前世「朝比奈珀空亜」の記憶を持って、鬼滅の刃の世界へ転生した少年・獪岳。

しかし彼が転生したのは、やがて仲間を裏切り、鬼を寺へ引き入れ、自らも鬼となって我妻善逸に討たれる運命を背負った「獪岳」だった。

「……そんな最悪のバッドエンド、絶対に御免だ!」

原作の悲劇を知る珀空亜は、未来を変えるために動き始める。

まずは寺の悲劇を防ぎ、鬼の襲撃を事前に悲鳴嶼行冥へ伝えることで、寺の子供たちを全員救済。幼い頃から抱えていた誤解を解き、悲鳴嶼から実の息子のように信頼されるまでになる。

その後、育手・桑島慈悟郎のもとで雷の呼吸を修得。兄弟弟子となった我妻善逸には厳しくも誰より親身に接し、いつしか「怖くて最強で、世界一かっこいい自慢の兄貴」と慕われるようになる。

やがて獪岳は、雷の呼吸を極めて鬼殺隊の「鳴柱」へと昇り詰める。

だが、彼が救わなければならない悲劇はまだ残っていた。

復讐の炎を胸に秘め、笑顔の仮面を被り続ける少女――胡蝶しのぶ。

姉・カナエの死をきっかけに、自らの命すら復讐の道具にしようとする彼女を、獪岳は決して見捨てない。

「お前が死んだら、俺が泣く」

その言葉は、しのぶの閉ざされた心に届いていく。

これは、悪役になるはずだった少年が、仲間たちとの絆を力に変え、雷鳴と共に運命を斬り拓いていく物語。

そして――愛する少女と、大切な仲間たちを誰一人死なせないための、獪岳の「救済」の物語である。

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