見えた。…というか何これ?…寒気?」
「ウマ娘のスティルインラブの筈だが…チッ。何だこのオーラは…おい!何のつもりだ!」
スティルインラブが名前を呼んだことでディープインパクトにも視認できるようになった。ソウジはディープインパクトを自身の背中に移動させつつ、スティルインラブへと質問を投げる。
「言ったでしょ?アナタたちを喰らうって…あぁ、はしたない。けど、涎が止まらない…」じゅるり
「ひぃ!?…
「…ディープインパクト、もう一度模擬レースを行う。準備しろ。」
「…え?」
「理由は分からんが…トリプルティアラのウマ娘がやる気を出している。これをトレーニングに活かすしかない。」
「…
「その前に休憩だ。スティルインラブと相談して条件が決まったらスマホに送る。ダイワスカーレットらと一緒に待ってろ。」
「…はい。」
ソウジはディープインパクトをその場から離し、再びスティルインラブへと顔を向けた。
「模擬レースをする、でいいんだよな?条件は?」
「アナタが決めて!私はどんな条件でもいいわいいわ…♪」
「…宝塚記念を意識した芝2200、右回りで。スティルインラブ、俺からも質問いいか?」
「何かしら?」
「お前は何で狂ったふりを…」
「はい、そこまでだよソウジ。」
「…」
「…タキオン。それにサンデーサイレンスもか。」
アグネスタキオンとサンデーサイレンスが現れ、カバンからスコープを取り出し辺りを見渡し始めた。
「ふむふむ…肉眼では見えなかったがコレを通せば見れると。いやはや、どの物理現象に当てはまるか想像が出来ない…実に興味深い。」
「…はぁ、何か今のスティルに取り憑けねぇし。それもどうなってるか分かるかタキオン。」
「そもそも君が取り憑けること事態が異常なのだが…スティル君、君は今、ネオ君や会長と共にいる筈だろ?何故ここにいる?」
「…」
スティルインラブは黙ったまま、アグネスタキオンの方へと顔を向ける。
「答えは沈黙か…まぁ、いい。実験の邪魔だし捕らえて会長に引き渡すとするか…デサイレン君。彼女に乗り移りたまえ。」
「いや、取り憑けねぇって今さっき言ったばかりだろ!?」
「えぇー!?」
「テメー、さては何も聞いてなかったなっ!?」グイッ
「いふぁい!いふぁい!」じたばた
キレたサンデーサイレンスがアグネスタキオンの頬を引っ張る。そんな様子にソウジはため息をつきつつ、LAMEを送信したスマホをポケットにしまい、ストレッチを始めた。
「ソウジ、君は何をしているんだい?」
「コイツとディープインパクトとで模擬レースをするんだ…邪魔をしないでくれ。」
「あぁ…それなら出来立てホヤホヤのこの『合成因子』を…」
「『レックスファタリス』が彼女の希望だ。今度にしろ今度。スティルインラブ、準備はいいか?」
「えぇ!アナタをいっぱい味わわせて!」
顔を紅くしてソウジ見つめるスティルインラブ。
「待てスティル君!ソウジのXXXは私の物だ!君が味わうことは許さない!」
「え…?X、XXX…?な、何の話でしょうか!?私そういうのはちょっと…」
「…タキオン、誰も俺のXXXの話はしてねぇだろ?スティルインラブも困惑して素が出ちゃってるし…」
アグネスタキオンの嫉妬により、さっきとは別の意味でスティルインラブの顔が赤くなる。今度はサンデーサイレンスがため息をついた。
「もう面倒だからコイツのXXX取らねぇか?」
「えー、再生に時間かかるし、結構痛いしで2度とごめんなんだけど…」
「1度はあるのかよ!?しかも再生って…お前、本当に人間か?」
サンデーサイレンスがドン引きしてるが…ソウジは淡々と模擬レースに向けて準備を進めていった。