カヤバンダ帝国に激震走る、王ハニャーン汗は「ひやぁぁぁぁぁーー」と声を上げ飛び上がった、前王イヤーン汗の後を襲って即位して以来サカ国、殺伐部族、ホゲホゲウルス、淫国、さらには遥か西方のヴォルフラート国、スキャルドヘイム国、ハリバット国までを相手に全方位DOGEZA外交を繰り広げ、地面に
帝国の弱みは何といっても金属の無いことであった、無駄に広い領土は1抱えの鉄も産しなかった、銅も産しなかった錫も産しなかった、あるのは鉛と農地と山ばかりである、人だけは多かった、それが帝国のただ一つと言っていい輸出品でもあった
遠く昔、カヤバンダ盆地に住むカヤバンダ族が彼の地より無限に産する黒曜石を恃みとしてホヤンデ山脈ぜんたいの統一戦争に打って出たのは第2代の汗、フニャッピー汗の代である、たちまちのうちに他の諸部族を打ち負かしホヤンデのみならずポッポピー山脈までを掌中におさめ、意気軒昂の極みにあったフニャッピー汗は北方平原へ進出する、しかし、北方諸国の民は金属器を持っていたのである!
カヤバンダ族はボッコボコのケッチョンケッチョンに打ちのめされフニャッピー汗は生首になって帰還、勢いを駆って攻め込んできた北方諸国に対して、カヤバンダ族は総力を上げてDOGEZA、あやまってあやまってあやまりたおし、眉目秀麗な男女数千人を北方人に献上し、ついにこれを撃退せしめたのである
爾来、歴代のカヤバンダ汗はDOGEZA、DOGEZA、DOGEZAを繰り返しその命脈を保ってきた、もちろん彼らは其の地位に甘んじようとしていたのではない、ありとあらゆる方法で金属を求めカヤバンダを強盛大国に押し上げようと試みた、第6代の汗、ピニャータ汗は金属を求め帝国の南方、豪雷雨ふきすさぶポヨロ海に乗り出しドザエモンになって返ってきた
第7代の汗、ピヨピヨ汗は方士の言に従ってマイナダ山に登り、18余日に渡って雨乞いならぬ鉄乞いの儀式を行ったが、天から降ってきたのは巨大な雹であって、ぺしゃんこになって死んだ、第8代の汗、ホニャラヘ汗は先代に比べると知性を感じられる方法に頼った、すなわち北方から遥か西方までの諸国を廻り鉄を乞うてまわったのである、しかし、なかなかうまくいかぬ
各国とも交易も貿易も盛大に行ってはいたが、カヤバンダ帝国に鉄を輸出する事については固く禁じた、膨大な人口を抱えるカヤバンダ帝国は潜在的な強国であって
「お願いですからぁ、鉄を下さあい、私の娘をやりますから鉄を下さあい」、ホニャラヘ汗は方々でDOGEZAして周るもハリバット国にて門前払いをくらうと憤激のあまり、トンネー山の火口に身を投げて死んだ
常に脅かされてきた帝国の国境が安定を見たのはイヤーン汗の代である、眉目秀麗な若い男子数千を送りつけた事が幸いして淫国との同盟締結が成ったのだ、鉄を得るにはいたらなかったが、これによって帝国の向後は安泰に思われた、その矢先の凶報である
北方東のホゲホゲウルスが兵を挙げ南下しはじめたというのだ